自民党と民主党の違い 小林節氏

http://www.nnn.co.jp/rondan/ryoudan/index.htmlより、
一刀両断 -小林 節-
自民党と民主党の違い
日本海新聞 2013/1/4の紙面より

 忘年会で、あの民主党政権とは一体何であったのかと語り合うことが多かった。

 平成21年の8月に、政権交代を支えたあの熱気は完全に消え去ってしまった。

 当時、わが国を覆った財政破綻と不景気等の困難は、(数カ月の細川政権の時を除いて)50年以上にわたる自民党政権の責めに帰するものだとして、それを民主党が改革してくれると期待して、主権者・国民は民主党に政権を託した。

 しかし、現実に民主党はその期待に応えられずに時が流れ、期待が「敵意」のようなものに変わり、民主党政権は民意に見捨てられてしまった。

 自民党という政党は、国民の中に存在する多様な民意をそれぞれに代表する議員の集団であるので、党内ではさまざまな意見が対立して議論になっている。しかし、党内で、手続きに従って、各段階で議論を経て機関決定を重ねていくうちに、きちんと一つの党議(政策要綱)にまとまり、論争も終結する。そして、議員のそれぞれの意見はそれぞれ胸にしまって、皆で、その党議を国策(法律と予算)にするために努力する。これが自民党の行動様式で、この、意見が違っても分裂しない理由は、政権という接着剤があるからだと言われてきた。

 しかし、過去3年余、野党時代の自民党も議論を重ねながら、決して分裂はしなかった。

 他方、政権政党時代の民主党は、周知のとおり、さまざまな政策課題について、議論を重ねるたびに分裂していった。

 日本国憲法が保障している自由な社会においては、国民の中に多様な意見が存在することは当たり前である。しかし、国家として一つの共同生活の中で暮らしている以上、「取りあえず」一つの国家意思を決めて(選んで)、それで前進し、さらに必要(不都合)が発見されたら、議論を経て修正する。私たちはこの方法以外に共同生活を維持する方法を持っていないはずである。

 にもかかわらず、議論によって歩み寄ることを知らない(拒否する)行動様式は、もとより民主主義社会で暮らす資格に欠けるものであろう。

 健全な議会制民主主義を維持するためには強力な野党の存在が不可欠である。そのためにも、民主党が、今回の失敗を大きな教訓として、文字通り地を這(は)って成長し、出直してくることを願う。
(慶大教授・弁護士)

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