政治不況 金融緩和「物価目標2%」に変更か

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121221/plc12122103520003-n1.htmより、
産経新聞【主張】物価目標 2%で脱デフレの覚悟を
2012.12.21 03:23

 日銀が「中長期的に前年比1%上昇」としていた「物価安定のめど」を見直し、より明確な「物価目標」とする方向を打ち出した。
 白川方明総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、来年1月の次回会合で結論を出したいと語った。18日に自民党の安倍晋三総裁から「物価上昇率2%の目標設定」を要請されたことを踏まえたものであり、「新政権とよく話し合いたい」と述べている。
 日銀は、安倍氏が唱える政府との政策協定締結の検討も始めた。日本経済の最大かつ緊急の課題であるデフレ脱却に向け、日銀が政府と一丸になる覚悟を示したものであり、歓迎したい。
 その政策協定に盛り込まれる物価目標は、安倍氏の言う2%が有力だ。日銀は今年2月以来、「1%めど」を掲げているが、消費者物価は前年比マイナスが続き、成果が上がっていない。
 白川総裁が言うように「3%目標は現実的でない」にせよ、2%への引き上げで「1%めど」に慣れきった市場や企業などに強いメッセージを送る意味は大きい。
 今回の決定会合では、市場に資金を供給するために国債などを買い入れる基金の規模を10兆円増額し、基金残高は101兆円とすることも決めた。これに金融機関の貸し出しを支援するための基金などを加えると120兆円を超える資金供給規模になる。
 国内景気の弱含みが鮮明になり、今月公表された日銀企業短期経済観測調査(日銀短観)で企業の景況感が大幅に悪化したことなどを考えれば、追加緩和は当然といえよう。
 この追加緩和も含め、安倍氏が衆院選期間中に力点を置いていた日銀との協調は大きく前進した。とはいえ、新政権には、デフレ脱却に加え、再来年の消費税引き上げの大きな判断材料となる来年4~6月の成長率押し上げを図る難題が課せられている。
 年明け早々まとめるという10兆円規模の平成24年度補正予算と、それに続く25年度予算が中心になるにしても、安易な国債依存に傾くことは許されない。市場が財政規律の緩みと捉えて国債を売り、金利上昇の引き金になりかねないからだ。
 この厳しい状況を踏まえた次の一手を、新政権は急ぎ国民に示さねばならない。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012122102000138.htmlより、
東京新聞【社説】日銀決定会合 責任の明確化が必要だ
2012年12月21日

 日銀が、自民党の求めに応じる形で金融政策の見直しに入った。デフレ脱却が実現できない以上、当然である。「世界標準」の2%程度のインフレ目標を導入し、達成には責任を負うことが必要だ。
 日銀は二十日の金融政策決定会合で、追加金融緩和として資産買い入れ基金を十兆円増額することを決めた。同時に、二月に導入した「消費者物価指数の上昇率で前年比1%をめどとする金融政策」の点検を始めた。
 これは事実上、自民党の安倍晋三総裁が求めてきた大胆な金融緩和のための「2%程度のインフレターゲット(目標)」政策を導入するかの検討である。
 2%程度のインフレ目標は、緩やかな物価上昇を意味する。インフレというと、物価が上がり続けたり、金利上昇に歯止めがかかりにくいといったイメージがある。しかし、インフレ目標はむしろ物価の安定を目指し、日本を除く先進国などで広く導入されている金融政策である。
 中央銀行が物価の目標を定め、達成するまで緩和や引き締めを続けると約束するため、市場はそれを目安にすることで物価が安定する。導入国ではその効果が実証されている。
 これに対し、日銀の政策は「1%をめど」とあいまいな表現で、とても約束とはいえない。実際の金融緩和も「小出し」の繰り返しで、「強力な金融緩和」との宣言とは裏腹に市場に供給する資金量は欧米の中銀に比べ圧倒的に少ない。それはひとえに、日銀が「目標」という強い約束をせず、ゆえに結果責任から逃げているためである。十五年もデフレが続くのは世界唯一であり、日銀の特異な金融政策が問われるゆえんである。
 だから、デフレから抜け出すには、日銀が政府と政策協定を結び、欧米並みの2%の物価目標を導入する。目標達成の期限は二年程度などと定め、手段については日銀の独立性を尊重して任せる。
 結果は、一定期間の平均で目標の範囲内に収まればよいが、それでも達成できない場合は責任を明確化させる必要があろう。
 当然、物価の上昇だけで国民生活が向上するわけではない。デフレ脱却と円高是正が実現したとして、肝心の賃金上昇などに波及するまでには年単位の時間を要するだろう。需要を高める持続的な経済成長が欠かせない。
 政府も、労働法制など規制改革や的確な財政・税制のかじ取りが問われるのは言うまでもない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121221k0000m070134000c.htmlより、
社説:物価目標 安倍さん ここは熟慮を
毎日新聞 2012年12月21日 02時32分

 日銀が物価目標の導入にカジを切った。「大胆な金融緩和によりデフレを脱却する」と宣言してきた安倍自民党が政権に就くことになったためだ。1月にも、年2%の上昇率を目標に金融政策を行うことで新政権と合意する可能性が高まった。
 日銀はこれまで「当面1%」を物価安定の「目途(めど)」としてきた。現状が0%前後であることをふまえ、1%程度が達成の現実味があるからだ。ただ、目指すものが「目途か目標か」や、「1%か2%か」の議論はさほど意味がない。肝心なのは、「何のために」という狙いと、「どのように」という使い方である。
 海外でも、中央銀行が具体的な物価上昇率を掲げ、それを意識した金融政策を行う例は珍しくない。だが、あくまで経済をバランスよく成長させるための手段に過ぎない。物価上昇率が何%になるまで緩和や引き締めを続ける、とか、何%にならなければ誰かが責任を取らされるといった硬直的なものではない。物価を重視するあまり、株式や不動産市場のバブルを見過ごしてしまった過去の失敗への反省もある。
 そうした観点で見ると、安倍晋三自民党総裁が提唱してきた「物価目標」には疑問と危うさを感じる。
 まず、狙いだ。現在0%近辺で推移している物価上昇率を短期間で2%に高めようとすれば、日銀は相当な額の国債を追加的に買う必要が出てくる。安倍総裁は大規模な財政出動の考えも示しているが、追加の借金(=国債発行)に頼らざるを得ない。そこで、日銀をあてにしているのだとすれば大きな問題だ。借金に歯止めがきかなくなる恐れがある。
 次に「どのように」である。
 いったん望ましい物価上昇率を定めたら、達成のためいつ何をするかは中央銀行の政策責任者に委ねるものである。政治家が金融政策に具体的な指図をし、中央銀行を操ろうとすれば、信頼を失いかえって目標達成が遠ざかる。
 安倍総裁は日銀との間で政策協定(アコード)を結び、「2%」の目標を守らせようとしている。米国政府がかつて中央銀行と結んだアコードを念頭に「日本も」というのであれば、発想がまるで逆だ。政府の要請に応じなければならなかった従来の中央銀行を解放し、独立性を与えたのが本来のアコードだったからである。独立性を脅かすアコードなど先進国として恥ずかしい。
 20日に決定した追加の緩和策の結果、日銀が抱える国債などの資産規模は来年末、100兆円を超える。これ以上の積み増しを強要し、財政、そして円が信用を失う日を早めるような道を、首相になった安倍さんなら選ばないと信じたい。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012112202000130.htmlより、
東京新聞【社説】金融政策論争 日銀の失敗は明白だ
2012年11月22日

 大胆な金融緩和と2~3%の物価安定目標を求めた安倍晋三自民党総裁の発言に、白川方明日銀総裁が「現実的でない」などと反論した。デフレ脱却に失敗した総裁の言い分に説得力はない。
 安倍総裁はデフレ脱却は金融政策が決め手になるとみて、日銀に積極的な対応を求めてきた。柱は物価安定目標だ。インフレ目標とも呼ばれる政策はインフレを目指すのではなく、インフレ(物価上昇)率を緩やかに安定させるのが狙いである。
 日銀は「物価安定のめど」として1%の物価上昇率を目指してきた。だが、二〇一二年度はもとより一三年度も達成できる見通しがない。基本的にデフレが貨幣現象である以上、白川総裁の成績が落第点なのはあきらかである。
 自民党は目標設定と達成責任を明確にするため日銀法改正も公約に掲げている。日銀が目標と言わず「めど」とあいまいな言い方をしているのは、そもそも達成責任を回避したい思惑がある。だからこそ法改正に反対している。
 政治家であれば公約を達成できなければ、説明責任を問われ、選挙で議員バッジを失いかねない。それに比べて日銀総裁は一度就任すれば、五年間は安泰である。
 デフレが国民経済に及ぼす悪影響と金融政策の重要性を考えれば、白川総裁は外部の批判に反論する前に落第点になった責任をどう総括するかを語るべきだ。
 安倍総裁が求めた2~3%の物価目標は世界標準からみて、あるいは十五年に及ぶ深刻なデフレを打ち破るためにも妥当な水準である。「現実的でない」という言い方は反論になっていない。それくらいの意気込みで臨まなければ克服できない重い病ではないか。
 安倍総裁は日銀による国債の買いオペ拡大も求めた。これがメディアで「日銀の国債直接引き受け」と推測交じりに報じられ「財政赤字を日銀が賄うのか」という極端な議論に発展した。
 白川総裁は「通貨発行に歯止めが利かなくなる」と批判したが、報道を逆手にとった、ためにする反論だ。誤解を拡大するような議論はいただけない。
 ただ、政府が目標設定を主導し、達成手段は日銀に委ねるのが本来のあり方である。前原誠司経済財政相はつい最近、日銀に外債購入を求めておきながら、安倍発言を「政治介入だ」と批判した。自分の要求はどうなのか。閣僚には目標と手段に関して原則を踏まえた慎重さも求めたい。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121121/fnc12112103400001-n1.htmより、
産経新聞【主張】安倍氏発言 脱デフレ具体化の論戦を
2012.11.21 03:40

 自民党の安倍晋三総裁が唱える経済再生策が波紋を広げている。株価が上昇、円高是正も進む一方で、民主党や日銀に加え、財界や市場関係者から懸念も出ている。
 市場が安倍氏発言を好感した背景には、脱デフレの糸口すら示せなかった民主党政権への不満、不信がある。衆院選が経済を覆う重苦しさを払う契機になるとの期待があり、氏の発言にその力を感じたのかもしれない。
 経済再生への有権者の関心は高い。安倍氏発言を軸に脱デフレ、金融政策と政府のあり方などで各党の活発な議論を期待したい。
 安倍氏は日銀に物価上昇率2~3%のインフレ目標設定と無制限の金融緩和を求めた。同時に公共投資中心の財政出動や「建設国債の日銀による全額買い取り」を主張した。日銀法も改正し、日銀と政府の連携強化を図るという。
 日銀は物価上昇1%をめざし、資金を市中に流すため国債などを購入する91兆円の基金を設けている。金融機関の融資増分は低利で無制限に貸す仕組みもある。
 それでも市場の反応が鈍いのは日銀の言い回しが慎重で、意図が十分に伝わっていないからでもある。その対比で安倍氏の明快さが歓迎された面もありそうだ。
 安倍氏の政策に不安材料があることも指摘せねばならない。特に厳しい財政状況との両立は重要だ。日本の債務残高は国内総生産の2倍を超え、財政危機状態のギリシャなどを大きく上回る。それでも国債価格が暴落しないのは、なお日本の財政規律は守られていると市場がみているからだ。
 しかし日銀の建設国債買い取りは、公共投資による財政出動とあいまって、市場に財政規律の緩みと判断されかねない。国債価格の急落、長期金利上昇、財政赤字のさらなる拡大という「負の循環」に陥る恐れがある。
 白川方明日銀総裁が財政膨張に「歯止めが利かなくなる」と反論し、野田佳彦首相が「禁じ手」と批判したのはこのためだ。実際国債市場の動きは国債買い取り発言後に慎重になった。安倍氏は財政再建の道筋も示すべきだろう。
 他党も氏の経済政策を批判する以上、これに代わる脱デフレ・日本再生策を語らねばならない。とりわけ、日銀への圧力を強め、政治無策のつけを日銀に押しつけたとされる民主党こそ、自身のデフレ脱却策を示す責任がある。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121121k0000m070076000c.htmlより、
社説:2012衆院選 日本の針路…経済活性化
毎日新聞 2012年11月21日 02時30分

 ◇定番政策からの脱却を
 日本に限った現象ではないが、選挙になると「経済を再生します」「雇用を増やします」など景気の良い発言が飛び交う。私たちはそれが単なる票集めの甘言なのか、実現可能な政策なのか、伴うコストは受け入れられるものなのか、見極めねばならない。各党には、その差が明らかになるような深い論戦を望む。
 経済政策の面で三つの重要な判断軸を提起してみたい。
 第一は、借金残高が国内総生産(GDP)の2倍にまで膨らんだ財政を本気で立て直す覚悟があるかだ。

 ◇三つの判断軸
 そもそも今回「国民の信を問う」ことになった直接のきっかけは、消費税率の引き上げである。増税で合意した民主、自民、公明の3党は、その必要性を国民に丁寧に説明しなければならない。
 ところが、気がかりな動きがある。増税で負担増を国民に求めようという時に、財政をさらに悪化させる政策が散見されることだ。
 自民党の「国土強靱(きょうじん)化計画」はその代表格だろう。「災害に強い国づくり」を大義に、10年間で200兆円もの公共投資を提案している。
 当然、財源が問われる。安倍晋三総裁の発言からうかがえるのは、政府が建設国債を発行し、それを日銀に直接買ってもらうシナリオだ。
 国の借金を日銀が直接引き受けてはならないとした財政法に抵触しそうで実現は不確かだが、問題なのは背後にある考え方である。国債を誰が買おうと、借金を子孫に残すことに変わりはない。子孫へのツケを減らそうという消費増税と逆行する。最悪の場合、「政府が日銀を打ち出の小づちにして野放図な借金を始めた」との観測から、国債価格が暴落(借金に対する金利が急騰)する恐れがある。超低金利の今でさえ、過去の借金の利払い費が年間約10兆円という日本にとって、万事休すだ。
 財政健全化でもう一つ心配なのは、「デフレ」や「景気」を理由に14年4月予定の消費税引き上げが延期される余地が残っている点だ。
 昨年まで20年間の実質GDPの伸び率は平均0.9%程度である。高める努力は必要だが、成長率が2%に届かなければ消費税を上げないという理屈が通れば、いつまでも増税は不可能で、財政は遠からず破綻するだろう。リーマン・ショックのような極端な場合を除き予定通りに増税する方針を明確にすべきだ。
 財政再建に次ぐ2番目の軸として問いたいのは、デフレや経済成長に対する各党の考え方である。何かと物価に焦点が当たりがちだが、そもそも物価は経済活動の体温のようなものだ。経済活動が停滞したまま物価だけ無理に上昇させても、かえって家計は苦しくなる。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121121k0000m070076000c2.htmlより、
 ところが、物価さえ上昇すればデフレ脱却、成長率上昇といった図式で、日銀に物価上昇を義務付けようとの発言が自民やみんなの党、民主の中からも聞こえてくる。物価上昇率が長らくゼロ%近辺で推移しているところに、2%、3%といった目標を導入し、達成できなければ総裁をクビにする、と無制限の金融緩和を日銀に迫る。乱暴な発想だが、もし効果が期待できるのであれば、検討の余地もあろう。

 ◇日銀責任論は間違い
 だが、実際はどうか。過去2年で日銀は国債や社債などを市場で購入し、総額約65兆円を世の中に供給している。ではそのお金が企業の設備投資や新しいビジネスの始動、人々の住宅投資といった、経済を動かす用途に向かったかというと大方は違う。使われず、金融機関が日銀の中に持っている預金口座に置かれたままのお金が増え続けているだけだ。残るお金の多くも「安全」を理由に国債購入に回っているに過ぎない。
 市場にはすでに十分過ぎる資金がある。日銀に追加緩和をさせても弊害こそあれ効果はないと言い切れる政党はどこだろう。
 問題は今ある資金をどのように動かし、事業や人に回るようにするかで、それが3番目の判断軸となる。
 限界に来ている定番の景気対策メニューと決別することから始めなければならない。景気が怪しくなる度に何兆円もの財政出動や金融緩和でその場しのぎの刺激を繰り返した結果、借金の山が残り、手を付けるべき構造改革は先送りされた。
 需要の掘り起こしと、掘り起こそうとするとき邪魔になる規制や慣習を取り除くために何をするか、が最も肝心だ。また、需要が細っている最大の要因である人口減少にどう取り組むのか。少子化対策、女性や外国人の起用など民間と一緒になって進める必要があろう。各党の考えをぜひ聞いてみたい。
 アジアを中心とした海外市場の取り込みもそうだ。観光にしても、高齢者対象のビジネスや子育て支援ビジネス、農業でも、潜在的な力がまだまだ生かされていない。既得権益を死守したい勢力と戦ってでも、潜在力を開花させるための規制・構造改革を断行すべき時が来ている。
 難題から逃げず、本当の知恵と努力が問われる政策で挑む政党・政治家を求めたい。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121120/k10013638181000.htmlより、
日銀総裁 国債の直接引き受けに懸念
11月20日 18時56分

日銀の白川総裁は金融政策決定会合のあとの記者会見で、自民党の安倍総裁が、日銀に大胆な金融緩和を求める考えを示していることに関連して、一般論だと断ったうえで、日銀が政府から直接、国債を引き受ければ、通貨の発行に歯止めがかからなくなり、さまざまな問題が生じるとして強い懸念を示しました。
自民党の安倍総裁は、日銀に対し、2%か3%程度の物価上昇率の目標を掲げ、無制限に金融緩和を行うことを求めたり、必要な公共事業の財源に充てるために発行される建設国債を、日銀に引き受けさせることを検討する考えを示しています。
これに関連して、日銀の白川総裁は20日の記者会見で、一般論だと断ったうえで、「日銀が国債の直接引き受けを行えば、通貨の発行に歯止めがかからなくなり、さまざまな問題が生じるというのが内外の歴史の教訓だ」と述べ、政府から直接、日銀が国債を買い入れることに強い懸念を示しました。また、白川総裁は、日銀が当面の目標として掲げる物価の目標を3%に引き上げることについて、「現実的ではない。高い物価上昇率を目標に掲げて、政策を総動員すると、『物価が上昇する』と国民に信じられ、国債が売られて長期金利が上がり、財政再建にも悪影響が出る」と述べ、経済全体に悪影響が及ぶという認識を示しました。
そのうえで、白川総裁は「中央銀行の独立性は、長い経済・金融の歴史の中で得られた苦い経験を踏まえて設けられた制度だ。金融政策を適切に行うべく最大限努力するので、独立性を尊重していただきたい」と述べ、中央銀行の独立性に理解を求めました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012112000702より、
日銀の独立性尊重を=3%の物価目標は非現実的-白川総裁【12衆院選】

 日銀の白川方明総裁は20日、金融政策決定会合終了後に記者会見し、衆院選で金融政策が一つの争点になっていることについて「日銀は金融政策を適切に行うべく最大限の努力をする。同時に中央銀行の独立性をぜひ尊重してもらいたい」と述べた。また、物価目標を3%にすることに関しては「現実的ではない。経済に対する悪影響が大きい」と、否定的な見解を示した。
 自民党の安倍晋三総裁は、インフレ目標を2~3%にすべきだと主張するなど日銀に対し強力な金融緩和の実行を迫っている。(2012/11/20-18:38)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112001001806.htmlより、
日銀・白川総裁が安倍氏に反論 「さまざまな問題起こる」
2012年11月20日 18時29分

 日銀の白川方明総裁は20日、金融政策決定会合後の記者会見で、デフレ脱却には大胆な金融緩和が必要だとする自民党の安倍晋三総裁の主張に対して「さまざまな問題が起こる」と述べ、反論した。一般論と断った上で発言した。
 安倍氏が求める政府が発行する建設国債を日銀が引き受ける手法は「通貨発行の権限をバックに行うと(財政の膨張に)歯止めが利かなくなる」と懸念を示した。
 2~3%の物価上昇率を目指すインフレ目標の導入も、バブル期の1980年代後半ですら平均1%台前半だったとして「現実的でない」と述べた。(共同)

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2012年11月20日(火)付
金融緩和―安倍発言の危うさ

 総選挙に向け、自民党の安倍総裁が「大胆な金融緩和」発言をエスカレートさせている。先週末には「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう」と踏み込んだ。
 財政の健全性を守るという基本原則への配慮が希薄で、強い不安を抱く。
 安倍氏の主張は、日銀が国債などの金融商品を無制限に買って、本気でインフレを目指していると市場が受けとめれば、「今のうちにモノを買ったり、つくったりしたほうが得だ」という心理が広がり、経済が活性化するというものだ。
 インフレ期待が高まれば、為替も円安に動き、輸出企業の業績が回復して株価が上がり、景気が良くなるという。
 さらに、政策が軌道に乗るまでは、建設国債を日銀に買わせて公共事業を拡大し、「国土を強靱(きょうじん)化する」と訴える。
 しかし、いいことずくめの話には必ずリスクがある。
 インフレへの予想が本当に強まれば、今の超低金利の国債は価値が下がる。そこで、国債を大量に保有する銀行が一斉に売り抜けようとすると、金利が急騰する。国債発行による政府の資金調達に支障が出る。
 国内のすべての債券の金利が2%上がれば、銀行全体で12.8兆円の損失が出ると推計されており、欧州のような財政と金融が絡み合った複合的な危機になる恐れがある。銀行の貸出金利も上がる。
 こうした危うさのなかで、さらに公共投資で財政を拡大し、その財源となる国債を日銀に引き受けさせていこうという感覚は、理解できない。
 公共事業もある程度は必要だが、財政の持続性や費用対効果を精査すれば、どれだけのものが正当化されるだろうか。資金調達で最初から日銀を当てにしているのなら、なおさら疑ってかかられよう。
 私たちは社説で、金融緩和が国の財政の尻ぬぐいと見なされないよう求めてきた。
 中央銀行の信用を傷つけることでもたらすインフレは、健全とはいえない。不況のままインフレだけが進むスタグフレーションという現象もある。
 消費や投資の拡大に伴って物価が上がることが本来の姿だ。それには新産業の育成などを通じて、雇用が増え、賃金が上がるという期待を国民が持てるようにする必要がある。
 日銀への要求の前に、「賃金デフレ」を強いる企業の行動に変化をもたらす環境をどう整えるのか。その道筋を示していくことが政治のつとめだろう。

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