北方領土 「平和条約がないのは異常な事態だ」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年2月23日(土)付
日ロ関係―領土と協力の両輪回せ

 安倍首相が、春の大型連休中にもロシアを公式訪問する見通しになった。
 日ロ間では首脳の公式訪問が絶えて久しい。これを機に首脳対話を活性化させ、北方領土問題の解決と両国関係の進展へとつなげたい。
 森元首相がモスクワでプーチン大統領と会談し、日程調整を進めることで合意した。プーチン氏は「両国間に平和条約がないことは異常な事態だ」と語り、北方領土問題の解決にも意欲を示した。
 日本の首相のロシア公式訪問は、日ロ関係全体を包括的に発展させる「行動計画」をつくった03年の小泉元首相以来、10年ぶりとなる。
 行動計画のうち、経済分野は貿易額がその後、4倍以上になるなどの成果をあげた。
 一方、領土問題は「相互に受け入れ可能な解決を模索する」としながら前進はなかった。05年のプーチン氏訪日から続く首脳による公式訪問の不在は、その反映ともいえる。
 いまプーチン氏があらためて日本との関係改善を望む背景には、現在のロシアの抱える経済や安全保障上の事情がある。
 極東やシベリアの開発で、日本の資金や技術の引き入れは欠かせない。米国のシェールガス革命のあおりでロシアの天然ガスは欧州市場で供給が減り、日本はじめアジア市場への売り込みも必要になっている。
 日本にとっても、福島第一原発事故を受けてエネルギーの供給先の多角化は急務である。
 軍事面で強大化する中国や、核開発を続ける北朝鮮は、日本と同様、ロシアの脅威になりつつある。それへの牽制(けんせい)という意味でも、協力の拡大は両国の利害が一致する。
 とはいえ、領土問題でのプーチン氏の姿勢は慎重だ。
 歯舞、色丹の二島返還から踏み出す姿勢は見せていない。国後、択捉を含む四島の帰属問題解決をめざす日本側との隔たりは、なお大きい。
 だが、行動計画がそうだったように、領土問題で具体的な進展が伴わなければ、プーチン氏のいう両国間の「異常な事態」は解消されず、幅広い協力は立ちゆかない。そのことを、プーチン氏は理解すべきだ。
 森氏との会談で、プーチン氏は「もっと頻繁に両国の首脳は会うべきだ」と述べた。この提案を歓迎する。
 定期的な首脳協議を重ねるなかで、領土問題をとことん話し合い、その解決と両国の協力を両輪で進める道筋を見いだしていってほしい。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130223/plc13022303220003-n1.htmより、
産経新聞【主張】森・プーチン会談 「異常事態」露が打開せよ
2013.2.23 03:21 (1/2ページ)

 安倍晋三首相の特使として訪露した森喜朗元首相との会談で、プーチン大統領は「日露間に平和条約がないのは異常な事態だ」と語った。
 大統領として平和条約締結への真摯(しんし)な意欲を示したのだとすれば、評価したい。だが、平和条約を結べない理由が北方領土への不法占拠にあり、原因を作ったのがロシア自身であることは言うまでもない。
 北方四島は先の大戦の終戦時の混乱に乗じてソ連が日ソ中立条約を破棄し、武力占領した。プーチン氏はその後継国家の元首として歴史の不正を正す責任がある。
 プーチン氏は資源・エネルギーに農業協力なども加え、今春にも予定される首相の公式訪露に期待を示したが、まずはロシアが北方四島を返還しないかぎり、異常事態の解決はないことを強く認識してもらいたい。
 日本政府も「3島返還」「面積折半」といった異論に流されてはならない。原則を堅持して対露協議に臨む必要がある。
 今回、留意すべきは、両氏が2001年に日露首脳として発表した「イルクーツク声明」の重要性を再確認したことだ。
 声明は北方領土問題を「歴史的・法的事実」に立って「法と正義の原則」を基礎に解決するとうたった「東京宣言」(1993年)を明示、「四島帰属問題を解決して平和条約を締結する」としている。プーチン氏に必要なのは、これを直ちに行動に移すことだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130223/plc13022303220003-n2.htmより、
2013.2.23 03:21 (2/2ページ)
 だが、プーチン氏は昨年3月に自ら発した「引き分け」発言について「勝ち負けなしの解決だ。双方が受け入れ可能な解決策のことだ」と述べた。従来の発言とほぼ同じで、失望せざるを得ない。
 森氏が「最終解決には日露首脳の決断が必要だ」とプーチン氏の背中を押し、首相訪露への地ならしに徹したのは当然といえる。
 対日接近の背景には、中国が経済・軍事的に膨張し、米国のシェールガス開発でロシア産石油・天然ガスが守勢に立たされている事情もうかがえる。北朝鮮問題でも日露協力の余地はある。
 だが、油断は禁物だ。「北方領土の日」にはロシア戦闘機が日本領空を侵犯し、対日改善を求める誠実な態度とは到底いえない。
 日本政府はロシア側に対し、北方領土返還によって信頼を取り戻すことが全ての出発点であることを理解させるべきだ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130223k0000m070124000c.htmlより、
社説:森元首相訪露 首脳交流につなげよ
毎日新聞 2013年02月23日 02時33分

 ロシアのプーチン大統領が、安倍晋三首相の事実上の特使として訪露した森喜朗元首相と会談した。首相親書を手渡した森元首相に大統領は北方領土問題解決への意欲を改めて表明。安倍政権発足後、初の首脳会談実現に向け、停滞が続いた日露関係は新たな段階へ踏み出した。
 プーチン氏にとって16回目の会談となった森氏は、日本政界で最も信頼する「親友」だ。2人は01年に日露首脳として「平和条約締結後、歯舞群島、色丹島を日本に引き渡す」と定めた56年共同宣言を領土交渉の出発点とすることで合意している。日本は国後島、択捉島を含む4島返還を求める立場は変えていないが、今回の訪問は、日本が01年当時の姿勢に立ち戻り柔軟な考えで交渉を再開するシグナルだったともいえる。
 プーチン大統領は昨年、「引き分け」という言葉を使って日露双方の譲歩の必要性を訴えた。その真意について大統領は今回の会談で、柔道場の絵を描いて、今は隅で行き詰まっている両国が再び中央に出て試合を再開する必要があるという趣旨の説明をしたという。
 ロシアが対日関係改善に積極的な理由はいくつかある。開発が進まず人口流出の激しいロシア極東を、アジア太平洋市場への資源輸出基地として発展させるには、インフラ整備などで日本の技術力が必要だ。米国の「シェールガス革命」がもたらした世界エネルギー市場の地殻変動で、資源の輸出先として日本の可能性が改めて注目されている。さらに、中国の台頭や北朝鮮の核開発などで緊張が高まる東アジア情勢をにらみ、極東の発展や北極海航路の開拓を国家戦略の重要な柱とするロシアの安全保障という意味でも、日本との協力は欠かせない。北方領土問題の解決は、こうした大きな構図の中に位置づけられている。
 ロシアの優先課題は経済だ。森元首相の訪露に先立ち、国営石油企業ロスネフチのセチン社長が訪日し、日本企業にオホーツク海の大陸棚共同開発への参加を呼びかけた。26日にはイシャエフ極東発展相が訪日し、極東開発で日本の協力を求める。長期にわたる体力と忍耐が必要な対露経済協力は、日本が国策としてロシアとどう向き合うかという戦略がなくては立ちゆかない。
 領土問題の解決にあたって日露間の認識に依然隔たりがあるのも事実だ。しかし、中国などと緊張要因を抱えた日本にとって、地域の安定やエネルギー資源の確保という広い視点からも対露関係をとらえ直す必要がある。その中で領土問題打開への道筋を探っていくために、今回の会談を足がかりに、首脳同士の活発な相互交流にぜひつなげてほしい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52006880S3A220C1EA1000/より、
日経新聞 社説 北方領土交渉を前に進めよ
2013/2/22付

 森喜朗元首相が首相特使としてロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した。今春に見込まれる安倍晋三首相の公式訪ロに向けた地ならしとして、意義深い会談だったといえる。今後も日ロ間のさまざまな交流を深め、北方領土交渉を前に進めていってほしい。
 森氏はプーチン大統領とは旧知の仲で、個人的に親しい。会談で大統領は「日ロ間に平和条約がないのは異常な事態だ」と述べ、安倍首相の訪ロに期待を表明した。
 安倍首相は北方領土問題の解決を通じた平和条約の締結に前向きだ。プーチン大統領も昨年末の記者会見で安倍氏の意欲を高く評価し、「建設的な対話をしていく」と述べている。
 首脳間で領土問題に本格的に取り組む環境は整いつつある。
 問題はプーチン大統領が「引き分け」による決着を表明し、四島の日本への帰属を求める日本側の主張とかけ離れていることだ。大統領は今回、「双方が受け入れ可能な解決策」が「引き分け」の意味だと森氏に語ったという。
 ここは両首脳が責任をもって打開策をみいだしていくしかない。重要なのは尖閣諸島や竹島と異なり、日ロ双方とも北方領土問題を交渉によって平和的に解決しようとしていることだ。
 そもそも日本の首相の公式訪ロは10年も途絶えている。近年は両国首脳が膝詰めで、領土問題をとことん話し合う機会はほとんどなかったといってもいい。首脳の相互訪問や国際会議の場を使った会談を重ね、解決策を探っていくときだろう。
 ロシアは極東開発や産業構造改革などの分野で日本の協力に期待している。日本もエネルギーが豊富で大きな消費市場も抱えるロシアとの協力拡大の余地は大きい。安全保障分野でも、中国の軍事力強化や北朝鮮の核開発は日ロ共通の脅威になりつつある。
 日ロが平和条約を締結し、関係を強める利点はどこにあるのか。重層的なアプローチで領土交渉の進展を促すことも大切だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130222ddm003010156000c.htmlより、
クローズアップ2013:森元首相、特使で訪露 「試合再開」で思惑一致 「4島」仕切り直し探る
毎日新聞 2013年02月22日 東京朝刊

 森喜朗元首相が21日、安倍晋三首相の事実上の特使として、ロシアのプーチン大統領と会談し、北方領土交渉の再開へ口火を切った。安倍政権は昨春のプーチン氏の「引き分け」発言に注目しており、現実的な解決策を探るための環境整備を進める思惑がある。だが、日本が公式に掲げる「4島返還」と、ロシアの主張との溝は依然深い。ロシア側には領土問題にのみ焦点が当たることへの懸念もあり、交渉進展への道筋は見えてこない。【モスクワ影山哲也、大前仁】

 会談でプーチン氏は「引き分け」発言の真意を説明する際、柔道に例えて表現した。
 柔道場の四角い枠の形を鉛筆で紙に描いたプーチン氏は「日露両国はここ(枠の端)にいる。これでは試合はできない。もっと中央に引っ張ってこないといけない。そこから始めよう」と強調。森氏は、プーチン氏が日露の仕切り直しによる「試合再開」を求めていると受け止めた。
 さらに森氏が「安倍さんとの話でしっかり(結論を)つけてください」と促すと、プーチン氏は「そうだ」と応じたという。
 森氏の訪露は、10年のメドベージェフ大統領の国後島訪問などで「冷戦後最悪」(外務省幹部)にまで冷え込んだ日露関係の修復を図るため、野田前政権から党派を超えて調整が始まった。プーチン氏の再登板直前の「引き分け」発言をきっかけに、日本側に「ロシアが柔軟姿勢を取る可能性がある」と期待が高まったためだ。
 安倍政権はプーチン氏と親交がある森氏を交渉再開の橋渡し役とし、「訪米の次はロシアだ」(政府関係者)と4月末にも首相の訪露を検討している。昨年末の日露首脳の電話協議では、プーチン氏が第1次安倍政権時代などを念頭に「以前お会いしましたね」と安倍首相に語りかける場面もあった。日露外交筋は「ロシア人との交渉は面識の有無が大事だ」と自民党政権の強みを強調する。
 森氏は1月のBS番組で、地図上の択捉島と国後島の間に線を引き、「こう引くのが一番いい」と3島返還に言及し物議を醸した。四島について日本の主権が確認されれば実際の返還時期は柔軟に対応する、という政府の公式見解を踏み越えたためだ。森氏は周辺に「(プーチン氏に)ボールを投げて反応を見るためだった」と解説し、内容そのものよりも柔軟な交渉の雰囲気を醸成するため、あえて変化球を投げたと強調した。
 安倍政権内には、06年に北方領土の面積等分論を国会答弁した麻生太郎副総理や、09年に「3・5島返還」に言及した谷内正太郎内閣官房参与がいる。このため、ロシアの出方次第で、日本も柔軟姿勢に転じる余地があるとの見方もある。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130222ddm003010156000c2.htmlより、
 岸田文雄外相は21日、ロシアのラブロフ外相と電話で協議し、4月下旬〜5月を軸に検討している安倍首相の訪露について、「日露関係の発展に弾みをつけるものとしたい」と述べた。また、今後外相会談を開き、緊密に協力することを確認した。
 ただ、現時点で日本側に4島返還の看板を下ろす機運が高まっているわけではなく、「首相が1回訪露してもすぐには交渉は進まない」(日露外交筋)との見方が強い。日本側は首相とプーチン氏の任期中の最終決着を目指し、数年後も視野に北方領土問題解決の具体案を模索する考えだ。

 ◇「領土」焦点化、露は警戒
 ロシア政府は森氏について「プーチン大統領の古くからの友人」(ラブロフ外相)と歓迎し、安倍首相が今年に予定するロシア公式訪問と、その後の関係拡大につなげたい意向だ。ただロシア外交筋は「会談では経済協力や文化交流など幅広い問題を話し合う」との見通しを示し、領土問題だけが注目される事態を警戒している。
 プーチン大統領は01年、当時の森首相とイルクーツクで首脳会談を行い、歯舞群島、色丹島の引き渡しと平和条約の締結を明記した日ソ共同宣言の有効性を確認した。このため昨年の「引き分け」発言は、2島引き渡しで決着を図る意向という解釈が多いが、日本で注目されたこの発言はロシアでは一般には知られていない。
 イルクーツク会談当時の駐日ロシア大使だったパノフ前外交アカデミー学長は、プーチン氏が決断すればロシア政府が領土交渉の再開に踏み切るとの見通しを表明。2島引き渡しで平和条約を結び、その後に国後島、択捉島の地位を話し合う形式なら「『2島+α』の解決策も可能」と持論を唱える。パノフ氏は今回の森氏の訪露にあたり、一部の滞在日程を組むなど存在感を発揮している。
 一方で、26日に訪日するイシャエフ極東発展相(兼極東連邦管区大統領全権代表)は20日の記者会見で、日本にロシア極東への投資拡大や企業進出を呼びかけ、領土問題については「(解決の)機は熟していない。(北方四島の)共同開発から始めるべきだ」と主張した。イシャエフ氏は日本で安倍首相とも会談する予定だが、経済優先の立場は譲らない構えだ。ロシアメディアによると、ロシア国営石油企業「ロスネフチ」のセチン社長も20日、日本を訪れ、日本企業幹部らとの会談で北極圏の大陸棚油田やガス田開発への参加を呼びかけた。
 日本側には、ロシアにある経済協力への期待感をテコに、領土問題交渉を前進させたいとの思惑もある。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130222/k10015698651000.htmlより、
北方領土問題 「双方が解決策模索を」
2月22日 4時3分

ロシアのプーチン大統領は、日本時間の21日夜、モスクワで森・元総理大臣と会談し、年内に予定されている安倍総理大臣のロシア訪問が日ロ関係の発展につながることへの期待感を示すともに、北方領土問題について、「平和条約がないのは異常だ」と述べ、双方が受け入れ可能な解決策を模索していくべきだという考えを示しました。
ロシアのモスクワを訪問している森元総理大臣は、日本時間の21日夜、クレムリンで、プーチン大統領と1時間余りにわたって会談しました。
この中で、森元総理大臣は、安倍総理大臣からの親書を手渡し、年内に予定されている安倍総理大臣のロシア訪問について、「ことしは新たな日ロ関係を構築するための大事な年になる」と述べたのに対し、プーチン大統領は、「訪問を心待ちにしている。両国関係の発展のよいステップになることを期待している」と応じ、日ロ関係の発展につながることへの期待感を示しました。
また、北方領土問題を巡って、森氏は、平成13年にシベリアのイルクーツクで、総理大臣在任中にプーチン大統領と会談した際、平和条約締結後の歯舞・色丹の2島返還を明記した1956年の「日ソ共同宣言」の有効性を文書で確認したことを取り上げました。
両氏は、改めてこのイルクーツク声明の重要性を確認したということです。
そのうえで森氏が「領土問題の最終的な解決には、安倍総理大臣とプーチン大統領の両首脳の決断が必要だ」と強調したのに対し、プーチン大統領は「両国の間に平和条約がないのは異常だ」と述べるとともに、大統領に当選する前のインタビューで、領土問題について「引き分け」という表現を使ったことについて、「勝ち負けのない解決ということだ」と説明し、双方が受け入れ可能な解決策を模索していくべきだという考えを示しました。
さらに、プーチン大統領は、柔道に例えて「日本とロシアは畳の隅にいるので、試合が進まない。真ん中に戻ってそこから『始め』だ」と述べ、交渉の進展に意欲を示したということです。
一方、両氏は、エネルギー、農業などの経済分野で両国が連携する重要性を確認するとともに、北朝鮮が3回目の核実験を強行したことは「容認できない」という認識で一致し、プーチン大統領は、北朝鮮への対応について「安倍総理大臣とじっくり話し合うテーマだと思っている」と述べました。

温かな雰囲気で親密さを演出
プーチン大統領は、森元総理大臣との会談で、北方領土問題を含む平和条約の締結に向けた交渉に意欲を示すとともに、温かな雰囲気で森氏を迎えて個人的に親密な関係を演出しながら、安倍政権の対ロシア政策に期待を示しました。
プーチン大統領は、クレムリンでの森元総理大臣との会談で、通常の公式会談とは違って丸いテーブルで隣り合って談笑し、格式張らない温かな雰囲気で迎えて親密な関係を演出しました。
会談後、記者会見した森氏によりますと、プーチン大統領は「平和条約がないのは異常だ」と述べて、北方領土問題を含む平和条約の締結に向けた交渉に意欲を示しました。
さらに、近くエネルギー分野のミッションを日本へ派遣したいとして、経済分野での協力とあわせて安倍政権の対ロシア政策に期待を示しました。
ただ、プーチン大統領は、この10年間の両国関係を振り返り、全体としてよい方向に向かっているとしながらも、「うまくいかないこともあった」と述べました。
この発言は、2010年に当時のメドベージェフ大統領の国後島への訪問を巡って、菅元総理大臣が「許しがたい暴挙」と発言し、日ロ双方が感情的に非難の応酬をしたことなどを示しているとみられます。
プーチン大統領は、年内に予定される安倍総理大臣のロシア訪問を歓迎する姿勢を見せながら、安倍政権が領土問題や経済協力で前向きな対応をとってくるのか、冷徹に見据えていくものとみられます。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013022100987より、
プーチン露大統領、領土解決に意欲=「平和条約なしは異常」-森元首相と会談

 【モスクワ時事】森喜朗元首相は21日午後(日本時間同日夜)、モスクワのクレムリン(大統領府)でプーチン大統領と約1時間会談した。プーチン氏は大統領復帰前の2012年3月、北方領土問題をめぐり自らが言及した「引き分け」による最終決着について、「勝ち負けのない、双方に受け入れ可能な解決だ」と説明。具体的な解決策には踏み込まなかったが、「(日ロ)両国間に平和条約がないことは異常な事態だ」とも述べ、平和条約の前提となる領土問題の解決に意欲を示した。
 森、プーチン両氏の親交は深く、会談は16回目。森氏は今回、安倍晋三首相の特使として派遣され、首相から預かった親書をプーチン氏に手渡した。
 プーチン氏は年内に予定される首相訪ロについて「早期の訪問をお待ちしている。日ロ関係発展の良いステップになる」と語り、日ロ首脳会談の早期実現に期待を示した。
 会談で森氏は、首相当時の01年3月、プーチン氏との首脳会談でまとめたイルクーツク声明の重要性を指摘し、「あとは安倍首相と大統領の決断次第だ」と強調した。プーチン氏はうなずいて聞いていたという。イルクーツク声明は、平和条約締結後に歯舞諸島と色丹島の2島を引き渡すとした日ソ共同宣言の有効性を確認し、現在の領土交渉の基礎になっている。
 日ロ経済に関し、プーチン氏は「エネルギー分野の協力は可能性が高い」と指摘。近くエネルギーに関する派遣団を送ると説明した。
 一方、プーチン氏は、北朝鮮の核実験について「断じて容認できない。国際社会の責任ある一員に取り込むためには、日ロ両国が協力する必要がある」と述べた。
 森氏は22日には、プーチン氏側近で知日派のナルイシキン下院議長と会談。外交官を多く送り出すことで知られるモスクワ国際関係大学での講演も予定している。(2013/02/22-01:35)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013022101002030.htmlより、
ロ大統領、領土問題解決に意欲 森氏との会談で表明
2013年2月22日 00時13分

 【モスクワ共同】森喜朗元首相は21日午後(日本時間同日夜)、安倍晋三首相の特使としてロシアのプーチン大統領とモスクワのクレムリン(大統領府)で会談した。プーチン氏は日ロ関係をめぐり「平和条約がないのは異常な事態だ」と述べ、懸案の北方領土問題の解決に意欲を表明。4月下旬からの大型連休中を軸に調整している安倍首相訪ロへの期待感を示した。
 両氏は平和条約締結後の歯舞群島、色丹島引き渡しを定めた2001年の「イルクーツク声明」の重要性を確認。プーチン氏は昨年3月に言及の「引き分け」を「勝ち負けのない解決。双方が受け入れ可能な解決策のことだ」と説明した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130208/plc13020803420004-n1.htmより、
産経新聞【主張】北方領土の日 足並み揃え「4島」譲るな
2013.2.8 03:41 (1/2ページ)

 「北方領土の日」の返還要求全国大会で、安倍晋三首相が「領土問題の最終的解決に向け進展が得られるよう、強い意志を持って交渉を進めていく」と決意表明した。
 第二次大戦末期の混乱に乗じ、日本がポツダム宣言を受諾した後にソ連が北方領土を不法占拠して今年で68年となる。日本固有の領土である四島の返還を強く求めていきたい。
 3年半の民主党政権時代、ロシアはメドベージェフ氏が2度にわたって、国後島に足を踏み入れた。無法を繰り返させないためにも、安倍首相は春以降に予定される訪露を通じてプーチン大統領と信頼関係を築き、日本の国益を実現してほしい。
 ロシアでは昨年以降、日本との連携を強化すべきだという考え方が表面化している。その背景の一つは、海洋覇権を目指す中国の動きへの警戒感だ。
 プーチン大統領の側近は昨秋、日本外務省と安全保障面で関係強化を目指す異例の覚書を交わした。側近は「ロシアは(日中の)どちらの側に立つこともしない」と、尖閣諸島をめぐる中国の対日強硬姿勢には与(くみ)しない方針も示した。日本は中露関係を適切に見極めるべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130208/plc13020803420004-n2.htmより、
2013.2.8 03:41 (2/2ページ)
 日本に歩み寄る経済的な理由もある。米国での新型天然ガス「シェールガス」の開発本格化のあおりで、ロシアは最大の輸出先である欧州でガスの販売シェアを減らしている。原発が稼働せず、エネルギー確保に悩む日本は格好の売り込み先と映るはずだ。
 むろん、日露関係の進展が直ちに北方領土問題の解決に結びつくといった幻想を抱くことは禁物である。ロシア軍は今月5日、「クリール諸島」(北方領土と千島列島)で大規模軍事演習を本格化させているし、7日には戦闘機2機が日本の領空を侵犯する事態となっている。
 極めて残念な動きもある。択捉島を除く3島返還で決着を図るのも選択肢の一つだ-などの見解を示した森喜朗元首相のことだ。森氏は今月下旬にも事実上の首相特使としてプーチン氏と会談する。二元外交で誤ったシグナルを送る愚は、厳に慎んでほしい。
 「北方領土の日」は日露通好条約が調印された1855年2月7日にちなんで設けられた。条約の精神を思い起こし、四島返還で世論の結集を図りたい。

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