通常国会召集 安倍首相の所信表明演説(全文)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012801001630.htmlより、
所信表明で「強い経済」へ決意 日銀と緊密連携
2013年1月28日 14時47分

 第183通常国会が28日召集され、安倍晋三首相は衆院本会議で2度目の就任後初となる所信表明演説を行った。デフレ脱却による経済再生を最大、喫緊の課題と位置付け、日銀との緊密な連携で「強い経済を取り戻す」との決意を示した。東日本大震災からの復興は必ず加速させると約束。日本人10人が犠牲になったアルジェリア人質事件については、冒頭で「断固として非難する。国際社会と連携し、テロと戦い続ける」と宣言した。
 6年前の首相辞任をめぐっては「過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、国政運営に当たることを誓う」と強調した。(共同)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013012800446より、
所信表明演説全文

 まず、アルジェリアで発生したテロ事件について、一言、申し上げます。
 事件発生以来、政府としては総力を挙げて情報収集と人命救出に取り組んでまいりました。
 しかしながら、世界の最前線で活躍する何の罪もない日本人が犠牲となったことは、痛恨の極みです。残されたご家族の方々のお気持ちを思うと、悲痛の念に堪えません。
 無辜(むこ)の市民を巻き込んだ卑劣なテロ行為は決して許されるものではなく、断固として非難します。私たちは今般の事件の検証を行い、国民の生命・財産を守り抜きます。国際社会と引き続き連携し、テロと戦い続けます。冒頭、その決意を申し上げます。
 【はじめに】
 昨年末の総選挙による国民の審判を経て、自由民主党と公明党の連立政権を発足させ、第96代内閣総理大臣を拝命いたしました。
 私はかつて病のために職を辞し、大きな政治的挫折を経験した人間です。国家のかじ取りをつかさどる重責を改めてお引き受けするからには、過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯(しんし)に国政運営に当たっていくことを誓います。
 国家国民のために再びわが身をささげんとする私の決意の源は、深き憂国の念にあります。危機的な状況にあるわが国の現状を正していくために、なさなければならない使命があると信じるからです。
 デフレと円高の泥沼から抜け出せず、50兆円とも言われる莫大(ばくだい)な国民の所得と産業の競争力が失われ、どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならない日本経済の危機。
 32万人近くにも及ぶ方々が住み慣れたふるさとに戻れないまま、遅々として進んでいない東日本大震災からの復興の危機。
 外交政策の基軸が揺らぎ、その足元を見透かすかのように、わが国固有の領土・領海・領空や主権に対する挑発が続く外交・安全保障の危機。
 そして、国の未来を担う子供たちの中で陰湿ないじめが相次ぎ、この国の歴史や伝統への誇りを失い、世界に伍(ご)していくべき学力の低下が危惧される教育の危機。
 このまま、手をこまねいているわけにはいきません。
 皆さん。今こそ、額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、まっとうな社会を築いていこうではありませんか。
 そのためには、日本の未来を脅かしている数々の危機を何としても突破していかなければなりません。
 野党として過ごした3年余り、全国津々浦々で現場の声を丹念に拾い集め、政策のあるべき姿を考え抜いてまいりました。政権与党に復帰した今こそ、温めてきた政策を具体的に実現させ、国民と共に現下の危機突破にまい進します。
 内閣発足に当たって、私は全ての閣僚に「経済再生」「震災復興」「危機管理」に全力を挙げるよう一斉に指示をいたしました。危機の突破は、全閣僚が一丸となって取り組むべき仕事です。
 同時に、与野党の別を問わず、国政に携わる全ての国会議員が担うべき責任でもあるはずです。
 この議場に集う全ての国会議員諸氏に訴えます。危機を突破せんとする国家の確固たる意思を示すため、与野党の英知を結集させ、国力を最大限に発揮させようではありませんか。各党各会派のご理解とご協力を切に求めてやみません。
 【経済再生】
 わが国にとって最大かつ喫緊の課題は、経済の再生です。
 私がなぜ、数ある課題のうち経済の再生に最もこだわるのか。それは、長引くデフレや円高が「頑張る人は報われる」という社会の信頼の基盤を根底から揺るがしていると考えるからです。
 政府がどれだけ所得の分配を繰り返しても、持続的な経済成長を通じて富を生み出すことができなければ、経済全体のパイは縮んでいってしまいます。そうなれば、一人ひとりがどんなに頑張ってみても、個人の手元に残る所得は減っていくばかりです。私たちの安心を支える社会保障の基盤も揺らぎかねません。
 これまでの延長線上にある対応では、デフレや円高から抜け出すことはできません。だからこそ、私は、これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージを提示します。断固たる決意をもって、「強い経済」を取り戻していこうではありませんか。
 既に、経済再生の司令塔として「日本経済再生本部」を設置し、「経済財政諮問会議」も再起動させました。この布陣をフル回転させ、大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という「3本の矢」で、経済再生を推し進めます。
 金融政策については、従来の政策枠組みを大胆に見直す共同声明を、日本銀行との間で取りまとめました。日本銀行において2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを含め、政府と日本銀行がそれぞれの責任において、共同声明の内容をきちんと実行していくことが重要であり、政府と日本銀行の一層の緊密な連携を図ってまいります。
 加えて、先にまとめた「緊急経済対策」で、景気を下支えし、成長力を強化します。これから提出する補正予算は、その裏付けとなるものです。「復興・防災対策」「成長による富の創出」「暮らしの安心・地域活性化」という三つを重点分野として、大胆な予算措置を講じます。速やかに成立させ、実行に移せるよう、各党各会派の格別のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 他方、財政出動をいつまでも続けるわけにはいきません。民間の投資と消費が持続的に拡大する成長戦略を策定し、実行してまいります。
 iPS細胞という世紀の大発明は、新しい薬や治療法を開発するための臨床試験の段階が見えています。実用化されれば、「健康で長生きできる社会」の実現に貢献するのみならず、新たな富と雇用も生み出します。イノベーションと制度改革は、社会的課題の解決に結び付くことによって、暮らしに新しい価値をもたらし、経済再生の原動力となります。
 最も大切なのは、未知の領域に果敢に挑戦をしていく精神です。皆さん。今こそ、世界一を目指していこうではありませんか。
 世界中から投資や人材を引きつけ、若者もお年寄りも、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスを与えられる社会。働く女性が自らのキャリアを築き、男女が共に仕事と子育てを容易に両立できる社会。中小企業・小規模事業者が躍動し、農山漁村の豊かな資源が成長の糧となる、地域の魅力があふれる社会。そうした「あるべき社会像」を、確かな成長戦略に結び付けることによって、必ずや「強い経済」を取り戻してまいります。
 同時に、中長期の財政健全化に向けてプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を目指します。
 【震災復興】
 東日本大震災の被災地は、2度目の厳しい冬を迎えています。私は昨年末に首相に就任した直後に、最初の訪問地として迷うことなく福島を選びました。そして、先日は宮城を訪れ、これからも可能な限り現地に足を運ぶつもりです。
 被災地のことを思うとき、私はある少女とその家族の物語を思い出さずにはいられません。東日本大震災で、小学校3年生だった彼女は、ひいおばあさんとお母さんを亡くしました。悲しみに暮れる家族の元に、被災から2カ月後のある日、1通の手紙が届きます。それは2年前、少女が小学校に入学した後に、お母さんが少女に内緒で書いた「未来へ宛てた手紙」でした。
 手紙には入学当初の苦労話の後に、こうつづられていました。
 「げんきに学校にいってくれるだけで、とてもあんしんしていました。このてがみを みんなでよんでいるところを たのしみにして、これから おかあさんは がんばっていきます」
 この手紙を受け取ったのは、私がかつて被災地で出会い、先般、再会を果たした少女です。その際、彼女は、私の目をじっと見つめ、「小学校を建ててほしい」と言いました。過去を振り返るのではなく、将来への希望を伝えてくれたことに、私は強く心を打たれました。
 ふるさとの復興は、被災地の皆さんが生きる希望を取り戻す作業です。今を懸命に生きる人々の笑顔を取り戻す。それは、その笑顔をただ願いながら天国で私たちを見守っている犠牲者の御霊(みたま)に報いる途(みち)でもあるはずです。
 復興という言葉を唱えるだけでは、何も変わりません。まずは、政府の体制を大転換します。これまでの行政の縦割りを排し、復興庁がワンストップで要望を吸い上げ、現場主義を貫きます。今般の補正予算においても思い切った予算措置を講じ、被災地の復興と福島の再生を必ずや加速してまいります。
 【外交・安全保障】
 外交・安全保障についても、抜本的な立て直しが急務です。
 何よりも、その基軸となる日米同盟を一層強化して、日米の絆を取り戻さなければなりません。2月第3週に予定される日米首脳会談において、緊密な日米同盟の復活を内外に示していく決意です。同時に、普天間飛行場の移設をはじめとする沖縄の負担の軽減に全力で取り組みます。
 外交は、単に周辺諸国との2国間関係だけを見つめるのではなく、地球儀を眺めるように世界全体を俯瞰(ふかん)して、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった、基本的価値に立脚し、戦略的な外交を展開していくのが基本であります。
 大きく成長していくアジア太平洋地域において、わが国は経済のみならず、安全保障や文化・人的交流などさまざまな分野で、先導役として貢献を続けてまいります。
 本年は、日ASEAN(東南アジア諸国連合)友好協力40周年に当たります。私は先日、ベトナム、タイ、インドネシアの3カ国を訪問し、日本に対する期待の高さを改めて肌で感じることができました。2015年の共同体構築に向けて、成長センターとして発展を続けるASEAN諸国との関係を強化していくことは、地域の平和と繁栄にとって不可欠であり、日本の国益でもあります。この訪問を皮切りに、今後とも世界情勢を広く視野に入れた戦略的な外交を展開してまいります。
 わが国を取り巻く情勢は厳しさを増しています。国境離島の適切な振興・管理、警戒警備の強化に万全を尽くし、この内閣の下では、国民の生命・財産と領土・領海・領空は、断固として守り抜いていくことをここに宣言します。
 併せて、今般のアルジェリアでのテロ事件は、国家としての危機管理の重要性について改めて警鐘を鳴らすものでした。テロやサイバー攻撃、大規模災害、重大事故などの危機管理対応について、24時間・365日体制で、さらなる緊張感を持って対処します。
 そして何よりも拉致問題の解決です。全ての拉致被害者のご家族がご自身の手で肉親を抱きしめる日が訪れるまで、私の使命は終わりません。北朝鮮に「対話と圧力」の方針を貫き、全ての拉致被害者の安全確保および即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引き渡しの3点に向けて全力を尽くします。
 【おわりに】
 わが国が直面する最大の危機は、日本人が自信を失ってしまったことにあります。確かに日本経済の状況は深刻であり、きょうあすで解決できるような簡単な問題ではありません。
 しかし、「自らの力で成長していこう」という気概を失ってしまっては、個人も国家も、明るい将来を切り開くことはできません。芦田(均)元首相は戦後の焼け野原の中で、「将来はどうなるだろうか」と思い悩む若者たちを諭してこう言いました。「『どうなるだろうか』と他人に問い掛けるのではなく、『われわれ自身の手によって運命を開拓するほかに道はない』」と。
 この演説をお聴きの国民一人ひとりへ訴えます。何よりも、自らへの誇りと自信を取り戻そうではありませんか。私たちも、そして日本も、日々、自らの中に眠っている新しい力を見いだして、これからも成長していくことができるはずです。今ここにある危機を突破し、未来を切り開いていく覚悟を共に分かち合おうではありませんか。
 「強い日本」をつくるのは、他の誰でもありません。私たち自身です。
 ご清聴ありがとうございました。
(2013/01/28-14:44)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130128/k10015109821000.htmlより、
通常国会召集 開会式行われる
1月28日 13時51分

28日に召集された、第183通常国会の開会式が、天皇陛下をお迎えして、参議院本会議場で行われました。
開会式では、衆参両院を代表して伊吹衆議院議長が、「わが国を巡る現在の内外の諸情勢には、緊急に解決を要する幾多の重要問題が山積している。この現状を深く認識し、内政、外交にわたり、速やかに適切な審議を行い、国民生活の安定向上に万全を期すとともに、諸外国との相互理解と協力を一層深め、世界の平和と人類の繁栄に寄与しなければならない」と述べました。
このあと、天皇陛下が「国会が、国民生活の安定と向上、世界の平和と繁栄のため、永年にわたり、たゆみない努力を続けていることを、うれしく思います。国会が、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、国権の最高機関として、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」と、おことばを述べられました。
第183通常国会の会期は、6月26日までの150日間です。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130128/k10015107361000.htmlより、
通常国会召集 人質事件犠牲者に黙とう
1月28日 11時43分

第183通常国会が、28日召集され、午前の参議院本会議では、アルジェリアで起きた人質事件で犠牲になった人たちに黙とうがささげられました。
午後は、衆参両院の本会議で、安倍総理大臣が所信表明演説を行います。
第183通常国会が、28日召集され、午前の参議院本会議では、アルジェリアで起きたイスラム武装勢力による人質事件について、平田参議院議長が「断じて許し難く、犠牲となられた方々のご冥福を祈り、衷心よりお悔やみ申し上げる」と述べ、議員が起立して黙とうをささげました。
国会では、午後1時から天皇陛下をお迎えして開会式が行われ、その後、衆参両院の本会議で、安倍総理大臣が、政権交代後初めてとなる所信表明演説を行います。
そして、30日から、衆参両院の本会議で各党の代表質問が行われます。
政府・与党は、31日に緊急経済対策を盛り込んだ今年度の補正予算案を、来月末をめどに新年度=平成25年度予算案を、国会に提出し、早期成立を図る方針です。
これに対し、民主党や日本維新の会は、予算案の審議に当たって問題があると判断した事業については厳しくただしていく構えで、夏の参議院選挙も意識した論戦が展開される見通しです。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130128ddm003010133000c.htmlより、
クローズアップ2013:通常国会きょう召集 参院選へ経済最優先
毎日新聞 2013年01月28日 東京朝刊

 ◇与党、保守色抑え 法案絞って実績作り
 28日召集の第183通常国会は、安倍晋三首相が「決勝戦」と位置づける夏の参院選に向けた本格的な論戦のスタートとなる。政府・与党は提出法案を絞り込み、12年度補正予算案と13年度当初予算案の早期成立で、景気回復の実感を確かなものにして参院選に臨む考えだ。一方、野党各党は、経済再生などでは政権に協力する姿勢もみせる。政権との距離の濃淡が参院選での野党共闘の枠組みにも影響しそうだ。【竹島一登、田中成之】

 「日本の有権者は再び私に政権を任せた。求められているのは政策実現のスピード感と実行力だ。強い日本の復活に期待してもらいたい」。首相は26日、映像中継で参加した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のあいさつで力を込めた。昨年12月の第2次安倍内閣発足から1カ月。首相が狙った通りの「円安・株高」のスタートを切っており、いよいよ始まる国会論戦への意欲を隠さない。
 31日に提出する12年度補正予算案では、党の要求を反映した公共事業費がふんだんに盛り込まれた。野党も景気対策という大義名分には反対しにくく「無駄遣い」批判も迫力を欠く。自民党からは「衆院選前から検討してきた内容。『自民党作』の経済対策だ」(高市早苗政調会長)とアピールする声が上がる。
 夏の参院選で「ねじれ」を解消するには自公両党の改選44議席から20以上の上積みが必要だ。首相には、第1次内閣で改正教育基本法など保守色の強い「安倍カラー」にこだわりすぎたことで、政策の優先順位を誤り、結果的に07年参院選の惨敗につながったという反省がある。
 このため、デフレが続く現在の局面では、選挙結果にもっとも影響するのは「経済再生」と見定め、実績作りに集中する方針を固めている。官邸関係者は「予算や関連法案以外は急ぐ必要はない」と指摘する。首相は集団的自衛権の行使容認に意欲を示しているが、実行は参院選後まで先送りする構えだ。

 ◇日銀総裁人事、不安要因にも
 ただ、通常国会が首相官邸が思い描くような「消化試合」となるかは不透明だ。2月下旬に提示する日銀の後任総裁人事は経済政策と密接に関連するだけに影響は大きい。与党は参院の過半数に16議席足りない。野党の協力取り付けに失敗して総裁が空席になるようなことがあれば、政権への大打撃となる。
 また、アルジェリア人質事件を巡っても、野党側は通常国会で政府対応をただす考えだ。政府・与党も情報収集や邦人保護で有効な対策を示さなければ「危機管理を重視する政権として不十分だ」(自民党中堅議員)との声が高まりつつある。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130128ddm003010133000c2.htmlより、
 自民党の石破茂幹事長は27日のNHK番組で、在外邦人の自衛隊による輸送について「相手国の主権に配慮し、憲法の許す範囲でどこまでできるか結論を出さなければならない」と自衛隊法改正に意欲をみせた。
 ただ、自民党が想定する陸路の輸送には公明党内で「武器使用基準の緩和につながりかねない」と懸念する声がある。公明党の井上義久幹事長は同じNHK番組で「慎重な検討が必要だ」とくぎを刺した。
 政権としては参院選での協力が不可欠な公明党の意向は軽視できず、自衛隊法改正を巡っては慎重な対応も迫られそうだ。

 ◇野党、見えぬ対抗軸
 野党各党は合計すれば参院で多数を占めているが、政権や他党との距離感をどう保つか慎重に見極めている。経済再生を前面に掲げる安倍政権と現段階で徹底的に対決すれば、「足を引っ張っている」との世論の批判を浴びかねず、夏の参院選にも影響すると見ているからだ。
 27日のNHKの日曜討論では、民主党の細野豪志幹事長が国会対応について「メリハリのきいた対応をしたい」と表明。日本維新の会の松野頼久・国会議員団幹事長も「なんでも反対という姿勢は取らない」と同調し、みんなの党の江田憲司幹事長も「反対のための反対はしない」と語った。
 補正に関しても3氏は「公共事業に偏り過ぎている」と指摘したが、反対を明言することはなかった。
 一方、首相は年末から年明けにかけ、維新の橋下徹共同代表(大阪市長)、新党改革の荒井広幸幹事長、みんなの渡辺喜美代表と個別に接触し、補正や日銀総裁人事への協力を要請している。日銀人事に関しては民主党にも水面下で協力を求めている。
 いずれも野党分断が狙いだ。補正や同意人事で野党の対応が分かれれば、選挙での共闘の障害となる。そうなれば、参院選で全国に31ある改選数1の「1人区」で自民党候補が勝利しやすい。

 ◇共闘には遠く
 首相の狙いが明らかにもかかわらず、参院選に向けた野党側の連携は具体化するどころか、むしろ乱れている。野党第1党の民主党は政権転落後の茫然(ぼうぜん)自失から抜け切れていない。その民主に対し、維新とみんなは「労組切り」を共闘の条件として突きつける。維新はみんなに合流を求めるが、みんな側は「旧『太陽の党』系がいる間は無理だ」と答えている。そもそも昨年末の首相指名選挙では、新党改革と新党大地が1回目の投票から安倍首相に投票し、一部の野党は与党寄りの姿勢が鮮明だ。
 野党幹部は「つい1カ月前の衆院選で『あの党はおかしい』と互いにたたき合っていたのに、『はい、協力しましょう』なんてできるわけがない」と話す。参院選に向けた野党共闘の軸は五里霧中だ。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年1月27日(日)付
国会開幕へ―野党は早く目を覚ませ

 通常国会が週明けに始まる。
 自民、公明両党の圧勝で終わった総選挙をへて、与野党の論戦がいよいよ再開する。
 夏には参院選がある。参院で自公が過半数を占めれば衆参のねじれは解消し、巨大与党の政策実行力が一気に強まる。逆に野党はさらに弱体化し、政治の緊張感は薄まりかねない。
 この国会での論戦は、今後の政治を左右する参院選の前哨戦でもある。
 安倍政権は経済政策を中心に着々と歩を進めている。なのに民主党、日本維新の会など野党の動きは鈍すぎないか。
 安倍政権の政策を厳しくチェックし、批判すべきは批判し、協力すべきは協力する。一刻も早く態勢を立て直し、政権交代の時代にふさわしい、建設的な野党の姿を示さねばならない。
 論点には事欠かない。
 「アベノミクス」が放漫財政を招き、日本の信用を失わせないか。アルジェリア人質事件の教訓をどう生かすか。近隣外交を打開する手立ては。脱原発依存をいかに進めるか。
 政権が参院選に勝ってからの課題と想定する憲法改正や、村山・河野談話の見直しなどについても、今からしっかり議論すべきだ。
 もちろん、野党が政権の足を引っ張るばかりでは困る。
 日本銀行総裁をはじめ、100人以上の国会同意人事の処理が迫られる。与野党で十分な議論ができる環境を整える必要がある。事前に報道された人事案を受け付けない悪(あ)しきルールが廃止されるのは歓迎したい。
 違憲状態にある衆参の選挙制度の改革に結果を出すことも、与野党共通の責務である。
 夏の参院選から改選数1の選挙区が31に増える。野党がばらばらのままでは圧倒的に不利になる。そのことは総選挙で痛いほど学んだはずだ。
 国会運営をめぐっても、政権の動きは素早い。首相みずから維新など野党党首らと個別に会い、協力を求めている。
 これに対し、野党共闘に向けた動きは進んでいない。こんな状態で政権チェックの役割が果たせるのか。
 野党各党は早く目を覚ますべきである。
 政権への対案を示しつつ、論戦を通じて、それぞれがめざす国の姿や社会像を、説得力あるかたちで示す作業を急いでもらいたい。
 そうした積み上げのなかで、各党の連携・協力が可能かどうかが見えてくるはずだ。参院選に向けて有権者に判断材料を示すことにもなる。

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