インフルエンザ 「予防徹底し流行抑えたい」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130108/bdy13010803100000-n1.htmより、
産経新聞【主張】インフルエンザ 予防徹底し流行抑えたい
2013.1.8 03:09
インフルエンザが本格的流行の兆しをみせている。小中学校で新学期が始まり、感染機会がぐんと増えるシーズンだ。
大陸から強い寒気が流れ込んで寒さも厳しい。流行に備えて手洗いやうがいを徹底し、十分な睡眠と栄養補給などの健康管理を心掛けたい。
例年、インフルエンザは冬休みが終わって子供たちが再び長い時間を教室で一緒に過ごすようになると、感染があっという間に拡大する。学校から家庭、職場、社会全体へと広がっていく。学校を中心に感染予防を児童や生徒に呼びかけてほしい。
国立感染症研究所によると、全国約5千の定点医療機関からの報告(1週間に1医療機関を訪れた患者数)が「1・00人」を超えると「全国的流行」が始まったと判断される。
今冬は昨年12月10~16日の週に初めてこの指標を上回って1・17人となり、翌週(17~23日)に約2倍の2・23人となった。12月中に1・00人を超えると、1月中旬以降に「本格的流行」になる傾向があるという。
本格的流行では、幼児や高齢者ら健康弱者など2千人近い死者を出すこともある。持病のあるお年寄りはとくに注意が必要だ。大流行に至れば、社会機能がまひする危険性もある。通常のかぜとは違う。侮ってはならない。
甲府市内の病院では4日、患者ら13人が集団感染して80代の男性患者が死亡した。この患者はノロウイルスにも感染していた。
インフルエンザは感染者がせきをすることで、ウイルスを含む唾液や鼻水が飛び散って感染する。電車のつり革などを通じてうつる接触感染も多い。
通勤電車など人混みではマスクをかけ、帰宅後はよくうがいして手を洗う。厚生労働省は「せきエチケット」を呼びかけている。自分の予防だけでなく、人にうつさないように気をつけたい。感染したら、学校や会社を休むことが大切だ。普段から休みを取りやすい環境を整えておく必要もある。
最適な予防は、抵抗力を付けておくことだ。適度な運動も健康管理に欠かせない。ワクチン接種は徹底したい。近年は流行するウイルスのタイプの予測が的確となり、接種効果が上がっている。
ひとりひとりがしっかり予防に励むことによって、流行を最小限に抑えることができる。