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日別アーカイブ: 2013年2月18日

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130218/k10015600501000.htmlより、
海自の防衛交流に中国海軍が参加
2月18日 17時53分

海上自衛隊が、アジア太平洋地域の各国海軍の幹部を招き意見を交換する会合が、18日から東京で始まり、中国海軍からも幹部1人が参加しています。
海上自衛隊は、この時期に中国からも幹部が参加したことは、大きな意義があるとしています。
この会合は、海上自衛隊がアジア太平洋地域の各国海軍と相互に理解を深めようと、それぞれの国の海軍大学から大佐級の教官を招き、15年前から開いています。
ことしは、アメリカや韓国、オーストラリアなど合わせて15の国から1人ずつが出席し、中国海軍からも女性幹部1人が参加しています。
18日は東京・目黒区の海上自衛隊幹部学校で開会式が行われ、岩崎英俊副校長が「議論を通じてお互いの相違点を理解し、この地域の平和と安定に資する取り組みを考えていきたい」と述べました。
会合は、5日間の日程で、不測の事態を避けるための仕組みづくりや、安定した安全保障環境をアジア太平洋地域で構築するため、どのような協力ができるのかといったことについて意見を交換することにしています。
海上自衛隊幹部学校の久野敬市研究部長は「この時期に中国からも幹部が参加したことは大きな意義がある。それぞれの国が何を考えているのか、どうすれば安全保障の枠組みを作っていくことができるのか、話し合っていきたい」と話しています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021701001520.htmlより、
新たな日中友好関係の進展を 沖縄で文化友好祭
2013年2月17日 18時59分

 沖縄の本土復帰と日中国交正常化40周年の節目を昨年迎えたことを記念し、日中や沖縄、奄美地方(鹿児島県)で活躍する歌手らが出演する文化友好祭「あけもどろ」が17日、沖縄県宜野湾市で開かれた。尖閣諸島問題で日中関係が冷え込む中、日本に住む中国人を含む約2800人の観客が異なる国、地域の文化の共演に酔いしれた。
 「あけもどろ」はウチナーグチ(沖縄方言)で夜明けを意味する言葉。仲井真弘多知事が「日中関係の影響を懸念しながらも、文化の力を再確認し、近いうちに新しい友好関係が進展することを祈念する」と開会のあいさつをした。(共同)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013021200894より、
極めて危険な行為=中国レーダー照射で海幕長

 海上自衛隊トップの河野克俊海上幕僚長は12日の記者会見で、中国海軍が海自護衛艦に火器管制レーダーを照射した問題について、「不測の事態を招きかねない、極めて危険かつ遺憾な事案と受け止めている」と懸念を示した。
 河野海幕長は、以前にもこうしたレーダー照射があったかどうかについては「こちらの情報収集能力を示すことになる」として回答を避けた。一方で、「わが方に不適切な行動があったということはない」と中国側の一方的な挑発であることを強調した。(2013/02/12-19:05)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013021200434より、
レーダー照射、再発防止を=山口公明代表

 公明党の山口那津男代表は12日午前の記者会見で、中国海軍による海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダー照射に関し「海上連絡メカニズムが実務者間で既に合意しているから、しっかりとした政府間合意に高める努力をすべきだ」と述べ、再発防止に向けて日中防衛当局間の連絡体制を早期に構築するよう求めた。
 また、安倍晋三首相が衆院予算委員会で日中首脳会談に前向きな姿勢を示したことについて「戦略的互恵関係を進めるさまざまなテーマについて、合意できるような雰囲気をつくる努力が必要だ。その延長線上に首脳会談も見えてくる」と指摘した。(2013/02/12-12:28)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130212/k10015451161000.htmlより、
首相 TPPは米の感触で判断
2月12日 12時25分

衆議院予算委員会は、安倍内閣の政治姿勢などに関する集中審議が行われ、安倍総理大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定交渉への参加について、日米首脳会談で関税の撤廃に例外を設けられるかどうかの感触を得たうえで、最終的な判断を行いたいという考えを示しました。
集中審議で、自民党の小泉青年局長は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定交渉への参加について、「交渉参加は政権の判断だ。速やかに総理が交渉参加を決めれば、賛成派、反対派も1つになれる」と述べ、安倍総理大臣の方針をただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「自民党は、先の衆議院選挙で、『聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上、交渉には参加をしない』と、公約で約束しているので、これをたがえては民主党と同じになってしまう」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「日本の代表として、来週予定されているオバマ大統領との首脳会談で、国民との約束をたがえることにならないか、感触を得ることができるかどうかが重要だ。それをできたあとにさまざまな影響を考えて、最終的な判断をしたい」と述べ、日米首脳会談で関税の撤廃に例外を設けられるかどうかの感触を得たうえで、最終的な判断を行いたいという考えを示しました。

中国海軍のレーダー照射問題について
また、安倍総理大臣は、中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射した問題について、「中国側には、戦略的互恵関係の原点に戻ってもらい、さまざまな窓口で対話を続けていくことが重要だ。どこかの段階で、ハイレベルあるいは首脳間の対話が実現されるよう努力したい」と述べ、日中首脳会談の実現を模索したいという考えを示しました。
この問題に関連し、岸田外務大臣は「中国に加えてアメリカなども参加する東アジアサミットの枠組みを活用するなどして、紛争の平和的解決や国際法規の順守などの基本的ルールの重要性を、国際社会が共有する雰囲気を作ることが重要だ」と述べました。

国会事故調査委の現地調査について
一方、12日の審議では、原発事故の調査を担当した国会の事故調査委員会の元委員が、東電側の虚偽説明によって現地調査を妨害されたとして、国会に調査を求めている問題で、東京電力の廣瀬直己社長が参考人として出席を求められました。
この中で、廣瀬社長は「これまでの調査で、担当者が間違った認識のもと、国会の事故調査委員会に誤った説明をしてしまったことが判明しており、誠に申し訳なく思っている。社外の専門家の方も入れて、しっかりと検証したい。現場はまだ放射線量が高く危険な状況でもあるので、改めて調査をしていただくために、私どもとしても最大限協力したい」と述べました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013021200062より、
中国のレーダー照射「確信」=日本側説明を支持-米

 【ワシントン時事】米国務省のヌーランド報道官は11日の記者会見で、中国艦船による海上自衛隊護衛艦に対する射撃用レーダー照射があったことを「確信している」と表明し、日本の立場を支持する姿勢を鮮明にした。さらに、米政府の「懸念」を中国に伝えていると強調した。
 報道官は、日本からレーダー照射事件に関する説明を受けたと指摘。その上で「それが起きたことを確信している」と明言し、日本政府の発表を「完全な捏造(ねつぞう)」とする中国の主張を退けた。
 日米両政府は7日、外務・防衛当局の審議官級協議をワシントンの国務省で開き、中国艦艇の行動の意図や背景について分析を行っている。
 沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐっては、クリントン前国務長官が1月中旬に行われた日米外相会談で、「日本の施政権を害そうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と表明。報道官はこれに関しても、ケリー国務長官は同様の立場だと確認した。
 ただ米側は、日中関係の現状について「領有権をめぐる主張が制御不能になり、どちらかの国がより重大な危機を招く形で反応しかねない状況に陥っている」(パネッタ国防長官)との認識に立っている。
 オバマ政権としては、中国に対して挑発行為の自制を強く求めると同時に、2月後半の日米首脳会談で、安倍晋三首相と共に中国との関係改善の道筋を模索したい考えだ。
 報道官はこの日の会見で、「すべての当事者に対して(東アジア地域の)緊張を高め、誤算に至るような行動を回避するよう改めて促す」と述べた。(2013/02/12-11:22)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021201001229.htmlより、
中国艦船が照射と米も「確信」 日本発表を全面支持
2013年2月12日 11時22分

 【ワシントン共同】米国務省のヌランド報道官は11日の記者会見で、中国海軍艦船が海上自衛隊護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題で、米国は(照射が)実際にあったと「確信している」と述べ、日本政府の発表を支持する姿勢を示した。
 レーダー照射を「日本の捏造」と反論している中国政府をけん制し、事実関係を認めて二度と同様の問題を起こさないよう中国側に強く求める狙いとみられる。
 報道官は米国としての判断の根拠として、照射問題について日本側から説明を受けたと指摘。その上で「中国側に対して極めて明確に懸念を伝えている」とあらためて強調した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021201001455.htmlより、
首相、日中首脳会談を模索 衆院予算委が集中審議
2013年2月12日 11時14分

 安倍晋三首相は12日午前の衆院予算委員会で、中国海軍艦船による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射を受け、日中の首脳やハイレベルでの協議を模索する考えを示した。「(日中両国が)さまざまな窓口で対話を続けることが重要だ。どこかの段階でハイレベル、首脳間の対話が実現されるよう努力したい」と述べた。
 小野寺五典防衛相は防衛当局間のホットラインなど自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を防ぐ「海上連絡メカニズム」に関し「止まっている協議を再開するよう(中国側に)働き掛けている」と早期再開の必要性を強調した。
 衆院予算委は「安倍内閣の政治姿勢」をテーマに集中審議を実施。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130212/k10015444131000.htmlより、
米政府“照射は行われた”と認識
2月12日 6時35分

アメリカ政府は、中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制レーダーを照射した問題で、中国側が事実関係を否定していることについて、照射は行われたと認識していることを明らかにしました。
先月30日に東シナ海で中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射した問題を巡って、中国政府は「射撃管制用ではなくほかのレーダーを使って警戒監視していた」などと事実関係を否定しています。
これについて、アメリカ国務省のヌーランド報道官は11日に記者会見で、「日本側から説明を受けており、われわれはあったとみられるということで納得している」と述べて、アメリカ政府として照射は行われたと認識していることを明らかにしました。
また、沖縄県の尖閣諸島を巡っては、クリントン前国務長官が退任前の先月、「尖閣諸島は日本の施政下にあり、日本の施政権を損なおうとするいかなる行為にも反対する」と述べて、踏み込んだ表現で中国を強くけん制しましたが、ヌーランド報道官は、後任のケリー長官も同じ姿勢を引き継いでいるという考えを示しました。
アメリカ政府は、中国が尖閣諸島の日本の領空を侵犯するなど対応をエスカレートさせたことで偶発的な衝突も起きかねないと考え、クリントン前国務長官が踏み込んだ発言をしましたが、その直後にレーダーの照射が行われたことで危機感をさらに強めており、中国に対して強硬な姿勢を改めるよう求めています。

http://mainichi.jp/select/news/20130211k0000m010023000c.htmlより、
レーダー照射:証拠開示に慎重姿勢示す…小野寺防衛相
毎日新聞 2013年(最終更新 02月10日 19時26分)

 小野寺五典防衛相は10日のフジテレビの番組で、中国艦船による自衛隊艦船への火器管制レーダー照射の証拠開示について「中国が(照射を)認めることは多分ない。認めないなら(開示が)日本の国益にとってプラスになるとは思えない」と慎重な考えを示した。
 小野寺氏は9日に証拠の一部開示を検討する考えを示したが、「『検討』というのはいろんな意味合いがある。2国間の関係を見ながら政府内で慎重に検討していく」とトーンダウン。「従前から対話が続いていた海上の衝突予防のメカニズム構築が一番建設的で大事だ」と述べ、日中防衛当局間のホットライン設置など再発防止へ向けた対話再開を重視する姿勢を示した。
 証拠の開示をめぐっては、政府内に「日本の正当性を訴えるべきだ」との積極論がある一方、「水掛け論になる」との懸念もある。小野寺氏はレーダー照射に関して「明確なデータを持っており、間違いない」と強調しつつ「(開示すれば)防衛省がどのくらいの能力があり、どこで何をしているか分かってしまう」と指摘した。【青木純】

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013021000111より、
高周波数で連続照射か=射撃用レーダー護衛艦向ける-東シナ海・中国海軍

 中国海軍による海上自衛隊護衛艦に対するレーダー照射問題で、中国のフリゲート艦は射撃の際に使う火器管制レーダーに用いられる周波数の高い電波を連続して、護衛艦に照射していたとみられることが10日、政府筋の話で分かった。政府は当時の中国艦の動きを記録した画像や、照射された高い周波数の電波や波形などを分析することで、レーダーが照射されたと判断した。レーダーは護衛艦に向けられていたという。
 レーダー照射をめぐっては、中国側が日本側の発表を否定しており、防衛省は照射を裏付ける証拠の一部公開を慎重に検討している。
 関係者によると、海自護衛艦「ゆうだち」は1月30日、東シナ海で沖縄県・尖閣諸島の北120キロ前後で展開する中国海軍の艦船を監視していた。同日午前10時ごろ、日中中間線の日本側で、「ゆうだち」の電波情報収集システム(ESM)が約3キロ離れた距離にあった中国海軍のジャンウェイII級フリゲート艦1隻からレーダーで照射されていることを探知。護衛艦は回避行動を取ったが、一定方向から数分間以上、高い周波数の電波が連続照射されたという。
 レーダーはフリゲート艦の主砲用とみられるが、砲身は護衛艦には向けられていなかった。
 レーダーには周囲を警戒する監視用と攻撃目標を特定する火器管制用などがある。監視用レーダーは360度回転するために、照射された側は断続的に電波を受信することになる。一方、攻撃目標をとらえる火器管制レーダーはアンテナを目標の方角に向けるため、照射される側は連続して電波を浴びることになる。
 監視用には電波を遠くまで飛ばしやすい低い周波数が使われ、火器管制レーダーには照射できる距離は短いが、攻撃目標の速度や針路を特定できる高い周波数が用いられる。(2013/02/10-17:10)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021001001505.htmlより、
防衛相、証拠開示は中国出方見て レーダー照射で
2013年2月10日 13時44分

 小野寺五典防衛相は10日、フジテレビ番組に出演し、政府が検討している海上自衛隊護衛艦への中国海軍艦船の射撃管制用レーダー照射に関する証拠データ開示に関し「いろいろ出しても、中国が認めなければわが国の国益にとってプラスにならない」と述べ、中国側の出方を見極めて判断する考えを表明した。
 開示を検討している映像や写真の証拠に関し「海自にどのくらいの能力があり、どこで何をしているかが相手に分かってしまう」と指摘。中国は射撃管制用レーダー照射を「捏造」と全面否定しているが「2国間の対応を見ながら政府内で慎重に判断したい」と述べ、外交努力による事態打開に期待を示した。(共同)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013021000059より、
証拠開示、慎重に検討=レーダー照射で防衛相

 小野寺五典防衛相は10日午前のフジテレビ番組で、政府が検討している、中国軍艦による海上自衛隊護衛艦に対する射撃用レーダー照射の証拠開示について「いろんなものを出したとしても中国が認めることは多分ない。認めないとすれば、わが国の国益にとってプラスになるとは思えない」と述べ、慎重に対応していく考えを示した。
 防衛相は、証拠を開示した場合、「(自衛艦に)どのくらいの(情報収集)能力があって、どこで何をしているかが逆に相手に分かってしまう」と指摘。「(中国との)2国間関係を見ながら政府内で慎重に検討する」と語った。
 中国側は射撃用レーダー照射を「完全な捏造(ねつぞう)」と全面否定している。防衛相は9日、反論のための証拠開示を「政府内で検討している」と記者団に語っていた。(2013/02/10-11:33)

http://mainichi.jp/select/news/20130209k0000e010173000c.htmlより、
レーダー照射:証拠公開へ 中国否定に防衛相「映像ある」
毎日新聞 2013年(最終更新 02月09日 12時06分)

 中国艦船が海上自衛隊の護衛艦などに火器管制レーダーを照射した問題で、小野寺五典防衛相は9日午前のTBS番組で「中国側は通常のレーダーしか照射していないと言っているが、証拠はある。出せるデータと出せないデータがあるが、普通の人が『なるほど』と思えるような説明を心がけたい」と述べ、自衛隊が持っている資料の一部を証拠として公開する考えを示した。
 小野寺氏は同じ番組の中で「通常のレーダーはクルクル回っているが、火器管制レーダーは船が動くときにずっと指向して当てていく。動きが全然違っており、しっかり映像と写真で撮ってある」と説明。その後、記者団の取材に対し「中国艦船のどのレーダーが火器管制レーダーなのかも分かっている。それが一定期間、ずっと我が方の船を追いかけていた」と述べた。
 また、小野寺氏は同日の読売テレビの番組で「(レーダー照射を公表した)5日以来、尖閣諸島周辺の中国公船の動きが収まっている」と指摘。問題の公表が、中国側の動きを抑える効果があったことを強調した。【青木純】

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013020900172より、
日中「ホットライン」構築を=衝突回避へ、7日に協議提案-小野寺防衛相

 小野寺五典防衛相は9日午前、都内で記者団に、東シナ海での偶発的な衝突回避を目的とした日中防衛当局の「海上連絡メカニズム」に関し、日本政府が7日に北京の日本大使館を通じて中国側に協議再開を提案していたことを明らかにした。中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射を踏まえ、防衛相は「大切なことはホットラインをつくって、このような事案があった場合は速やかに現場で意思疎通できる態勢を取ることだ」と強調した。
 海上連絡メカニズム構築に向けた日中協議は、昨年9月の日本政府による尖閣諸島国有化以降、中断しているが、防衛相は「中国側からも、海上のさまざまな事案に対応するお互いの連絡態勢はつくりたいというメッセージは感じている」と述べた。(2013/02/09-11:51)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130209/k10015411271000.htmlより、
防衛相“照射証拠 公開の可否検討”
2月9日 11時39分

小野寺防衛大臣は、東京都内で記者団に対し、中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制レーダーを照射した問題で、中国側が事実関係を否定していることについて、照射を裏付ける十分な証拠はあり、その一部を公表するかどうか検討していく考えを示しました。
先月30日に東シナ海で中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射した問題を巡って、中国政府は「射撃管制用ではなく、ほかのレーダーを使って警戒監視していた」などと事実関係を否定しています。これについて、小野寺防衛大臣は、記者団に対し「通常のレーダーは、回転して警戒監視を行うが、射撃管制用は対象を追いかけながら照射する。どのレーダーが射撃管制用かは分かっており、一定期間、護衛艦を追いかけていた視覚的な証拠があるし、特殊な電波も記録している」と述べ照射を裏付ける十分な証拠はあると反論しました。
そのうえで、小野寺大臣は「防衛上の機密に関わるので、秘匿すべきものもあるが、公表できるかどうかも含めて政府内で検討している」と述べ、証拠となる写真や映像などの一部を公表するかどうか検討していく考えを示しました。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013020901001113.htmlより、
防衛相、照射データ開示を検討 「証拠」に自信
2013年2月9日 11時29分

 小野寺五典防衛相は9日午前、中国が海上自衛隊護衛艦への射撃管制用レーダー照射を全面否定したことを受け、日本政府として証拠データの開示を検討する方針を表明した。読売テレビ番組などで「どこまで表に出していいのかを政府部内で検討している」と述べた。また、照射の際の写真、映像記録があるとして「証拠として確信できる内容だ」と強調した。
 日本政府がレーダー照射を公表した5日以降は「尖閣諸島周辺の中国公船の動きが収まっている」ことも明らかにした。
 小野寺氏は中国側がレーダー照射を「日本の捏造」としていることに対し「しっかりとした証拠を基に公表している」と反論した。(共同)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013020900134より、
政府、レーダー情報の開示検討=防衛相「証拠持っている」-中国公船の動きは沈静化

 中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダーの照射に関し、日本政府は護衛艦が捕捉した電波データや撮影した画像などの一部開示に向け、検討に入った。中国政府が日本側の発表を「完全な捏造(ねつぞう)」と全面否定したことを受け、レーダー照射の事実を裏付ける証拠を国際社会に示す必要があると判断した。
 小野寺五典防衛相は9日午前、都内で記者団に「証拠はしっかり持っている。政府内で今(どこまで開示できるか)検討している」と表明。「防衛上の秘密にも当たる内容なので慎重に考えていきたい」とも語った。
 防衛省内には「自衛隊の解析能力を相手に教えることになる」として、開示に否定的な意見が強い。このため日本政府は、中国側の今後の出方も見極めながら、外務・防衛両省を中心に、公開できる情報の範囲を慎重に検討する方針だ。
 中国側は、軍艦が照射したのは通常の監視レーダーで、射撃用の火器管制レーダーではないと主張している。これに関し、防衛相は「通常のレーダーはくるくる回って警戒監視をするが、火器管制レーダーはその(目標の)方向に向けてずっと追いかける」と指摘。その上で「私どもは相手の船のどのレーダーが火器管制レーダーか分かっている。それが一定期間ずっとわが方の船を追いかけていた証拠がある」と語った。
 さらに、火器管制レーダーについて「電波を発する機械で、しかも(周波数などが)特殊なレーダーだ。それもしっかり記録しており、証拠として間違いない」と強調した。
 一方、防衛相は9日午前の読売テレビ番組で、東シナ海での中国の動向に関し、「(レーダー照射を)公表した5日以降、尖閣(諸島)周辺の中国公船の動きは収まっている」と述べ、中国軍などの日本に対する挑発行為が沈静化していることを明らかにした。(2013/02/09-10:58)

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http://mainichi.jp/opinion/news/20130218ddm003010181000c.htmlより、
クローズアップ2013:なくなるか個人保証 第三者「人質」の悲劇
毎日新聞 2013年02月18日 東京朝刊

 ◇「迷惑はかけられぬ」追い込まれ経営者自殺
 民法の大幅改正に挑む法制審議会で、中小企業への融資に求められてきた個人保証をなくす改正案が浮上している。背景には、経営破綻に何の責任もない第三者が多額の保証債務を背負い、借り手も追い込まれる「保証被害」が続いてきたことがある。長年の慣習を断ち切り、個人に頼らない仕組みをどう広げていくか、公的な支援の拡充も求められる。【伊藤一郎、種市房子、井上英介】

 ◇人間関係依存の慣行、今も
 「責任感の強い夫だったので、保証人に迷惑をかけられず、ああするよりほかなかったのでしょう」。神奈川県の女性(55)は訴える。土木会社を営んでいた夫(当時56歳)が自ら命を絶ったのは07年6月。ちょうど、加入した生命保険の保険金が自殺でも下りるようになった日だった。
 順調だった経営が不況で失速。夫は97年、女性とその親族を保証人に、商工ファンド(当時)から500万円を借りた。高金利で借金は膨らみ、2年後には月々15万円の返済のため消費者金融から借り入れる悪循環に陥った。
 04年、商工ファンドからさらに500万円借りる際、保証人の追加を求められた。友人や従業員にもなってもらった。夫婦で倒産や自己破産の道も話し合ったが、「そうすれば保証人に取り立てが行ってしまう」と踏み切れず、ヤミ金融にまで手を出した。
 夫は女性あての遺書を残していた。「本当に好きでした。生まれ変(わ)れたら、いっぱい幸せをあげたい。もっと長く一緒に暮(ら)したかった。許して下さい」。娘には「お父さんらしい事、ひとつも、してやれなかったネ」とわびていた。
 残された女性は保証人を頼んだ身内から心ない言葉も浴び、苦しみは今も続く。「人を死に追いやるような仕組みは、もうなくしてほしい」
 保証被害がクローズアップされたのは10年以上前、事業者金融の商工ファンドや日栄が社会問題化した時だった。銀行の貸し渋りを背景に貸出残高を伸ばし、高利で返済に行き詰まる中小企業が続出。脅迫的な取り立てや不動産の競売で破産や自殺に追い込まれるケースが相次いだ。
 背景には、人間関係に依存するゆえの問題がある。経営者に「迷惑はかけないから」と頼み込まれ、経営状況や保証のリスクをよく知らないまま、家族や親類、友人などが保証人の判をつく。そうした慣行が借り手も保証人も追い込んできた。
 貸金業を巡る問題では、国は07年以降、利息制限法を超すグレーゾーン金利の撤廃や年収の3分の1を超す貸し付けの禁止などに乗り出し、消費者金融による個人の多重債務被害は沈静化しつつある。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130218ddm003010181000c2.htmlより、
 その一方、個人保証の問題は中小企業の資金調達を助ける面もあり、手つかずだった。
 日弁連は昨年、個人保証を原則禁止すべきだとする意見書をまとめた。弁護士や司法書士でつくる「保証被害対策全国会議」事務局長の辰巳裕規(ひろき)弁護士は「保証人を引き受ける第三者は何ひとつ恩恵を受けず、リスクのみを背負わされる。債務者も保証人を人質に取られ、深みにはまっていく。貸手が負うべきリスクを個人に押しつける仕組みは間違っている」と指摘。法制審の議論の行方に期待する。

 ◇公的支援、拡充が急務
 多くの被害を生んできた個人保証だが、中小企業側や金融業界からは「借りられなくなって困る事業者が多数出かねない」との声も上がる。
 こうしたことから、法制審の議論は、経営者本人が自社の借り入れの保証人となる「経営者保証」は例外として認める流れにある。一方、なくすことが検討されている「第三者保証」については金融庁が11年7月、大手金融機関への監督指針で、原則禁止。銀行などでは既に第三者保証を取らない融資が始まっている。
 国の金融審議会で専門委員を務める上柳(うえやなぎ)敏郎弁護士は「『保証人』という人的担保への依存から脱却した金融機関は、借り手の将来の事業収益などを担保とする方向に動き始めている。経営者保証も『しっかり経営してくれ』と覚悟を促す意味合いが強く、債権回収の手段としては、あまりあてにされていない」と指摘する。
 問題は、銀行が求める担保を用意できず、ノンバンクや事業者金融を利用せざるを得ない企業だ。中小企業の経営者は手形の不渡りを回避する時など、どんなに高利でも借りざるを得ない場面がある。現在は第三者の保証人を立てて借りているが、個人保証が認められなくなれば借入先を失うとの不安は消えない。
 東京都では、短期間の審査でつなぎの資金を貸し出す制度を設けている。上柳氏は「中小企業の緊急的な資金需要は切実だ。税金をさらに使うことには議論もあるが、第三者保証を認めないならば、自治体や信用保証協会がそれに代わる保証や短期融資などの制度を充実させていく必要がある」と提言する。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年2月18日(月)付
五輪レスリング―IOCは透明な議論を

 レスリングが五輪の実施競技から外される危機にある。
 国際オリンピック委員会(IOC)理事会は14人による無記名の投票で、2020年五輪の「中核競技」から外した。
 五輪の肥大化は限界にある。活性化を促すために、新しい競技に門戸を開き、新陳代謝をはかる姿勢には賛成だ。
 しかし多くのアスリートにとって五輪は究極の目標であり、夢だ。その判断には、客観性と透明性が不可欠だ。
 レスリングは吉田沙保里選手らロンドン五輪の日本の金メダル7個のなかで、四つを占める「お家芸」だけに、日本の関係者の失望は大きい。
 古代オリンピックに由来し、1896年の第1回近代五輪から実施された伝統競技だけに、衝撃は世界に広がる。
 IOCは2001年にロゲ会長が就任し、28競技という上限を決めた。活性化のために競技の入れ替えを積極的に進める。
 今回、外れたのがレスリングではなく、危ないとうわさされた近代5種だったら、日本でこれほど関心を呼んだだろうか。メディアは自国のメダル有望種目を中心に伝えるから、人気の濃淡に反映される。それは日本に限らない。
 IOCは欧州が発祥で、今も欧州色が濃い。101人の委員のうち43人が欧州出身で、15人の理事も過半数を占める。
 ロンドン五輪で外れた野球、ソフトボールもそうだが、西欧で不人気な競技は冷遇されやすい傾向がある。スポーツは世界を結ぶ。理事も広い地域から出て、責任を分かつべきだ。
 今回、理事の中にレスリング出身者はいなかった。逆に、最後の投票まで争った近代5種の国際競技連盟の副会長がいて、存続のためのロビー活動をしたことを認めている。
 IOC委員の3割弱は五輪出場経験者で、国際競技連盟の役員も多い。利害関係者を除いて何かを決めるのは非現実的だ。
 ならば、自分の競技だけでなく五輪全体の発展を考える倫理が求められる。そして、運営の透明さがより大切になる。
 今回、IOCは国際性、人気、普及・振興、伝統など39項目の評価基準を定めた。だが、「一部情報が足りない」として8月まで公表しない方針だ。
 これはおかしい。
 何かを決めるとき、その理由はすぐに示されるべきだ。そうでなければ改善も図れない。
 追加競技1枠は、5月の理事会を経て9月の総会で決まる。レスリングの採否もふくめ、透明で公平な選考が大切だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130217k0000m070104000c.htmlより、
社説:視点・レスリング除外 戦いは競技場の外でも
毎日新聞 2013年02月17日 02時30分

 東京が招致を目指す2020年オリンピックの「中核競技(25競技)」からレスリングが除外された。国際オリンピック委員会(IOC)の理事14人による非公開の投票で決まった。もし、これが柔道と並ぶ日本のメダル獲得有望競技でなかったとしたら、これほどの論議を巻き起こしていただろうか。
 IOCがまとめたロンドン五輪実施26競技の評価報告でレスリングはテレビ視聴者数やインターネットのアクセス数などの人気度や国際レスリング連盟(FILA)の組織体制などで評価が低かった。FILAの意思決定機関に女性委員会がないことなどが指摘されたという。レスリングは古代五輪からの伝統競技だが、女子は2004年アテネ五輪からの採用と歴史は浅い。階級数も男子のフリーとグレコローマンの計14に対し、女子はフリーの四つだけで、アンバランスが際立つ。
 01年に就任したIOCのロゲ会長は前任者のサマランチ氏が推進した拡大路線からスリム化路線に転換した。背景には競技数が増え、先進国の大都市でしか開催できなくなってしまった現状への反省があった。実施競技を絞り込み、追加採用する場合はIOC委員の過半数の賛成が必要とした。テレビ映えする競技が有利とされる中、伝統競技といえどもIOCの意向に沿った改革を怠っては除外の対象となることが示された。
 除外理由を公表しないIOCを「秘密主義」と批判する声もある。だが、開催都市を約100人のIOC委員が出席する総会での投票で決定する際も落選都市への説明はない。除外候補だった近代五種やテコンドーはロビー活動によって中核競技にとどまったとの見方が有力だが、根回しが欠かせないことはオリンピックの招致活動でも常識だ。FILAはあぐらをかいていたのかもしれない。
 よくも悪くも、これが委員の約4割を欧州出身者が占めるIOCの実態なのだ。
 除外を知らされたレスリング関係者が「金メダルを取れるレスリングが外れたらオリンピックが盛り上がらない。国を挙げて何とかしてほしい」と言ったことには驚いた。メダルが期待できない競技は価値がないとでも受け取れるような発言で、採用を目指す他競技への配慮に欠ける。メダル獲得を目指しているのは他競技も同じだ。
 いずれにしても、オリンピックは競技場の中だけで戦いが行われているのではなく、その外側ではさまざまな利害と思惑がぶつかり合っていることを多くの人は知ったのではないか。(論説委員・落合博)

http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130216/mrt13021603220000-n1.htmより、
産経新聞【主張】五輪アマレス除外 東京招致も油断は禁物だ
2013.2.16 03:22 (1/2ページ)

 世界のスポーツ界が驚いている。国際オリンピック委員会(IOC)理事会は、2020年夏季五輪で実施する「中核競技」からレスリングを除外した。
 9月のIOC総会まで野球・ソフトボールなど7競技と追加の1枠を争うが、復活の見通しは甘くない。まさかの結果はレスリング界のロビー活動不足が招いたとされる。
 そんな理由で実施競技の存廃が決まる組織のあり方こそおかしいが、これが現実だ。20年五輪の開催地に立候補している東京も、最後まで油断は禁物だ。
 レスリングは古代、近代五輪を通じて主要競技であり続けた。吉田沙保里ら4選手が金メダルを獲得したロンドン五輪の記憶も新しい。通算28個の五輪金メダルは柔道、体操に次ぐ、日本のお家芸でもあった。
 招致のライバル、イスタンブールのトルコも同じ28個の金をレスリングで獲得しているが、こちらは全37個のうちの4分の3以上にあたる。国名が技の名についた「トルコ刈り」があるほど縁は深く、今回の除外には日本以上の衝撃を受けたろう。
 事前には、除外競技の有力候補としてテコンドーと近代五種が挙げられていた。
 だが、テコンドーは韓国が国を挙げて残留を後押しし、近代五種は国際近代五種連合副会長でIOC理事でもあるサマランチ・ジュニア氏が積極的に活動したとされる。絶対権力者だった前IOC会長の息子でもある。

http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130216/mrt13021603220000-n2.htmより、
2013.2.16 03:22 (2/2ページ)
 理事会メンバーは欧州に偏り、レスリング関係者や、強豪国の米露、中東、日本からは皆無だ。欧州中心の「密室の協議」で除外されたという関係者の恨み節も、そう的外れではないだろう。
 フランスを中心に欧州で活況を呈し、創始国日本の影が薄まる柔道が五輪競技として安泰であることとは好対照だ。
 20年夏季五輪の招致レースは、経済危機のマドリードが後れをとり、東京とイスタンブールの一騎打ち、と報じられてきた。
 だが、近代五種を守ったサマランチ・ジュニア氏はマドリード招致の旗振り役でもある。楽観はできない。レスリング界の屈辱を教訓に、五輪招致も東京都やスポーツ界に任せず、国を挙げて力を尽くす必要がある。大魚を逃してから悔いても遅い。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013021602000120.htmlより、
東京新聞【社説】レスリング除外 判断基準はどこにある
2013年2月16日

 レスリングがオリンピックの中核競技から外れたことは、最近の五輪大会が示す変質の象徴のようにも見える。諸課題に関して何が判断基準となっているのか。一番の問題点はそこだ。
 二〇二〇年夏季五輪の中核競技からレスリングが除外された。国際オリンピック委員会(IOC)理事会の決定である。今後、他の七競技と残り一枠を争うことになるが、実施競技から外れる可能性は高いとの見方も出ている。
 IOCの決定には疑問が残る。予想外の選択だったから、日本のお家芸だから、というわけではない。選択の判断基準そのものに疑問を感じるのだ。
 レスリングは古代五輪からの伝統を持ち、第一回近代五輪から実施されている。普及や知名度に問題があるとも思えない。五輪にふさわしい競技といえる。
 なのに除外された。もちろんレスリングにも問題はあるだろう。組織面での評価が低かったとも指摘される。だが、それらが決定的要因とは言いにくい。そこで浮かんでくるのが、五輪競技をめぐる近年の顕著な傾向だ。
 ビジネス面での成功が最優先される最近の五輪。中核には巨額のテレビ放映権料があり、当然のように「テレビ向きかどうか」が重視される。それはまた「見栄えのよさ」にも直結している。冬季大会にショー的要素の強い種目が次々と採用され、夏季大会でも各競技で時間短縮などの措置がとられてきたのはその表れだ。まずテレビ映りありき、ショーアップありき。今回の決定にも、それが影を落としているように思われる。
 オリンピックはスポーツの祭典であり、スポーツの魅力を幅広く伝えるのがその役割である。時代による競技の入れ替えは必然だろうが、伝統や歴史もかえりみず、ショーアップやテレビ映りばかりが優先されるようになれば、スポーツの祭典としての本来の趣旨がゆがんでしまう。今回の決定にそうした側面はなかったか。疑問を感じるゆえんだ。
 除外候補とみられた競技団体がIOCに対して強力な働きかけを行った半面、レスリングは何もしなかったという指摘もある。が、それは本質ではない。ロビー活動や政治力でこれほど重要な決定が動くのなら、そうしたIOCやスポーツ界の体質こそが問題ではないか。
 考えることの多い今回の決定。それは五輪のあり方そのものも左右する重さをはらんでいる。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年2月18日(月)付
高齢者と火災―在宅化を進めるのなら

 長崎市の認知症高齢者向けグループホームの火災で、4人が亡くなった。原因を究明し、対策を講じることが不可欠だ。
 ただ、高齢ニッポンで火災の被害者を減らすには、お年寄りの施設にだけ注意を払っても効果は限られる。
 犠牲者で目立つのは、在宅のお年寄りだからだ。
 2011年の調査では、火災による死者(放火自殺を除く)のうち65歳以上は860人で、6割以上を占める。このうち711人が住宅で亡くなった。10年前から200人の増加だ。
 かつては、年をとり心身が衰えると病院や施設に入るのが普通だった。
 消防法も、病院や高齢者施設に、用途や面積によって様々な防火や消火の備えを義務づけてきた。
 一方、戸建て住宅の防火は、基本的に「自己責任」とされ、火災警報器の設置以外に規制はほとんどない。
 しかし、施設に入らず、自宅で一人か、夫婦2人で暮らす高齢者は今後、大幅に増える。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の一人暮らしと老夫婦だけの世帯をあわせた数は、10年の1038万から35年には1388万へと増加し、うち75歳以上が6割を占めるようになる。
 しかも、サービス付き高齢者向け住宅のように、施設と住宅の中間的な位置づけとなる形態も広がっている。
 どんな住まいに、どこまで厳しく防火を求めるのか、消防当局も対応に苦慮しているのが実情である。
 住みなれた自分の家で安全に暮らし続けるには何が必要か。まずは一人ひとりが備えを考えたい。
 スプリンクラーを設置できれば効果は大きい。個人で取り付けるのがコスト面などから難しいなら、安全装置のついた暖房・調理器具、燃えにくい衣類やカーテンなどに切り替えるところから始めてはどうか。
 火が出たときに逃げ出しやすいよう、屋内を整理しておく。住民同士の支え合いで、防火・消火や避難の手立てを講じるといったソフト面も大切だ。
 政府が当事者任せでは困る。国は、要介護状態になっても住みなれた地域で人生の最後まで暮らせる社会を目指している。「施設から在宅へ」の流れを推進する以上、防火にも目を配る必要がある。
 「国土強靱(きょうじん)化」のもと、公共事業にばかり目を向けるのではなく、火災に強い住宅づくりにもっと知恵を絞るべきだろう。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013021502000114.htmlより、
東京新聞【社説】グループホーム 防火は地域の協力も
2013年2月15日

 長崎のグループホーム火災では、スプリンクラーがなく、防火扉の不備も明らかになった。認知症の高齢者施設で悲劇が相次ぐ。防火設備の設置とともに、地域の人々と連携した避難が欠かせない。
 火災が起きたグループホームには、七十代から百歳を超える人々が入所していた。アットホームな雰囲気でケアをする認知症高齢者の入所施設だ。夜間の火事で犠牲になったのは、四人にのぼる。
 長崎市の二〇一〇年の調査で、階段部分と居住部分を区切る防火扉がないなどの不備があった。建築基準法違反として、市の行政指導を受けていたが、違法状態が続いていた。
 国土交通省によれば、全国で同法違反の施設は六百六十九カ所ある。防火扉ばかりでなく、非常用照明がなかったり、排煙装置がないなどのケースだ。ただちに是正措置を講ずるべきだ。
 今回、四階建ての一階と二階がグループホームだったが、亡くなった一人は、三階に住んでいた。運営実態の解明も待たれる。
 スプリンクラーもなかった。消防法で設置が義務付けられるのは、二百七十五平方メートル以上の施設で、今回はわずかに下回る二百七十平方メートルの施設だったからだ。国の調査によると、設置義務のある施設でも未設置は約52%、義務付けのない施設では約93%が取り付けられていない。
 認知症の人を火事で救うには、スプリンクラーが欠かせない。後手に回っている原因は、費用がかさむからだ。小規模施設でも厚生労働省の補助金が出るが、もっと支援を厚くして設置を加速させる思い切った対策が急務だ。
 〇六年には長崎県大村市のグループホームで七人が火災で死亡した。一〇年には札幌市の同様施設で七人が犠牲になった。いずれも夜間勤務の職員がたった一人だったことも、犠牲者の数を増やしたのではないか。
 認知症の高齢者は自力で避難することは困難だ。職員一人で消火活動や避難誘導するのも、到底、無理だ。地域との連携は不可欠といえる。厚労省の省令でも、地域住民と一緒に避難訓練を行うように義務付けている。日頃から、地元自治会や民生委員、入所者家族らを含めた避難訓練が必要だ。
 認知症の人は一二年で三百五万人、二五年には四百七十万人に膨れ上がると推計されている。悲劇を繰り返さない、万全の防護策を地域全体で考えたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO51693330U3A210C1EA1000/より、
日経新聞 社説 介護施設の惨事を繰り返すな
2013/2/14付

 認知症の高齢者が暮らす長崎市のグループホームで火災が発生し、4人の命が奪われた。痛ましいとしか言いようがない事故だ。
 これまでも7年前に長崎県大村市で、3年前には札幌市で、いずれも7人が犠牲になったグループホーム火災が起きている。
 高齢者施設の防火体制は火災のたびに議論され、大量の散水で消火するスプリンクラーの設置基準が強化されてきた。にもかかわらず、教訓がなぜ生かされないのか。これらの施設に共通しているのは、夜勤の職員が1人しかおらず、スプリンクラーが設置されていなかった点だ。
 国の基準では、入居者9人までは夜勤の職員は1人でも認められているが、消火と高齢者の避難を1人だけでやるのは不可能だ。介助が必要な高齢者は自力で素早く避難できない。認知症を患っているなら、なおさらだ。
 だが、介護の現場は慢性的な人手不足だ。職員の配置基準が厳しくなると、人員確保ができず、施設の整備も遅れる。人手不足を補う意味でも、早期に消火するスプリンクラーの役割は大きい。
 今回の施設は建築基準法が求める防火扉などの不備があったとされ、その経営責任を問うのは当然だ。しかし延べ床面積は約270平方メートルとスプリンクラーの設置義務のある275平方メートルを下回るため、設置していなくてもいい。
 厚生労働省はスプリンクラー設置の補助金の対象を設置義務のない小規模な施設にも広げたが、約2千の小規模施設は設置していない。面積にかかわらずスプリンクラーの設置を義務付けるなら、補助金の利用促進や融資制度の充実などで設置を進めるべきだ。
 認知症の高齢者は2025年には、現在の300万人から470万人に達する見通しだ。グループホームだけでなく、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの需要はさらに拡大する。質の高いサービスを提供する施設の建設に税制優遇策を講じることなども施設整備の促進につながる。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年2月13日(水)付
グループホーム―惨事ふせぐ備えが要る

 お年寄りが集まって暮らす施設でまた悲劇がおきた。長崎市にある認知症の高齢者向けグループホームの火事で、70~80代の4人が命をおとした。
 高齢者は自力での避難が難しいだけに、火災に見舞われれば犠牲者は多くなる。
 06年1月には長崎県にある、やはり認知症グループホームで7人が亡くなっている。3年前の札幌市の施設の火災でも7人が犠牲になった。
 なぜ、こうした惨事が繰り返されるのか。
 共通するのは、夜勤職員が1人だったことと、大量の散水で一気に消火できるスプリンクラーを備えていなかったことだ。
 夜勤職員が多く、スプリンクラーがあれば、命をもっと救えたかもしれない。
 それを法律でもれなく義務づけられるなら、ことは簡単だ。
 だが、あまり厳しい規制をかけるとグループホームの負担が重くなり、運営が立ちゆかなくなる。その結果、高齢者の行き場がなくなるという現実が、一方ではある。
 厚生労働省の基準では、入所者9人までは夜間の職員は1人でいいことになっている。しかし火災がおきれば、認知症の高齢者を職員1人で素早く避難誘導するのは難しい。
 今回の施設は延べ床面積270平方メートルで、スプリンクラー設置が義務づけられる275平方メートルに満たない。市から設置を促されたが、応じていなかった。建築基準法が求める防火扉の不備も指摘されている。
 高齢者5~9人が1グループとなり、家庭的な雰囲気のなかで暮らす認知症のグループホームは、認知症の重度化を防ぐ効果があるとされる。
 13年前に約270だった施設は今や1万を超え、約16万人が利用する。ただ、夜間の職員を増やし、防火設備を強化したくても、現在の介護報酬では難しい。消防庁の10年時点の調べでは、スプリンクラーの設置に法的義務のないところは、9割以上がつけていない。補助金で設置費用は部分的に賄えても、残る自己負担が重いのだ。
 認知症の高齢者は今後も増えると予測される。重要さを増す施設だからこそ、惨事が繰り返される現状は放置できない。
 防火体制の充実のため、補助金に加え、長期・低利の公的な融資をもっと使いやすくすることも検討すべきだろう。
 安全な施設にするには費用がかかる。命にはかえられない。介護保険料を上げるか、税金をまわすか。私たち国民みんなで考え、負担する覚悟が要る。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130210k0000m070087000c.htmlより、
社説:高齢者施設火災 防火対策の強化が必要
毎日新聞 2013年02月10日 02時31分

 また悲劇が繰り返された。
 認知症の高齢者が入居する長崎市のグループホームで8日夜、火災が発生し多くの命が奪われた。
 09年3月、群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災では10人が亡くなり、10年3月に起きた札幌市の認知症高齢者グループホーム火災でも7人が犠牲になった。
 夜間の発生で職員が手薄のうえ、スプリンクラーが設置されていなかった点は今回も共通する。
 定員超過や防火扉の未設置など法令違反の可能性も指摘されている。長崎市や消防当局は、出火原因はもちろん、設備や避難誘導が適切だったのかなど徹底的に真相を追及し、再発防止につなげるべきだ。
 「静養ホームたまゆら」の火災では先月、前橋地裁が運営法人元理事長に有罪判決を言い渡した。判決は「煙感知器の設置や避難訓練実施、夜間の当直を2人にするなどの対策を怠った」と、施設運営者の防火対策に対する責任を厳しく指摘した。
 00年の介護保険法施行に伴い設置された認知症グループホームは、当初の800施設弱から現在は1万施設余りにまで急増した。施設の経営者は、防火対策に対する重い責任を改めて認識してもらいたい。
 要介護者がほとんどの高齢者施設ではスピーディーな避難は難しい。夜間はなおさらだ。大量の散水で一気に消火可能なスプリンクラーは犠牲を出さないための有効な手段だ。
 だが、消防庁によれば、認知症グループホーム1万施設余りのうち、約6割がスプリンクラーを設置していない。消防法で設置義務がない延べ床面積275平方メートル未満の施設だと、9割以上が未設置だという。
 火災があった今回の施設もグループホーム部分は約270平方メートルで、設置義務はない。ただし、昨年8月、消防の指摘を受け長崎市が設置を要請していた。当局は設置が必要だと判断したのだろう。要請が受け入れられなかったのは残念だ。
 そもそも275平方メートルという数字は、検討過程で「全ての施設に必要だ」との声があったにもかかわらず、費用負担の大きさを考慮して線引きされたにすぎない。
 札幌のグループホーム火災を受け、厚生労働省は設置義務のない施設にも補助対象を広げた。それでも経営体力のない業者には負担が重い。数百万円の負担を入居者が負わされれば、介護が必要な人が締め出される恐れがある。設置義務の面積引き下げなど規制強化だけで済む問題ではない。
 高齢化は今後ますます進む。スプリンクラーに限らず、防火に必要な設備や人的手当てはしなければならない。行政側は思い切った財源の手当ても検討すべきだ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130218k0000m070101000c.htmlより、
社説:電力制度改革 骨抜き許さぬ具体策を
毎日新聞 2013年02月18日 02時31分

 規制と独占から自由と競争への転換を目指す電力制度改革が、実現に向け一歩前進した。
 経済産業省の有識者会議による制度改革の報告書が、目標年次を示して電力小売りの全面自由化や大手電力会社の発電部門と送配電部門を分社化する「発送電分離」を明記したからだ。これらをサービス向上や料金抑制という成果につなげるため、具体的な制度設計に知恵を絞る必要がある。
 報告書は、家庭向けを含めた電力小売りの全面自由化については3年後に、発送電分離は5〜7年後に実施するとした。小売り自由化が実現すれば、一般家庭でも他地域の大手電力や新規参入する「新電力」から自由に電気を買えるようになる。電力会社間で競争が始まり、利用者の利便性が高まるはずだ。
 公正な競争のためには、大手電力が保有する送配電施設を各社が公平に使えなければならない。発送電分離は送配電施設の中立性を高め、公平性を確保するための手段だ。
 全面自由化は第1次安倍晋三政権時代に大手電力会社と自民党の抵抗で頓挫した経緯がある。大手電力に組織の変更を迫る発送電分離には、小売り自由化以上の抵抗がある。
 それだけに、目標年次を明示して実行を迫る今回の報告書は前進と評価できる。改革の内容は今後、順次法案化される見通しだが、与党審査などを通じて後戻りすることがあってはなるまい。
 もっとも、改革の実現には電力安定供給の確保、離島や過疎地での料金抑制といった課題が残る。それらを克服し、利用者にメリットをもたらすには周到な備えが必要だ。
 そこで、報告書に盛り込まれた二つの新設機関に注目したい。まず、電力需給を調整する「広域系統運用機関」だ。電力が余っている地域から不足している地域に送配電するよう電力会社間の調整を図るほか、全国的な送配電網の整備計画を作る。安定供給や設備の保全に欠かせない機能といえるだけに、大手電力に対する強い権限を担保するための法整備を求めたい。
 改革の実効性を確保するために設ける「規制機関」も重要だ。小売りの自由化、送配電部門の中立化、さらに電力卸市場の活性化が適正に機能しているかをチェックする。
 これまでの改革で、新規参入が進まなかったのは、市場の公平性を検証する機能が欠けていたからだ。立派な制度を作っても運用次第では骨抜きになる。官僚の天下り機関を増やすようでは話にならない。改革が「絵に描いた餅」に終わらないよう、新設する機関の組織や体制などを工夫してほしい。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013021102000152.htmlより、
東京新聞【社説】電力制度改革 業界寄りと言われるな
2013年2月11日

 経済産業省の有識者委員会が電力制度改革の報告書をまとめた。家庭向けの小売り全面自由化、電力会社の発送電分離が柱だ。安倍政権は公平、公正な電気事業法の改正に後ずさりしてはならない。
 二〇一六年をめどに家庭も電力会社を選べる小売りの全面自由化に踏み切る。一八~二〇年に送配電部門を分社化し、すべての電力事業者に開放する。送配電の独立性、中立性を高めるため、全国の電力需給を調整する広域系統運用機関を設け、さらに発電や送配電、小売りの事業別免許制を導入して監督する。
 報告書の骨格だ。実現すれば電力会社の地域独占が撤廃され、公平な電力市場に近づく。先行して自由化された大企業向けの多くは独立系の特定規模電気事業者(PPS)などとの競争で一キロワット時当たり十一円前後に下がったが、家庭向けは二倍の二十三円台。東京電力の場合、利益の九割を小口が占め、公正さを著しく欠いている。
 小口も自由化すれば原価に利潤を上乗せする総括原価方式がおのずと消滅し、PPSとの競争で値下げが期待できる。東電管内の家庭が中部電力から購入したり、太陽光の電力を買うことも可能だ。
 広域系統運用機関も綿密な制度設計が欠かせない。「需給逼迫(ひっぱく)時の広域調整」「再生可能エネルギーの導入拡大」を果たす枠組みをどう築くのか。東電福島第一原発事故を境に供給不足が懸念されているが、PPSの供給量は現状では全体の3・5%。円滑な地域間融通に向けて、新規参入業者を増やす誘導策を用意すべきだろう。
 気掛かりは安倍政権のエネルギー政策の方向が見えないことだ。電力改革の検討は民主党政権の下で始まり、目指すべき日本の電力事業を「再生エネなどの分散型と電力会社を融合させた自由市場」と描いた。三〇年代を目標とする原発稼働ゼロを前提とした姿だ。
 安倍政権は脱原発を「非現実的」と見直しを表明した。原発の評価が決定的に違っては電力改革にも影響を及ぼさずにおかない。電力業界は送配電分社化などを「原発再稼働などを踏まえ判断すべきだ」と、政府に対し暗に先送りを迫っている。再生エネ普及には送電網への公平、かつ自由な接続が不可欠だが、自民党も電力業界の支援を受けているためか慎重論が根強い。
 電力改革は安倍政権にとりエネルギー関連の初の法改正だ。業界寄りとの疑念を招かぬよう、報告書の公平、公正を貫くべきだ。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年2月10日(日)付
発送電分離―後戻りは許されない

 経済産業省の有識者委員会が電力システム改革の報告書をまとめた。与党内での議論を経て、経産省は必要な改正法案を今国会に提出する。
 地域独占を撤廃し、家庭向け電力の販売自由化や電力市場の活性化を通じて、競争と新規参入を促す手立てが網羅されている。実施されれば抜本的な改革となる。
 なかでも、電力会社の発電部門と送配電部門を別会社にする「法的分離」を明記した意義は大きい。
 多様な電源を生かした効率的な電力ネットワークをつくるには、送電網の広域化・中立化が不可欠だ。長年、課題とされながら電力会社の抵抗でびくともしなかった分野である。
 「変革」の必要性をつきつけたのは、原発事故だ。電力会社が「安定供給のため」と主張してきた発送電一体・地域独占の仕組みが、実はひどく脆弱(ぜいじゃく)だったことが露呈した。
 後戻りは許されない。
 改革メニューには、送電網を束ね、必要な整備計画や需給を調整する広域連携機関と、これらを監視し、利用者側の視点に立って必要な是正を求める新たな規制機関の創設も盛り込まれている。
 中身が多岐にわたるため、改革は段階的に進められる。発送電分離の実施は、最終段階となる2018年以降になる見通しという。
 たしかに制度設計には一定の時間がかかるし、混乱を避けるためには順序を整理する必要もあろう。
 ただ、欧米ではすでに定着している制度も少なくない。日本に適した形へと手直しする必要はあるが、できるだけ前倒しで実施すべきだ。
 電力会社は今なお、技術的な難しさなどを理由に、発送電分離に強く抵抗している。
 工程表を明示するのはもちろん、後から骨抜きにされたり先送りされたりすることのないよう、法律上の手当てをしっかりしておくことが肝要だ。
 技術面でも、電力会社の言いなりにならないよう、中立的な検証・推進態勢をかためたい。必要なら、すでに分離が進んでいる海外から専門家を招いてもいいだろう。
 報告書は今後、与党審査を経る。税制改革で道路特定財源の復活を狙うなど、自民党には依然として利益誘導・業界優先の古い体質がくすぶる。往年の電力族が巻き返す機会はまだまだある。
 新しい経済のための新しい自民党を見せてもらいたい。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130210/plc13021003170003-n1.htmより、
産経新聞【主張】電力市場改革 安定供給の確保が先決だ
2013.2.10 03:16 (1/2ページ)

 経済産業省の専門委員会が電力市場改革報告書案をまとめた。家庭でも電力会社を選べる全面自由化に加え、電力会社の発電部門と送電部門を分社化する「発送電分離」などを盛り込んだ。
 電力会社による地域独占を撤廃し、競争の促進で電気料金の引き下げを目指す。日本経済の活性化に向けて「国民に開かれた電力システムを実現する」という。
 規制緩和を通じて市場の競争を促す狙いは評価したい。だが、最大の問題は、電力の安定供給を確保していく道筋が示されていないことだ。まずは原発再稼働を通じて当面の電力不足を速やかに解消しなければ、改革も絵に描いた餅に終わってしまう。
 発送電分離で、電力の安定供給に支障が生じる恐れもある。電力は国の基盤を支えるインフラだけに慎重な制度設計を求めたい。
 報告書案は「電力市場改革を3段階で進める」とした。平成27年にも広域で電力需給を調整する中立機関を設立し、28年には電力小売りを全面的に自由化する。その上で30~32年に電力会社の発送電部門を分離するという。
 電力会社が保有する送配電網を広く開放することで、電力会社同士や新規参入企業との競争を促進し、料金引き下げや電源の多様化を図るのが狙いだ。電力会社に事実上の地域独占を認めてきた電力市場の大きな転換といえる。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130210/plc13021003170003-n2.htmより、
2013.2.10 03:16 (2/2ページ)
 経産省は改革の実施時期を盛り込んだ電気事業法改正案を今国会に提出する方向だ。茂木敏充経産相も「国民の理解を得るために改革が必要だ」と意欲を示した。
 だが、福島原発事故以降、原発の大半が停止され、電力供給不足という根本的問題が解決されていない現実を忘れてはなるまい。
 電力が足りない中で自由化をしても本当の競争につながらない。逆に料金上昇を招く恐れもある。政府は何よりも安価で安定した電力供給確立を優先すべきだ。
 とくに発送電分離の影響は大きい。電力会社は発送電の一体運用できめ細かな電力供給に対応してきたからだ。落雷や台風による停電の早期復旧や電力危機時の緊急融通に弊害は起きないか。米国では自由化の後、送電網への投資削減で大規模停電が何度も起きた。そうした事例の検証も必要だ。
 電力の安定供給なしには、健全な競争もあり得ないことを政府は銘記してもらいたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO51310370T00C13A2PE8000/より、
日経新聞 社説 競争通じて供給力高める「発送電分離」に
2013/2/3付

 電力市場の改革を議論してきた経済産業省の専門委員会が近く報告をまとめる。同委は電力会社の発電と送電部門を分離し、別会社にする案で大筋合意した。経産省は今国会に出す電気事業法改正案に、これを盛り込む考えだ。
 東日本大震災後、大半の原子力発電所が止まり、電力不足の長期化が見込まれる。私たちは電力市場に多様な企業の参入を促し、競争を通じて供給力を高める改革が不可欠だと訴えてきた。
 専門委の案のように、電力会社が事実上独占してきた送電網を開放し、「新電力」と呼ばれる事業者などがそれを借りて電気を送りやすくなれば、新規参入を後押しする。半世紀以上続いた「地域独占」を崩し、電力会社どうしの競争を求めた意義は大きい。
 忘れてならないのは、発送電分離はあくまでも手段であり、競争を通じて電気料金を下げ、安定供給を保つことが本来の目的であることだ。政府はそれを実現できるよう制度設計を詰めてほしい。
 まず重要なのは、新電力や自家発電設備をもつ企業などが送電網を平等、安価に使えることだ。これまで電力会社が送電網を一手に握ってきたため、新電力などがそれを借りて電気を送る「託送料」が高く、参入を阻んできた。
 経産省は発送電分離に伴い、全国規模で電気の需給を調整する新たな機関を設けるという。新機関は電力各社の送電部門の資産やコストを厳格に査定し、託送料を適正な水準に下げるべきだ。新電力などが対等に送電網を使えているか、監視することも重要だ。
 太陽光など自然エネルギーを目いっぱい増やし、災害時などに地域をまたいで電気を融通できるよう送電網の増設も欠かせない。
 電力会社の競争が増せば各社がコスト削減を優先し、必要な投資を控える恐れがある。送電網づくりの青写真を描き、投資を促す仕組みも必要になる。
 電力会社を持ち株会社方式で分割する案は、なお制度の詰めが要る。送電子会社の経営を親会社からどう分離するかや、社債の担保の扱いなどが不透明だ。茂木敏充経産相は、発送電分離は法改正案の付則に書き、詳細は今後詰めるという。議論を先送りするのでなく、着実な進展を求めたい。
 電力改革を通じて新たなビジネスや雇用を生み出す戦略についても、政府は産業競争力会議などでよく議論し、示してほしい。