阪神・淡路大震災18年 「災害に強い国土を築け」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013011902000143.htmlより、
東京新聞【社説】阪神大震災18年 都市型災害の備えを
2013年1月19日

 一九九五年の阪神大震災から十八年になった。大都市を襲う震災では、建物の倒壊や火災が、大きな犠牲者を出す。神戸の悲劇の教訓から学び、建物の耐震化や不燃化の改修を急ピッチで進めたい。
 阪神大震災で亡くなったのは、六千四百三十四人にのぼる。犠牲者の大半は、倒壊した家や家具などの下になった圧死だった。
 耐震基準は八一年に改められており、それ以前の古い建築物が多く倒壊した。
 国土交通省によれば、年々、新基準の建物の比率が高まっており、一般住宅では二〇〇八年段階で、約79%が「耐震性あり」と推計されている。
 問題なのは、八一年以前に建てられた全国のオフィスビルなど約十五万棟を同省が調べたところ、耐震性に適合するのは約44%しかなかったことだ。大地震がきたら、倒壊し、多数の犠牲者を出し、道路をふさぐ恐れがある。
 病院や学校、デパート、ホテルなど、特定建築物と呼ばれる大規模施設の耐震化を進めることは必須だ。〇三年の時点で、約三十六万棟のうち、約九万棟が古い耐震基準のままで改修が済んでいなかった。同省は一五年までに、それを四万棟へ減らす目標を掲げているものの、〇八年段階で、未改修の建物は約八万棟にものぼった。スピードが遅すぎる。
 大規模施設は避難所にしたり、帰宅困難者を一時的に収容できる拠点になりうるだけに、迅速に改修せねばならない。耐震改修する補助の割合をさらに高めるのも、迅速化の一案だろう。
 東京湾北部で大地震が起きると、最悪で約十二万棟が倒壊し、火災による住宅被害は約十九万棟に達する恐れがある。南海トラフで起きる巨大地震では、名古屋や大阪がダメージを受け、最悪の場合、三十二万人超の犠牲者が出ると予想が出ている。
 不燃化対策も急がれる。主要道路に面する建物を鉄筋コンクリートにするなどして、延焼を遮断するエリアをつくる。建て替えのときは、燃えにくい住宅とする…。壊れない、燃えない町づくりが欠かせない。
 自宅や勤務先で、どう避難するか、ソフト面の重要さももちろんだ。被害が広域化すればするほど、交通網は遮断され、物流は止まる。通信も途絶しよう。被災者は水や食料などの不足にさいなまれる。さまざまな複合災害が待ち構える。都市型災害への備えをあらためて総点検すべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130117/dst13011703470001-n1.htmより、
産経新聞【主張】阪神大震災18年 災害に強い国土を築こう
2013.1.17 03:16 (1/2ページ)

 死者6434人を出した阪神・淡路大震災から17日で18年を迎えた。
 日本列島は「阪神」から地震活動期に入ったとされる。国、自治体、国民が一体となって地震防災に取り組む決意と覚悟を新たにしたい。
 一昨年の東日本大震災はマグニチュード(M)9の海溝型超巨大地震が大津波を起こし、広範囲に壊滅的被害をもたらした。
 これに対し内陸直下型の阪神大震災(M7.3)では、犠牲者の8割が倒壊した建物などの下敷きになっての圧死だった。高速道路をはじめとする都市インフラも甚大な被害を受けた。発生時間が早朝でなかったら、被害はさらに拡大していた。
 東日本大震災以降、巨大津波への備えが地震防災の重点課題となった。「千年に1度」といわれるような巨大津波への備えは、長期的な危機管理の観点から必要だが、現実的な短中期の防災対策としては「阪神」の教訓を重視し、住宅や都市インフラの耐震化を急ぐことが肝要だ。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130117/dst13011703470001-n2.htmより、
2013.1.17 03:16 (2/2ページ)
 特に、老朽化した木造家屋の建て替え促進や、住宅密集地の延焼防止対策などは喫緊の課題だ。中央自動車道・笹子トンネルのような、高度成長期の建造物の耐震性の強化も急がれる。
 大正12年に起きた関東大震災から数えると、日本はこの90年間に関東、阪神、東日本という3度の大震災を体験した。
 これとは別に、終戦を挟んだ昭和18年から23年にかけて18年鳥取(M7・2、死者1083人)▽19年東南海(M7・9、死者・不明1223人)▽20年三河(M6・8、死者2306人)▽21年南海(M8・0、死者1330人)▽23年福井(M7・1、死者3769人)-と、死者千人を超える大地震が5回発生したことも思い起こさねばならない。
 終戦前後の地震頻発は南海トラフの活動に伴うもので、これから迎える地震活動期のピークにも、同じように大地震が立て続けに発生しうる。
 次の東南海・南海地震は、今世紀前半に発生する可能性が高いとされる。首都直下地震の切迫性も叫ばれ、今後10年程度が日本の地震防災の正念場といえる。
 地震活動期を乗り切り、「災害に強い国土」を今世紀後半を担う世代に引き継ぐことは、私たちの使命である。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50676240X10C13A1EA1000/より、
日経新聞 社説 直下地震対策に死角はないか
2013/1/17付

 6400人余りの命が奪われた阪神大震災からきょうで18年になる。都市の直下で活断層がずれる大地震は、列島のどこでも起こりうる。都市型震災への備えに死角はないか、改めて点検したい。
 阪神の被災地では高校3年生までが震災を直接知らない世代になり、地元は災害体験の風化に危機感を募らせている。東日本大震災の記憶が新しいいまだからこそ、2つの震災の教訓をきちんと整理しておきたい。それを、被害を極力抑える減災に生かすときだ。
 肝に銘じたいのは、日本列島全体が地震の多発期に入ったとされることだ。津波を伴う沿岸部の地震だけでなく、内陸の直下型地震も起きやすくなっていると、多くの地震学者が指摘する。
 東日本では約500年に一度とされる一昨年の巨大地震により、広い範囲で地殻に新たなひずみが生じたとみられている。そのひずみで内陸の活断層がずれる「誘発地震」への警戒を怠れない。
 西日本では、政府が東海から九州沖で起きる「南海トラフ巨大地震」を想定し、沿岸の自治体が津波対策に動きだした。歴史的には南海地震が近づくと、近畿や中国地方などで内陸地震が増える傾向がわかっている。海の巨大地震だけに気を取られずに、内陸地震への備えも油断なく進めたい。
 安倍政権は緊急経済対策で防災の強化を掲げ、古い建物や橋、トンネルなどの補強を急ぐとした。これらに優先順位をつけて取り組むのは大事だが、ハード面に偏った対策だけでは限界がある。
 高層へ、地下へと広がった都市では災害時に市民が無事に避難できるか、不安が尽きない。地震で堤防が決壊して地下鉄が浸水したら、どこに逃げればよいのか。都心に取り残された買い物客らの安全をどう守るのか。情報を的確に伝えて避難を促し、人命を確実に守るソフト面の対策が不可欠だ。
 2つの震災で繰り返された「想定外」がまた起きないよう、行政と住民が想像力を働かせ、いまの対策で足りない点を補いたい。

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