オバマ大統領の一般教書演説 理想より現実路線

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130214/amr13021403070000-n1.htmより、
産経新聞【主張】一般教書演説 米は「強い決議」の先頭に
2013.2.14 03:07

 核実験を強行した北朝鮮に対して、オバマ米大統領は2期目初の一般教書演説で「国際社会を主導して断固たる措置をとる」と言明し、これ以上挑発を許さない決意を内外に表明した。
 国連安保理も緊急会合で北を非難する声明を発したほか、日米韓を中心に首脳、外相級協議が集中的に行われた。対北制裁の追加や強化を含む「強い安保理決議が必要だ」(日韓首脳)との国際世論が急速に高まっている。
 オバマ氏の決意表明を評価するとともに、この流れが緩まないように願う。北の暴走を止めるには日本も応分のリスクが求められよう。安倍晋三政権は米韓と緊密に連携し、中露も巻き込んで速やかに決議を成立させてほしい。
 オバマ氏は成長や雇用創出などの内政課題に触れた後、北の挑発を「孤立を深めるだけだ」と非難し、イランに対しても「外交解決に応じなければ、核保有阻止に必要な措置をとる」と警告した。
 年頭の施政方針を示す一般教書演説は内政中心となるのが通例だが、北の核やミサイルは米国への「直接的脅威」となり、北・イラン間では開発協力や連携も指摘される。「核なき世界」を掲げるオバマ氏が両国の行動を強く牽制(けんせい)したのは当然といえる。
 ただ、対北制裁では中国の責任と役割が極めて重要であり、演説でこれに触れなかったのは踏み込み不足の印象を免れない。また、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の意義などを挙げながら、日米同盟や日本の参加に一切言及しなかったのは残念だ。
 2期目の国防を担うヘーゲル次期国防長官は近く指名承認される見通しだ。ケリー国務長官とともに、オバマ氏には毅然(きぜん)たる対北外交を主導してもらいたい。
 一方、北の核・ミサイル開発に必要な資源や財源を封じ込めるために、金融制裁とともに、船舶検査(臨検)や海上封鎖など実力を伴う行動が新たな安保理決議の柱に浮上する可能性がある。
 臨検や海上封鎖となると、日本は集団的自衛権の行使を求められる局面も考えられる。
 安倍首相は李明博・韓国大統領との電話会談で「北の行動を容認せず、強力な内容の決議を速やかに採択すべきだ」と訴え、両国の連携で一致した。日米韓それぞれが責任を果たし、実効性ある制裁強化を実現する必要がある。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013021402000158.htmlより、
東京新聞【社説】オバマ演説 米再生の礎は築けたか
2013年2月14日

 「党の利益を国益に優先させてはならない」。再選後初となるオバマ米大統領の一般教書演説を貫いたのは、共和党陣営への強いメッセージだった。超党派的手腕が問われよう。
 「勤勉で責任をもって働きさえすれば、出自や外見、また愛する相手が誰かを問わず、誰しもが前に向かって歩んでいける国」「少数のためにではなく、多数のためにある政府」
 冒頭で、オバマ大統領が掲げた米国像は、幅広い中間層の復活を最重点に据えるものだった。「公正な社会」は、再選に臨んだ昨年の一般教書演説のテーマでもあった。「強い米国」を掲げた共和党との政権選択選挙を制し、二期目の負託を勝ち得た自負が滲(にじ)む。
 演説は、先月の就任演説で提示したリベラル色の濃い国家像を念頭に、富裕層への負担増を求める税制、オバマケア(医療保険改革法)の本格始動を前にした社会保障改革、教育改革、包括的移民法、銃規制など内政全般にわたり総花的な政策を網羅し、共和党の譲歩を迫るものだった。
 二期目を迎え、米国経済はシェールガス革命によるエネルギー産業、住宅市場などが回復の兆しを見せている。今回の演説は、こうした「実績」を背景にした共和党陣営への戦闘宣言でもあろう。
 恒例となっている演説直後の共和党側の反論では、保守の将来を担うとされるルビオ上院議員が、「財政支出に頼る大きな政府で、米国の理念である企業精神を罰するような政策は成功しない」と、従来の立場を崩さぬ強硬姿勢を示した。今月末に迫っている「財政の崖」の新たな期限を控え、議会の攻防は予断を許さない。
 演説の前日に行われた北朝鮮の核実験について、オバマ氏は「この種の挑発は国際的孤立を深めるだけだ」と非難、国際社会と強調し、強い姿勢で対処してゆく姿勢を示した。
 イランの核疑惑問題でも外交的決着を促したが、外交問題に割かれた時間は短く、強い口調とは裏腹に内政重視の一方で展開される新たな国際戦略が十分に語られなかった印象は否めない。
 四年前、やはり北朝鮮のミサイル実験の直後にプラハで行った演説では、冷戦終結後の新国際秩序を見据えた「核兵器なき世界」への真摯(しんし)な取り組みが国際的共感を得た。二期目の本格政権を担う今、高く掲げた理念も踏まえ、継続的な取り組みを期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO51693300U3A210C1EA1000/より、
日経新聞 社説 米与野党は包括的な財政改革へ歩み寄れ
2013/2/14付

 オバマ米大統領が議会での一般教書演説で、財政再建に向け抜本的な税制改革に超党派で取り組むよう呼びかけた。与野党が溝を埋められなければ、歳出が強制的に削減される懸念がある。世界景気への影響を考え、包括的な財政改革へ歩み寄りに努めてほしい。
 一般教書演説は向こう1年間の施政方針を網羅的に盛り込むことが多いが、今回最も時間を割いたのは経済再生と雇用回復だった。
 「今こそ雇用創出を促し、財政赤字縮小を助ける超党派による包括的な税制改革を行う絶好の機会だ」。大統領は2008年の大統領選を戦った相手である共和党のマケイン上院議員の名前をわざわざ出して協力を求めた。
 与野党は一昨年、財政再建策で合意できない場合、歳出を強制的に大幅削減するルールを定めた。協議促進のためだが、富裕層増税を訴える民主党と、歳出削減を重視する共和党は対立したままだ。
 年初の「財政の崖」は回避したが、歳出の強制削減は2カ月先送りしただけだ。世界のマーケットが米議会を注視している。
 大統領は与野党の妥協を促す一方、共和党が反対する移民規制緩和、銃規制強化などリベラル派としての持論も声高に唱えた。
 共和党は猛反発している。反論演説を担当したルビオ上院議員は「大統領が増税への執着を捨て、米経済の真の成長を達成するため我々と協力することを期待する」と言い返した。
 野党に話し合いを呼びかけつつ、対立もあおる大統領の戦略はややちぐはぐな感じが否めない。
 演説は同時に、米外交の内向き姿勢を改めて鮮明にした。2期目の重点政策のはずのアジア重視への言及はなかった。イランなどと並んで北朝鮮の核開発は非難したものの、中国の海洋進出などの不安定要因には触れなかった。
 北朝鮮への制裁措置などを巡り重要な役回りを担う中国を刺激したくない局面なのは事実だが、日米連携で中国の圧力に抗しようとする日本にはやや肩すかしな内容だった。
 経済外交に関して大統領は、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉完了を急ぐ考えを示すとともに、欧州連合(EU)との包括的な貿易・投資協定の協議を始めることも明らかにした。
 TPP参加すら決断できない日本を尻目に、米国は着々と視野を広げている。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130214k0000m070121000c.htmlより、
社説:オバマ大統領 断固たる北朝鮮対応を 
毎日新聞 2013年02月14日 02時32分

 財政難の折、米国の力はなるべく使いたくないが、世界には対応すべき問題が多い−−。言葉の端々にそんなジレンマが感じ取れた。オバマ米大統領の一般教書演説である。
 大統領は、この演説にぶつけるように3度目の核実験を行った北朝鮮に対し「この種の挑発はさらなる孤立を招くだけ」と警告した。昨年の演説では北朝鮮にふれず、一昨年も短い言及にとどまっていた。
 久々に大統領が北朝鮮に強い態度を示したことを歓迎したい。北朝鮮は核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成をめざしており、米国への核攻撃を思わせる動画さえネット上で流して、オバマ政権の出方をうかがっている。
 危機は深刻である。長年、日本が北朝鮮の脅威の矢面に立たされてきたが、核の小型化を念頭に置いたとされる核実験と昨年末の弾道ミサイル発射で、米国にも現実的な脅威が及んだ。大統領が言うように、日米をはじめ同盟国の結束が不可欠だ。
 国際社会の制止にもかかわらず、火遊びのように核実験を繰り返す北朝鮮は厳しく罰せられるべきである。中国が北朝鮮をかばう可能性もあるが、安保理が断固たる対応を取れるよう米国の指導力が望まれる。
 「核兵器のない世界」を看板とするオバマ大統領は、ロシアとの核軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」を上回る規模で核兵器を削減する意向を示した。この点も評価したい。核拡散防止条約(NPT)は、公認の核兵器保有国(米英仏露中)に対して核兵器削減を求めているからだ。他の4カ国も自発的な削減に努めてほしい。
 さらに、アフガニスタン駐留米軍の「14年末までの完全撤収」のために、向こう1年間で3万4000人を削減することも表明した。撤収自体は喜ばしいが、アフガン情勢はなお険悪で、いかに米財政逼迫(ひっぱく)の折とはいえ、予定通りに撤収していいか慎重に判断すべきだろう。
 注目されたのは、アルジェリアの人質事件に見るような過激派の広がりに関して、大統領が「何万人もの私たちの息子や娘を派遣して他国を占領する必要はない」と述べ、関係国の側面支援に徹する姿勢を明確にした点だ。その背景にも国防予算削減があるのは明らかで、「テロとの戦争」を世界各地で続けたブッシュ前政権との違いが際立っている。
 大統領は「米国の経済成長のエンジンを再起動」し、中間層の雇用創出を針路の「北極星」として、引き続き経済を最優先する構えだが、北朝鮮やテロ組織が米国の台所事情を見透かして勢いづいている疑いもある。米国は世界の平和と安全への確固たる関与を忘れないでほしい。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130214ddm003030134000c.htmlより、
クローズアップ2013:米大統領一般教書演説 理想より現実路線 オバマ氏2期目、内政重視鮮明に
毎日新聞 2013年02月14日 東京朝刊

 ◇「偉業」戦略示さず
 オバマ米大統領は12日(日本時間13日)、2期目就任後初の一般教書演説を行った。「核なき世界」など理想をちりばめ、米国の「変革」を内外に発信した1期目就任直後とは打って変わり、外交が影を薄め、経済など内政問題が全体の約8割を占めるなど現実路線への傾斜を印象付けた。残り4年で歴史に名を刻む大統領になれるのか。演説では「偉業」に向けた政権戦略を示しておらず、背伸びをせず粛々と難題に挑むことになりそうだ。
 「これらの脅威に対して米国は同盟国の支えとなり世界を率いて断固たる措置を取る」。12日の演説の外交部分でハイライトとなったのは、北朝鮮の核実験に対する「対抗措置」を明確にした場面だった。「挑発行為は孤立化を深めるだけだ」とけん制し、同盟国間のミサイル防衛を強化する姿勢を鮮明にした。
 オバマ大統領は演説で「サイバー攻撃への脅威に対処する」とも強調。念頭にあるのは中国だ。オバマ政権はイラク・アフガニスタンでの戦争終結への道筋を付ける一方、アジア太平洋重視の安全保障戦略を打ち出している。北朝鮮や中国の安全保障上の現実的な「脅威」にどう対処するかが問われている。
 米経済が低迷する中で登場したオバマ大統領の演説は常に経済が話題の中心で、外交・安保分野への言及が少ない。それでも1期目は09年のカイロ演説で「イスラム世界との和解」を打ち出すなどブッシュ前政権の単独主義で傷ついた米国への信頼を回復してきた。
 2期目の米大統領にとって議会の制約を受けにくい外交は「実績づくり」の格好の分野。オバマ大統領は演説で戦略核兵器の追加削減に向けロシアと交渉する考えを示し、核軍縮・不拡散の理想を追求する構えを見せた。
 だが、他の外交・安全保障上の課題については、1期目後半以降の発言の踏襲が目立った。イランの核開発問題では「今が外交的解決の時機であることを知るべきだ」と外交的解決の方針を改めて強調。北アフリカでテロの脅威が強まっていることを認めながらも、海外派兵への慎重姿勢を重ねて示した。
 米ギャラップ社が1月に発表した世論調査結果によると、世界で米国の力が今年「弱まる」と思う米国人は57%で、「強まる」の37%を20ポイント上回った。一般教書演説で大統領が「理念」よりも「実務」を強調したのは、米国の指導力低下を自覚する米世論を反映したとみられる。【ワシントン白戸圭一】

 ◇製造業復活へ輸出促進 中間層底上げ図る
http://mainichi.jp/opinion/news/20130214ddm003030134000c2.htmlより、
 「成長のエンジンである中間層の再活性化がわれわれの責務」。オバマ大統領は一般教書演説で経済再生に向けて中間層の底上げを図る考えを強調。「最優先課題は米国を新たな雇用と製造業を引きつける磁石にすることだ」と述べ、製造業復活を図る方針を示した。
 具体的には、研究・開発投資への恒久的な税制優遇措置▽再生可能エネルギーへの投資促進▽老朽化インフラの整備−−などを提案。日本が交渉参加を検討する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について「交渉を完了させる」と明言。欧州連合(EU)との貿易・投資協定締結に向けた交渉も始めるなど、輸出拡大で米製造業を後押しする考えも表明した。
 米経済は連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和も背景に住宅や新車市場が復調するなど改善しているが、失業率は7・9%に高止まりするなど本格回復には遠い。財政難の中、大統領は製造業復活につながる分野に国が重点投資する「賢い支出」を目指すが、実現には議会の壁が立ちはだかる。
 巨額の財政赤字を抱える米国は中期的な財政健全化策策定も急務。大統領や与党・民主党は歳出削減に加え、富裕層への追加増税なども探る。しかし、反増税の野党・共和党は社会保障費の大幅削減などを求めている。
 与野党が赤字削減策で妥協しなければ、3月1日には防衛や教育費など歳出を強制削減する措置が発動される。経済への影響が懸念され、大統領は議会に早期対応を求めているが、与野党に歩み寄る機運はない。共和党側は教書も「増税と赤字を増やす歳出拡大は中間層を傷つける」(ルビオ上院議員)と酷評、対決姿勢を強めている。【ワシントン平地修】

 ◇共和が下院制し「決められない政治」に
 オバマ大統領は09年、就任後初の議会演説で、経済危機に直面した米国の再生に向け超党派の団結を呼びかけ、エネルギー、医療、教育への投資で競争力を再生させることが「新たな米国の世紀」をもたらすと述べた。しかし医療保険改革などの業績をあげたのは民主党が議会を支配していた1期目前半。10年中間選挙で共和党が下院を制して以降、重要法案で抵抗を受け物事を「決められない政治」が定着。多くの公約が未達成だ。
 超党派を看板にしたオバマ大統領だったが、今回の一般教書演説では世論を分ける銃規制など党派色が強い政策課題を多く掲げた。共和党に協力を呼びかけつつも、主導権は離さない姿勢をにじませた。【西田進一郎】

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