原発政策 「ゼロへの道筋を示せ」

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121220/plc12122003240003-n1.htmより、
産経新聞【主張】エネルギー政策 「原発ゼロ」転換が急務だ
2012.12.20 03:23

 原発などのエネルギー政策をめぐる迷走に終止符を打つときである。
 衆院選で、性急な「脱原発」は多くの支持を得られなかったといえる。来週発足予定の安倍晋三内閣は、民主党政権が決めた「2030年代に原発稼働ゼロ」にするというエネルギー戦略を直ちに転換し、実効ある政策に練り直す必要がある。
 そのうえで、当面の電力不足を解消するため、安全性が確認された原発の再稼働を急がなければならない。原子力規制委員会も安全基準を早期にまとめ、政府が原発立地自治体の同意を含めて責任を持って再稼働を主導すべきだ。
 野田佳彦民主党政権がこの9月に決定した革新的エネルギー・環境戦略は、30年代に稼働ゼロとする原発の代わりに、太陽光、風力などの再生可能エネルギーを拡大するとしている。
 だが、政府試算では原発ゼロ実現のために必要な投資は、省エネを含め100兆円を超える。その場合、電力料金も現在の2倍超に上昇するなど国民生活や産業に大きな打撃を与えるのは確実だ。
 民主党政権は、「原発ゼロ」戦略を前提に、将来の電源構成を定めるエネルギー基本計画や、再生エネの普及を図るグリーン政策大綱などを策定する予定だった。
 新政権には、その前提を見直すことから始めてもらいたい。
 自民党は衆院選の政権公約で、「10年以内に電源構成を決め」、3年内に全原発の再稼働の可否を判断するという、他党に比べれば現実的な選択肢を示している。
 だが、今は、原発再稼働の遅れに伴う電力不足を補うため、火力発電の燃料費が年3兆円も余計に嵩(かさ)んでいる。再稼働の判断に時間をかける余裕はあまりない。
 民主党政権は、再稼働判断を原子力規制委に丸投げするなど無責任な対応が目立った。それが原発立地に協力してきた地域の不信感を増幅したことは否めない。
 失われた地元の信頼を回復し、政府自ら自治体の同意獲得をはじめ早期再稼働の先頭に立つことが、新政権の急務である。
 原子力規制委は20日にも、東北電力の東通原発(青森県)の敷地内を通る破砕帯が活断層かどうかを判定する会合を開く。安全性の優先は当然とはいえ、拙速な判断だけは避けなければならない。最終的な評価は、科学的調査で幅広い知見を集めて下してほしい。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121219k0000m070130000c.htmlより、
社説:原発政策 震災前には戻れない
毎日新聞 2012年12月19日 02時30分

 「原発ゼロ政策」を掲げた民主党が大敗し、これを「無責任」と批判してきた自民党が圧勝した。だからといって、震災前の原発依存社会に戻りたいと思う人はいないだろう。
 そもそも、自民党も「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を公約に掲げている。連立を組む公明党が「可能な限り速やかな原発ゼロ」を掲げていることも軽視できない。
 原発の過酷事故を踏まえ、国民の声を聞きつつ探ってきたエネルギー政策の方向転換を振り出しに戻してはいけない。原発事故の背景には自民党政権が進めてきた原発政策や規制の甘さもあった。新政権は、その反省を出発点に、原発からの脱却を求める国民の声に真摯(しんし)に向き合ってもらいたい。
 自民党は公約で、「10年以内に持続可能な電源構成を確立」との方針を示している。問題は、原発比率の決定を10年も先送りにすることによって、投資や研究開発の方向性が定まらなくなることだ。「3年間、再生可能エネルギーの最大限の導入、省エネの最大限の推進」も掲げるが、行く手にどのような社会をめざすのかが描けないと、企業も国民も腰が引けてしまう。
 現実的に考えれば、原発の再稼働が簡単に進むとは思えない。原子力規制委員会が進める活断層の再調査では、これまでの電力会社の調査や規制当局の審査の甘さが浮き彫りになった。全原発での見直しは避けられない。
 規制委は、来夏までに新たな安全基準を策定する。既存の原発施設にも最新基準の適応を義務づける「バックフィット制度」も盛り込まれる。その結果、大規模な改造が求められる施設も出てくるだろう。原発の寿命を原則40年とする改正原子炉等規制法もないがしろにはできない。総合的に見て、原発が減り続けることは自明であり、脱依存を前提とした政策に向き合わねばならない。
 規制委の厳しい判断に異論が出る恐れもあるが、自民党は「安全性については規制委の専門的判断に委ねる」と明言している。規制委を独立性の高い「3条委員会」にするよう求めたのは自民・公明両党であり、その独立性を侵害するようなことがあってはならない。
 原発政策を考える上で避けて通れないのは使用済み核燃料を再処理して再び燃やす「核燃料サイクル」の扱いだ。自民党は決定を先延ばししているが、政策変更のハードルは先送りするほど高くなる。核燃料サイクルは行き詰まっており、公明党が掲げる「高速増殖炉もんじゅの廃止」などを足がかりに、サイクルからの脱却もめざしてもらいたい。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2012年12月9日(日)付
総選挙・原発政策―ゼロへの道筋を示せ

 選挙戦も後半を迎える。
 各党は原発政策の見直しを掲げているが、有権者にとって判断基準たりうる中身になっているだろうか。
 残念ながら、まだ十分とは言えない。
 最もあいまいな姿勢に終始しているのは自民党だ。
 原発を推進してきた党として何を反省し、どう見直すのか。「10年以内に持続可能な電源構成を確立します」と言うだけでは、無責任きわまりない。
 民主党をはじめ「脱原発」を掲げる側にも注文がある。
 原発ゼロへの速度を競う姿勢が目立つが、実際に原発を閉めていくうえで最大の課題は、「どうやって」の部分だ。
 大規模停電は避けなければならない。原発を止めた分、火力発電の燃料代負担が電力会社の経営を圧迫し続ければ安定供給に支障が出るおそれもある。
 かといって、電気代を一度に大幅にあげれば生活や経済活動を圧迫しかねない。立地自治体や環境問題への目配りも必要だろう。
 「即停止」を主張する政党は激変をどう乗り切るのか。実効性ある道筋を示すべきだ。
 日本未来の党は、一定の政策パッケージを明らかにしてはいる。だが、ゼロ達成までの間、手段としての「再稼働」を認めるのかどうかが不透明だ。
 民主党は「原子力規制委員会が安全と認めた原発を再稼働」「運転開始から40年で廃炉」といった条件を示す。ただ、これだけでは2030年代にゼロにならず、最終目標と矛盾する。ていねいな説明がいる。
 使用済み核燃料の処理についても具体的な言及が乏しい。
 原発を減らしていく以上、核燃料を再利用する核燃料サイクル事業は不要になるどころか、余剰プルトニウムを生み出すことで、核不拡散との関係で国際的な問題を引き起こす。事業は中止するしかない。
 ただ、再処理をやめれば、「資源」だった使用済み燃料は「危険なゴミ」になる。再処理を条件に施設や廃棄物を受け入れてきた青森県は、中止と同時に各電力会社に引き取りを求める姿勢を明らかにしている。
 各原発に持ち帰って保管するのか、ほかの手立てを講じるのか。今後は国がきちんと責任をもつ必要がある。これまでの再処理で生じたプルトニウムの管理・処分方法も含め、考え方を示すべきだ。
 残り時間は限られるが、各党とも、有権者が「選べる」レベルまで原発政策の中身を引き上げてもらいたい。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121207k0000m070128000c.htmlより、
社説:衆院選・脱原発と再稼働 説得力ある工程表示せ
毎日新聞 2012年12月07日 02時31分

 東京電力福島第1原発事故後初の総選挙である。節電の夏を2度経験して分かったのは、原発抜きでも電力供給はできるということだ。国民の生活や経済への影響はあるが、過酷事故の影響を考えれば原発新増設はあり得ず、原発を減らしていく以外に選択肢はないだろう。
 脱原発をどう進めるのか。各党は選挙戦で、具体的な道筋を提示する必要がある。中でも、原発再稼働への対応が当面の課題となるだろう。
 「卒原発」を掲げる日本未来の党の公約は大胆だ。直ちに稼働をゼロにし、10年以内に全原発を廃炉にする。再生可能エネルギー普及で地域産業を育成し、雇用を拡大すると主張する。方向性は理解できるが、再生エネの拡大には一定の時間も費用もかかるはずで、具体性に欠ける。
 電気料金抑制を目的に、当初3年間は電力会社に交付国債を給付するというが、納税者につけを回すことにならないか。脱原発には痛みを伴うことも有権者に説明すべきだ。即時原発ゼロを掲げる他党も同じだ。
 民主党は「30年代に原発稼働ゼロを目指す」とする一方で、原子力規制委員会の安全性評価に従い、当面は再稼働を認める方針だ。
 私たちは、各原発のリスクを共通の指標でランク付けし、優先順位を付けて廃炉にすべきだと主張してきた。再稼働を認めるとしても、規制委の判断だけに頼ってしまえば、脱原発の流れに疑問符がつく。
 エネルギー政策を踏まえた上で、より安全度の高い原発を優先し、政府が責任を持って再稼働の是非を判断するのが筋だ。もちろん、過酷事故の発生を想定した防災体制の整備が済んでいることが大前提となる。
 戦後の原子力政策を主導してきた自民党は「10年以内に電源構成のベストミックスを確立する」と言う。福島原発事故が起きたことに対する反省はどこへいったのか。再稼働の安全性については、民主党同様、規制委の判断に委ねるというが、脱原発の方向性が見えない。
 日本維新の会は「先進国をリードする脱原発依存体制の構築」を掲げる。だが、再稼働をどう進めるのかわからない。既設の原発は「30年代までにフェードアウトする」と書き込んだ政策実例も、公約ではないという。自民もそうだが、脱原発の争点化を避けているようにもとれる。
 脱原発は、産業構造変革や安全保障体制の見直しにもつながる大問題だ。単に時期の早さを競ったり、争点化を避けるのではなく、有権者が吟味可能な、説得力ある工程表を示す政党はどこなのかを見極めたい。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2012年11月29日(木)付
未来の党―脱原発の工程を示せ

 「卒原発」をかかげる滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事が、新党「日本未来の党」を結成した。
 国民の生活が第一や減税日本・反TPP・脱原発を実現する党の議員ら70人以上が合流し、日本維新の会とはまた別の勢力として名乗りをあげた。
 3・11以後、初の国政選挙なのに脱原発が選択肢として見えない。琵琶湖の自然保護に取り組む知事としてじっとしていられなかった――。結党に踏み切った嘉田氏の思いはわかる。
 嘉田氏は、隣りあう福井県にある関西電力大飯原発の再稼働の反対を呼びかけてきた。脱原発世論をすくい上げ、国会に反映する意味がある。
 各政党の原発政策にはあいまいな言いまわしが多く、違いが見えにくい。原発ゼロへの具体的な政策を打ち出すことで、議論が深まることを期待したい。
 嘉田氏はまた、地域や女性、子どもを党の理念の柱にしたいという。身のまわりのことを大切にする姿勢に、共感する人も少なくないだろう。
 ただ、気になる点もある。
 一つは小沢一郎氏の存在だ。自らの党の埋没に危機感を抱いていた小沢氏は選挙の顔として嘉田氏をかつぎ、生き残りのために結党をおぜんだてした。そうした見方があるのは事実だ。
 新党を作っては壊し、力を保ってきた小沢氏の政治スタイルが復活するようなら、脱原発も選挙むけの口実に終わる。
 知事にとどまる嘉田氏が党をどう取り仕切るか。東京で活動する党を、大津から指揮するやり方を示してほしい。
 もう一つは、新党内で他の政策の考え方に違いはあっても、脱原発では同じ方向を貫くことを確約できるかどうかだ。
 嘉田氏は「小異を生かしながら大同を作る仕組みをつくりたい」と語る。ならば、各党から集まった議員が選挙後も原発ゼロをめざす政策で一致し、有権者を裏切らない姿勢を示すことが必要だ。段階的に原発をなくす卒原発の言葉だけでは、他党と大差ない。ゼロへの工程表の提案が不可欠だ。
 原発が立地する地域の雇用問題の解決や、使用済み核燃料の再処理の即時廃止、高速増殖原型炉もんじゅの廃炉を経て、2022年をめどにすべての原発を段階的に廃炉にしてゆくという。それを、実現可能な公約にする必要がある。
 結党の背景には、ともに脱原発を訴えてきた橋下徹大阪市長が、石原慎太郎氏との合流で後退したことがある。嘉田氏は現場をもつ首長として、脱原発の論戦を引っ張ってほしい。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121129k0000m070124000c.htmlより、
社説:日本未来の党結成 原発をとことん論じよ
毎日新聞 2012年(最終更新 11月29日 10時23分)

 号砲直前の急転である。今衆院選で民主、自民両党に対抗する第三極の結集をめぐり滋賀県の嘉田由紀子知事を代表とする「日本未来の党」が発足し、国民の生活が第一(小沢一郎代表)などが合流を決めた。
 日本未来の党は段階的に全原発の廃炉実現を目指す「卒原発」を政策の柱に据えたため、政党乱立で混乱気味だった対決構図がより明確になった。新党の挑戦を各党は正面から受け止め、原発や将来のエネルギー政策を徹底的に論じてほしい。
 第三極の動向が主として日本維新の会を軸に注目される中、意表をつくような早業の結集劇だった。小沢代表をはじめ50人近い前衆院議員を擁する政党が解党を即決、つい先日まで「石原新党」と合流を相談していた旧減税日本の勢力も嘉田氏のもとに参集する。日々刻々と続く離合集散に「政党とは何か」との思いを抱いてしまう。
 それでも、新党が原発問題を最大の争点に掲げ衆院選に参入する意味を軽視すべきでない。
 嘉田氏は新党結成の動機について「今のままでは選ぶ政党がない」と述べ、脱原発路線などに賛同する民意の受け皿となる意欲を語る。民主、自民両党のエネルギー政策はあいまいさを抱え、維新の会も勢力結集の過程で「原発ゼロ」目標の提示を見送った。福島原発事故の教訓を踏まえ、エネルギー政策転換の針路こそ今衆院選で本来、最も政党が問われる課題のはずだ。
 それだけに、新党が公約に掲げる「卒原発」の具体性、実現性が厳しく吟味される。嘉田氏は2022年をめどに「原発ゼロ」の実現を目指す考えを示した。民主党の「2030年代ゼロ」より相当踏み込んだ目標だ。票目当ての結集との疑念をぬぐい去るためには原発再稼働への対処基準や核燃料サイクル問題解決の道筋、再生可能エネルギーや電力コストの見通しなど説得力ある工程を示せるかどうかが問われよう。
 外交、内政で政策の全体像を示すべきなのも当然だ。「脱増税」を掲げ、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対する勢力も合流するが、いわゆる「反対政党」では責任政党とは言えまい。
 新党結成には小沢氏が深く関わったとされる。嘉田氏は知事職にとどまる予定だけに、不透明な二重権力構造としない党の体制が問われる。目指す政権の枠組み、誰を首相候補とするかも示す必要がある。
 混とんとしていた第三極の結集も日本未来の党、日本維新の会、みんなの党などに分かれることでひとまず整理がつきそうだ。政界再編の軸たり得るような明確な針路を示し、大いに競いあうべきである。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121128/stt12112803170006-n1.htmより、
産経新聞【主張】「卒原発」新党 国の未来に責任持てるか
2012.11.28 03:16 (1/2ページ)

 「卒原発」を掲げて、滋賀県の嘉田由紀子知事が自ら代表となる新党「日本未来の党」の結成を表明した。
 来月の衆院選に向け、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」(生活)も解党し、未来の党に合流することを決めた。「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」も合流の意向を表明した。
 「卒原発」は嘉田氏の持論で、原子力発電を卒業するという意味だ。しかし、原発に代わりうる安定的な電源を見いだせない以上、原発に背を向ける政策は極めて無責任といわざるを得ない。
 日本は先進国の中で最もエネルギー資源に乏しい国だ。その困難さを原子力発電で克服してきたことを忘れてはならない。
 「原発が動いてなくても電気は足りている」などの主張は現実を見ていない。火力発電の増加で燃料代が嵩(かさ)み、電気料金の値上げにつながっているではないか。
 貿易収支は赤字に陥り、工場の海外移転が問題となっている。泊原子力発電所が停止中の北海道では、電力不足による人命への影響も心配されている。
 国内の原発は関西電力の大飯3、4号機を除いて48基が停止している。政府は国民の理解を得つつ、安全が確認されたものから一日も早く再稼働させるよう主導すべきである。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121128/stt12112803170006-n2.htmより、
2012.11.28 03:16 (2/2ページ)
 衆院選を戦う候補者や政党にとって「脱原発」や「卒原発」は、目先の票の獲得につながりやすい響きを持つ。だが、脱原発路線は国力の衰退に直結し、ひいては有権者も欺くことになる。
 もう一つ今回、違和感を覚えるのは、生活など既成政党の動きだ。小沢氏は嘉田氏と会談するなど、新党の立ち上げに深く関わってきた。党代表の座を明け渡してまで合流に踏み切る積極性だが、安全保障や経済、社会保障政策など国のあり方について、意見をすり合わせたのか。
 国政政党ならば「脱原発」での一致だけでは不十分だ。衆院選で劣勢が予測されるから新党に飛びつくのなら、党運営は早晩行き詰まる。「野合」批判は免れない。嘉田氏の党代表と知事の兼務も心配だ。両立は困難だろう。
 有権者には、千年に1度の大津波で被災した福島第1原子力発電所の事故と、国の将来を左右するエネルギー政策を切り分けて冷静に判断してもらいたい。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012112802000128.htmlより、
東京新聞【社説】「脱原発」新党 民意のよき受け皿に
2012年11月28日

 3・11後、初の総選挙なのに、大きな争点であるはずの「原発」の議論が欠けていた。嘉田由紀子滋賀県知事が脱原発の新党「日本未来の党」の結成を発表した。民意のよき受け皿になってほしい。
 嘉田氏は「今のままでは投票する政党がないとの声を聞く。真の第三極をつくりたい」と述べた。
 結集軸として脱原発を前面に打ち出し、地方、女性、子どもの視点を大切にするという。これまでの政治に希望を見いだせなかった人たちに、期待は膨らむはずだ。
 十四の政党が乱立する次期衆院選に向け、各党はそれぞれ原発政策を掲げている。だが、スローガン的な公約が多く、今後の原発政策の進め方について、国民には違いが見えにくいのが実態だ。
 嘉田氏は「原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋をつくる」と明言した。新党は、脱原発の民意を広く受け止める役割を発揮してほしい。
 脱原発を重要公約に掲げる新党が登場しビジョンを示すことで、原発政策の議論が盛り上がることを期待したい。
 嘉田氏の構想には、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」、河村たかし名古屋市長が共同代表の「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」、谷岡郁子参院議員が共同代表の「みどりの風」が合流や連携に動きだしている。
 石原慎太郎氏が代表の日本維新の会は、脱原発の姿勢が不鮮明になったと言わざるをえない。
 注文もある。嘉田氏は「卒原発と言っており、卒業までに時間がかかる」と言う。「十年後をメドにすべての原発を廃止」の「国民の生活」や、「予定表を作って原発と決別」の「減税日本」などと最低限の調整は必要だ。
 原発ゼロまでのスケジュールや代替エネルギー、電力供給地域の経済・雇用対策について、大きな枠組みとして統一的な考えを示せないものだろうか。そうでなければ、民意は戸惑う。
 広範な民意の結集を考えるのなら、共産党や社民党とも協力を探ってはどうか。
 琵琶湖博物館の学芸員でもあった嘉田氏は「経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」と強調した。
 原発事故後の日本は、一体どんな選択をするのか。どんな未来を築くのか。世界も注視する選挙なのである。

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