東通原発 「活断層」再稼働より、安全優先

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130220/plc13022003160007-n1.htmより、
産経新聞【主張】東通原発 これでは「活断層狩り」だ
2013.2.20 03:15

 「耐震設計上考慮すべき活断層である可能性を否定できない」とする報告書案が、原子力規制委員会の有識者会合によってまとめられた。
 東北電力・東通原子力発電所の敷地内の地層の割れ目についての判定結果である。
 日本原子力発電・敦賀原子力発電所に続く2例目の実質的な活断層宣告だ。
 規制委は今後、部外の専門家から意見を聞いて報告書をまとめるとしている。一見、客観性に配慮した措置だが、人選次第では「自画自賛」になってしまう。
 現行の断層調査に従事している有識者についても、専門分野の偏りが指摘されている。第三者評価は、報告書案の考えに反対の意見を持つ専門家に依頼すべきだ。そうしなければ、断層評価の中立性は保てまい。
 本来なら、現在の断層調査のメンバーに、建設前の評価などに携わった専門家を加えて、科学的な議論を行うべきだったのだ。経験豊富な専門家に「原子力ムラ」のレッテルを貼って一律除外する姿勢は不公正でさえあろう。
 原子力規制委員会の本来の任務は、原子力発電の安全性の向上のはずである。にもかかわらず、その活動は「活断層狩り」に狂奔している感がある。中世の魔女裁判を彷彿(ほうふつ)させる異様さだ。
 日本が地震国であり、エネルギー資源小国であることを考えると、規制委のなすべきことは原発の災害対応力の向上であり、速やかな安全審査を経ての再稼働の実現のはずである。
 それに背を向け続けた結果が、原発の長期停止の慢性化とそれに伴う火力発電の燃料代の増加である。電力会社は軒並み経営難に直面し、東北電力も先週、電気料金の値上げを申請したところだ。
 規制委は下北半島全域とも取れる広域の地質調査を示唆している。そうなれば原発停止は一段と長期化し、追加値上げも避けられず、震災復興の妨げとなろう。
 東通原発の地層の割れ目は、活断層だとしても規模の小さなC級のものだ。そのリスクを過大に評価する姿勢は、かえって社会全体のリスクを肥大させていく。
 このままでは国力の衰退が避けられない。安倍晋三政権は、規制委の独立性を尊重しながらも、国の安全保障上、望ましい方向性を示し、議論を整理すべきだ。行政権は内閣に属している。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013022002000164.htmlより、
東京新聞【社説】東通「活断層」 再稼働より、安全優先
2013年2月20日

 東北電力東通原発内でも「活断層」が認定された。近くには巨大な海底断層が横たわる。事業者側も、再稼働より安全を第一に、原子力施設が集中する下北半島全体のデータを開示すべきである。
 原子力規制委員会の報告書案によると、東通原発敷地内を南北に走る断層群のうちの二本が、大地震を引き起こす恐れのある活断層と認定された。
 東北電力側は、地層のずれは地下の粘土が地下水を吸って膨らむ「膨潤」という現象によるものと主張しているが、報告書案は「根拠に乏しい」と一蹴した。
 活断層とされた二本は、原子炉直下を通るわけではないが、耐震補強などに多くの時間と費用がかかる。東北電力側がめざす、早期再稼働は不可能だ。
 東通原発のある青森県下北半島には、建設中の東京電力東通原発や電源開発大間原発、日本原燃六ケ所再処理工場なども含めて、原子力関連施設が集中的に立地している。
 ところが、内陸部で次々に活断層が見つかっているだけでなく、東の沖合には、長さ八十四キロにも及ぶ「大陸棚外縁断層」という海底断層が横たわり、マグニチュード8級の大地震を起こす恐れがあるという。内陸部の断層と連動する危険も指摘されている。東日本大震災の原因になったプレート境界からも遠くはない。
 そもそもこのような場所に原子力施設を集めたこと自体、安全軽視の表れと言ってもいいだろう。
 それなのに東北電力は、規制委員会が集める試掘調査のデータを出し渋り、「活断層を否定するデータを集める」と対立姿勢を崩さない。何か勘違いしてないか。
 断層調査は、規制委と電力事業者の対立の場ではない。お互いの科学的データと知見を集め、議論を尽くして、地震に対する安全を追求する場であるはずだ。
 規制委は今後、七つの施設で現地調査を予定している。事業者側は積極的に情報を開示して、安全性を掘り下げる姿を見せないと、その信頼は本当に地におちる。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013021800027より、
重要施設下も「検討必要」=東通原発の活断層-再稼働、一層困難に・規制委調査団

 東北電力東通原発(青森県東通村)敷地内の複数の亀裂(破砕帯)について、活断層の可能性が高いと判断した原子力規制委員会の専門家調査団は18日、規制委に提出する評価報告書案を議論した。団長役の島崎邦彦規制委員長代理は、原子炉建屋など重要施設の真下を通る破砕帯について「詳細な検討ができていない」と述べ、議論の必要があるとの考えを示した。
 報告書案は、重要施設直下以外の破砕帯が「現時点で活断層である可能性が高い」と指摘。会合に出席した東北電は活断層ではないと反論したが、重要施設直下の破砕帯で追加調査を求められる可能性もあり、活断層を否定できなければ再稼働はさらに困難になる。(2013/02/18-13:49)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021801001233.htmlより、
東通原発「活断層の可能性高い」 規制委調査団が大筋合意
2013年2月18日 12時59分

 東北電力東通原発(青森県)の敷地内断層を調べた原子力規制委員会の現地調査団は18日、都内で会合を開き、敷地内の複数の断層について「13万~12万年前以降に活動した活断層の可能性が高い」との報告書案を示し、内容について大筋で合意した。今後、調査団5人以外の専門家からも意見を聞いた上で報告書を取りまとめ、規制委に提出する。
 東通原発1号機は現在運転停止中だが、東北電はさらなる断層調査や耐震補強工事が必要になり、停止の長期化は避けられない見通しだ。
 東北電は「地層の変形は、活断層ではなく粘土が水を吸って膨張する『膨潤』が原因」と主張してきたが退けた。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130218/k10015583691000.htmlより、
東通原発“活断層の可能性高い”
2月18日 6時3分

各地の原子力発電所で断層の調査をしている国の原子力規制委員会の専門家会議は、青森県の東通原発について、「敷地内の断層は活断層の可能性が高い」とする報告書の案を18日の会合で示す方針です。
報告書の案が示されるのは福井県の敦賀原発に次いで2例目で、東通原発は、今後耐震対策の見直しを迫られると、当面運転が再開できなくなる可能性があります。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員は、学会から推薦された専門家と共に、国内で唯一運転中の福井県の大飯原発を含む3か所で断層の調査を行っています。
このうち、東通原発の断層を評価する会合が18日に開かれ、ここで示される報告書の案では、敷地内の断層2本について、周辺の火山灰の分析から、繰り返し活動しているなどとし、「耐震性を考えなければならない活断層の可能性が高い」としています。
また、東北電力が、「断層周辺のずれや亀裂は地層が地下水によって膨らんで起きた」と説明していることについて、根拠が乏しいとしています。
そのうえで、東北電力の調査は不十分で、断層の詳細な検証や広域的に調べることが必要だとまとめています。
専門家会議は今後、別の専門家の意見も聞いたうえで報告書を取りまとめ、規制委員会に提出する予定で、規制委員会の判断によっては東通原発は耐震対策の見直しを迫られ、当面運転が再開できなくなる可能性があります。
「活断層の可能性が高い」という報告書の案が示されるのは、敦賀原発に次いで2例目です。
規制委員会の専門家会議は、石川県の志賀原発や福井県の美浜原発など3か所でも調査を行うことにしています。

結論の根拠
原子力規制委員会の専門家会議が東通原発の報告書の案に盛り込んだ結論の根拠などは、次のとおりです。
まず、敷地内の断層のうち、「F-3」と呼ばれる断層については、周辺に活断層が動いたときに見られる小さな亀裂が多く確認されたことや、断層による地層のずれが活断層の定義の範囲に当たるおよそ11万年前の火山灰の層まで及んでいること、「F-9」と呼ばれる断層については、周辺に断層の動きによって広範囲に隆起したことを示す地形があることや、地層の火山灰の分析から繰り返し活動していると認められることから、これらの断層2本は、「耐震性を考えなければならない活断層の可能性が高い」としています。
また、東北電力が、「断層周辺のずれや亀裂は地層が地下水によって膨らんで起きた」と説明していることについては、地下水で膨らむ場合、現場で見られたような3メートルもの隆起は考えにくいことや、地下水が上昇した痕跡が確認できなかったことから、根拠が乏しいとしています。
さらに、原子炉建屋や安全上重要な施設の直下を通るほかの断層については、東北電力のさらなる検証が必要だとしています。

断層調査の経緯
原子力規制委員会の専門家会議は、国内の6か所の原発で断層の調査を行う予定で、このうち、すでに調査を行った東通原発を含む3か所ではその対応が異なっています。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員は、学会から推薦を受けた専門家と共に、前の原子力安全・保安院が調査を指示した東通原発のほか、福井県にある敦賀原発、それに国内で唯一運転中の大飯原発など6か所で調査を行う予定です。
このうち、敦賀原発については、先月28日に専門家会議が報告書の案を初めて示し、「断層は耐震性を考えなければならない活断層の可能性が高い」と結論づけました。
一方、大飯原発については、敷地北側で見つかった地層のずれを巡って、専門家の間で「活断層」か「地すべり」で見解が分かれ、判断には至っておらず、調査が続いています。
規制委員会の専門家会議は、残る石川県の志賀原発や福井県にある美浜原発と高速増殖炉「もんじゅ」の3か所について、来月までに調査を行うことにしています。
また、新潟県の柏崎刈羽原発や青森県の使用済み核燃料の再処理工場など4か所の原子力施設について、今後、電力会社などから調査結果の報告を受けたうえで、国として調査を行うかどうか検討することにしています。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121230/plc12123003230006-n1.htmより、
産経新聞【主張】原子力規制委 断層調査の暴走が心配だ
2012.12.30 03:22

 原発の再稼働を難しくしたり廃炉に追い込もうとしたりする意図があるのではないだろうか。
 原子力発電所の敷地内の破砕帯が、活断層かどうかを調べている原子力規制委員会の専門家調査団の活動姿勢に対しては、思わずそうした危惧を抱かされてしまう。
 破砕帯の現地調査と評価は、関西電力の大飯原子力発電所から始まったが、日本原子力発電の敦賀原子力発電所(福井県)や東北電力の東通原子力発電所(青森県)についての評価会合では、電力会社側の説明に十分耳を傾けようとする誠意や真摯(しんし)さが感じられない。
 敦賀原発に対しては、短時間の審議で活断層との断を下し、東通原発では、活断層の可能性を完全に否定し切れていないという論理で電力会社の主張を退けた。
 あまりに強引で、独断的にすぎないか。これでは、調査団に「原発潰し」の目的があるようにも見えてしまう。そうした意図がないのなら、ぜひとも方法を改めるべきだろう。
 規制委は以前に原発の地質調査に関わった研究者をメンバーに加えていないが、参加してもらってはどうか。より深い議論ができるはずだ。「原子力ムラ」のレッテルを貼って排除すること自体、科学者として最も慎まなければならない行為である。
 排除されている側の研究者にも提案がある。同じ立場の専門家が連携し、破砕帯を再評価する調査団を結成してはどうだろう。
 それを妨げる理由は、ないはずだ。福島第1原子力発電所の事故調査でも民間事故調が活動した。破砕帯の評価に関しても多様な視点が歓迎されてしかるべきだ。
 規制委の調査団が、よりどころの一つとしている感がある変動地形学は航空写真や地表の形から断層などの存在を読み取る学問だ。調査用の溝を掘って地層の質や破砕帯そのものを扱う地質学とは、おのずと精密度を異にする。
 民間の調査団と規制委調査団がそれぞれの見解をもとに、活断層かどうかを議論すれば、国民の理解も深まるはずだ。そうした健全な展開が大切である。
 規制委には独立性が保証されているだけに暴走しかねない。一方的に電力会社の説明を退ける姿勢に、その兆候が表れ始めているのでないか。田中俊一委員長には良識ある手綱捌(さば)きを期待したい。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121223/plc12122303150008-n1.htmより、
産経新聞【主張】原発の断層調査 結論ありきに見えないか
2012.12.23 03:15 (1/2ページ)

 東北電力東通原子力発電所(青森県)の敷地内を走る破砕帯を活断層だとする見解が、原子力規制委員会の専門家調査団によって示された。
 東北電力は、これらの破砕帯に活動性はなく、活断層ではないとみなしてきただけに、両者の認識の隔たりは大きい。
 規制委は26日に開く2回目の評価会合で東北電力の説明を聞く予定だが、科学的な判断のためには、予断を捨てて謙虚に耳を傾ける姿勢が望まれる。
 本来なら20日の第1回評価会合に東北電力を参加させて議論を交わすべきだった。それをすることなく、活断層であるとの結果をまとめた上で、反論を聞くのは公平感に欠ける印象だ。
 法律で高い独立性が保証されている規制委には、不断の自省が求められるはずである。規制委の自己規制力が弛緩(しかん)すると、独善的な暴走が始まる可能性があることを指摘しておきたい。
 先に行われた日本原子力発電の敦賀原子力発電所での破砕帯調査も、1回限りの審議で活断層との断を下した前例がある。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121223/plc12122303150008-n2.htmより、
2012.12.23 03:15 (2/2ページ)
 電力会社は、原発の敷地の地層に関して多くの調査データを保有している。規制委にはそれを十分に検討し、活用してほしい。破砕帯を科学の対象として見詰める上で、データ軽視の傾向があるとすれば、由々しき問題だ。
 そもそも、規制委設置の目的は原子力発電の安全性向上に置かれていたはずだ。「原子力利用における安全の確保」は、規制委の任務としても規定されている。
 原発敷地内の破砕帯調査は、安全確保の手段の一つに位置づけられるもののはずだ。しかし、最近の規制委の活動からは、調査した破砕帯を活断層と即断することがその目的と化しているかのごとき印象を受けてしまう。
 東通原発の場合は、破砕帯が活断層であると断定されても、重要施設の下を通っていないので、廃炉とはなるまい。しかし、再稼働が大きく遠のくのは確実だ。
 原発の働きを火力発電で代替する結果として、東北電力の赤字は膨らみ、電気料金の値上げ幅の拡大を余儀なくされよう。電気代の上昇は震災被災者の暮らしを圧迫し、復興の足取りを重くする。
 規制委の判断は、地元社会の要請からも独立しているとする考え方もあるが、目的や現実との乖離(かいり)はあまりにも寂しい。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2012年12月22日(土)付
原発と活断層―科学者の仕事つらぬけ

 青森県にある東北電力東通(ひがしどおり)原発の敷地内にある断層について原子力規制委員会は「活断層の可能性が高い」と判断した。
 全員一致の見方だという。
 同じ地層を見ながら、なぜ原発建設前やその後の調査で確認できなかったのだろうか。
 これまでの国の審査がいかにずさんで、検査が電力会社まかせだったか、改めて考えさせられる。
 活断層の調査は、関西電力大飯原発(福井県)、日本原子力発電の敦賀原発(同)に続く3例目だ。電力会社にはいずれも厳しい評価が続いている。なかには「委員や専門家が反原発派で占められている」との恨み節さえ聞こえる。
 だが、評価にあたった専門家たちは、日本活断層学会などが推薦する候補のなかから、電力会社との利害関係を調べたうえで選ばれた中立な人たちだ。
 現地での調査や評価会合もすべて公開し、透明な手続きを経ての判断である。政府も民間も重く受けとめるべきだ。
 電力会社や原発立地県の知事は「科学的根拠はどこにあるのか」と反発している。経営難に陥りかねないことや、地域の経済への心配が背景にある。
 それはそれで考えるべき重要な課題だが、安全への判断をまげる理由にはならない。
 経済的利害をおもんぱかって科学側が遠慮すれば、規制行政への信頼は崩壊する。3・11の大震災と原発事故を経験した私たちが、これから決して見失ってはいけない反省だ。
 今後、電力会社や地元からの反論が出れば、規制委は公開の場で立証を求めればよい。
 どちらの見方がより合理的なのか、科学的な議論を尽くすことが基本だ。
 問題は、規制委人事が政争や総選挙のあおりで、今なお国会の同意を得ていないことだ。
 自民党の一部には、規制委の人選を「正式承認を得ていない民主党人事」とみなして、政権交代を機にやり直すべきだとの声があるという。
 しかし、政党の思惑で委員を入れ替えていいはずもない。
 独立性の高い国家行政組織法3条に基づく委員会にするよう求めたのは自民党だ。不当な政治介入は許されない。
 規制委は、重大な事故がおきた場合の放射性物質の拡散予測で訂正をくり返した。そんな未熟さもある。とはいえ、交代を考えるほどではない。
 与野党が協力して、次の国会で規制委人事への同意手続きを速やかに済ませるべきだ。安全判断の仕事は山積している。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121222k0000m070099000c.htmlより、
社説:東通原発に活断層 下北全体の再評価を
毎日新聞 2012年12月22日 02時30分

 原子力規制委員会の有識者調査団が、青森県下北半島にある東北電力東通原発の敷地内を活断層が走っていると認定した。電力会社が否定していた原発敷地内の活断層の存在を規制委が認定するのは、日本原子力発電敦賀原発(福井県)に続き2例目となる。電力会社の調査が不十分で、規制当局の安全審査もそれをチェックできていなかったということだ。他の原発の安全審査の妥当性についても、疑問符が付く。
 東北電力は東通原発敷地内の断層について、粘土を含む地層が地下水を含んで膨張する「膨潤(ぼうじゅん)」などが原因で生じたもので、活断層ではないと主張してきた。同原発の耐震安全性評価でも考慮されていない。
 だが、現地調査も行った規制委の調査団5人は「活断層」とする見解で一致した。調査団の有識者は、規制委が日本活断層学会など関係学会に推薦を依頼し、過去に審査に関わっていない専門家から選ばれた。省庁主導で専門家を選んでいた過去の安全審査は「事業者に甘い」との批判もあったが、今回は中立性が極めて高い人選だと言える。
 規制委は新たな原発安全基準の策定に伴い、原発直近を通る活断層の影響評価手法を検討中だ。敷地内の局所的な揺れや地盤のずれを予測することは難しいためだ。東通原発では、活断層の規模などをきちんと調べた上で、新基準に従って耐震性を再評価する必要がある。しかし、問題はそれだけにとどまらない。
 調査団が認定した活断層は、隣接する東京電力東通原発(建設中)の敷地にも延びる。さらに、下北半島には、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場やJパワー(電源開発)の大間原発など原子力施設が集中立地する。その半島東側の沖合には「大陸棚外縁断層」(延長84キロ)が南北に走る。過去の安全審査で事業者は否定してきたが、同断層を活断層とする専門家がおり、原発の敷地内の断層などが連動して動く可能性も指摘されているのだ。
 過去の安全審査に疑問符が付いた以上、規制委は、下北半島全体の断層や地殻構造を再評価すべきだ。調査団の有識者からも調査を求める声が出ていたが、事業者に依存してきた体制を見直し、規制委が主体となって進める必要があるだろう。
 重要となるのが規制委の独立性と透明性の確保であり、そのためには国会による同意人事が不可欠だ。
 規制委は発足から3カ月が経過したが、民主党政権下では党内事情から国会同意手続きが先延ばしされたままで、いわば仮免許状態にある。年内に発足する新政権は衆参両院に対し、速やかに規制委人事の同意を求めるべきである。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012122102000139.htmlより、
東京新聞【社説】「東通」も活断層 疑わしきは動かせない
2012年12月21日

  裁判とは違う。疑わしきは黒なのだ。原子力規制委員会の専門家調査団は、東北電力東通原発敷地内の断層が活断層とみられることで一致した。そんな疑いがある場所で、原発は動かせるだろうか。
 またも全員一致である。規制委の調査団は、東通原発敷地内を走る断層が「活断層の可能性が高い」と評価した。
 敦賀2号機のように原子炉の真下を走っているわけではないという。しかし、敷地内に地震の恐れがあるとみられるだけで、十分危険なことではないか。通り一遍の耐震補強ぐらいで、安全が守られるのか。
 東北電力は、粘土を含んだ地層が地下水を吸って膨らむ「膨潤」という状態であって、「活断層ではない」と否定し続けている。原発の立地や稼働が最優先、安全、安心は二の次という電力会社の体質は、相変わらずであるようだ。このようなことでは、安心からもほど遠い。
 原発立地の妨げになる活断層は、その規模や影響が過小評価されてきた。無視されたり、故意に隠されたりした恐れもある。
 日本は世界有数の地震国である。ところが、その特殊さに目をつむり、安全を後回しにして原発を造り続けてきた。福島第一原発の惨状は、この国で原発が動き始めた四十年前に戻って、安全性を総点検せよとのシグナルだ。
 私たちは今月十二日の社説で、国内のすべての原発を対象に、規制委が直接断層調査に乗り出すよう指摘した。東通原発のある下北半島には、原子力関連施設が集中する。極めて危険な使用済み核燃料の再処理工場やウラン濃縮工場などもある。絶対に地震の被害にあってはならない施設が、集中する地域なのである。
 半島の東には、全長約百キロの大陸棚外縁断層が並行して走っており、東通原発内の断層などと連動して大地震を引き起こす危険性をはらんでいる。入念な上にも入念な調査が必要だ。
 政権が交代し、原発再稼働への追い風が、漂い始めているようだ。しかし政治がどう変わろうと、安全神話の復活は許されない。そのためには、規制委の独立性が不可欠だ。
 科学と倫理の見地から、危ないものは危ない、動かせないものは動かせないと、科学者たちには腰を据えて訴え続けてもらいたい。そうしない限り、福島の悪夢はいつかまた、繰り返されるのではないか。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中