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日別アーカイブ: 2012年10月9日

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121009/k10015620161000.htmlより、
野田内閣支持率 26%に低下
10月9日 19時53分

NHKが行った世論調査によりますと、野田内閣を「支持する」と答えた人は、先月より5ポイント下がって26%となったのに対し、「支持しない」と答えた人は、5ポイント上がって58%でした。
NHKは、今月6日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは1693人で、62%に当たる1056人から回答を得ました。
それによりますと、▽野田内閣を「支持する」と答えた人は、先月より5ポイント下がって26%となり、去年9月の野田内閣の発足以来、最も低くなりました。
一方、▽「支持しない」と答えた人は、先月より5ポイント上がって58%で、野田内閣発足以来、最も高くなりました。
支持する理由では、▽「他の内閣よりよさそうだから」が44%、▽「人柄が信頼できるから」が28%だったのに対し、支持しない理由では、▽「政策に期待が持てないから」が38%、▽「実行力がないから」が26%などとなっています。
また、今、国が最も力を入れて取り組むべき課題は何だと思うか尋ねたところ、▽「経済対策」が27%と最も多く、次いで、▽「東日本大震災からの復興」が16%、▽「社会保障制度の見直し」が15%、▽「外交・安全保障」が13%、▽「原発の在り方を含むエネルギー政策」が12%などとなっています。
次に、野田総理大臣が行った内閣改造と民主党の役員人事を全体として評価するかどうか聞いたところ、▽「評価する」が7%、▽「評価しない」が40%、▽「どちらとも言えない」が48%でした。
一方、自民党の総裁選挙で、新しい総裁に選ばれた安倍元総理大臣に期待するかどうか聞いたところ、▽「期待する」が26%、▽「期待しない」が44%、▽「どちらともいえない」が27%でした。
さらに、安倍総裁が行った自民党の役員人事を全体として評価するかどうか聞いたところ、▽「評価する」が22%、▽「評価しない」が21%、▽「どちらともいえない」が51%でした。
そして、次の衆議院選挙のあとの総理大臣に、野田総理大臣と自民党の安倍総裁のどちらがふさわしいと思うか聞いたところ、▽「野田総理大臣」が18%、▽「自民党の安倍総裁」が30%、▽「どちらでもない」が49%でした。
また、今年度予算の裏付けとなる赤字国債発行法案について、自民党は、野田総理大臣が衆議院の年内解散を約束しないかぎり法案成立には協力できないとしていますが、この状況をどのように打開すべきか尋ねたところ、▽「野田総理大臣が年内解散を約束して法案を成立させる」が27%、▽「自民党が解散の時期とは切り離して法案成立に協力する」が40%、▽「どちらでもない」が26%でした。
衆議院の解散・総選挙をいつ行うべきかについては、▽「年内に解散すべきだ」が38%、▽「来年の早い時期に解散すべきだ」が22%、▽「来年夏の衆議院の任期満了のころまで解散する必要はない」が30%でした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121009/k10015620181000.htmlより、
NHK世論調査 政党支持率
10月9日 19時53分

NHKが行った世論調査によりますと、各党の支持率は、
民主党が3ポイント近く下がって13.8%、
自民党が6ポイント余り上がって26.2%と3年前の政権交代以降で最も高くなりました。
国民の生活が第一が0.8%、
公明党が2.8%、
みんなの党が1.2%、
共産党が1.6%、
社民党が0.4%、
先月、正式に発足した日本維新の会が2.4%、
国民新党が0.1%、
その他の政治団体が0.1%、
「特に支持している政党はない」が先月と同じ45.2%でした。

≪再掲≫
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120910/k10014920591000.htmlより、
内閣支持率 30%台を回復
9月10日 19時23分

NHKが行った世論調査によりますと、野田内閣を「支持する」と答えた人は、先月より3ポイント上がって31%となり、5か月ぶりに30%台を回復したのに対し、「支持しない」と答えた人は3ポイント下がって53%でした。
NHKは、今月7日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは1623人で、65%に当たる1060人から回答を得ました。
それによりますと、野田内閣を「支持する」と答えた人は、先月より3ポイント上がって31%となり、ことし4月以来、5か月ぶりに30%台を回復しました。
一方、「支持しない」と答えた人は、先月より3ポイント下がって、53%でした。
支持する理由では、▽「ほかの内閣よりよさそうだから」が40%、▽「人柄が信頼できるから」が32%だったのに対し、支持しない理由では、▽「政策に期待が持てないから」が46%、▽「実行力がないから」が26%などとなっています。
次に、政権交代によって、民主党を中心とした政権が発足して3年がたちましたが、3年前の衆議院選挙の結果、政権交代が起きたことの評価を聞いたところ、▽「よかった」が30%で、2年前の調査より28ポイント下がる一方、▽「悪かった」が24%で、2年前より16ポイント上がり、▽「どちらともいえない」が42%でした。
一方、自民党が、消費税率引き上げ法の成立に協力する一方で、消費税率引き上げ法に反対する内容の野田総理大臣に対する問責決議に賛成したことについて、自民党の対応を評価するかどうか聞いたところ、▽「大いに評価する」が3%、▽「ある程度評価する」が20%、▽「あまり評価しない」が39%、▽「まったく評価しない」が31%でした。
また、民主党の代表選挙について、野田総理大臣が民主党の代表に再選されることが望ましいかどうか聞いたところ、▽「望ましい」が32%、▽「望ましくない」が20%、▽「どちらともいえない」が43%でした。
一方、自民党の総裁選挙では、次の衆議院選挙後の政権の枠組みが争点の1つとなる見通しですが、自民党の望ましい連携の在り方を聞いたところ、▽「民主・自民・公明の3党での連携」が17%、▽「大阪維新の会との連携」が16%、▽「どちらともいえない」が57%でした。
大阪市の橋下市長が率いる「大阪維新の会」が結成する新党について、期待するかどうか聞いたところ、▽「大いに期待する」が12%、▽「ある程度期待する」が42%、▽「あまり期待しない」が26%、▽「まったく期待しない」が14%でした。
そのうえで、「大阪維新の会」が結成する新党に、「大いに期待する」と「ある程度期待する」と答えた人に対し、その理由を尋ねたところ、▽「ほかの政党よりよさそうだから」が40%、▽「大阪維新の会のこれまでの活動が評価できるから」が29%、▽「橋下市長が中心の政党だから」が15%でした。
衆議院の解散・総選挙をいつ行うべきかについては、▽「秋の臨時国会を開いて解散すべきだ」が33%、▽「来年1月からの通常国会で早い時期に解散すべきだ」が23%、▽「来年夏の衆議院の任期満了のころまで解散する必要はない」が33%でした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120910/k10014920601000.htmlより、
NHK世論調査 各党の支持率
9月10日 19時23分

NHKの世論調査によりますと、各党の支持率は、
▽民主党が2ポイント余り上がって16.7%、
▽自民党が4ポイント近く下がって20.1%、
▽国民の生活が第一が0.6%、
▽公明党が4.5%、
▽みんなの党が1.3%、
▽共産党が1.9%、
▽社民党が0.6%、
▽その他の政治団体が2.3%、
▽「特に支持している政党はない」が1ポイント近く下がって45.2%でした。

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http://www.nnn.co.jp/rondan/ryoudan/index.htmlより、
一刀両断 -小林 節-
「女性宮家」創設は断念して当然である
日本海新聞 2012/10/09の紙面より

 10月5日に内閣官房から発表された「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」は、当初言われていたように「女性宮家」の創設を結論付けることはできなかった。当然である。

 わが国の天皇家(天皇制)は、世界で唯一の制度で、しかも、世界で最古の王家である。その特色(原因)は、「万世一系」と言われるところにある。

 それは、初代の神武天皇以来、今日の125代まで、男系で繋(つな)いで来た点である。これは、一見、何も特別な事でないように思われるが、実はこれこそ世界に比類なき特色である。つまり、わが国では、天皇家に男系で生まれた男子以外は決して天皇になれないことになっている。だから、他国に見るように他家の男性が女王に生ませた男子が王(天皇)になることは、わが国では有り得ない。結果的に、他国では、複数の男系が並立して、王位を巡る争いが生じ、それが王位の尊厳ひいては存続をも害することになる。

 そういう意味で、天皇家の男性以外は天皇になり得ないわが国の伝統は、極めて安全な制度である。

 だから、天皇家の娘(内親王、女王)が他家の男性と結婚した場合には、自動的に皇籍を離脱し、その息子は皇位継承権を得られない制度になっている。

 にもかかわらず、今、女性宮家という先例のないものを創設することは、事実上、女系の王家を創設することに等しい。

 日本国憲法制定以前の2000年以上もの歴史的伝統がある制度を、現代の多数決で根本的に変更するようなことをして良いのか? 私には甚だ疑問である。

 女性宮家の創設を主張する者は、皇族男子(皇位継承権者)の減少つまり天皇制の存続の危機を理由にする。しかし、だからといって「女系」男子を増やすようなことをしても、それではもはや天皇制ではなくなってしまう。

 しかも、男系男子の皇族を確実に増やす方法は他にある。敗戦時に占領米軍からの政治的圧力により皇籍離脱を強いられた「旧宮家」の人々で男系の人々を皇籍に復帰させれば済む。彼らは、神武天皇以来の男系で繋がって来ている人々で、そういう意味では現在の天皇、皇太子と違いはない。

 歴史的制度の存続は、あくまでも、歴史の意思を尊重する方法で行われるべきであろう。
(慶大教授・弁護士)

http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20121009ddlk42070302000c.htmlより、
ナガサキ平和リレー:/201 「証言の航海」伝える意義確信/長崎
毎日新聞 2012年10月09日 地方版

 「ナガサキピースミュージアム」(長崎市)の事務局長、増川雅一さん(71)は、4歳で被爆した。長崎原爆の閃光(せんこう)を覚えているが、破壊された街や傷ついた人たちを見た生々しい記憶はない。それでも今年1月、ピースボートで世界一周の「証言の航海」に出た。「本当に原爆の怖さを伝えられるか」。迷いを感じながらの出発だったが、航海を終え「伝えられることはある」と確信している。
 67年前、爆心から約3キロの疎開先で被爆した。「ピカッと光り、頭から布団をかぶせられ納戸に投げ込まれた。柱で頭をぶつけて痛かった。家の裏の防空壕(ごう)へ逃げた」。直接の「被爆体験」として語れることのすべてだ。爆心近くにいた父と祖父は、自転車の残骸が見つかっただけで、行方が分からないままだ。
 66年、長崎放送に就職し、報道現場で「原爆」を追った。広島、長崎両市で「二重被爆」した山口彊さんらを取り上げた。それでも父を失った戦後はさまざまな事情があり、自らの被爆は語らなかった。02年に定年退職後、「ナガサキピースミュージアム」の事務局長になり、新聞の取材を受けたのを機に、07年から語り始めた。
 今年1〜5月、被爆者10人、若者らの一般参加者約900人で世界を航海した。被爆者は13カ国・22カ所で証言した。イタリア・ローマ大学では「日本は放射能の怖さを知っていたのに、なぜたくさんの原発を作ったのか」と問われた。子どもたちには「被爆して生き残っているのはあなたたち10人だけか」と聞かれた。
 キューバでは証言の力を実感した。カストロ前国家評議会議長が出席したフォーラムで、広島で被爆した男性が遺体を収容した体験を語った。当時13歳の少年だった男性は「日本男児だろうが、しっかりしろ」と軍人に命じられ、肉が崩れた遺体をトラックに積んだ。「核兵器廃絶はとても無理」と口にしていたカストロ氏だったが、じっと証言を聞いた後、「本にしなさい。1億人が聞いたら、世界は変わるかもしれない」と言った。増川さんも「よく長生きしたね」と声をかけられた。

http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20121009ddlk42070302000c2.htmlより、
 被爆者の平均年齢は78歳を超えた。いま78歳の人で、被爆時は11歳だ。増川さんは、体験を詳しく語れる人には「もうひと踏ん張りしてもらいたい」と思う半面、記憶が限られる自らの世代を「後継者」だと感じている。増川さんは航海中に証言に立った時、自らの体験とともに、核兵器の背景にある戦争や貧困の問題にまで話題を広げた。
 「被爆したことによって学んだことを話せば、意味がある」。102日の旅を終えた今は、そう信じている。【樋口岳大】

 ◇来年の航海参加、被爆者10人を募集
 NGO「ピースボート」は来年7〜10月の証言の航海に参加する被爆者10人を募集している。「次の世代に語り継ぐ」がテーマ。応募締め切りは12月25日。問い合わせは03・3363・7561。

「ナガサキ平和リレー」は毎月9日に掲載します
〔長崎版〕

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2012年10月9日(火)付
山中さん受賞―若い力の挑戦が実った

 世界に先駆けてiPS細胞を開発した山中伸弥・京都大教授に、ノーベル医学生理学賞が贈られることになった。
 山中さんが最初に発表したのは06年、それからわずか6年だが、業績の大きさから、受賞は時間の問題とされてきた。世界の人たちに貢献できる研究が評価されたことを喜びたい。
 ノーベル賞は何十年も前の発見に贈られることが多い。今回は今も続く最先端研究への授賞だ。同世代の研究者や後に続く人にも、大きな励みになる。
 山中さんの成果は、皮膚など普通の細胞に四つの遺伝子を入れるだけで、心臓でも筋肉でもどんな細胞にでもなれる万能細胞ができる、というものだ。まさに魔法のような方法で、発表後、世界中の研究者が半信半疑だったのも無理はない。
 だが、その結果が米国で確認されるや、あっという間に激しい研究競争が始まり、医療への応用に期待がかかる。
 従来、万能性を持った細胞を得るには受精卵を壊すしかなく、倫理的な問題があった。これならその心配はない。
 山中さんの研究者としての道のりは、決して平らではなかった。整形外科の臨床医だったが、米国留学で基礎研究に目覚めた。
 帰国後はポストがなく、ほとんど研究をやめる寸前だった。奈良先端科学技術大学院大学の公募で採用され、やっと独立した研究者になることができた。
 研究費の申請も、あまりにとっぴな提案だったために却下されかかった。しかし、審査に当たった岸本忠三・元大阪大総長が「若い研究者の迫力」に感心して予算をつけた。
 その結果、一人の若者のアイデアが世界を一変させた。まさに科学のだいご味だろう。
 さまざまな個性を生かす場所があり、常識はずれの提案でも見どころがあれば評価してチャンスを与える。そんな懐の深い人と場所があってこそ、独創的な発見も生まれる。
 いま若手研究者は海外に出たがらないと言われるが、ぜひ、夢をもって挑戦してほしい。
 そんな若い研究者が力を発揮できるよう支えたい。博士課程の学生への経済的支援を充実する。また、安定した研究職の枠が狭まるなか、見込みのある若者にポストを与えて、研究に専念できるようにする。
 再生医療を実現する態勢を整えることも重要だ。科学の成果を実際の医療につなげる点で日本の課題は大きい。それを果たして初めて、若い挑戦の成果が世界に生かされる。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/121009/scn12100903170002-n1.htmより、
産経新聞【主張】山中氏ノーベル賞 「科学立国」の牽引役に 世界のiPS細胞誇りたい
2012.10.9 03:17 (1/3ページ)

 日本から四半世紀も遠ざかっていたノーベル医学・生理学賞が、「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」研究で世界をリードしてきた京都大学教授、山中伸弥さんに贈られることになった。東日本大震災と政治の混乱で沈みがちな日本社会に、何よりの朗報だ。「科学立国」の牽引(けんいん)役となろう。
 うれしいことに近年、日本人のノーベル賞が恒例化しつつある。4年前には物理学賞と化学賞で4人、一昨年は化学賞で2人の受賞者を出している。それに続いての快挙である。日本の基礎科学の底力を世界に示すことになった。

 ≪輝く独創性と挑戦精神≫
 山中さんの研究グループは5年前に、あらゆる組織や臓器に変わり得る万能細胞を、ヒトの体細胞から作り出すことに成功した。
 拒絶反応のない臓器移植をはじめとする再生医療の実現に道を開き、医薬品の試験精度を飛躍的に高める研究だ。傷病や難病に苦しむ世界の人々の希望につながる文句なしのノーベル賞である。
 iPS細胞作製のすごさは、生命現象の根幹に迫る研究であることだ。人体は約60兆個の細胞でできているが、その出発点は1個の受精卵だ。受精卵は分裂を繰り返して皮膚や神経などに分化していき、いったん分化した細胞は元の分化前の状態には戻らない。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/121009/scn12100903170002-n2.htmより、
2012.10.9 03:17 (2/3ページ)

 この基本原理によって生体は維持されているわけだが、山中さんは皮膚の細胞の核に4つの遺伝子を入れることで、受精卵のように、あらゆる細胞に分化していく能力(万能性)を取り戻させることに成功した。
 人工的な万能性の実現では、胚性幹(ES)細胞が先行していたが、これは人間の受精卵(胚)を壊して作られる。このため米国などでは強い反発があり、研究の壁となっていた。これに対しiPS細胞の作製には、受精卵や卵子を用いない。一挙に生命倫理上の制約が消えた。大多数の研究者が受精卵にこだわっていたときに、山中さんは体細胞だけでの実現を目指して成功した。コロンブスの卵といえる画期的な業績だ。
 iPS細胞は先端科学における画期的発明である。生物学の常識を根底から覆したという点で金字塔的な成果だ。その証拠に世界の生命科学研究が雪崩を打ってiPS細胞へとシフトしている。
 日本国内でも主要大学や研究機関によって、臨床に向けた研究が拡大中だ。脊髄や角膜、網膜、心臓といった各組織をはじめ、糖尿病やパーキンソン病などへの応用が着々と進められている。
 世界中の研究者の参入でiPS細胞という宝の山の頂は、ますます高くそびえ、裾野も広がりを増している。とりわけ、資金にモノを言わせた米国の取り組みはすごい。この研究の流れの源流は日本にあるのだが、川幅は米国が拡大させているのが現実だ。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/121009/scn12100903170002-n3.htmより、
2012.10.9 03:17 (3/3ページ)

 ≪続け、若手研究者たち≫
 一昔前まで、日本の技術は応用ばかりと批判されがちだった。しかし、iPS細胞の分野では、その逆転現象が起きている。これは胸を張ってよいことだ。
 iPS細胞の福音は計り知れない。しかし、この技術はヒトの生殖細胞をつくることも可能にしている。現に京大の別グループはiPS細胞で作った卵子からマウスを誕生させたと先日、発表したところだ。ヒトと他の動物の複合体(キメラ)もSFの世界に限られなくなってきている。40億年の生命の歴史を書き換える力も秘めているのだ。
 iPS細胞が内包する「負の側面」についても、今から一般人を交えて議論を深めておくことが、研究と応用の健全な将来発展のために欠かせない。
 科学技術は常に正負の両面を持ち合わせている。原子力利用もそうだ。極微の原子核から膨大なエネルギーを取り出せる一方、制御不能になったときの一大困難を福島第1原子力発電所の事故で痛感したばかりである。
 19世紀は化学の時代、20世紀は物理学の時代、21世紀は生物学の時代といわれる。iPS細胞はその潮流を実証してみせた。
 今回の受賞をきっかけに日本の若手研究者が発奮し、世界をリードしていくことを期待したい。そのためには海外での武者修行に尻込みしていてはいけない。国も研究の短期成果主義を改めて、優秀な若手が大胆な研究に取り組める環境を整えることが必要だ。若手諸君、山中教授に続け。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012100902000091.htmlより、
東京新聞【社説】誇りと自信取り戻そう ノーベル賞に山中教授
2012年10月9日

 ノーベル医学生理学賞の山中伸弥教授の受賞決定は日本にとって喜びであり、誇りであり、励ましである。昨今の憂鬱(ゆううつ)を吹き飛ばし、自信を取り戻そう。
 日本人の受賞は二年ぶりのことになる。
 二〇〇〇年以降では、その年の化学賞を、導電性プラスチックを発見した白川英樹さんが受賞、合わせて十人が選ばれている。化学賞のほか、湯川秀樹博士以来、日本の得意とする素粒子物理における受賞が続いた。
 そのあと、東日本大震災が襲った。技術立国日本で起きてはならないはずの原発事故が起きた。

◆これまでとは違って
 そのあとがいけなかった。震災被災者の協調と奮闘は世界に伝えられたが、原発事故は日本に深く悩ましい打撃を与えた。
 自信喪失とまでは言わないが、とりわけ科学者や技術者らは原子力分野でなくとも、きっとその良心に陰りやためらいを覚え、日本人一般は科学技術に対してある種の疑いをもちはじめた。
 無責任な政治や電力会社の不適切な態度が、それらを増幅させてきたことはいうまでもない。
 そこへ、山中教授受賞決定の知らせだ。過去のそれらとは、またちがう喜びを日本人は感じたのではないか。
 山中教授の功績は、ここで説明するまでもない。
 おおまかに言えば、ヒトの皮膚細胞を分化・増殖させることにより、病んだ組織や臓器を取り換えることができるようになるということだ。これまでの医学がようやく開拓してきた移植医療という道を再生医療という形で可能にすることだ。
 臓器提供者、ドナー不足の心配は消えるし、自己由来の細胞なのだから恐ろしい拒否反応もなくなる。世界中の医学者、企業がしのぎを削る分野でいち早く「万能細胞」を作り上げた。

◆熱い思いあってこそ
 山中教授の受賞を一番喜んでいるのは、重い糖尿病や神経系の難病、その他、今の医学では見放されそうになっている人たちにちがいない。再生医療のほか新薬開発などでも医学に革命を起こしたといえる。
 国は既に多くの予算を付けている。だがさらに支援を増やしてはどうか。医療産業として日本が世界をリードするようになってもらいたい。日本の先端技術はクルマや電子機器などだけではない。
 山中教授はもともと臨床医で整形外科を志していた。ただし、自分でもやぶ医者だと思っていたそうだ。そこで「医者をやめても何もしないわけにはいかないし、どうしたら自分が世の中の役に立つのか」と考え直し、基礎医学に向かったそうだ。
 ここで注目したいのは、どうしたら自分が役に立つのかという思いだ。ただの学問ではなく、社会の役に立てるかという医者としての熱い思いだ。
 四年前の名古屋の講演会では、治したい病気として若年型糖尿病、脊髄損傷、白血病の三つを目標に掲げていた。いずれも、学校に通う子どもや働き盛りの人の病気だから、特に助けたいと語っていた。
 そういう思いは、いかにも情熱のある人らしく、その熱い思いこそが、世界的な発見と研究についにつながったのではないか、と想像してみたくもなる。そういう情熱のありよう、また研究の姿勢はこれから未来を背負う子どもや若い人にこそ、よく読み取ってほしいところだ。
 二十世紀の最初の年、一九〇一年に始まったノーベル賞は役に立つ科学を顕彰した。科学とは人類に奉仕するものであり、ただの学問であってはならなかった。
 医学生理学賞でいえば、第一回の受賞者、ドイツの細菌学者ベーリングは当時人々を苦しめていた破傷風やジフテリアの血清療法を見つけた。日本の北里柴三郎とともに研究した。その後の受賞者、結核菌を発見したコッホも同列にあり、病気との闘いだった。

◆世界の人々に役立てる
 半世紀を過ぎると、若き科学者クリック、ワトソンのDNAの二重らせん構造解明など生命体の神秘の部分への研究が花開き始めた。光学顕微鏡でなく、電子顕微鏡、エックス線回折撮影やコンピューターといった新鋭機器が生命の深淵(しんえん)をのぞき込んだ。
 いわゆる、神の領域という部分である。
 山中教授の功績は、神の領域にもさしかかる。倫理的に検討すべき課題はある。しかし、それをよく乗りこえて人類の幸福に資することこそが、この業績に報いる道である。
 日本で生まれた技術を世界にはばたかせよう。世界の人々に役立てよう。そして受賞を祝福しつつ私たちは自信を取り戻そう。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121009k0000m070077000c.htmlより、
社説:山中氏ノーベル賞 日本の宝物を磨こう
毎日新聞 2012年10月09日 02時33分

 山中伸弥・京大教授のノーベル医学生理学賞の受賞が決まった。いつかは必ずと思われてきたとはいえ、「日本発」のブレークスルーに揺るぎない評価が与えられた意義は大きい。特に山中さんの成果は現在進行形のホットな分野である。日本の現在のバイオ力を世界に示すものとして喜びを分かち合いたい。
 私たちの体はどんな細胞にもなれる「万能性」をそなえた1個の受精卵から出発する。いったん神経や筋肉、骨など役割を持つ体細胞になると元には戻れない。それが生物のことわりだと考えられてきた。
 この常識をカエルの核移植による「細胞初期化」で覆したのが共同受賞者のガードン博士だ。この技術はクローン動物の作出にもつながった。ただし、核移植には卵子が欠かせない。別の万能細胞として注目されてきた胚性幹細胞も受精卵を壊して作るという倫理問題をはらむ。
 山中さんはこれらのハードルを「遺伝子導入」で乗り越え、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出した。コロンブスの卵のようなアイデアで生物学の常識を塗り替え、倫理問題までクリアした業績は、社会的意義も大きい。
 今でこそ、世界の有名人となった山中さんだが、行き詰まり、研究をやめようと思ったこともあるという。それを救ったのは無名の山中さんを採用した大学や、研究費だ。研究者の潜在力を見抜いて投資する「目利き」の重要性を感じる。
 山中さんが成果を語る時、多くの研究者の協力で実現したことを強調する。誠実さを感じると同時に、研究の裾野の広がりの重要性に改めて気づく。優れた成果を増やすには少数のエリートを育てるだけでは事足りない。研究の層の厚さが必要だ。
 iPS細胞は、日本発の成果をどう育てるかという難問も突きつけた。特許戦略は重要課題だが、昨年、欧米で京大の基本特許が成立した。国として知財戦略に力を入れたことが功を奏したとみていいだろう。
 初期化機構の謎解きも今後の課題だ。医療の現場へ応用するにはがん化リスクの抑制が欠かせない。改良が進んできたが、完全とはいえない。ただ、臨床研究が射程に入ってきた分野もある。より早い応用が期待されるのは病気のモデル化や創薬の分野だ。患者の細胞からiPS細胞を作り、病気の進行を再現したり、薬の効き方を調べることに期待がかかる。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121009k0000m070077000c2.htmlより、
 山中さんの成果の背景には、受精卵を使わずに万能細胞を作る、という明確なビジョンがあった。そこから生まれたiPS細胞は宝石の原石のようなものであり、世界が磨きをかけようとしのぎを削っている。日本も全力で取り組みたい。