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日別アーカイブ: 2012年10月26日

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012102600942より、
「誠に異常な事態」=山口公明代表

 公明党の山口那津男代表は26日夜、民主党が29日召集の臨時国会で野党欠席のままでも、野田佳彦首相の所信表明演説を衆院本会議で行う意向を示していることについて、「国会の歴史でも誠に異常な事態だ。国会のルール無視とともに、国民に対しても誤った対応をしていると言わざるを得ない」と批判した。ただ、本会議を欠席するかどうかについては「これから最終的に検討したい」と述べるにとどめた。仙台市内で記者団の質問に答えた。(2012/10/26-21:47)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012102600936より、
年内解散明確化を=石破自民幹事長

 自民党の石破茂幹事長は26日夜、新潟県柏崎市で講演し、29日召集の臨時国会への対応について「(民主、自民、公明3党の)党首会談が決裂したままになっている。どうすれば充実した議論ができるか、環境を整えるのは政府・民主党の責任だ」と述べ、年内の衆院解散を明確にするよう重ねて求めた。
 石破氏は「近いうちに信を問うというのは国民に対する約束だ。2013年度予算は国民から信任を受けた政権が組むべきだ」とも語り、予算編成作業が本格化する12月上旬までに衆院選が行われる日程で解散すべきだと強調した。(2012/10/26-21:30)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012102601002170.htmlより、
野党、参院の首相演説拒否 衆院だけ実施なら初
2012年10月26日 20時31分

 自民、公明両党など野党は26日午後の参院議院運営委員会の理事会で、臨時国会が召集される29日に野田首相の所信表明演説を参院本会議で行うことを拒否する意向を表明した。衆院は議運委員長に内定している民主党の高木委員長代理理事の職権で29日の演説実施を決めている。首相が衆院だけで演説するという現行憲法下で初のケースとなる見通しが強まった。
 ただ、野党は29日午前の参院議運委理事会までに参院でも演説を可能にするための環境を整えるよう要求しており、政府、民主党の対応次第では異例の事態が回避される可能性もある。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121026/k10013047021000.htmlより、
安住氏“野党欠席でも所信表明”
10月26日 18時30分

民主党の安住幹事長代行は記者会見で、来週29日に召集される臨時国会で、野党側が衆議院本会議に出席しない場合でも、野田総理大臣の所信表明演説は予定どおり行う考えを示しました。
衆議院議院運営委員会は、26日の理事会で、来週29日に召集される臨時国会について与野党の日程協議が整わなかったことから、委員長に内定している民主党の高木元文部科学大臣は、職権で召集日の29日に本会議で野田総理大臣の所信表明演説を行う日程を決めました。
これについて、安住幹事長代行は「野党側にいろいろな事情はあるにしても、臨時国会の入り口からダメだというのは異例のことで、国民の理解は得られない。残念だが、職権で決めたのはやむをえない措置だった」と述べました。
そのうえで、安住氏は、記者団が「野党側が衆議院本会議を欠席した場合でも、所信表明演説を行うのか」と質問したのに対し、「その通りだ」と述べ、野党側が衆議院本会議に出席しない場合でも、野田総理大臣の所信表明演説は予定どおり行う考えを示しました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012102600772より、
問責首相、国会論戦へ=参院決議を無視

 第181臨時国会は29日召集され、野田佳彦首相は同日の衆院本会議で所信表明演説を行う。参院で過去に問責決議を受けた3人の首相のうち、退陣せず国会論戦に臨むのは野田首相が初めて。過去7人の問責閣僚も内閣改造などで次の国会前には退任している。自民党など野党は「問責無視」の首相に反発を強めており、参院では所信表明演説を聴取する本会議が開かれないという前例のない事態に陥ることになった。
 憲法は、衆院で内閣不信任決議が可決した場合、首相は衆院解散か内閣総辞職を選択しなければならないと規定しているが、問責決議には法的拘束力がない。ただ、野党が参院の多数を握る「ねじれ」下で参院の意思を無視したたまま国会運営を続けるのは困難で、歴代の首相は問責決議を重く受け止めてきた。
 2008年6月に首相として初めて問責決議を受けた福田康夫元首相(自民)は同年9月に内閣総辞職を選択。09年7月に麻生太郎元首相(同)に対する問責が可決された際は7日後に衆院が解散されたが、総選挙で大敗し麻生内閣は退陣した。
 野田政権下でも11年12月に一川保夫元防衛相と山岡賢次元国家公安委員長が、12年4月に田中直紀前防衛相と前田武志前国土交通相が問責された。首相はその都度、内閣改造で問責閣僚を退任させ、国会を乗り切ってきた。
 自民、公明両党は首相問責の「けじめ」として、解散時期の明示を迫っている。しかし、首相に応じる気配はなく、参院では所信表明演説と各党代表質問は行わないことが固まった。
 臨時国会での所信表明演説をめぐっては、1969年に衆院解散を理由に代表質問のための参院本会議が開かれなかったことがあるが、演説聴取の本会議が開かれないのは初めてだ。(2012/10/26-18:21)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012102600727より、
参院、所信表明拒否へ=史上初、野党が一致-臨時国会

 野党各党は26日、国会内で参院国対委員長会談を開き、29日召集の臨時国会では野田佳彦首相の所信表明演説を行うための参院本会議を開かない方針で一致した。先の通常国会で首相問責決議を可決したことが理由。この後開かれた参院議院運営委員会理事会でも与野党は折り合わず、所信表明演説は行われないことが固まった。
 一方、衆院議運委は26日の理事会で、29日の衆院本会議で所信表明演説を行うことを、同委員長に内定している高木義明氏(民主)の職権で決めた。参院事務局によると、所信表明演説を衆院だけで行うとなれば憲政史上初めて。臨時国会は冒頭から与野党が激突する展開となる。
 参院議運委理事会では、29日午前に常任委員長の選任など「院の構成」を行う本会議を開くことでは与野党が合意した。自民党など野党側は、所信表明演説の本会議は「求めない」と拒否。同委の委員長は自民党議員で、理事会の構成も野党が過半数を占めている。野党は、野田政権を追及する場を確保するため、予算委員会の審議には応じる方向だ。
 自民、公明両党の国対委員長は26日、国会内で会談し、衆院本会議での所信表明演説と各党代表質問への対応を協議したが、出席するかどうかの結論を週明けに持ち越した。(2012/10/26-17:32)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121026/k10013044011000.htmlより、
参院議運「所信表明なし」へ
10月26日 17時16分

参議院議院運営委員会の理事会が開かれ、与党側が、来週29日の臨時国会の召集日に野田総理大臣の所信表明演説を行いたいと提案したのに対し、野党側は受け入れず、参議院では所信表明演説は行われない見通しとなっています。
参議院議院運営委員会の理事会で、与党側は、来週29日に召集される臨時国会について、会期を来月30日までの33日間とし、召集日に野田総理大臣の所信表明演説を行いたいと提案しました。
これに対して野党側は、召集日に各委員会の委員長の人事などを決める参議院本会議を開くことには同意したものの、野田総理大臣の所信表明演説については、「先の通常国会で野田総理大臣に対する問責決議が可決されており、所信表明演説を聞くことはできない」として、受け入れられないという考えを示しました。
このため理事会はいったん休憩になりましたが、双方の主張の隔たりが大きいことから、再開のめどは立っておらず、参議院では野田総理大臣の所信表明演説は行われない見通しとなっています。
“所信表明は必要”
藤村官房長官は記者会見で、「政府の立場で言えば、国会の指示に従い、議院運営委員会の協議の結果に基づいて、所信表明演説を行う。参議院での野田総理大臣に対する問責決議は重く受け止めるが、国会を召集するからには、必要なことはやらなければならない」と述べました。

http://mainichi.jp/select/news/20121026k0000e010224000c.htmlより、
民主党:熊田衆院議員が離党へ 水野議員も検討
毎日新聞 2012年10月26日 15時00分

 民主党の熊田篤嗣衆院議員(41)=大阪1区=が26日午後、同党に離党届を提出する見通しになった。熊田氏は地域政党「減税日本」(代表・河村たかし名古屋市長)への参加を検討している。さらに民主党の水野智彦衆院議員(56)=比例南関東=も減税日本入りを念頭に離党を検討していることが明らかになった。東京都の石原慎太郎知事が新党結成を表明した翌日に民主党内で離党の動きが表面化したことで、野田政権にさらなる打撃となるのは必至だ。
 減税日本は臨時国会が始まる前の「国政政党化」を目指しており、民主党の離党予備軍に精力的に参加を呼びかけていた。減税日本にはこれまでに小泉俊明氏(茨城3区)、小林興起氏(比例東京)、佐藤夕子氏(愛知1区)の3衆院議員が参加しており、熊田、水野両氏が加われば、国会議員5人以上という政党要件を満たすことになる。
 熊田、水野両氏は先の通常国会で消費増税法に反対し、当選1回の議員らとグループをつくり活動していた。
 民主党は現在、9人が離党すると衆院で与党過半数割れに陥る状況にある。離党の動きは2人以外にもあり、党執行部は若手議員を政府・党の役職に積極的に起用するなど、離党を抑える取り組みに力を入れていた。それでも離党者が続く形になり、危機感を強めている。【木下訓明】

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121026/k10013037061000.htmlより、
参院での所信表明 野党受け入れず
10月26日 14時11分

与野党の参議院国会対策委員長らが会談し、民主党が、臨時国会について召集日の29日に野田総理大臣の所信表明演説を行いたいと提案しましたが、野党側は受け入れず、物別れに終わりました。
自民党は、参議院では野田総理大臣の所信表明演説を行わない方向でほかの野党と調整を進めています。
会談は民主党が呼びかけたもので、参議院の各会派の国会対策委員長らが出席しました。
この中で、民主党の池口・参議院国会対策委員長は、週明け29日に召集される臨時国会について、会期は来月30日までの33日間としたうえで、召集日の29日に参議院本会議で野田総理大臣の所信表明演説を行いたいと提案し、審議への協力を求めました。
これに対し、野党側は「先の通常国会で問責決議が可決された野田総理大臣の所信表明演説を聞くことはできない」などとして、問責決議の可決などについて、けじめとなる対応をとるよう求め、会談は物別れに終わりました。
このあと、すべての野党の国会対策委員長らが会談し、自民党の脇参議院国会対策委員長は、参議院では野田総理大臣の所信表明演説や各党の代表質問を行わないことを提案し、調整を進めています。一方で、脇氏は、野田総理大臣の政権運営を追及する必要はあるとして、参議院予算委員会を開くよう与党側に求めることを提案し、異論は出されませんでした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121026/k10013036621000.htmlより、
衆議運 職権で29日所信表明決定
10月26日 13時48分

衆議院議院運営委員会の理事会が開かれ、来週29日に召集される臨時国会について、与野党の日程協議が整わなかったことから、委員長に内定している民主党の高木元文部科学大臣は、職権で召集日の29日に野田総理大臣の所信表明演説を行う日程を決めました。
衆議院議院運営委員会の理事会には、25日欠席した自民党と公明党も出席し、与党側は、来週29日に召集される臨時国会について、会期を来月30日までの33日間とし、召集日に野田総理大臣の所信表明演説を行ったうえで、31日と来月1日にこれに対する各党の代表質問を行うことを提案しました。
これに対して、野党側は、召集日に院の構成を決める衆議院本会議と天皇陛下をお迎えして参議院本会議場で開会式を行うことには同意したものの、それ以降の日程については、「先の通常国会で野田総理大臣に対する問責決議が可決されたことへの具体的な対応がいまだに示されておらず、日程を協議する環境にない」などと抗議し、理事会はいったん休憩となりました。
このあと再開された理事会でも与野党の日程協議は整わず、委員長に内定している民主党の高木元文部科学大臣は、自民党や公明党などの理事が退席するなか、職権で召集日の29日に野田総理大臣の所信表明演説を行う日程を決めました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012102600420より、
所信表明演説、参院拒否へ=衆院は29日

 衆院議院運営委員長に内定している高木義明氏(民主)は26日の理事会で、野田佳彦首相の所信表明演説を行うための本会議を29日に開くことを職権で決めた。一方、野党各党の参院国対委員長が26日に会談し、参院側では所信表明演説を行う本会議を開かせない方針で一致。予算委員会の審議には応じる方向だ。
 これに先立ち、自民、公明両党の幹事長、国対委員長が会談し、臨時国会冒頭の対応について各党の動向も踏まえて判断する方針で一致した。自公両党は、職権で決まった衆院本会議の所信表明演説に出席するかどうかなどを26日午後に協議する。(2012/10/26-13:44)

http://mainichi.jp/select/news/20121026k0000e010215000c.htmlより、
臨時国会:参院野党、所信表明演説認めず
毎日新聞 2012年(最終更新 10月26日 13時34分)

 野党各党は26日午前、国会内で参院国対委員長会談を開き、先の通常国会で可決された野田佳彦首相の問責決議への政府・与党側の対応が不十分だとして、29日召集の臨時国会で首相の所信表明演説を行う参院本会議を開かない方針で一致した。参院は野党が多数を占め、議院運営委員長ポストは自民党が持っている。首相が衆院本会議だけで所信表明演説を行うことになれば、極めて異例の事態となる。
 会談には自民、公明、国民の生活が第一など9会派が出席。自民党の脇雅史参院国対委員長は会談で、所信表明演説は認めないが、その後の予算委員会の審議には応じるべきだとの考えを提案した。自民党は特例公債法案などの審議を拒否する方針は軌道修正した。
 民主党は26日午前、衆院議院運営委員会の理事会で、臨時国会について、29日に召集して所信表明演説を行い、11月30日までの33日間の会期とすることを正式に提案。首相の所信表明に対する衆院本会議の各党代表質問は31日と11月1日の2日間行う日程を提案した。これに対し、自公両党など野党は問責決議への説明が不十分だと反発して退席し、民主党は委員長職権で29日の所信表明演説を決めた。【中井正裕】

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012102601001466.htmlより、
野党、参院は所信表明応じず 予算委は要求
2012年10月26日 13時13分

 自民党、国民の生活が第一など野党は26日午前、参院国対委員長会談を国会内で開き、29日召集の臨時国会で野田佳彦首相による所信表明演説のための本会議を開かないことで合意した。首相の政権運営の問題点を追及するため、予算委員会を開催するよう与党に求めることでも一致した。
 自民党の脇雅史参院国対委員長は衆院側も歩調を合わせるよう石破茂幹事長に呼び掛け、野党国対委員長会談を開催するよう要請する。
 これに先立ち、自民党の石破茂幹事長は26日午前、公明党の井上義久幹事長と会談し、首相が衆院解散時期を明示しない限り審議に応じないとした従来の方針を転換したことを説明した。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121026/k10013034501000.htmlより、
衆院議運 調整つかず「休憩」
10月26日 12時18分

衆議院議院運営委員会の理事会が開かれ、与党側は、週明け29日の臨時国会の召集日に野田総理大臣の所信表明演説を行いたいという考えを示したものの調整はつかず、休憩となりました。
衆議院議院運営委員会の理事会は、26日午前11時から始まり、25日は欠席した自民党や公明党も出席しました。
この中で与党側は、今月29日に召集される臨時国会について、会期を来月30日までの33日間とし、召集日の29日に野田総理大臣の所信表明演説を行ったうえで、後日、それに対する各党の代表質問を行いたいという考えを伝えました。
これに対し、自民・公明両党は「先の通常国会で野田総理大臣に対する問責決議が可決されたことへの具体的な対応が、いまだに示されていないのは不誠実だ」などと抗議し、調整がつかず、理事会は休憩となりました。
これに先だって、自民・公明両党は幹部どうしの会合を開き、野田総理大臣の所信表明演説や代表質問への対応については、政府・民主党の対応や、先の通常国会で野田総理大臣に対する問責決議に賛成したその他の野党の動向をみながら決めることを確認しました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012102600022より、
国会対応、結論持ち越し=自民

 自民党の安倍晋三総裁、中曽根弘文参院議員会長ら衆参幹部は25日夜、都内のホテルで29日召集の臨時国会への対応を協議した。会合後、石破茂幹事長は衆参で一致した行動を取ると記者団に説明。ただ、参院側は首相問責決議可決を理由に冒頭からの審議拒否を主張しているが、石破氏は野田佳彦首相の所信表明演説を欠席するかどうかについて「そこまでは確認していない」と述べた。
 一方、参院側の出席者は取材に対し「衆院側に参院の考えは完全に理解してもらった。衆参は審議を全くやらない方向で歩調を合わせるしかない」と強調。別の幹部も「近く衆院を解散する人の所信を聞いても仕方がない」と述べ、民主党の出方次第では、所信表明演説やその後の各党代表質問を欠席することもあり得ると指摘した。(2012/10/26-01:06)

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2012年10月26日(金)付
石原新党―国政復帰を言うのなら

 東京都の石原慎太郎知事が、知事の辞職届を出した。
 たちあがれ日本を母体に、近く新党を結成し、次の総選挙で国政復帰をめざすという。
 石原氏は、日本維新の会を率いる橋下徹・大阪市長ともたびたび会い、連携を模索してきた。両党を軸に、民主、自民両党に対抗する第三極の結集をめざすということだろう。
 混迷する政治に風穴をあけたい。そんな石原氏の思いは多としたいところだが、これまでの言動から、危うさを感じないわけにはいかない。
 新党の代表に就く石原氏に、あらためて三つの疑問をただしておきたい。
 第一に、石原氏の持論が、そのまま新党の政策になるのかどうかだ。
 たとえば尖閣諸島の問題だ。
 石原氏はこの春、「東京が尖閣を守る」として購入費の寄付を募った。島は混乱を恐れた政府が買い上げたが、結果として日中関係は悪化し、経済などに深刻な支障が出ている。
 石原氏が、その責任を感じているふうはない。
 きのうの記者会見でも、中国を挑発するように「シナ」と呼び、国政に復帰すれば島に漁船が避難する船だまりや灯台をつくると主張した。
 こうした姿勢は、問題をいっそうこじらせるものだ。新党も同じ方針を掲げるのか。それでどんな日中関係を描くのか。石原氏は明確に語るべきだ。
 さらに石原氏は、核兵器保有や徴兵制導入を主張したこともある。これも新党の政策になるというのか。
 第二に、連携相手とたのむ維新の会との間で、重要政策が大きく食い違うことだ。
 たとえば原発政策である。
 石原氏は会見で、原発維持を強調した。一方、維新の会は「2030年代までに既存の原発全廃をめざす」という総選挙の公約素案をまとめた。
 消費税をめぐっては、たちあがれ日本が増税に積極的なのに対し、維新の会は「消費税の地方税化」を争点に掲げる。
 基本政策がこれだけ違うのに、どう連携できるのか。野合と言われないよう、きちんと説明してもらいたい。
 第三に、知事の任期を2年半残して辞することの意味だ。
 肝いりの2020年のオリンピック招致などを、道半ばで放り出すことになる。無責任ではないか。
 都知事として高い支持率を誇った石原氏だが、政党の党首にふさわしいかどうか、こんどは全国民が見ている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121026/stt12102603200005-n1.htmより、
産経新聞【主張】石原新党 新憲法への流れ歓迎する 首相は年内解散を決断せよ
2012.10.26 03:20 (1/2ページ)

 石原慎太郎東京都知事が知事を辞職し、新党を結成した上で国政に転じる意向を表明した。
 石原氏は占領下に制定された現行憲法を「解決しなければならない主要矛盾」と指摘し、新しい憲法を作るべきだと訴えた。官僚制の打破とともに、憲法改正を次期総選挙の最大の争点に据えて戦う意思を強調した。
 現在の政治の閉塞(へいそく)状況を転換しようとする石原氏の行動を高く評価したい。氏が投じる一石は、新たな政治状況をダイナミックに創出する意味を持ち、憲法改正を求める保守勢力を結集する重要な核となり得るからだ。

 ≪権利義務の均衡を欠く≫
 野田佳彦首相も「私は新憲法制定論者」と自著で語っていた。石原新党を機に、国家的課題の解決に向けて、衆院の年内解散・総選挙を速やかに決断するときだ。
 石原氏は現行憲法の矛盾点として、国民の意識に絶対平和という共同幻想を植え付け、権利と義務のバランスを失した「権利偏重」の規定が「日本人に我欲を培い、利己的にした」と指摘した。
 今年5月3日の憲法記念日までに、自民党は自衛隊を「国防軍」とし、石原氏と行動をともにする「たちあがれ日本」は「自衛軍」とするなど、それぞれの憲法改正案を公表した。「みんなの党」も「自衛権の在り方」を明確化するとしている。
 橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会」も憲法改正を必要とする首相公選制などを打ち出した。にもかかわらず、民主党は平成17年に国民的議論の素材となる「憲法提言」を策定して以降、新たな憲法案を出していない。
 これらの問題提起を野田政権も真剣に受け止め、早急に具体的な改正案をまとめる必要がある。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121026/stt12102603200005-n2.htmより、
2012.10.26 03:20 (2/2ページ)

 最近の中国による海軍力の誇示や尖閣奪取を狙う度重なる領海侵犯、北朝鮮の核・ミサイル実験などをみれば、「平和を愛する諸国民の公正と信義」をうたう現行憲法がもはや通用しないことは、誰の目にも明らかだ。
 石原氏は、激しい時代の変化にも対応できる官僚システム作りの必要性も強調した。中央官僚は「継続性にこだわり、重要課題を先送りしてきたため」、いまだに尖閣諸島に大きな灯台や漁船が避難する船だまりもできていない事実を挙げ、この問題では自民党と協力する考えも示した。
 自民党の安倍晋三総裁は尖閣に公務員を配置する方針を打ち出している。野田政権は尖閣を国有化した以外は中国に配慮し、何もしていない。尖閣をいかに守るかの具体策を行動で示すべきだ。
 石原都政は足かけ14年に及ぶ。3期12年間に行われた都立高学区制全廃や国旗・国歌の指導徹底、道徳教育の充実などの教育改革は高い評価を得た。4期目の今年は「尖閣諸島を都が購入する」と発表し、尖閣国有化という重要な国策の決定につながった。

 ≪残された課題引き継げ≫
 だが、4期目は大規模災害やテロなどの緊急事態の際、都民の安全や首都機能をいかに守るかの危機管理・防災対策など難題が山積していた。東京五輪再招致の課題もある。
 辞任はこれらを途中で投げ出したと受け取られかねない。石原氏はこうした批判に応え、残された課題の引き継ぎもおろそかにしてはなるまい。
 石原氏が橋下氏との「連携、連帯」を強調しつつ新党結成を打ち出したことは、政界流動化の加速につながる可能性が高い。
 離党者が相次ぐ民主党は、衆院の単独過半数(239人)割れまで6人に迫り、国民新党(3人)との統一会派によって危機をしのごうとしている。だが、既に衆院議員の残り任期が10カ月余となった中で、野田政権は懸案を解決できず、国民の支持を失った。
 与党から石原新党への参加者が相次ぐ可能性も否定できない。過半数割れで内閣不信任決議案が可決され、首相が解散か総辞職を迫られる事態も想定される。
 離党者を防ぎ、政権基盤維持のための党内融和人事に走った結果が、田中慶秋前法相の辞任を招いた。「年内解散」を明示しないために自民、公明両党との協力関係も構築できていない。
 「内向き」の政権運営を続けるのではなく、新憲法作りを軸とする国のありようを競い、国民の信を問う姿勢こそ国政の閉塞状態を打破する上で不可欠である。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012102602000114.htmlより、
東京新聞【社説】石原新党 政策本位の第三極に
2012年10月26日

 石原慎太郎東京都知事が知事を辞職し、新党を結成して国政復帰を目指す意向を表明した。石原氏の参戦が乱立気味の第三極勢力にどんな影響を及ぼすか。あくまで政策本位の政治行動を望みたい。
 「石原新党」をめぐっては数年来、浮かんでは消え、消えては浮かぶ状態が続いていた。それは民主党と自民党という二大政党に対する「失望感の裏返し」だった、と言ってもいいだろう。
 臨時国会開会は決まったものの、永田町では野田佳彦政権と自民、公明両党が特例公債法案の扱いをめぐって対立し、こう着状態が続いている。国民に高まる「いらいら感」を見極めたタイミングは絶妙といえる。
 三年前の総選挙では、民主党が掲げた「脱官僚・政治主導」「地域主権」の旗に多くの国民が期待を寄せた。だが失敗し、野田首相は公約を裏切って消費税を引き上げる法案を成立させた。
 自民党は安倍晋三総裁の下で政権奪還を目指しているが、本当に党が生まれ変わったのか、国民は半信半疑だ。だから石原氏への期待も一定程度、集まるだろう。
 石原氏は会見で霞が関の役所と官僚に対する不満をあからさまに語った。なぜ政府は発生主義、複式簿記の財務諸表を作らないのか。なぜ厚生労働省は東京都が独自に始めた認証保育所を認可しないのか。なぜ外務省は横田基地の日米共同使用に反対するのか。
 石原氏は都政を預かった十三年間「国の妨害に遭って苦しい思いをした」と吐露した。自民党政権時代に閣僚を務め、さらに都知事の経験も加わって霞が関の岩盤の厚さを痛感したに違いない。
 同じ問題意識は橋下徹大阪市長率いる日本維新の会や渡辺喜美代表のみんなの党、河村たかし名古屋市長の減税日本など第三極勢力に共通している。そこから「第三極の連携がどうなるか」がこれからの大きな焦点になる。
 そこで石原氏にぜひ望みたいのは、連携や協力関係は政策本位であってほしいという点だ。会見で自ら紹介した「米国防総省を刺激しないで」という外務省高官発言にあるように、強硬な外交路線を懸念する声もある。
 消費税の扱い、原発・エネルギー政策、尖閣諸島や竹島、北方領土問題、さらに環太平洋連携協定(TPP)についても、国民は「自分たちの意見を政党に託したい」と願っている。国民に明快な政策の選択肢を示せるかどうかが、石原新党の試金石になる。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121026k0000m070132000c.htmlより、
社説:「石原新党」結成へ 「第三極」理念が問われる
毎日新聞 2012年10月26日 01時31分

 突然の表明である。13年にわたり都政にあずかってきた石原慎太郎東京都知事が辞職を表明、自身を党首とする新党を結成し国政進出を図る考えを示した。
 民主、自民両党に対抗する勢力の結集をめぐる動きが活発化することは確実だ。石原氏が前向きとみられる、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会との連携も焦点となる。いわゆる第三極の結集論議があくまで政策本位で進むかが問われよう。
 いきなりの辞職表明ではあったが、石原氏による新党構想はかねてくすぶっていた。
 25日午後3時からの緊急記者会見で石原氏は新党結成の目的に現憲法の破棄や中央集権の打破を挙げた。自らが仕掛けた尖閣諸島の都による購入問題は結局、政府による国有化という形で決着した。石原氏の長男、伸晃氏が自民党総裁選で敗北したため、親子が党首として戦う展開もなくなった。そんな状況も背中を押す要因となったのかもしれない。
 改憲、対中強硬路線で知られる石原氏率いる新党の参入はとりわけ「安倍自民」にとって無視できぬ競合相手の出現となる可能性もある。だが、都知事としての行動が結果的に対中関係悪化の呼び水となっただけに、新党による国政進出に不安がつきまとうことも否定できない。
 再挑戦している東京五輪招致などの懸案もある。任期を2年以上残して都政を去る以上、納得できる説明がいる。会見では「中央集権の官僚制度のシャッフル」「最後のご奉公」など言葉は躍ったが、政策の輪郭を伝えたとはいいがたい。具体的政策の早急な提示を求めたい。
 今後、改めて注目されるのは「第三極」結集の動向である。石原氏が強調した官僚支配打破などは確かに橋下氏らの主張とも通じる。
 だが、同じ改憲の立場ながら憲法問題で「(現行憲法は)廃棄したらいい」との石原氏の主張に橋下氏は「憲法を勝手に破棄するというのは権力者が絶対に踏み越えてならない一線」とこれまで反論してきた。
 また、次期衆院選の焦点となるエネルギー政策について維新の会は2030年代までに原発ゼロを目指す公約案を検討しているが、石原氏の立場は異なるはずだ。
 政策の方向が共通する新勢力の連携はむしろ自然かもしれない。だが、理念にかかわる部分の食い違いを放置して反既成政党の協力を掲げても政界再編を主導するような勢力たり得るかは疑問である。
 石原氏の辞職に伴い、東京都知事選も実施される。首都のかじ取り役を選ぶこれも重要な場となる。新勢力以上に問われるのは既成政党の力量である。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121026ddm003010081000c.htmlより、
クローズアップ2012:石原新党結成へ 第三極主導へ駆け引き
毎日新聞 2012年10月26日 東京朝刊

 ◇尖閣国有化/伸晃氏敗北で障壁消える 強い保守色、足かせ
 東京都の石原慎太郎知事が25日、新党結成を表明したことで、民主、自民の2大政党とは別の「第三極」構築を狙う新党勢力の動きが活発化しそうだ。「近いうち」の衆院解散・総選挙へ向け既存政党は警戒を強めるが、石原氏をはじめ70代以上の自民党出身者が中核となる「石原新党」がどれだけ支持を集めるか、懐疑的な声もある。石原氏が連携を期待する日本維新の会はみんなの党と政策協議を行う方針で、維新を率いる橋下徹大阪市長を中心に第三極勢力の主導権争いも激しさを増している。【佐々木洋、堀文彦、中井正裕、高木香奈】

 「性根据えて、中央の役人と戦っていかないと、この国はずるずるとアリ地獄に入ってしまい、窒息してしまう」。石原氏は25日、知事辞職を表明した記者会見で新党結成への思いをまくしたてた。
 中央省庁との対決姿勢を鮮明にすることで、統治機構改革を掲げる橋下氏との連携を期待する石原氏。しかし、自民党を含む「保守勢力の結集」を目指してきたたちあがれ日本が石原新党の基盤になるため、その保守色や「古い自民党」イメージが維新側の警戒感を誘い、新党の先行きを不安定にしている。
 石原新党構想が表面化したのは昨年11月。与党・国民新党の亀井静香代表(当時)が主導したが、国民新党とたちあがれ日本を母体とする当初の新党構想はいったん頓挫。石原氏は今年4月、「白紙撤回」を宣言した。
 今になって石原氏が新党結成に踏み切った背景には、都知事として推進した尖閣諸島(沖縄県)の購入計画がうまくいかず「都政の懸案事項がなくなり、結果として国政に打って出る環境が整った」(都議)ことがある。最終局面で民主党政権に成果をさらわれたことへの不満。さらに9月の自民党総裁選で長男伸晃氏が敗北したことも影響した。伸晃氏を首相にする夢が遠のき、次期衆院選で自民党と争うことへの気兼ねはなくなった。
 今月に入って石原新党結成の動きが本格化。13日に石原氏と橋下氏が東京都内で会談した際、たちあがれ日本の平沼赳夫代表が同席し「西は橋下、東は石原という形でやったらいい」と地域を分けての連携を持ちかけた。
 だが、たちあがれ日本は自民党出身のベテラン5議員からなる小所帯。改革の看板で人気を集めてきた維新側には「石原氏はいいが、取り巻きとは組めない」との声が根強い。橋下氏は平沼氏の唱える東西の「すみ分け論」に反発し、政策面の一致にこだわる姿勢を強調している。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121026ddm003010081000c2.htmlより、
 石原氏は95年4月、勤続25年表彰を受けた衆院本会議で「すべての政党、ほとんどの政治家は最も利己的で卑しい保身の目的のためにしか働いていない」と既存の政治を批判して議員辞職を表明した。その石原氏が都知事を任期途中に辞職して国政復帰を目指すことには「あいつだけは許さない」(ベテラン自民党議員)などの反発もあり、新党参加者の広がりを欠く遠因になっている。

 ◇維新、みんなと両にらみ
 石原新党に先行する第三極勢力の間には「警戒」と「歓迎」が交錯した。みんなの党や「国民の生活が第一」も日本維新の会との連携に期待するが、「保守勢力の結集」を目指す石原氏とは政策的に相いれず、維新と石原新党の接近を警戒。維新を軸とした第三極の主導権争いが激化する中、生活の小沢一郎代表ら民主党離党組が「反増税」「脱原発」で独自色を強調する構図になっている。
 橋下氏は21日、ひそかに上京して石原氏と2人だけで会談した。政策面で意見を交わしたとみられるが、原発を容認し、現憲法の破棄を唱える石原氏との隔たりは埋まっていない。25日には記者団に「(石原氏から)しっかり議論しようと言われている」と政策面の一致を連携の前提とする考えを強調した。
 維新は26日、みんなの党と政策協議を始める予定で、当面、みんなの党と石原新党を両てんびんにかける構え。維新の国会議員は「石原新党と組めば、みんなの党とは組めなくなる。両にらみの路線でいくしかない。橋下さんは慎重に検討すると思う」と説明する。
 「政策のずれを残したままの連携は野合だ」。みんなの党の渡辺喜美(よしみ)代表は25日、維新と石原新党の連携に警戒感をあらわにし、「原発と増税容認なら、民主、自民、公明による幕藩体制の補完勢力だ」と石原新党を厳しく批判した。
 維新が石原新党に接近すれば、生活との連携も遠のく。石原氏は25日の会見で「小沢氏と組むことはない」と明言した。生活側も小沢氏がドイツ訪問などで脱原発政策を前面に打ち出しており、生活の議員は石原新党について「我々と相いれることはない」と強調。生活と衆院で統一会派を組む新党きづなの内山晃代表も「連携できない」と断じた。
 一方、地域政党「減税日本」の河村たかし名古屋市長は25日、茨城県つくば市で記者団に「いろんな試行錯誤はあると思うが、小異を捨てて大同につくというのは昔から大賛成だ」と石原新党を歓迎。減税日本の小林興起衆院議員は「減税のメンバーをなるべく多く連れて石原新党に合流したい」と述べた。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121026ddm003010081000c3.htmlより、
 消費増税法に反対し民主党を除籍された中津川博郷(ひろさと)衆院議員も「保守合同の呼びかけがあれば、くみする覚悟がある」と石原新党参加に意欲を示した。

 ◇民主、強まる「先送り」 自民、票の奪い合い懸念−−次期衆院選
 民主党には次期衆院選に向け、人気の高い石原氏が、維新と結びつくことへの警戒感が広がる。「それほど支持の広がりはない」(民主党幹部)との冷静な見方もあるが、民主党内の解散先送り論はさらに強まりそうだ。
 民主党の細野豪志政調会長は25日の記者会見で石原氏の辞職表明について「都知事選が終わってあまりたっていない。いろいろな判断が都民にあるだろう」とけん制した。
 維新との連携で石原新党に勢いが出れば、東日本を中心に民主党内の「離党予備軍」から石原新党への流出が始まり、あと9人となっている衆院の与党過半数割れが迫りかねない。
 首相官邸筋は「石原新党に行く人がいないか心配になる」と漏らす。民主党幹部は「石原さんと維新は原発や消費税など政策は相当違うのに、どうやって組むのか」と警戒感を見せる。
 ただ石原新党の母体となるたちあがれ日本の支持率は低い。別の民主党幹部は「石原氏本人は強いが、他に誰がいるのか」と指摘。12月に想定される都知事選を控え、民主党内には様子見の空気も広がる。東京選出の中堅衆院議員は「都知事選より先に衆院選をやるのは考えにくい。これで年内解散の可能性はゼロだ」と語った。
 一方、自民党は憲法改正など安倍晋三総裁の持論が石原氏と近く、票の奪い合いとなりかねない。安倍氏は25日、遊説先の鹿児島県南九州市で記者団に「石原知事はカリスマもあるから政界再編への影響はある」と評価しつつ、「他の党を気にするのではなく、一人でも多くわが党の候補者が当選できるように全力を尽くす」と強調した。石原氏の長男の石原伸晃自民党前幹事長は25日夜、鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市で記者団に「(自分は)根っからの自民党だ」と語り、新党への合流を否定した。
 また、公明党の山口那津男代表は25日、記者団に「わが党も(都知事選で石原氏を)推薦しているので、任期途中でやめたのは極めて残念だ」と石原氏の辞職表明に不快感を示した。

 ◇「石原新党」参加の意向を示している国会議員
 <たちあがれ日本>
平沼赳夫(73) 衆(10)岡山3区
園田博之(70) 衆 (8)熊本4区
片山虎之助(77)参 (4)比例
藤井孝男(69) 参 (4)岐阜(衆(4))
中山恭子(72) 参 (1)比例
 <減税日本>
小林興起(68) 衆 (5)比例東京
 <無所属>
http://mainichi.jp/opinion/news/20121026ddm003010081000c4.htmlより、
中津川博郷(63)衆 (3)比例東京
(注)カッコ内数字は当選回数

 ◇「石原新党」をめぐる経緯
10年 4月10日 新党「たちあがれ日本」(平沼赳夫代表)結成
11年 4月10日 都知事選で石原氏が4選
   11月    国民新党、たちあがれ日本を基盤とする石原新党構想が浮上
12年 4月 6日 新党構想を提唱した亀井静香・国民新党前代表が離党
      12日 石原氏が「20人足らずの政党を作って何になる。白紙に戻す」と発言
      16日 石原氏が都による尖閣諸島の購入計画を表明
    9月10日 政府が尖閣諸島の国有化方針を決定
      26日 自民党総裁選で長男の伸晃氏が敗北
   10月12日 石原氏が会見で「(新党について)身を捨ててやるつもりだ」と発言
      13日 石原氏が都内で「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長、平沼氏と会談
      25日 石原氏が都知事の辞表を提出し、新党結成を表明

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012102602000113.htmlより、
東京新聞【社説】放射能予測 これで稼働できるのか
2012年10月26日

 原発の稼働は無理に近いことがこれではっきりした。原子力規制委員会が公表した放射能の拡散予測は、自治体の地域防災計画作りがいかに困難かを示す。脱原発のピッチを上げるほかない。
 全国十六の原発で東京電力福島第一原発と同様の重大事故があった場合、放射性物質はどう広がるかを規制委が予測した。原発周辺で防災対策を重点的に進める区域を決める参考にするという。
 予測では、東電柏崎刈羽と福島第二、関西電力大飯、中部電力浜岡の四原発で、一週間当たりの被ばく線量が一〇〇ミリシーベルトに達する地域が原発から三十キロ圏外に広がった。とりわけ柏崎刈羽では、四十キロ離れた新潟県魚沼市にまで及ぶことがわかった。
 この積算線量は、国際原子力機関(IAEA)が定めている住民の避難基準だ。規制委は新しい原子力災害対策指針の素案で、重点区域を三十キロ圏とする考えを示しているが、極めて不十分だ。
 実際に福島第一の事故でも、三十キロ以上離れた福島県飯舘村がひどい放射能汚染に見舞われた。その苦い教訓を忘れては困る。住民の安全確保よりも、防災対策の講じやすさを優先させる意図があるとすれば本末転倒も甚だしい。
 今回の予測は、山や谷などの地形を考慮していないし、大ざっぱな気象条件を基にはじき出した目安にすぎない。現実に事故が起きれば、風の向きや強さ、爆発の規模によっては放射性物質がもっと遠くへ、もっと異なる方角へ、と飛び散る恐れが多分にある。
 重点区域の自治体は、来年三月までに実効性のある防災計画を作らねばならない。規制委は原発再稼働の必須条件としている。
 仮に原発から半径三十キロで線引きすると、二十一道府県の百三十五市町村が網にかかる。人口はおよそ四百八十万人に上る。
 日本原子力発電東海第二を抱える茨城県では、最多の九十三万人が対象となる。中電浜岡のある静岡県では、東海道新幹線や東名高速道路の大動脈が走る。中国電力島根が立地する島根県では県庁がある松江市が含まれる。
 有事の際、住民にどう情報を伝えるか。避難経路や輸送手段、避難所は確保できるか。被ばく医療体制は整えられるか。政府が自治体の防災計画作りを支援するにしても、難航は必至だろう。
 安全神話の虚構を作り上げて原発建設を推し進めてきたツケである。災害対策とともに、政府は原発の廃炉計画を作るべきだ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121026k0000m070131000c.htmlより、
社説:放射能拡散予測 危険度評価の一助に
毎日新聞 2012年10月26日 01時30分

 仮定をおいた予測なので、確かに限界はある。それでも、原子力規制委員会が公表した全国の原発の「放射性物質拡散予測地図」は、当然、示されるべきデータだった。
 ここを出発点に、国の防災指針や、自治体の地域防災計画の策定に本腰を入れたい。あわせて、原発のリスクに改めて向き合い、脱原発依存を進めるためのひとつの手がかりともしたい。
 今回の予測図は、「福島第1原発事故と同量の放射性物質が飛散した場合」と「各原発の原子炉すべてで炉心溶融が起きた場合」を想定している。過去1年間に観測された風雨のデータを使い、事故後1週間の被ばく量が100ミリシーベルトに達する地点を試算した。国際基準で緊急避難が必要となる線量だ。
 その結果、大飯、柏崎刈羽、浜岡、福島第2の4原発では、原発から30キロを超える地域までが避難対象となった。30キロ圏は新たな国の防災指針で重点的に事故に備える地域だ。7基の原子炉が建ち並ぶ柏崎刈羽原発の場合、40キロ離れた「米どころ」の魚沼市も避難対象となる可能性が示された。影響の大きさにとまどった人もいるだろう。
 今回の予測には地形の情報が入っていない。拡散は事故時の気象にも左右され、当然、予測通りにはならない。だが、思い返せば福島第1原発事故でも影響は30キロを超えた。むしろ、考えておかなくてはならないのは、影響が今回の試算を超える事故も起こりうるということだ。
 現実の事故の影響が同心円状に広がるわけではないという事実も改めて肝に銘じておきたい。福島の事故では飯舘村など北西方向に汚染が広がった。その時の気象や地形に応じた避難対策が取れるようにしておかなくてはならない。予測地図の精度を上げることも検討課題だ。
 原発立地自治体は、来年3月までに地域防災計画をまとめることを求められている。今回の予測地図はそのための参考資料として規制庁などが作製した。公表を受け、自治体からは国の事前説明が不十分という声が上がっている。
 確かに、国は予測の根拠や意味を十分に説明する必要がある。ただ、国の画一的な方針に従うだけでなく、地域の特性を考慮した柔軟な防災対策を立てることが自治体の役割だ。国はそれを十分に支援してほしい。
 私たちはこれまで、原発のリスクを横並びで判定し、リスクの高いものから廃炉にすることを提案してきた。拡散予測地図は、相対的なリスク判定の手がかりにもなるだろう。リスクの「見える化」は、人々の意識も変える。限界を知った上で、有効利用していきたい。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2012年10月25日(木)付
放射能予測―防災が無理なら廃炉に

 原子力規制委員会が全国の原発16カ所について、福島第一原発のような事故が起きた場合を想定した放射性物質の拡散予測を公表した。
 防災の重点区域を定めるために策定した。規制当局がこうした情報を初めて公開したことは評価する。
 ただ、本来なら原発の計画段階で踏まえておくべきことだ。原発建設にあたって、いかに防災対策をおざなりにしてきたかを物語っている。
 公表された予測図を見ると、1週間あたりの積算被曝(ひばく)線量が100ミリシーベルトに達する地域はどのあたりかが一目でわかる。これは国際原子力機関(IAEA)が定めた避難基準にあたる。
 もちろん予測はあくまで現地の標準的な気象条件などをもとに試算したひとつの目安にすぎず、地形も考慮していない。
 現実に事故が起きると、爆発の具合や風向き次第で、今回の予測と異なる状況が生じる可能性は十分にある。
 福島以上の事故が起きる恐れも否定できない。日本の原発は1カ所にいくつもの炉を設ける「集中立地」が特徴だ。
 福島の場合、なんとか作業を続けられたが、1基でも撤退せざるをえない事態になれば他の炉も連鎖的に制御不能となり、被害が飛躍的に大きくなる。
 今回の予測の狙いを正しく読み取り、防災計画づくりに生かす必要がある。
 防災の重点区域は福島事故の後、原発から30キロ圏に拡大された。予測では、30キロの外でも避難線量に達する原発が4カ所あり、重点区域がさらに広がる可能性がある。
 規制委は防災計画の整備を原発再稼働の「最低条件」としており、重点区域の自治体は来年3月までに計画をつくる。
 しかし、東海第二(茨城県)のように周辺人口が多すぎて短期間での避難が困難な原発や、地形上、十分な避難路が確保できない原発もある。浜岡原発(静岡県)は30キロ圏内に、日本の大動脈である東海道新幹線や東名高速道路が走る。
 野田政権は相変わらず、再稼働の判断を規制委に丸投げする姿勢を変えていないが、自治体の計画策定を支援するのは政府の仕事だ。
 新たに設置した全閣僚による「原子力防災会議」のもとで策定の進み具合を把握し、中身を精査する。
 そのうえで、周辺自治体が実効性のある対策を取れない原発は、政治主導で廃炉にしていく枠組みを講じるべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121025/dst12102503480000-n1.htmより、
産経新聞【主張】放射能拡散予測 現実に即した防災計画を
2012.10.25 05:02

 「汚染の限界」を示すはずが「汚染の予告」と誤解される可能性を孕(はら)んでいるのではないか。
 原子力規制委員会が24日に公表した「放射性物質拡散シミュレーションマップ」を見ての危惧である。
 国内の原子力発電所で、東京電力福島第1原発並みの過酷事故などが起きた場合に、住民の避難が必要となる範囲を発電所ごとに地図上で示している。
 作成の目的は、各自治体が来年3月までに策定する地域ごとの防災計画作りの参考資料にしてもらうことにある。
 マップにはシミュレーションの結果、「避難基準」である7日間で100ミリシーベルト以上の被曝(ひばく)となる範囲が多角形で囲まれるような形で示されている。
 規制委は改定中の原子力災害対策指針で、原発からの半径30キロ圏内を事故に備える重点区域としているが、シミュレーションでは関西電力大飯原発や東電の柏崎刈羽原発などで、要避難区域が部分的に30キロを超えている。
 そうした地域の住民は、強い不安を感じかねない。規制委や原子力規制庁は、くれぐれも丁寧に説明していくことが必要だ。
 またマップの作成にあたっては、地形についての情報が考慮されていない。風向きなどについても各地域の年間を通じた傾向に基づくものであるために、事故時の風向き次第で異なる汚染の分布も生じ得る。
 このようにマップの精度や信頼性には、さまざまな限界がある。そのことは担当した規制庁も補足しているが、ショッキングな情報ほど独り歩きしやすいことを忘れてもらっては困る。
 このマップを提示された自治体の側も、困惑するはずだ。実効性のある地域防災計画の策定に有効につながるかどうか、疑問が残る。柏崎刈羽原発のケースでは適用された前提条件の影響で、汚染範囲が過剰に拡大する結果ともなっている。
 シミュレーションの全般の傾向を見る限り、避難が必要となりそうな地点は多くの原発で20キロ圏内外に収まっている。そうした見方も忘れてはなるまい。
 さらにもうひとつ。放射性物質の大量放出をもたらす水素爆発の再発防止策は各原発で講じられている。これを考慮しない防災計画は現実離れしかねない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121025ddm003040079000c.htmlより、
クローズアップ2012:原発事故・線量試算 拡散予測、精度に課題
毎日新聞 2012年10月25日 東京朝刊

 ◇30キロ圏外の境界「単純視は危険」 柔軟な対応必要
 原子力規制委員会が24日、東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえた新たな「原子力災害対策指針案」と、原発の過酷事故時に緊急避難が必要になる可能性のある範囲を試算した結果を公表した。新たな指針案では、避難など事前対策の重点区域が従来の8〜10キロ圏内から30キロ圏内に大幅に広がり、対象の自治体は具体的な地域防災計画策定に追われている。しかし、試算では東電柏崎刈羽原発など4原発では30キロを超えて緊急避難が必要になる可能性が浮上、規制委側の説明不足も相まって混乱が広がる恐れもある。
 「福島第1原発事故で(住民が避難した)福島県飯舘村などは30キロ圏外だった」。拡散予測の公表後、記者会見した原子力規制委員会の田中俊一委員長は強調した。
 試算では、柏崎刈羽原発(新潟県)で7基の原子炉すべてが炉心溶融した場合、緊急避難が必要な区域が東南東に40・2キロの魚沼市にまで延び、原子力災害対策指針案で導入される緊急防護措置区域(UPZ)の半径30キロ圏を大きく超える、との結果が出た。福島事故や今回の試算が示したように、放射性物質は同心円状に拡散せず、自治体に柔軟な対応の必要性を改めて示した。
 一方で、試算対象とした16原発のうち12原発は拡散範囲が30キロ圏に収まった。田中委員長は「国際的な水準に照らしても、事前に対策を準備する区域は30キロ圏で十分だ。その圏外では、事故後の放射性物質の測定を踏まえて(避難指示判断などに)迅速に対応したい」と語った。
 もちろん、試算には課題がある。山岳地など地形の影響を考慮せず、放射性物質は放出時の風向き、風速で一方向に飛ぶという単純化した仮定で計算されている。このため、試算結果は実際に事故が起きた時と状況が異なる。自治体や住民に丁寧に説明しなければ混乱や風評被害を招きかねない。規制委事務局の原子力規制庁は「試算の信頼性には限界がある」と認める。
 山澤弘実・名古屋大教授(環境放射能)も「重点対策を取る範囲の目安にはなる。しかし、被ばく線量の100ミリシーベルト境界線の内側だから危なく外側ならば大丈夫という見方をすべきではない。外側でも避難が必要になる場合があると考えて対応を練ってほしい」と提言する。
 今後、規制委は原子力災害対策指針案に残された不十分な部分で詰めの作業を行う。例えば、住民が避難などの行動を開始する基準の決定だ。このほか、事故後の放射線モニタリングをどのくらいの時間内に行うか、汚染地域から出る人や物に付着した放射性物質をどの程度まで許容するのかも検討する。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121025ddm003040079000c2.htmlより、
 規制委には多くの自治体から地域防災計画策定に当たり、国の主体的関与を求める意見が寄せられている。田中委員長は「自治体が計画を作る際のマニュアルも近く作成したい」と支援を約束。11月には試算結果に関する説明会も開催する予定だ。
 役立つ防災計画になるかは、これからの規制委と自治体双方の取り組みにかかる。【西川拓、岡田英】

 ◇活用法、悩む自治体
 原発立地県は、来年3月までに地域防災計画をまとめなければならない。今回のシミュレーションでは、避難が必要な地域が原子力災害対策指針案で示された半径30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)をはみ出たり、より狭い範囲だったりした。初めて公開された予測情報に戸惑う担当者も少なくなかった。
 7基の原子炉で同時に事故が起きると避難が必要な地域はUPZより大きくはみ出すとの結果が出た柏崎刈羽原発がある新潟県。泉田裕彦知事は「試算結果の内容や考え方について、県を含む県内の自治体に対して丁寧に説明するよう、国に求めたい」とのコメントを出した。
 大飯原発(原子炉4基、福井県おおい町)では、南32・2キロの京都市が1週間の被ばく量が100ミリシーベルトになり得るとされた。京都府は今年3月、国のSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)を使った拡散予測を公表しており、山田啓二・京都府知事は「広域に影響が出ることは分かっており、策定中の避難計画を根本から変える必要はない」と話した。滋賀県の嘉田由紀子知事は「ようやく国がデータを出してくれた」と評価しつつ、今回と手法が異なるSPEEDIによる試算結果も「早く提供してほしい」と求めた。
 シミュレーション結果が30キロ圏内だった県でも、その情報をどう防災計画に生かすべきか、担当者が頭を悩ませている。
 茨城県の東海第2原発(同1基)は、1週間の被ばく線量が100ミリシーベルトに達する最大距離は13キロだった。同県の原子力安全対策課の担当者は「拡散予測に合わせてUPZも13キロでいいという単純な話ではなく、UPZとしては30キロとしておいた方がいいと思う。今後、予測とUPZをどうリンクさせるのかについて国の説明を聞いて調整し、検討する」と話した。
 女川原発(同3基)を抱える宮城県の原子力安全対策課の担当者は「データだけ独り歩きしてしまう。UPZの範囲設定の考え方をしっかり示した上、シミュレーションをどう使っていくか、説明があってしかるべきだ」と発表方法に疑問を投げかけた。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121025ddm003040079000c3.htmlより、
 東通原発(同1基)がある青森県は、原発の他にも核関連施設が存在する。同県の原子力安全対策課の担当者は「県内には六ケ所村の再処理工場もあるが、防災重点地域の範囲が未定。決定を急いでほしい」と語った。【高橋真志、宇多川はるか、杣谷健太、樋口淳也】

http://mainichi.jp/opinion/news/20121026k0000m070128000c.htmlより、
記者の目:電気料金値上げ=大迫麻記子(生活報道部)
毎日新聞 2012年10月26日 00時19分

 ◇消費者庁は毅然とした対応を
 9月から、東京電力管内の家庭向け電気料金が平均8.46%値上がりした。今回、消費者庁が初めて、経済産業省の東電値上げに対する査定案を検証したが、消費者の意見を反映させたとは言い難かった。公共料金の値上げは、暮らしへの影響が大きい。関西電力や九州電力が来年4月の値上げを検討している。消費者は電力会社を選べない。消費者の暮らしを守るという旗印のもと設立された消費者庁は、電力会社の「独占利潤を許さない」という毅然(きぜん)とした態度を示してほしい。
 電気料金の値上げは経産相が認可するが、認可前に経産相と消費者担当相が共同で「物価関係閣僚会議」に諮る。その段階で、消費者庁は「拒否権」とも言うべき強い権限を持ち、消費者担当相の同意なしには、経産相も値上げを認可できないシステムになっている。

 ◇意見まとめるも実現は遠く
 今年5月、東電は平均10.28%の値上げを申請した。昨年3月の東日本大震災で原発が停止し、代わりに天然ガスなどによる火力発電を増やしたことで、燃料費が上がったというのが理由だった。これに対して、消費者庁は消費者団体幹部や大学教授、公認会計士ら12人で構成する「検討チーム」を作った。東電が示したコストの各項目(燃料費、人件費など)の妥当性を検証し、消費者庁は7月、▽燃料費は可能な限り低廉化を図る▽東電の資産は積極的に売却すべきだ−−などの内容を含む、13項目の意見書をまとめた。東電は、このうち、管理職の年収削減幅を26%から31%に引き上げるなど意見書の一部を受け入れ、値上げ幅を1.82ポイント圧縮した。だが意見書の内容の多くは拒否したり、結論を先送りしたりした。
 東電社員の年収(基準外賃金を除く)は、原発事故後に2割削減しても平均556万円だ。日本企業の平均437万円(11年の賃金構造基本統計調査)を大幅に上回る。福利厚生も他の企業に比べ手厚いといわれる。また、東電の天然ガスや石油など、燃料の購入価格は財務省の貿易統計から割り出された全国平均価格より割高であり、利益の9割は家庭向けで稼いでいた。

 ◇独占企業の弊害に立ち向かえ
 しかし、西沢俊夫社長(値上げ申請当時)は「値上げは権利」と発言し、まだ値上げが決まっていなかった5月に、「値上げのお願い」と題するパンフレットを各家庭に配った。東電への不信感は高まり、各地の公聴会は値上げ反対の意見が続出した。だが、東電関係者らの「値上げしなければ銀行が融資を引き揚げ、東電の資金繰りがショートする」という声に押され、値上げ幅が決まった。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121026k0000m070128000c2.htmlより、
 なぜ安易な値上げを許してはいけないのか。それは、東電が独占企業だからだ。しかし、現在の仕組みでは、原価情報は値上げの時しか公開されず、今回は32年ぶりの値上げで原価が公表され、高コスト体質が明らかになった。
 今は非常事態で値上げを認めざるを得なくても、東電は、経営を徹底的に合理化し、将来は必ず値下げしてもらいたい。それが消費者の気持ちだろう。だが、値下げは原則として、事業者の届け出に任されている。値下げの実施を確実に担保する仕組みはない。東電は地域独占を認められた特権企業だ。暮らしを守る消費者庁は、値上げの認可を時限的なものとし、将来、東電の収支が改善したら、確実に電気代を下げさせる仕組み作りに、もっと知恵を絞るべきだったのではないか。
 消費者庁は今回、東電に原価情報などを公開させ、消費者に値上げへの理解を求めようとした。東電から情報を引き出したと言える半面、東電と経産省の代弁者になってしまったように見えた。
 消費者庁に求められていたのは、東電と経産省に向き合い、消費者の声を代弁する役割だったはずだ。消費者庁が値上げに対して「拒否権」を持つのは、そのためではなかったか。
 消費者庁は今後の課題として、値上げ後の状況を監督する「フォローアップ審査」を提言している。審査の主体は経産省だが、消費者庁も関わるという。通産省(当時)は99年、「電気料金情報公開ガイドライン」を策定したが、東電の形骸的な報告を許し、結果的に高コスト体質を温存させた前歴がある。消費者庁は東電に対して、独占利潤や過剰なコストを許さぬよう、フォローアップ審査の内容と、実効性を監視し続けてほしい。
 また、他の電力会社が値上げ申請をした時こそ、消費者庁の創意工夫と突破力に期待したい。