個人情報流出 「これでは不安は尽きぬ」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012103102000115.htmlより、
東京新聞【社説】個人情報流出 これでは不安は尽きぬ
2012年10月31日

 千葉県船橋市役所の非常勤職員が、報酬目当てに探偵に個人情報を漏らしていた。プライバシーが丸裸になるような情報漏れだ。政府は共通番号制を導入する構えだが、これでは不安は尽きない。
 想像してほしい。あなたの知らないうちに、氏名、生年月日は言うに及ばず、離婚歴、納税状況などまでが見知らぬ他人の手に渡っていた場合の不安と恐怖を。
 漏えいをそそのかしたのは、携帯電話の顧客情報を転売した事件で起訴された探偵である。漏れた情報が犯罪にも悪用されかねないことは容易に想像できる。愛知県警が摘発した今回の事件は、氷山の一角であろう。
 漏らしたのは、地方公務員法で守秘義務が定められた市の職員である。一件あたり数千円の報酬を得て、五年間も公然と役所内で業務外の不正照会をしていた。
 船橋市では、パソコン端末への接続権限がある職員の認証コードを使い回していたという。迅速な市民サービスのためと言うが、何の言い訳にもならない。
 二〇〇五年の個人情報保護法の施行以降、住民基本台帳も原則として閲覧できない。職務上知り得た秘密を守るべき役所として、情報管理や職員指導の甘さに猛省を促したい。
 浜松市のように、市の個人情報保護条例で、個人情報の不正提供について、地方公務員法より重い罰則を定める自治体もある。事件の発覚で、政府が二〇一五年の運用開始を目指す共通番号制に、あらためて強い不安を覚える。
 この制度では、国民に「マイナンバー」を割り振り、納税、年金、医療・介護など、国や自治体が別々に管理している情報を結びつけて一元管理する。
 政府は、確定申告や年金受給で国民が便利になると強調する。だが、今回の事件を見ても、情報漏れの心配は、現実のものとして私たちの前にある。一元管理であれば、一つの情報が漏えいした時の被害はさらに大きくなる。
 米国など似たような制度を導入している国は多い。だが、番号の売買や他人の番号悪用など問題も後を絶たない。政府は独立した監視機関をつくるというが、安全の確保は完璧と言えるのだろうか。
 共通番号制により、政府が国民の個人情報を握る一方、国家機密として国民からのアクセスを難しくするような動きがあることも見逃せない。何度でも立ち止まって考えるべきだ。

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