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月別アーカイブ: 5月 2012

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120531/k10015516321000.htmlより、
“臨時的稼働 やむを得ない”
5月31日 19時23分

関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、滋賀県の嘉田知事は、これまでの慎重姿勢はあくまで崩さないとしながらも、「臨時的再稼働はやむを得ないという気持ちに近い」と述べました。
嘉田知事は31日、滋賀県庁で記者団の取材に対し、関西電力の大飯原発の運転再開について「慎重姿勢は崩していない。ただ、経済界などからの電力不足に対する悲痛な声もある。臨時的再稼働はやむをえないという気持ちに近い」と述べ、この夏の節電要請の期間に限定した運転再開についてはやむをえないという考えを初めて示しました。
また、30日夜、野田総理大臣が立地自治体である福井県などの判断を得て、みずからの責任で決める考えを示したことについては、「これまで知事や広域連合が運転再開の意志決定を握っているかのようなイメージを世間に与えていたが、責任は本来国が持つべきものだ」と述べました。
さらに、NHKの世論調査で、高島市を含む大飯原発の周辺自治体の住民が原発に対する不安を引き続き抱えているという結果が出たことについては、「県民の声を受け止めて今の状況を改善したい。そのためにきのうの会議で、規制庁の中に自治体が関わる仕組みを作ってほしいと訴えた。原発の監視体制については、限定的なものではなくて恒久的なものを求めていく」と述べ、監視体制に力を入れるよう声を上げていく考えを示しました。

京都府知事“自分自身が不安”
NHKが行った大飯原発の運転再開に関する世論調査の結果について、京都府の山田知事は31日の記者会見で「不安を感じるのはそうだと思う。不安を感じる人が少ないほうがびっくりする。自分自身も不安を感じており、京都府としても一生懸命、安心安全の問題に取り組んでいる」と述べ、住民の不安を和らげるために安全対策に取り組んでいるとの姿勢を強調しました。
そのうえで、「現時点での大飯原発の安全対策は暫定的なものであり、私どもも政府に対して覚悟を決めてもらいたい」と政府の今後の判断を注意深く見守る考えを改めて示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120531/k10015510251000.htmlより、
志位氏 “原発の運転再開は無謀”
5月31日 15時44分

共産党の志位委員長は記者会見で、関西電力大飯原子力発電所の運転再開に向けた政府の対応について「原発事故の原因究明がされておらず、運転を再開するのは無謀極まりなく、道理のかけらもない」と述べ、批判しました。
関西電力大飯原子力発電所を巡って、政府は、福井県など立地自治体の同意が得られれば、来週にも関係閣僚による会合を開き、運転再開を正式に決定する方針です。これについて、共産党の志位委員長は記者会見で「原発の運転再開の是非は、科学的に安全かどうかが、唯一、最大の基準だ」と述べました。
そのうえで、志位委員長は「福島第一原発事故の原因究明がされておらず、原発に対するまともな規制機関も存在していない。また、東日本大震災を受けて、地震と津波に対する学問的・科学的な知見の見直しが迫られているのに、原発の運転を再開するのは無謀極まりなく、道理のかけらもない。『原発ゼロの日本』に向けた政治決断をすべきだ」と述べ、政府の対応を批判しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120531/k10015505741000.htmlより、
橋下市長 大飯原発再稼働“事実上容認”
5月31日 12時11分

福井県にある関西電力大飯原子力発電所の運転再開について、大阪市の橋下市長は31日、記者団に対し「事実上容認する」と述べ、この夏を乗り切るために大飯原発の運転再開を容認する考えを初めて示しました。
関西電力大飯原発の運転再開を巡っては、30日に関西広域連合が「運転再開は限定的なものとして適切に判断するよう政府に強く求める」という声明をまとめ、野田総理大臣は、立地自治体である福井県などの判断を得て、みずからの責任で決める考えを示しました。これについて橋下市長は31日、記者団に対し「事実上容認する。夏をどうしても乗り切る必要があるなら、大飯原発の3号機と4号機については暫定的な安全基準に基づく暫定的な安全判断に過ぎないが、容認する。国民には、暫定的な基準に基づくものだときちんと示したうえで、理解していただくしかない」と述べ、運転再開を容認する考えを初めて示しました。さらに橋下市長は、運転再開は、あくまでもこの夏を乗り切るためのものだとしたうえで、「期間限定の再開だということは今後も政府に言い続けていく。もし夏が過ぎても原子力規制庁での新しい安全基準が見えないなかで、大飯原発をそのまま動かしていれば『それは違う』ということを政府に言っていく」と述べました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012053102000090.htmlより、
安全軽視 無責任歩み寄り 政府・自治体
東京新聞 2012年5月31日 朝刊

 関西電力の大飯原発の再稼働問題は三十日、大きく動いた。これまで慎重姿勢だった関西広域連合などの地元自治体が軒並み柔軟姿勢を表明。呼応するように政府は野田佳彦首相と関係三閣僚との会合を開いた。再稼働を目指しながら決断を避けてきた政府。再稼働に同意して批判を受けるのも、反対して電力不足の責任を押しつけられるのも嫌う地元自治体。これまで距離があるように見えた両者が「猛暑前の再稼働」というタイムリミットを前に、出来レースだったかのように歩み寄った。(城島建治)
 政府と福井県は昨年来、再稼働に向けて足並みをそろえてきた。政府関係者によると福井県側は、条件が整えば再稼働に同意する意向を政府に伝えていたという。これを受け政府は、四月中には再稼働を最終決定する構想だった。
 だが、歯車が狂う。脱原発の世論が高まる中、責任を背負わされるような形となった西川一誠知事が態度を硬化させたのだ。福井県としては「政府で決めてほしい」のが本音。西川知事は今月二十四日の会見で「政府の対応は遅すぎる。政府が確たる姿勢を示すことで問題は解決できる」と不満をあらわにした。
 政府側は「福井の同意なく再稼働すれば、政権に致命傷になる」(政府関係者)と判断。どちらが一義的な責任を取るかにらみ合いが続いていた。
   ×
 一方、大阪市の橋下徹市長をはじめとする関西広域連合の首長らは、再稼働に慎重な発言を続けた。細野豪志原発事故担当相が初めて広域連合の首長らに再稼働に向けて理解を求めた十九日には、慎重論や政府への批判が吹き荒れた。だが、三十日の二度目の会合は明らかに違った。連合長の井戸敏三兵庫県知事は会合後、記者団に「政府が出した判断は受け止める」と表明した。
 最大の理由は、七月二日から関電管内で始まる二〇一〇年夏比15%程度の節電要請期間が迫っているからだ。政府や関電が説明する通り「フル稼働には六週間かかる」なら今週中に決めなければ遅い。首長たちは計画停電などの事態になり市民生活に影響を出し、批判を受けたくない。これまで慎重論は唱えてきたが、再稼働せずに夏を迎えるのは避けたいという思いがのぞく。「猛暑前ありき」だ。
    ×
 首相は三十日夜の四者会合で「最終的に首相の責任で判断する」と、いつもよりクリアに「責任」を口にした。だが、首長の歩み寄りを受けてからの発言では、首相としての「責任」を果たしているとは言えない。
 政府と自治体。住民の安全を守るはずの存在が、ともに無責任体質をさらけだすような形で、再稼働が既成事実化しようとしている。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531ddn003040051000c.htmlより、
クローズアップ2012:福井・大飯原発、再稼働へ 「関西の理解」玉虫色
毎日新聞 2012年05月31日 大阪朝刊

 関西広域連合が関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働におおむね理解を示し、政府が再稼働の最終決定方針を決めた30日。“再稼働派”にとって最大のネックだった「関西の理解」がクリアされ、福井県での手続きが加速する可能性が出てきた。関西の「軟化」の背景には何があったのか。

 ◇橋下市長ら軟化
 「判断を変えたつもりはありません」
 広域連合長の井戸敏三・兵庫県知事は記者団に、期間限定の再稼働に否定的だったこととの整合性を問われ、語気を強めた。声明に盛り込まれた「限定的」を巡り、とりまとめは難航した。
 松井一郎・大阪府知事とともに「夏だけの期間限定」が持論の橋下徹・大阪市長は、「合意がとれているわけではない。意味合いはそれぞれ違う」と明かした。大飯原発をいったん再稼働させ、原子力規制庁発足後に改めて稼働の是非を判断する手続きだと解釈する知事もいるという。
 それでも声明をまとめた背景には、「政府は再稼働するという覚悟だった」(松井知事)という切迫感があった。関係者によると、井戸知事が2、3日前に声明公表を提案。案文を作成し、この日の広域連合の会合前後に断続的に協議した。細野豪志・原発事故担当相による説明など政府の姿勢に肯定的な表現も案文にはあったが、反対の声が上がって大幅に削除されたという。ぎりぎりで玉虫色の声明がまとまった。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531ddn003040051000c2.htmlより、
 それだけに急転直下の印象は否めず、知事や市長からは釈明ともとれる発言もあった。
 橋下市長は、新たな原子力規制組織ができる前に安全性を判断しようとする政府を、「国家の危機」などと厳しく批判してきた。しかし、30日の記者団への説明では一転、「安全に完璧はない」「夏を乗り切れればいい」とかじを切った。「どこまでの安全性を求めるか。際限ないものになっては世の中成り立たない」とも述べた。
 関電の株主総会で「可及的速やかな全原発の廃止」を株主提案することとの整合性を記者から問われ、「原発をなくしていく国の方針と大飯再稼働は別問題」と釈明。政府が期間限定で原発を再稼働した場合の対応をただされると、「基本的には認めない」「容認するも何も権限ないんですもん」などと答えは揺れた。
 京都府の山田啓二知事は「再稼働するにせよ、しないにせよ、限定的なものだということを考えてほしい」。滋賀県の嘉田由紀子知事は「慎重姿勢は変わらない」と強調、山田知事と共同提案した原発政策に関する7提言を主張し続ける考えを示した。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531ddn003040051000c3.htmlより、
 一方、広域連合で「手荒なことをやらないと15%の節電はできない。産業界にしわ寄せが行く」と、再稼働やむなしの考えをにじませた和歌山県の仁坂吉伸知事は、「細野氏の説明は筋が通っていた。政府は関西広域連合を大事に思ってくれているので、声明という形で答えた」と満足げだった。【小松原弘人、田中将隆、原田啓之、林由紀子】

 ◇地元手続き加速も
 福井県では現在、原子力の専門家らによる県原子力安全専門委員会が3、4号機の安全性を検証している。検証作業は先月14日に枝野幸男経済産業相が西川一誠知事らに再稼働への理解を求めた2日後に始まり、5月上旬時点では、月内にも政府の安全性確認を追認する報告書がまとまる見通しだった。しかし、最近では、委員会自体が開かれていない。
 このような足踏み状態を指して、関係者の1人は「結論を避けるために時間稼ぎをしているようだ」と県の委員会運営を皮肉る。県は政府に対し、関西圏の理解を得る努力や、原子力の位置付けについての明確な意思表示などを求めており、政府の対応が不十分なまま政府判断を追認する報告書を出すと、それ以上の対応を引き出せない可能性があったためとみられる。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531ddn003040051000c4.htmlより、
 西川知事は福島第1原発事故後、原発再稼働に関し「事故の知見を反映した暫定的な安全基準を示すことが大前提」と繰り返し、今年2月以降は「原子力発電の意義と再稼働の必要性について責任ある見解を国民に明らかにし、理解を得る努力」を国に求めてきた。
 政府が4月に新たな安全基準を示し、枝野経産相から再稼働への理解を求められた際、「電力消費地(関西)の理解に責任を持って対応してもらう必要がある」と求めた。しかし、理解は進まず、知事は今月、副内閣相と副経産相が相次いで福井県を訪れた際、「首相が指揮してほしい」と繰り返し強調。24日の記者会見では、野田佳彦首相が明確なメッセージを示さないことに不快感を示し、「電気が必要でないなら消費地のために動かす必要はない」と述べた。
 今回、関西広域連合が再稼働を「容認」した。これを受けて西川知事は30日のコメントで「首相が国民に向かって明確な責任ある見解を述べることが重要」などと述べていた。政府の対応を西川知事が評価すれば、県内での手続きが急速に進む可能性がある。【佐藤慶、畠山哲郎】

 ◇関西企業、安堵の声
 大飯原発3、4号機が再稼働に向けて動き出したことに、電力消費地の関西企業からは安堵(あんど)の声が聞かれた。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531ddn003040051000c5.htmlより、
 大手食品メーカー幹部は「ありがたい話だ」と胸をなで下ろした。15%以上の節電要請を達成するため、自家発電の稼働や昼の生産を夜に回すなどの計画を立てていたが、「一番の懸念材料は計画停電だった」と明かす。「受注や配送の手配は全てオンラインで電子化されている。停電すれば全てストップだ。停電回避なら一安心だ」
 肌着大手のグンゼは、一部の工場で土曜出勤して月曜日に休むなどの勤務シフトを検討していた。担当者は「少しでも節電幅が緩和されるのは助かる」と話した。
 財界幹部は「再稼働すれば節電幅が抑えられるので少しはほっとしている」と明るい表情を見せた。ただ、今後の見通しに「暫定的」の言葉がついて回ることに関し「今冬や来年以降をどうするかの根本的な解決ではない。国はエネルギー政策をどうするのか、きちんとした方針を早く示すべきだ」と注文していた。
 経済団体も歓迎のコメントを出した。関西経済連合会の森詳介会長(関西電力会長)は「大飯をはじめ安全が確認された原発の一刻も早い再稼働を強く求める」とコメント。大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭はコメントで「政府は責任を持って地元の同意を得、一刻も早く再稼働へのゴーサインを出してもらいたい」と促した。【新宮達、鈴木一也、南敦子】

 ■原発再稼働に関する声明(全文)
http://mainichi.jp/opinion/news/20120531ddn003040051000c6.htmlより、
 関西地域は、40年以上にわたって、若狭湾に立地する原子力発電所から安定的な電力を受け続け、産業の振興と住民生活の向上が図られてきた。また、その安全確保のため、立地県である福井県が独自に特別な安全管理組織と専門委員会を設置し、常時厳しい監視体制がとられてきた。関西の現在の発展は、こうした取組がなければありえなかったといっても過言ではない。
 そのようななか、関西電力大飯原子力発電所第3号機・第4号機が定期検査を終え、再稼働の時期を迎えているが、関西広域連合は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、安全性が確認できなければ再稼働すべきではないとの立場から、政府に対し三度にわたる申し入れを行い、これに基づいて、5月19日と本日の広域連合委員会において説明を受けた。
 「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」は、原子力規制庁等の規制機関が発足していない中での暫定的な判断基準であることから、政府の安全判断についても暫定的なものである。従って、大飯原発の再稼働については、政府の暫定的な安全判断であることを前提に、限定的なものとして適切な判断をされるよう強く求める。

 平成24年5月30日

 関西広域連合
連合長  井戸敏三(兵庫県知事)
副連合長 仁坂吉伸(和歌山県知事)
委員   嘉田由紀子(滋賀県知事)
     山田啓二(京都府知事)
     松井一郎(大阪府知事)
http://mainichi.jp/opinion/news/20120531ddn003040051000c7.htmlより、
     平井伸治(鳥取県知事)
     飯泉嘉門(徳島県知事)
     橋下徹(大阪市長)
     竹山修身(堺市長)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120530/k10015494361000.htmlより、
大飯原発再開 地元の判断得て決定
5月30日 21時35分

関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、野田総理大臣は、30日夜、関係閣僚との会合を開き、関西広域連合から一定の理解が得られつつあるという認識を示したうえで、立地自治体である福井県などの判断を得て、みずからの責任で決める考えを示しました。
政府は、30日夜、総理大臣官邸で、野田総理大臣と藤村官房長官、枝野経済産業大臣、細野原発事故担当大臣らによる、大飯原発の運転再開を巡る閣僚会合を開きました。
この中で、野田総理大臣は、関西広域連合が30日まとめた声明について、「関係自治体の一定の理解が得られつつあると認識をしている」と述べました。そのうえで、野田総理大臣は「日本の経済社会全体の安定と発展のため、原発は引き続き重要で、安全が確保された原発は再起動させる必要がある。これまで40年間にわたって原発の安全確保に直接向き合い、電力の安定供給に貢献をしてきた福井県、おおい町に最大の敬意を表し、理解を求めていきたい。立地自治体の判断が得られれば、最終的には総理大臣である私の責任で判断を行いたい」と述べ、福井県とおおい町の判断を得て、みずからの責任で運転再開を決める考えを示しました。
大飯原発を巡って、政府は、先月、安全性を確認したうえで、電力需給などの観点から運転再開が必要だと判断し、福井県やおおい町と調整を進めてきました。しかし、福井県の西川知事とおおい町の時岡町長は、国がまずは確たる姿勢を示すべきだとして、野田総理大臣のリーダーシップの発揮を求めていました。
大飯原発3号機と4号機は、起動の準備から本格的に稼働するまでには1基当たり3週間程度かかることから、政府は、電力需給がピークを迎える夏までに運転再開に、こぎ着けたいとしています。政府は、福井県などの判断が得られれば、改めて関係閣僚による会合を開き、運転再開を正式に決定する方針です。
関西電力大飯原子力発電所を巡る4大臣会合のあと、枝野経済産業大臣は記者団に対し、「どういう結論であれ、政府が責任を持って判断することだ。地元の福井県とおおい町の皆さんの理解が得られるよう、全力で努力する」と述べました。

おおい町長は一定の評価
福井県おおい町の時岡忍町長は「総理大臣の発言は先日、NHKの番組で発言した内容と変わらないという印象だ」としたうえで、「関西への理解促進については、われわれが求めてきたことを、政府として最大限努力していただいていると感じている」と述べ、関西広域連合への対応や4大臣会合での野田総理大臣の発言に一定の評価をしました。

http://www.nnn.co.jp/rondan/tisin/index.htmlより、
温故知新 -ビル・トッテン-
生き方変える覚悟で夏を
日本海新聞 2012/05/31の紙面より

 大統領選挙のシーズンに入ったアメリカでは、オバマの支持率に関する世論調査結果が毎日のようにニュースをにぎわしている。本来メディアが報じるべきこと、そして国民が知りたいことは、候補者や政党の政策だと思うが、アメリカではもはや選挙は企業からどれくらい選挙資金を集められたかで決まり、オバマや共和党候補のロムニー氏の政策を報道するのはもはや無意味なことなのかもしれない。

 まして政権を取れば公約など関係ない。消費税を増税しないというマニフェストを簡単に破棄する日本の総理大臣と同じである。オバマは2008年の大統領選の時から気候変動対策を医療保険改革とともに重要な政策課題として挙げていたが、国民の危機感や関心が低いことや、人間の行動が地球温暖化の原因になっているという説に懐疑的な人々によって徐々にトーンダウンしていった。
 
米で温暖化防止策
 しかし今、再びオバマが温暖化防止の政策を表明し始めている。理由の一つには、ここにきて気候変動を認識し、温室ガスの排出削減を積極的に推進するべきだと考えるアメリカ国民が急増したためだ。どこの国よりもエネルギーを浪費するアメリカでこれは目新しい動きである。

 気候変動懐疑派は、自然界で起きることの原因は分かっていないのに温室ガスや二酸化炭素排出を削減して経済を停滞させることはよくない、というのが主な反対理由だ。しかし近年の自然災害を見れば、確かな証拠があろうとなかろうと、とくに先進国の人間は生き方を改めるときにきていると思うのはむしろ当然であろう。

 昨年夏、アメリカを襲ったハリケーンはいくつもの河川を氾濫させ、アメリカ東部に数十億ドルもの被害をもたらした。オレゴンでの大雨、ニューメキシコでの森林火災、テキサスで9週間も続く干ばつなど、過去の大災害の記録をいくつも更新し、アメリカ人の多くが実際に気候変動の影響を受けている。

深刻な自然災害
 自然災害はアジアにおいてさらに深刻で、昨年7月から3カ月以上続いたタイの大洪水だけでなく、中国、韓国も洪水や豪雨の被害を受け、一方モンゴルではひどい干ばつが起きた。太平洋のマーシャル諸島では海水温度の上昇でサンゴ礁は絶滅の危機にある。竜巻や突風、豪雨など日本を襲う自然災害も後を絶たない。

 長い間、人々はたばこと疾患を結び付けることはなかったが、多くの人の命が犠牲になったあとでようやくたばこの危険性が言われるようになった。近代の石油文明も、もはや保険業界や一部の科学者だけでなく、一般国民が無視できないほどの傷痕を残したあと、ようやくそれを見直す時期にきたのかもしれない。

 先日は、首都圏をはじめ太平洋側で金環日食を観測した人も多いと思うが、太陽と月と地球が絶妙な距離で並ばなければ金環状態にはならない、まさに自然のなせる素晴らしい天体ショーであった。人間が生存することができるのも地球が太陽や月と適切な距離を保っているからであり、またこの地球以外に人類が暮らしていける場所はない。この地球を破壊せず子供や孫たちに残すこと、それがわれわれ大人の務めなのだ。
(アシスト代表取締役)

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2012年5月31日(木)付
野田首相へ―自民との協調が優先だ

 野田首相が民主党の小沢一郎元代表と約1時間半会談し、消費増税への協力を要請した。
 だが、小沢氏は「大増税の前にやるべきことがある」と、今国会での法案成立に反対する姿勢を明確にした。
 平行線だった会談結果をみるにつけても、首相には「一党員との会談」より優先すべきことがあるのは明らかだ。
 政権交代から2年9カ月。「動かない、決められない」惨状が続く政治を前に動かす。
 そのために、譲るべきは譲って、野党、とりわけ最大野党の自民党に、法案の修正合意を真摯(しんし)に働きかけることだ。
 「社会保障は世代間の公平を確保しなければならない。財政も厳しい。(消費増税は)待ったなし。ぜひご協力を」。会談で、首相が小沢氏に説いた危機意識は私たちも共有する。
 社会保障と税の一体改革という、国の将来像に直結するテーマである。「挙党一致」「党内融和」が可能なら、それに越したことはないと私たちも思う。
 これに対し、小沢氏は政権交代が実現した09年総選挙のマニフェストの柱を並べて反論した。「統治の仕組みを大改革し、ムダを徹底的に省いた財源を、新しい政策の財源にする。その約束が緒についていない」
 確かに、民主党のマニフェストは破綻(はたん)状態にある。
 だが、マニフェストが実行できていないからといって、増税にも、社会保障の改革にも手をつけてはならないといわんばかりの主張は暴論にすぎる。
 民主党政権がなぜ、政治を動かせないのか。一歩ずつでも、できることを積み上げていく。そんな着実な政治の営みが欠けていたのではなかったか。
 これまでの国会審議で印象深かったのは、10%への消費増税だけでなく、厚生・共済年金の一元化、年金の受給資格期間の短縮など、2大政党の主張に差のない政策が多いことだ。
 民主党では、法案を採決すれば小沢氏が党を割りかねない、と継続審議や会期の大幅延長による採決先送り論も出ている。だが、それでは「決められない政治」が続くだけだ。
 会期末まであと3週間。審議を尽くし、与野党で一定の合意ができた法案は粛々と採決して成立させる必要がある。
 合意できない政策は、有識者をまじえた「国民会議」で話し合う。そんな自民党の提案を首相は受け入れるべきだ。
 そうして政治を進めた結果、小沢氏が民主党とたもとを分かつというなら仕方がない。首相はもはや腹をくくるときだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120531/plc12053103130006-n1.htmより、
産経新聞【主張】野田首相 公約撤回なぜ打ち出さぬ
2012.5.31 03:13 (1/2ページ)

 消費税増税をめぐる野田佳彦首相と小沢一郎元民主党代表との会談は、首相からの関連法案成立への協力要請を小沢氏が「大増税の前にやることがある」と拒み、物別れに終わった。
 大方の予想通りの展開だ。首相は「かなり率直な天下国家の議論ができた」などと意義も強調したが、危機感が足りないというしかない。
 よりよい社会保障と税の一体改革を実現するには、首相は自民党との法案修正協議の進展に全力を挙げるほかない。前提となるのは、民主党マニフェスト(政権公約)の抜本的な見直しだ。
 その点、会談で首相の姿勢は曖昧だった。政策転換を明確に打ち出して協議への道を切り開くしかないのに、「乾坤一擲(けんこんいってき)」の必死さはうかがえなかった。
 小沢氏は消費税増税に反対する理由として、行政改革や地方分権、社会保障制度改革への取り組みが不十分だと指摘した。デフレ脱却なども挙げたが、根本にはマニフェストが一向に実現しないことへの不満があるのだろう。
 だが、行政の仕組みを変えて無駄をなくし16・8兆円の財源を生み出すとの主張は、小沢氏が幹事長を務めた鳩山由紀夫政権の時点で破綻した。その後も、ばらまき政策を全面的に見直さなかったことが大混乱につながっている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120531/plc12053103130006-n2.htmより、
2012.5.31 03:13 (2/2ページ)

 小沢氏は年金制度改革や後期高齢者医療を挙げて「われわれのビジョンは忘れ去られようとしている」とも指摘した。最低保障年金の導入や後期高齢者医療の廃止を貫くべきだとの意味だろうが、莫大(ばくだい)な費用を要し、社会保障費の無原則な増大につながる。
 首相はマニフェストについて「これまで以上に取り組みを進める」と答えたが、これで与野党協議の環境が整うのか。小沢氏と折り合うなら、与野党協議は望めない。首相が再会談を明言しなかったのは当然だ。
 小沢氏は「消費税率引き上げ自体には反対でない」と語った。平成5年の著書「日本改造計画」で消費税10%を打ち出し、翌年に当時の細川護煕首相と7%の国民福祉税構想を進めた経緯もある。
 首相は小沢氏が現時点の増税に反対している点を「時間軸の違い」と述べた。最も重要な政策で大きな食い違いを与党内に残したままで、法案を成立させることなどできるのだろうか。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012053102000098.htmlより、
東京新聞【社説】野田・小沢会談 増税の免罪符にするな
2012年5月31日

 野田佳彦首相と小沢一郎民主党元代表との会談は、消費税増税をめぐり平行線に終わった。首相はこれを機に、増税に向かって突き進むつもりなのか。会談を増税の免罪符にされたら、かなわない。
 輿石東幹事長を交えた会談は約一時間半に及んだ。野田、小沢両氏がこれほどじっくり相対するのは、まれな機会ではないか。
 首相は、今の国会(延長がなければ会期は六月二十一日まで)での成立に「政治生命を懸ける」と言明した消費税増税について「財政状況や少子高齢化の問題を考えれば、待ったなしだ」と協力を要請した。
 これに対し、小沢氏は「国民に大きな税負担を求める前に政権としてやるべきことがある。消費税増税に今、賛成とはいかない」と行政・社会保障改革、デフレ対策を先行させるべきだと反論した。
 予想された展開だった。財政状況に対する危機感はわれわれも首相と共有するが、小沢氏の発言を正論と考えるのが妥当だろう。
 二〇〇九年衆院選で国民が民主党に政権を託したのは、中央集権から地域主権、官僚主導から政治主導へと行政の仕組みを変え、行政の無駄を徹底的になくして財源を捻出するというマニフェストを信頼したからにほかならない。
 にもかかわらず、行政改革は中途半端に終わり、マニフェストに一行もない消費税増税を民主党政権の手で強行したのでは、国民をだましたとの批判は免れない。
 首相は今後の対応について、記者団に「今回の会談を反すうしながら考えていきたい」と語った。
 小沢氏の指摘を受け、首相が消費税増税を一時棚上げし、行政の無駄排除に本気で取り組んだり、社会保障制度の抜本改革に乗り出すのなら、会談にも意義がある。
 しかし、協力を求めたが平行線に終わったことを免罪符に、消費税増税に向けた動きを加速させるのなら納得いかない。会談は単なるアリバイづくりでしかない。
 同じく消費税10%への増税を掲げてきた自民党の谷垣禎一総裁は首相に対し、小沢氏を切り捨てるのなら、増税法案に賛成する意向を重ねて示している。
 百人を超えるとみられる小沢氏支持グループが反対しても、自民党などの賛成で増税法案は成立するという誘い水だ。
 小沢氏を切って増税のために自民党と組むのか。政権交代の大義に従うのか。首相には大きな岐路だろうが、国民の負託の意味を熟考した決断をすべきである。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531k0000m070102000c.htmlより、
社説:元代表と平行線 首相、早く見切りを
毎日新聞 2012年05月31日 02時31分

 もはや時間稼ぎなど許されない。消費増税法案をめぐり野田佳彦首相と民主党の小沢一郎元代表が会談した。首相の増税法案への協力要請を元代表は拒み、物別れに終わった。
 元代表は首相から再会談の要請があれば応じる考えを示したが、接点を見いだすことは難しい。首相は再会談について「もう一回反すうしながら考えたい」と述べ、歯切れが悪かった。成算なき党内融和に見切りをつけ、自民党との協議に専念すべき時だ。
 「乾坤一擲(けんこんいってき)、一期一会のつもりで説明したい」。首相はこんな大見えをきって、元代表との会談にのぞんだ。その言葉は重いはずだ。
 増税法案は民主党で長時間議論した末に了承された。にもかかわらず決定後も公然と反対論が出ることを首相は事実上、黙認してきた。党内融和重視の輿石東幹事長の路線を尊重したためだろう。
 役職を持たぬ元代表との会談をわざわざ輿石氏が仲介し大仰に行うこと自体、おかしな話だ。それでも元代表は党内で多くの議員に影響力を持ち、その動向は終盤国会を左右し得るのが現実だ。首相が会談に動いたことをいちがいに否定はしない。
 だが、行革の徹底や経済情勢など「そもそも論」を展開し「今は賛成できない」と説く元代表と、増税を「待ったなし」とする首相の隔たりはやはり明白だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531k0000m070102000c2.htmlより、
 首相が融和にこだわるほど、今国会成立に政治生命を懸けるとの覚悟が本物か、野党は疑念を募らせる。法案の先送りを内心で望む多くの民主党議員は不毛な駆け引きが長引き、時間切れになることを期待しているはずだ。首相が尻込みしていてはそれこそ「乾坤一擲」が泣く。
 一方で、元代表も言動に責任を負うべきだ。確かに現内閣の政策は09年衆院選の民主党マニフェストから乖離(かいり)しており、首相はそれを国民に率直にわびる必要がある。
 だが、増税が党の方針となり、政権の最大課題である以上、従わないのであれば党を離れる覚悟を持つべきだ。首相が衆院解散に踏み切れないと高をくくっての内部抗争であれば、昨年6月の菅内閣不信任騒動とほぼ同じ構図である。
 社会保障について自民は有識者会議で具体策を協議する対案の骨子をまとめた。最低保障年金の扱いに苦慮する民主への助け舟ともいえるが、首相が協議に捨て身でのぞむ姿勢を示さなくては、足元をみられよう。
 首相は昨年の代表選で「ノーサイド」と語り、内紛の終結を説いた。しかし、今や「キックオフ」も辞さぬ覚悟が必要だ。衆院で法案採決をするかどうかの局面が迫る中、無為に時間を費やすことは愚策である。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012053102000097.htmlより、
東京新聞【社説】名張事件・抗告 試されるのは最高裁だ
2012年5月31日

 八十六歳の死刑囚が再び、最高裁に判断を仰いだ。半世紀も前の名張毒ぶどう酒事件。再検証は容易でない。最高裁は「疑わしきは被告人の利益に」の原則に則(のっと)り、自ら速やかに判示すべきだ。
 「裁判所には罪を犯した者は逃してはならないというような気持ちが根底に強くあるのではないだろうか」。最高裁の元判事が自身の著作で、そう書いている。
 最高裁に身を置いた人ですら、日本の司法は無実の人を罰してしまうことへの恐れよりも、国の治安の安定を優先していると感じたのだろう。
 日本の裁判は有罪率が99%を超える。まして確定判決を見直し、裁判をやり直す再審の扉は重い。三審制が四審、五審となってしまうからだ。
 最高裁も古くは「無罪とすべき明らかな新証拠がない限り再審は認めない」という態度だった。だが「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則は再審でも適用されるという「白鳥決定」を出した。
 新証拠を出すのは前提だが、他の証拠と総合的に評価して、確定判決の事実認定に合理的な疑いを生じさせれば足りるとした。
 先週、奥西勝死刑囚の再審を認めなかった名古屋高裁の決定は、再審可否の審理とはいえ、毒物の科学鑑定に終始し、この肝心な刑事裁判の基本をおろそかにしたきらいなしとはいえなかった。
 事件は半世紀も前のことだ。証人や捜査関係者には亡くなった人も多く、検証不能の事柄は多々ある。当初の裁判をみても、一審と二審の判決はほぼ同じ証拠を見て無罪と死刑に分かれた。
 冤罪(えんざい)とは国家の罪である。裁判所が誤判をすれば、司法の信用は失墜し、何より被告の人格人生を粉々に打ち砕いてしまう。
 英国の有名な法格言は「十人の真犯人を逃がしても、一人の無辜(むこ)の人間を罰してはならない」と述べる。神ならぬ身の人間が冤罪を生まないために学んだ経験的な知恵である。
 それとは逆の考えが日本の司法には、なお根強いのだろうか。下級審が「上」に異を唱えにくい雰囲気でもあるのか。最高裁は今度こそ自判すべきである。
 高齢の死刑囚は拘置所の外の病院で病に苦しんでいる。もし獄中死のような結末を迎えるのなら、司法は、その役割を放棄したにも等しい。ましてや裁判員時代である。この死刑囚を裁く司法こそが今、試されているのだ。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2012年5月27日(日)付
名張事件―再審にどう向き合うか

 1961年に起きた「名張毒ブドウ酒事件」で、裁判をやり直すかどうかを審理していた名古屋高裁が、死刑囚側の請求を退ける決定をした。
 7年前にいったん再審開始の決定が出た。だが翌年に取り消され、さらに最高裁がその判断に疑問を呈し、改めて高裁で攻防が繰り広げられる。そんな異例の展開をたどった事件だ。
 どんなケースであれ、神ならぬ身で人を裁くのは難しい。同じ証拠を目にし、同じ証言を聞いても、人によってとらえ方が違うのは、裁判という営みがかかえる宿命といえる。
 それにしても、裁判所の判断がこうも揺れ動くのは尋常ではない。そもそも元の裁判も一審は無罪、二審で逆転有罪の死刑が言い渡され、最高裁で確定した経緯をもつ。
 審理のたびに、評価が右にいき、左に流れる。そんな証拠関係にもとづいて人を有罪に、それも死刑という究極の刑罰を科していいのか。私たちはそう疑問を投げかけてきた。その意味で、今回の決定にも釈然としない思いが残る。
 審理は科学論争に終始した。犯行に使われた毒物は、被告が自白したとおりの農薬だったのか。だとすれば、事件直後の鑑定で、本来検出される成分が検出されなかったのはなぜか。
 当時の状況に近づけた鑑定が新たに行われた。だが決め手を欠いたまま、高裁は独自の推論を交えながら、「問題の成分が検出されなくても矛盾はない」との結論を導き出した。
 そこに、「確定した判決を軽々にくつがえすわけにはいかない」という意識が働いてはいなかっただろうか。弁護側が反発するのも無理はない。
 もちろん裁判のやり直しがたびたびあるようでは、社会は混乱する。司法の信頼も傷つく。だがこの事件のように、多くの人の間にもやもやした気持ちを残したまま判決が維持されることもまた、不信を招く。そして後者の方が、より深刻なダメージを与えるのではないか。
 科学技術の進展にともない、DNA型鑑定をはじめとする遺留物の分析手法が深まり、取り調べを受ける人の心理メカニズムの解明も進んでいる。検察の手の内にとどまっていた証拠の開示も、進む方向にある。
 元の裁判での証拠評価の誤りや見落としをうたがわせる事例に直面したとき、裁判官は、そして社会は、どんなスタンスをとるべきか。
 あらためて、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則を胸に刻みたい。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012052602000131.htmlより、
東京新聞【社説】名張毒ぶどう酒事件 再審認めず “疑わしきは罰する”なのか
2012年5月26日

 名張毒ぶどう酒事件の再審を認めなかった決定には、深い疑問が残る。証拠を並べてなお分からないのなら、推定無罪の原則に従うべきではないか。
 奥西勝死刑囚を最初に裁いたのは津地裁だった。
 裁判員になって法廷にのぞんだつもりで証拠を見てみると、こんなふうになる。

◆裁判員の目で見れば
 ▽ぶどう酒の王冠に付いた歯形は、鑑定では誰のものかはっきり分からない。
 ▽その王冠自体、事件当時のものとは違うらしい。
 ▽農薬を混入する機会は、奥西死刑囚以外の人にもあった。
 ▽「自白」はある。動機は妻と愛人の三角関係を清算するためという(その後、全面否認)。
 ▽自白にあった、農薬を入れてきた竹筒は見つかっていない。
 証拠をこうしてずらりと並べてみると、裁判員はその中身の乏しさ、あいまいさに、もちろん気づくだろう。
 いくら、捜査段階の詳細な「自白」があろうとも、有罪にはできまい。
 合理性をもって、彼以外に真犯人はありえないとは言えない。ましてや、死刑事件でもある。一審の津地裁は、当然ながら無罪判決を下した。
 捜査が甘かったのである。当時は、まだ自白が「証拠の女王」などと呼ばれていた。自白は極めて重視されていた。
 だが、二審の名古屋高裁は一転、有罪とした。王冠について新たな鑑定をしたが決定的な知見はなく、一審とほぼ同じ証拠を見て、有罪とした。
 迷走の始まりである。
 死刑囚は判決の前の日、前祝いの赤飯を食べた。家庭で最後に口にした母親の手料理となった。
 死刑囚はひとりぼっちで再審の請求を繰り返した。途中からは弁護団もでき、七度目に名古屋高裁は再審の開始を認めた。
 毒物について、自供したニッカリンTではなかった疑いがあるとした。何と、凶器が違っていたかもしれない、ということだ。
 裁判を見直す大きなチャンスだった。しかし、扉はまた閉じられた。同じ高裁の別の部が、同じ証拠を見て検察の異議を認めた。

◆冤罪生む自白の偏重
 事件から四十六年もたって、裁判は最高裁にもちこまれた。だが自ら判断せず、農薬について「科学的な検討をしたとはいえない」と言って、高裁にさし戻した。
 そして、再審を開始しないという昨日の決定となる。「毒物はニッカリンTでなかったとまでは言えない」とし、検察の主張を支持した。
 死刑判決以降の裁判を振り返ると、検察側の物証を弁護側が何度崩そうとしても、裁判所は結局、有罪としてきた。頼りにしたのは、いつも「自白」である。
 だが、自白の偏重が数々の冤罪(えんざい)を生んできたのは、苦い歴史の教えるところだ。
 刑事裁判では、検察が有罪を証明できないかぎり、無罪となる。裁く立場からみれば、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則である。
 昨日の高裁の決定は、弁護側が出した証拠では検察の主張を崩せないという論法である。検察が主張していないことまで裁判官が推論し、有罪とする根拠を補強している。
 これでは、まるで「疑わしきは罰する」になってはいないか。
 最高裁は再審でも「疑わしきは被告人の利益に」の原則があてはまると言っている(白鳥決定)。それなのに、反対の考え方で再審の扉を閉ざしたように映る。
 裁判員裁判の時代である。取り調べの可視化や、全面的な証拠の開示の必要性が叫ばれている。それは、これまでの誤った裁判の反省から出ているものである。
 今回の決定は、そうした時代の要請に逆行している。毒ぶどう酒事件から半世紀余。「自白」の偏重は一体いつまで続くのか。今の基準で考え直せないか。
 弁護団は特別抗告する。最高裁は今度こそ自判すべきである。
 死刑囚は八十六歳。冤罪が強く疑われた帝銀事件の平沢貞通画伯のように、獄中死させることがあってはならない。

◆司法も裁かれている
 私たちメディアも反省すべきことがある。自白偏重の捜査取材に寄りかかった当時の犯罪報道だ。犯人視しない報道への努力は、不断に続けているが、奥西死刑囚を犯人視して報じたという事実は消せない。
 奥西死刑囚の獄中生活は、確定囚で二番目に長い。もしも死刑判決が冤罪であったのなら、それは国家の犯罪というほかはない。奥西死刑囚だけでなく、司法もまた裁かれていると考える。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120531/plc12053103130007-n1.htmより、
産経新聞【主張】原子力規制 原発潰しの道具にするな
2012.5.31 03:13 (1/2ページ)

 原子力発電の新しい規制組織を設置するための法案審議が国会で始まった。原発の安全性向上だけでなく、国のエネルギー安全保障を左右する組織である。国民は規制と活用の両面を冷静に見極めることが肝要だ。
 国会では2案が審議されている。政府による「原子力規制庁設置関連法案」と自民、公明両党の「原子力規制委員会設置法案」だ。
 両法案に一長一短はあるのだが、厳格度でみれば、自公案の方がより強い。民主党が野党時代に主張していた原子力安全規制への取り組みを、今回の法案では現実路線に戻しているのに対し、自公案は、かつての民主党案に近いものとなっているからだ。
 その最たる部分が規制組織の性格だ。政府案は原子力規制庁を環境省の外局としている。これに対し、自公案では国家行政組織法第3条に基づく高い独立性が付与された原子力規制委員会だ。
 規制組織の独立性が高ければ、原発の運用サイドにいる経済産業省などの圧力に対抗することが可能になろう。しかしその半面、危うさも生じる。
 5人の委員で構成される原子力規制委員会は、メンバーの人選次第では、極端な規制や「原発潰し」に向かって走りかねないからだ。そうなれば、誰も規制の暴走の手綱を締められない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120531/plc12053103130007-n2.htmより、
2012.5.31 03:13 (2/2ページ)

 規制組織は、安全性の確保と向上を大前提として原発の利活用の遂行を確認するのが、本来のあり方のはずである。脱原発至上主義のための規制装置としてしまう愚は、何としても避けたい。
 現在の原子力安全・保安院の破綻は、誰の目にも明らかだ。新たな規制組織を設置しなければ、関西電力の大飯3、4号機をはじめとする原発再稼働問題も解決しない。ストレステスト(耐性検査)の審査も前に進まない。
 9月には国際原子力機関(IAEA)の総会が開かれる。そのとき規制の新組織が発足していない事態となれば、日本の危機管理能力の欠如を世界に露呈してしまうことになる。
 野田佳彦首相は「国民の不安に応えるためにも新たな組織の下で規制制度、防災体制を整えることが急務」としている。だが、法案成立を急ぐあまり、自公案を丸のみにするような拙速に走ってはならない。地震国での原発利用には健全な規制精神が必要だ。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2012年5月30日(水)付
原子力規制庁―政治と専門家の連携を

 ようやく、である。
 原子力規制庁(仮称)の創設を柱とする原子力規制関連法案が衆議院で審議入りした。
 福島原発事故の反省に立って規制行政を推進から切り離し、一元化して強化する。脱原発依存を進めるうえでも、要となる法律である。
 法案提出からすでに4カ月が過ぎた。4月発足という当初の予定から大きくずれこんでいることが原発行政への不信を高める原因にもなっている。
 与野党は実効性ある仕組みづくりへ議論を尽くしつつ、一刻も早い成立を目指してほしい。
 焦点は、規制庁の独立性だ。
 政府案では、経済産業省内の原子力安全・保安院と内閣府の原子力安全委員会を移管・統合し、環境省の外局とし、人事や予算の権限は環境省が握る。非常時には政治が前面に出る。
 これに対し、自民、公明両党が提出した対案は、規制庁の上部組織として、独立性の高い国家行政組織法の「3条委員会」にあたる原子力規制委員会(仮称)を設け、政治の関与を排除することに力点を置く。
 両者の差は、福島事故の際の混乱原因を、専門家たちの能力欠如に見るか、それとも、菅首相(当時)をはじめとする政治家の過剰関与に見るか、の違いでもある。
 だが、これまでの事故検証が示すのは、政治も専門家集団も過酷事故への備えが甘く、どちらも未熟だったという事実だ。
 政府は早期成立へ自公案を受け入れる構えである。
 独立性を高める点に私たちも異論はない。ただ、専門家の質や意識が変わらないままでは、「原子力ムラ」による支配が強まることにもなりかねない。組織の中立性や透明性の確保は不可欠だ。
 組織の形をいじるだけではなく、外国からアドバイザーを入れたり、見識の高い専門スタッフを育成する手だてを講じたりしなければならない。
 そのうえで、平時でも緊急時でも、それぞれが役割や責任を果たしつつ、連携する仕組みを根底からつくることだ。
 規制の一元化という点でも問題が残る。政府案でも自公案でも、核拡散を防ぐ査察など保障措置(セーフガード)に関する行政は規制庁の業務に盛り込まれず、引き続き文部科学省の管轄となっている。
 核テロへの備えなど安全保障面での対応は、使用済み燃料の保管の仕方といった原子力規制とも密接に絡む。国際的な協調を総合的に進めるためにも新組織に集約すべきだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012053002000121.htmlより、
東京新聞【社説】原子力規制組織 独立・緊急対応 両立を
2012年5月30日

 原子力規制を担う新組織づくりの法案が衆院で審議入りした。政府案に加え、自公両党も対案を提出している。政府から独立し、緊急時には迅速対応できる組織とは何か。議論を尽くしてほしい。
 原子力を推進する組織と規制する組織が同居し、産学官の「原子力ムラ」が幅をきかせる現体制では東京電力福島第一原発事故は防げなかった。これが新たな規制組織が必要な最も大きな理由だ。
 政府案では原子力安全・保安院を経済産業省から切り離して内閣府原子力安全委員会などと統合し、環境省の外局「原子力規制庁」を設置する。
 新組織にとって最も重要なことは政府や電力会社、原子力ムラからの独立性の確保だ。政府案の規制庁は、環境相から規制の制定を受任し、長官は環境相が任命するなど、予算や人事に決定権を持つ環境相の関与が大きい。
 この点、政府案より自公両党の対案の方に分がある。
 自公案の「原子力規制委員会」は、公正取引委員会のように独立性が高い「三条委員会」だ。五人の委員は国会の同意が必要な人事で、政府案と違って規制は独自に制定する。規制庁は規制委の事務局という位置付けだ。
 民主党は政府案にこだわらず、規制委方式を受け入れた。新組織を早期に発足させる狙いがあるにせよ、独立性の観点からは妥当な判断だ。ただ、原発事故発生時の指示権は誰が持てば、迅速に対応できるのかという問題が残る。
 政府案では、緊急時の指示権は首相が持つのに対し、自公案では規制委が担う。規制委の意思決定は五人の合議制のため、自衛隊や自治体、電力会社への迅速な指示ができないという指摘もある。
 独立性を担保しつつ、緊急時には迅速に対応できる新組織づくりに与野党が知恵を絞ってほしい。
 国会の原発事故調査委員会は六月中に報告書をまとめる予定だ。原子力の規制にはどんな組織、指示系統がふさわしいか。報告書を参考に結論を出してもよい。
 この際、中途半端なものよりは、しっかりした組織をつくるべきだ。
 政府は法案審議を急いでいるようだが、新組織が原発再稼働のためであってはならない。
 新組織には、保安院などから職員が移行するのだろうが、独立性の担保には出身官庁との関係を断ち切る新たなルールも必要だ。官僚自身の保身よりも国民の安全が重視されるべきは当然である。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120512k0000m070137000c.htmlより、
社説:原発規制組織 実効性の確保が大事だ
毎日新聞 2012年05月12日 02時35分

 原子力の新規制組織として、国家行政組織法3条に基づく独立性の高い3条委員会「原子力規制委員会」が設置される見通しになった。政府は環境省の外局として「原子力規制庁」を設ける法案を国会に提出していたが、自民・公明両党の主張を大筋で受け入れる方向という。いずれにせよ大切なのは、原子力の安全と事故時の緊急対応を確実に実行できる人材確保と組織構築だ。与野党には詰めの協議を急いでもらいたい。
 福島第1原発事故では、原発を推進する経済産業省に、安全規制を担う原子力安全・保安院も置かれていた弊害が浮き彫りになった。にもかかわらず、事故から1年が過ぎても新組織が発足しない事態は、与野党ともに怠慢のそしりを免れない。
 政府案も自公案も、保安院を経産省から分離し、他の安全規制業務と一元化する点は同じだが、新組織の独立性の度合いが異なっていた。
 政府案では、環境省が規制庁の人事や予算を管理する。自公案では、規制庁を事務局として規制委の下に置き、予算や人事も規制委が管理する。規制委の委員は国会同意人事だ。結局、政府・与党が自公案に歩み寄る形となったが、公正取引委員会のような3条委にすれば独立性が高まると考えるのは単純過ぎる。
 まずは、規制委を構成する委員にだれを指名するかが重要だ。原子力安全神話を生んだ「原子力ムラ」とは一線を画す、国民の安全の側に立った人材でなければ、国民の了解は得られないだろう。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120512k0000m070137000c2.htmlより、
 規制庁は実務を担い、規制委を支えるが、多くのスタッフは保安院や原子力安全委員会などから横滑りする予定だ。省庁の縦割りを引きずるようでは困る。職員を出身省庁に戻さないルールの徹底が必要だ。福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)は今年2月、保安院傘下の原子力安全基盤機構による原発検査が、電力会社の作成資料を丸写しした要領書をもとに進められていたことなど事業者頼みの問題点を指摘した。組織が変わっても、安全規制の実態が変わらなければ意味がない。
 政府は、規制庁を環境省の下に置いた方が緊急時の行政対応がしやすいと主張してきた。3条委となる規制委による危機管理のあり方も、国会で十分に議論してほしい。
 今月5日、国内で稼働中の原発がゼロとなった。政府は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働すれば、関西の今夏の電力不足はほぼ解消できるとの試算を示したが、新たな原子力規制組織の稼働と、福島原発事故の検証結果を踏まえた安全基準の策定がないままでは、「再稼働か、電力使用制限か」を迫る数字合わせに見えてしまう。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531k0000m070099000c.htmlより、
記者の目:「第4の被災地」茨城で見たもの=山崎明子
毎日新聞 2012年05月31日 00時22分

 茨城県は「第4の被災地」といわれる。東日本大震災で大きな被害が出た岩手、宮城、福島の東北3県に次ぐ被災地という意味だ。茨城県で震災取材を続け、北茨城市で出会ったのは被災者による地域コミュニティーだった。被災地への国や自治体の手厚い支援は当然のことだが、やはり東北3県との温度差を感じた。同市ではそんな乏しい支援を吹き飛ばすように、被災者が肩を寄せ合い、足元を見つめ、踏ん張り、互いに助け合っていた。行政の甘えは許されない。しかし、その姿は住民主体の震災復興の先進モデルになると思った。

 ◇住民主体の復興、芽吹き
 茨城県内の死者・行方不明者は25人で、東北3県と比べて数百倍の開きがあるが、一部損壊も含めた建物の被害棟数は22万8233棟で宮城、福島に次いで全国3位、道路損壊は307カ所で千葉県、宮城県に次ぐ(警察庁調べ、5月23日現在)。文化財の被害数は182件と全国で最も多かった(文部科学省調べ、5月17日現在)。県単位では東北3県と茨城県の被害の差は歴然としている。しかし、市町村単位では「もっと支援の手が差し伸べられてもよいのに」と感じることが多く北茨城市もそうだった。

 ◇被災者自らが交流サロン開設
http://mainichi.jp/opinion/news/20120531k0000m070099000c2.htmlより、
 その高台の雇用促進住宅の集会所では週4回「サロン」が開かれている。雇用促進住宅の3棟(120戸)には市内と福島県から約100世帯が入居し、サロンは有志57人による住民組織「北茨城あすなろ会」が運営している。「頼りになったのは親戚より近くに住む他人さま」と参加者は言う。毎回、女性を中心に10人程度が集まり、お茶を飲みながら会話する。たまたま抽選で同じ団地を引き当てたという縁だが被災体験を共有し冗談や笑い声も飛び交う。市内は津波で住宅188戸が全壊、1282戸が半壊した(5月25日現在)。浸水は725戸(床上562戸、床下163戸)に及んだ。サロンを運営するのも利用するのもそうした被災者たちだ。
 4月からはサロンで食事も出し始めた。これも住民のアイデアだ。1人暮らしのお年寄りの男性向けに総菜や軽食を低料金で出す。サロン責任者の伊藤晴江さん(51)は「ご近所に支えられてここまでやってこられた。生かされた命なのだから、次は支える側に回りたい」と話す。
 団地や民間アパートなどで避難生活を送るこうした被災者は市内に約900人いる。仮設住宅も10戸建設したが、市は既存住宅の借り上げを優先した。「震災当初は全国的にプレハブ資材が不足していた。福島や三陸の被害を目の当たりにし、そちらに使ってもらうことにした」(豊田稔市長)というのが理由だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531k0000m070099000c3.htmlより、
 ただ、借り上げ中心だと困ったことが起きた。仮設住宅とは異なり、団地などで暮らす被災者は目立たず、支援の手がほとんど届かなかったのだ。物資は不十分で、衣類が20〜30着しかない時もあった。団地の中で、もらえる人ともらえない人ができ、不公平にならないように小口の支援物資は断らざるをえない局面もあったという。

 ◇少ない支援の中、支え合う「場」に
 あすなろ会の副会長、古茂田かつ江さん(66)が震災直後の生活を振り返る。「おしょうゆもみそも服も、何もなかった。困った時はお隣に相談すると、持っている人が『ハイハイ』って言って、すぐ持ってきてくれた」。支援は少ない。しかし、生活必需品などの温かい貸し借りをきっかけに近所付き合いは次第に深まっていった。そして、将来の生活への不安、子どもの学校のことなどを互いに語り合った。「何でも話ができ、安心することができた」と話す女性もいた。余震におびえ、不眠に悩まされていたが、仲間ができて睡眠薬なしで眠れるようになったという。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120531k0000m070099000c4.htmlより、
 昨年6月に会の形になり、インターネット上にホームページを開いたり、会報を発行したりするうちに、住民同士の絆は一層強まった。夏にはみんなで草刈りをしたり、夏祭りも開いた。「命が助かったことには意味があるはず。ここでは孤独死は出さない」と会員らは口をそろえる。壊れた自宅を再建し、団地を出て行ったものの、「第2の古里」としてサロンに通う人もいる。
 市が3月に策定した計画では津波被害の大きかった3地区は復興を見据えたまちづくりに力を注ぐ。外部や行政の支援は必要だが、住民が自ら主体的に動き復興を進めていくことも求められるだろう。
 全国にはいまなお避難生活を送る人がたくさんいる。そこで培われた温かく、強いつながりやたくましさが地域復興の大きな原動力になっている。「地域力」とも呼べる力が、震災という逆境から芽を出し、育っているのを心強く感じている。(生活報道部、元水戸支局)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012053001001738.htmlより、
電気・ガス全社、7月値上げ 原燃料価格上昇で
2012年5月30日 18時29分

 全国の電力10社と都市ガス大手4社は30日、原燃料費調整制度に基づき、7月の料金を6月に比べて値上げすると発表した。原燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格が上昇したためだ。全社がそろって値上げするのは2カ月連続となる。
 電気料金の値上げ額(標準家庭)は30~90円。最も大きいのは東京電力で、次いで沖縄電力の81円、中国電力の63円の順。ガス料金の値上げ額は35~55円。
 7月の料金は、2~4月の原燃料の平均価格が算定基準となる。1~3月と比べた上昇率は原油が6・2%、LNGは2・1%、石炭が0・8%。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120530/k10015486911000.htmlより、
7月電気ガス料金 連続値上げ
5月30日 17時31分

ことし7月の電気・ガス料金は、原油や天然ガスの価格が上昇したことから、電力10社と大手の都市ガス4社が、そろって2か月連続で値上げすることなりました。
電力各社と都市ガス各社は、直近の3か月間の燃料を輸入する際の価格を基に、毎月、料金を見直しています。
電気事業連合会によりますと、ことし7月の電気料金は、燃料となる原油や天然ガス、それに石炭について、先月までの3か月間の平均の輸入価格がすべて上昇したことから、10社そろって値上げします。
値上げ幅は、平均的な使用量に対して1か月当たり、▽北海道電力が60円、▽東北電力が53円、▽東京電力が90円、▽中部電力が51円、▽北陸電力が42円、▽関西電力が39円、▽中国電力が63円、▽四国電力は39円、▽九州電力が30円、▽沖縄電力が81円となります。
ただ、東京電力は現在、政府に値上げを申請しており、仮に7月分から認められた場合、値上げ幅は564円になるとしています。
また、大手都市ガスも、平均的な使用量に対して、▽東京ガスが44円、▽大阪ガスが42円、▽名古屋市の東邦ガスが55円、▽福岡市の西部ガスが35円値上げします。
電力10社と大手都市ガス4社がそろって値上げするのは2か月連続です。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012053000687より、
電気・ガス、全社値上げ=原油価格上昇で2カ月連続-7月

 電力10社と都市ガス4社は30日、7月の電気・ガス料金をそれぞれ引き上げると発表した。イラン情勢の緊迫化を受け、原油や液化天然ガス(LNG)などの原燃料価格が上昇したためで、全社の値上げは2カ月連続。
 標準家庭の電気料金は30~90円上昇。東京電力は90円高の7063円だが、現在申請中の値上げが認可されると、564円高の7537円となる見込み。
 ガス料金の上げ幅は35~55円。東京ガスは44円高の5478円となる見通し。(2012/05/30-16:31)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120426/k10014751851000.htmlより、
電気・ガス料金 6月分値上げへ
4月26日 21時14分

ことし6月の電気・ガス料金は、原油や天然ガスなどの価格が上昇したことから、電力10社と大手都市ガス4社がそろって値上げすることになりました。
電力各社と都市ガス各社は、直近の3か月間の原油や天然ガスなどの価格と為替レートを基に毎月、料金を見直します。
電気事業連合会によりますと、ことし6月の電気料金は、先月までの3か月間、燃料の原油や天然ガス、石炭の価格がすべて上昇したことなどから、10社そろって値上げすることになりました。
値上げ幅は、標準的な家庭で1か月当たり、北海道電力が36円、東北電力が39円、東京電力が61円、中部電力が42円、北陸電力が33円、関西電力が30円、中国電力が42円、四国電力が27円、九州電力が27円、沖縄電力が72円となります。
また、大手都市ガス4社もそろって値上げすることになり、値上げ幅は標準的な家庭で、1か月当たり、東京ガスは41円、大阪ガスは39円、名古屋市の東邦ガスは48円、福岡市の西部ガスは31円となります。

http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2012041900651より、
6月料金を値上げ=イラン情勢緊迫の影響で-電力・ガス14社

 電力・ガス14社が6月の料金をそろって引き上げることが19日、分かった。イラン情勢の緊迫化で、火力発電の燃料などとなる原油や液化天然ガス(LNG)、石炭の価格が高騰したためだ。標準家庭の電気料金は東京電力で前月より60円強上昇し、6973円前後となる見込み。
 電力各社の値上げ幅は、関西、四国、九州が30円前後、北海道、北陸が35円前後、東北、中部、中国が40円前後。沖縄は60円を超えるもようだ。
 また、東京、東邦、大阪、西部の都市ガス主要4社も値上げする。標準家庭のガス料金は、東京ガスで41円高の5434円程度となる見通し。(2012/04/19-15:51)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120329/k10014070521000.htmlより、
5月の電気料金 燃料で違い
3月29日 22時52分

ことし5月の電気・ガス料金は、天然ガスの価格下落で大手都市ガス会社4社はそろって値下げとなっていますが、電力10社は、天然ガスを燃料とする火力発電所の有無などで、値上げと値下げが分かれる形となりました。
電力と都市ガスの各社は、直近3か月の原油や天然ガスなどの価格と為替レートを基に毎月、料金を見直します。
電気事業連合会によりますと、先月までの3か月間の平均で、原油価格が上昇した一方、天然ガスの価格は下落したため、天然ガスを燃料とする火力発電所を持たない電力会社などは、ことし5月の電気料金を値上げすることになりました。
このうち値上げは4社で、値上げ幅は、標準的な家庭で1か月当たり、▽北海道電力が13円、▽北陸電力と▽四国電力がそれぞれ3円、▽沖縄電力が9円となっています。
一方、値下げは4社で、値下げ幅は▽東京電力は6円、▽中部電力は18円、▽関西電力は3円、▽九州電力は9円となっています。
残る東北電力と中国電力は変更がありません。
また大手都市ガス会社4社は4か月ぶりにそろって値下げし、値下げ幅は、標準的な家庭で1か月当たり、▽東京ガスが13円、▽大阪ガスが14円、▽名古屋市の東邦ガスが8円、▽福岡市の西部ガスが10円となっています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012022701002007.htmlより、
電気・ガス全社が値上げ 4月、LNG価格上昇
2012年2月27日 19時12分

 全国の電力10社と都市ガス大手4社は27日、原燃料費調整制度に基づき、4月の料金を3月に比べて値上げすると発表した。原燃料となる液化天然ガス(LNG)などの輸入価格が上昇したためで、電力10社そろっての値上げは2カ月連続。
 電気料金では中部、九州電力が3カ月連続、東京電力など8社が2カ月連続の値上げ。値上げ額(標準家庭)が最も大きいのは沖縄電力の41円で、都市ガスでは東邦ガスの11円となる。
 4月の電気・ガス料金は、昨年11月~今年1月の原燃料の平均価格が算定基準となる。(共同)

http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2012022700649より、
電気・ガス料金全社値上げ=太陽光発電付加金が増加-4月

 電力10社は27日、4月の電気料金を引き上げると発表した。上げ幅は標準家庭で17~41円。火力発電燃料の原油や液化天然ガス(LNG)価格の上昇に加え、太陽光発電の余剰電力買い取り制度に基づく「太陽光発電促進付加金」が増加したため。全社値上げは2カ月連続となる。
 また、都市ガス4社もガス料金を8~11円値上げ。東京ガスの標準家庭の料金は東京地区で8円増の5406円となる見込みだ。(2012/02/27-18:24)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120227/k10013321361000.htmlより、
4月の電気・ガス料金 全社値上げ
2月27日 17時40分

ことし4月の電気・ガス料金は原油や天然ガスの価格が上昇したことなどから、電力10社と大手都市ガス4社がそろって値上げすることになりました。
電力と都市ガスの各社は、直近の3か月間の原油や天然ガスなどの価格と為替レートを基に、毎月、料金を見直します。
電気事業連合会によりますと、ことし4月の電気料金は、先月までの3か月間、原油や天然ガス、石炭の価格が上昇したことや、太陽光パネルで発電した電力の買い取りが増えたことから、10社そろって値上げすることになりました。
値上げ幅は、標準的な家庭で1か月当たり、▽北海道電力が18円、▽東北電力が17円、▽東京電力が26円、▽中部電力が27円、▽北陸電力が24円、▽関西電力が18円、▽中国電力が35円、▽四国電力が32円、▽九州電力が36円、▽沖縄電力が41円となります。電力10社がそろって値上げするのは2か月連続です。
また、大手都市ガス4社もそろって値上げし、値上げ幅は、標準的な家庭で1か月当たり、▽東京ガスは8円、▽大阪ガスは9円、▽名古屋市の東邦ガスは11円、▽福岡市の西部ガスは8円となります。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012013001001906.htmlより、
3月の電気・ガス料金値上げ 全社そろっては6カ月ぶり
2012年1月30日 18時05分

 全国の電力10社と都市ガス大手4社は30日、原燃料費調整制度に基づき、3月の料金を2月に比べて値上げする、と発表した。原油や液化天然ガス(LNG)、石炭の輸入価格上昇が理由で、全社がそろって料金値上げをするのは昨年9月以来6カ月ぶり。
 電気料金では北海道電力が6カ月ぶり、北陸、四国、沖縄の3電力が5カ月ぶりの値上げとなる。値上げ額(標準家庭)が最も大きいのは東京電力の26円。都市ガスでは東京ガスの13円。
 3月の電気・ガス料金は、昨年10~12月の原燃料の平均価格が基準となる。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120130/k10015641501000.htmlより、
3月の電気・ガス そろって値上げ
1月30日 17時19分

ことし3月の電気とガスの料金は、国際的な原油や天然ガスの価格が上昇していることから、電力10社と大手都市ガス4社がそろって値上げすることになりました。
ことし3月の電気とガスの料金は、去年10月から12月の間の原油や天然ガスなどの輸入価格を基に算定されます。
電気事業連合会のまとめによりますと、期間中は原油、天然ガス、石炭の価格がすべて上昇したことから、電力会社10社がそろって値上げすることになりました。
値上げ幅は、標準的な家庭で、北海道電力が13円、東北電力が14円、東京電力が26円、中部電力が9円、北陸電力が9円、関西電力が9円、中国電力が15円、四国電力が9円、九州電力が9円、沖縄電力が18円となっています。
また、大手都市ガス4社もそろって値上げします。値上げ幅は、標準的な家庭で、東京ガスは13円、大阪ガスは11円、名古屋市の東邦ガスは11円、福岡市の西部ガスは6円となります。
電力10社と大手都市ガス4社がそろって値上げするのは、去年9月の料金以来、半年ぶりのこととなります。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012013000651より、
電気、ガス全社が値上げ=イラン制裁反映、半年ぶり-3月料金

 電力10社は30日、3月の電気料金を引き上げると発表した。米国のイラン制裁に対する懸念などを背景に、原油や液化天然ガス(LNG)価格が上昇したためで、標準家庭では前月比9~26円の値上げとなる。都市ガス大手4社も料金を6~13円引き上げる。電気・ガス全社の値上げは昨年9月以来、半年ぶり。
 東京電力管内の電気料金は前月比26円高の6892円で3カ月ぶりの値上げ。北海道や北陸、沖縄など7社も値上げに転じる。中部と九州は2カ月連続の引き上げ。また、東京ガス管内のガス料金は13円高の5488円で、2カ月連続の引き上げとなる。(2012/01/30-16:47)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111227/k10014944631000.htmlより、
電力2社ガス3社 2月に値上げ
12月27日 17時39分

来年2月の電気とガスの料金は、国際的に天然ガスの価格が上がったことから、電力2社と都市ガス3社が値上げすることになりました。
電力各社と都市ガス各社が毎月発表する料金は、直近の3か月間の天然ガスや原油など燃料価格の変動、それに為替レートを元に算定されます。
電気事業連合会のまとめによりますと、来年2月の電気料金は、国際的に天然ガスと石炭の価格が上がった一方、原油の価格は下がったため、発電に使う燃料の割合によって各社の料金設定が分かれました。
このうち、値上げするのは2社で、標準的な家庭で、▽中部電力は12円、▽九州電力は3円、それぞれ値上げします。
一方、値下げするのは6社で、▽北海道電力は13円、▽東北電力は6円、▽東京電力は5円、▽北陸電力は3円、▽四国電力は3円、▽沖縄電力は18円、それぞれ値下げします。関西電力と中国電力は料金を据え置きます。
また、ガス料金は、天然ガスの価格が上がった影響で、東京ガス、東邦ガス、西部ガスの3社が、標準的な家庭でそれぞれ8円値上げします。
一方、大阪ガスは、来年2月に経費の削減による料金制度の改定を行うため、41円値下げします。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011122090070717.htmlより、
東電、電気料金に上乗せ 保養所維持管理費 高利子の財形貯蓄
2011年12月20日 07時07分

 東京電力が、保養所や接待施設の維持管理費、年8・5%もの利子が付く財形貯蓄などさまざまな社員優遇に必要な費用を、電気料金を決める際の原価に算入し、電気料金で回収していたことが本紙の調査で分かった。こうした事実を東電も認めている。東電の手厚い福利厚生は、電力会社を選ぶことができない消費者の負担によって維持されてきたことになる。
 電力料金は「総括原価方式」と呼ばれる方法で算出される。施設の修繕費や燃料費など発電に必要な費用を積み上げ、電力会社の利益を上乗せし、その総額を電力料金で回収する仕組み。
 ただ、費用に何を計上するかは電力会社の判断に任されている面が強い。既に、官庁OBを受け入れている財団法人への拠出金や広告宣伝費など発電とは関係のない費用に入れられていたことが判明している。経済産業省の有識者会議(座長・安念潤司中央大教授)は今後、これらの費用は計上を認めない考えを示し、同省もその考えに従う方針だ。
 発電とは無関係のものが費用計上されていると新たに判明したのは、ハード面では静岡県熱海市など各地にある保養所や社員専用の飲食施設、PR施設などの維持管理費。
 ソフト面では、財形貯蓄の高金利、社内のサークル活動費、一般企業より大幅に高い自社株を買う社員への補助、健康保険料の会社負担など。
 福島第一原発事故を受け、東電の電力料金引き上げが検討される中、経産省の有識者会議は、手厚い福利厚生費用を電力料金に転嫁することを問題視している。燃料費などに比べれば金額は小さいが、不透明な部分はなくすため、原価から除外させる方向で議論を進める見通しだ。東電自身も保養所の廃止や福利厚生の縮小などを決めている。
 東電は原価に計上してきた事実を認めた上で、「(電気料金を決める)経産省の省令に基づいて、福利厚生の費用は過去の実績や社内計画に基づき適切に原価に算入してきた」とコメントしている。(東京新聞)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111129/t10014284021000.htmlより、
1月の電気・ガス料金 全社値下げへ
11月29日 16時58分

電力会社10社と大手都市ガス4社は、国際的な天然ガスの価格が下がったことから、来年1月の電気とガスの料金を、そろって値下げすることになりました。
来年1月の電気とガスの料金は、ことし8月から10月までの3か月間の原油や天然ガスの価格、それに円相場を基に、各電力会社が算定します。
電気事業連合会のまとめによりますと、来年1月の電気料金は、国際的な天然ガスの価格が下がったことから、電力会社10社はそろって値下げすることになりました。値下げ幅は、標準的な家庭で、▽北海道電力は21円、▽東北電力は19円、▽東京電力は26円、▽中部電力は12円、▽北陸電力は24円、▽関西電力は12円、▽中国電力は30円、▽四国電力は21円、▽九州電力は12円、▽沖縄電力は36円となります。
10社そろって電気料金を値下げするのは、ことし1月以来、1年ぶりのことになります。
また、来年1月のガス料金も大手4社がそろって値下げとなり、標準的な家庭で、▽東京ガスは10円、▽大阪ガスは9円、▽名古屋市の東邦ガスは11円、▽福岡市の西部ガスは10円値下げされます。4社そろっての値下げは、ことし2月以来、11か月ぶりのことになります。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011112900688より、
電力10社、一斉に引き下げ=ガス4社も-来年1月の料金

 東京電力など電力10社は29日、来年1月の電気料金を引き下げると発表した。原油価格下落に加え、上昇が続いていた液化天然ガス(LNG)価格が下げに転じたことが主因で、下げ幅は標準家庭の月額料金で12~36円。10社一斉値下げは、今年1月以来1年ぶり。
 東電は、11カ月ぶりに料金を引き下げ、12月に比べ26円安の6871円とする。中部、関西、中国、九州の各電力も11カ月ぶりの値下げ。いずれも東日本大震災後では初の値下げとなる。
 東京ガスなど都市ガス大手4社も、ガス料金を9~11円の範囲で一斉に引き下げる。4社値下げは11カ月ぶり。(2011/11/29-16:30)