韓国女性大統領 「北」の核武装止めねば

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013030402000124.htmlより、
東京新聞【社説】日韓新政権 交流深めて懸案解決を
2013年3月4日

 日本と韓国で共に新政権が発足し、昨年来冷却化している関係の改善を迫られている。経済から民間交流まで協力できる分野は多い。交流を深めながら、歴史問題など懸案解決を探っていきたい。
 韓国の朴槿恵大統領は日本の植民地支配に対する「3・1独立運動」記念式典で演説し、「日本は歴史を正しく直視し、積極的な変化と責任ある行動をとるべきだ」と指摘した。
 就任後初めて、演説で日韓関係を語り、島根県・竹島(韓国名・独島)領有権などには触れなかったが、歴史問題では譲歩しない姿勢を見せた。
 演説で気になったことがある。「加害者と被害者という歴史的な立場は千年の歴史が流れても変わることはない」と述べたが、誇張しすぎではないか。日本は韓国企業のグローバル戦略に学ぼうとし、大衆文化「韓流」のファンも多い。歴史の加害、被害者の関係も、時の流れで少しずつ変わっていくはずだ。
 朴氏の父、朴正熙元大統領は一九六五年、日韓国交正常化を果たしたが、朴氏は「親日派の娘」と批判されてきたから、特に歴史での妥協は難しいのだろう。しかし、日韓関係の重要さを十分に知っているはずだ。日本側は大統領が置かれた厳しい立場を理解し、真意を見極める必要がある。
 韓国は経済成長と国際社会での地位向上で自信を深めた。輸出相手では中国は日本の三倍になり、外交でも中国を重視する考えが強まっている。
 安倍晋三首相のこれまでの対韓国外交は現実路線に徹し、関係悪化に歯止めをかけていると評価できる。戦時中の従軍慰安婦に対する旧日本軍の関与を認めた「河野談話」を見直すとの主張も、首相就任後は封印している。「竹島の日」を祝う政府主催の式典も見送った。
 日韓両国は歴史や領土問題で主張し合いながら、両政府の認識が一致した場合には、歴史の懸案解決に取り組むべきだろう。と同時に、多くの分野で協力し合う努力が求められる。
 北朝鮮の核、ミサイル開発への対応をはじめ、自由貿易協定(FTA)協議など経済協力、さらに少子高齢化や所得格差、若者の雇用不安など、国民が乗り越えるべき共通の課題がいくつもある。
 日韓が掲げる「未来志向の同伴者」の関係を築くには、具体的な政策で合意を積み重ねる努力が何よりも重要になる。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年2月26日(火)付
韓国新大統領―静けさからの出発

 テレビで就任式を見て新鮮に感じた人も多かっただろう。
 韓国の新しい大統領になった朴槿恵(パククネ)氏のことである。男社会のイメージが強い韓国に、日本や中国、米国より早く女性リーダーが登場すると予想した人が何人いただろうか。
 だがいま、ソウルの街に浮かれた気分は感じられない。静かな空気が漂っている。
 大統領は5年で交代する。韓国の世論調査会社によれば、ここ数代の大統領は就任前後の支持率がほぼ50~80%台。それが今回は50%に満たない。
 前任の李明博(イミョンバク)氏は、財閥系の経営者出身。経済に詳しい大統領なら、生活を良くしてくれるのでは。そんな期待は落胆に変わり、支持率が急落した。
 韓国経済で大企業は元気に見えるが、所得格差が広がり、非正規労働者らの不満は大きい。日本をしのぐ少子高齢化が進むのに、福祉対策は遅れている。 誰がかじ取りをしても難しい。そう思うから、新政権への期待もふくらまないのだろう。
 加えて朴氏は、人事でつまずいた。首相候補は息子の兵役免除などの疑惑が浮上して指名を辞退。側近も発表まで知らないような人事のやり方は「密室人事」と批判を浴びている。
 一方で、新たな可能性への期待も決して小さくない。
 1960~70年代の大統領として経済発展をとげた半面、民主化運動を弾圧した朴正熙(パクチョンヒ)氏の娘。いわば生まれながらの保守なのに、選挙戦で「経済民主化」「民生」「福祉」など野党のような政策を打ち出した。
 父親が産業化を担ったとすれば、娘は民主化後の「国民の幸福」をめざす。就任演説からはそんな決意が読み取れた。
 「もどかしいほど慎重で、突発的行動をしない」(崔章集〈チェジャンジプ〉・高麗大名誉教授)といった人物評もある。前任の李氏は、大統領では初めて竹島に上陸、日韓関係を悪化させた。そんな恐れが少ないという意味だ。
 外交では、朴氏は北朝鮮を訪問し、生前の金正日(キムジョンイル)氏と2人で話をした経験もある。その手応えを自叙伝にこう書いている。
 「真心に基づいて相互の信頼を積み重ねて初めて発展的な交渉と約束を期待できる」
 これは日本との関係にも通じる。だが、期待しすぎてはなるまい。朴氏は大統領選で父親への「親日派」攻撃の矢面に立った。日本に甘いと言われぬよう警戒しているはずだ。
 互いに刺激の応酬に陥らないように努める。それが「相互の信頼を積み重ねる」第一歩なのは間違いない。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130226/kor13022603100004-n1.htmより、
産経新聞【主張】朴槿恵大統領 「奇跡」再現へ日韓協力を 安倍首相は早期会談に動け
2013.2.26 03:10 (1/3ページ)

 韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領の時代がスタートした。初の女性大統領で、しかも親子2代の就任である。父の朴正煕元大統領は1965年、日韓国交正常化を実現した決断の人だった。娘の朴槿恵氏も「度胸と品位の指導者」といわれる。
 就任をお祝いするとともに、世界で重要な位置を占めるに至った国の新指導者として成熟し安定感のある内外政策を期待したい。
 朴槿恵氏は両親ともに政治テロで失うという数奇な人生を歩んできた。政治家の経験は15年だが、その前に青瓦台で同じぐらい過ごしている。父がテロで倒れた時は27歳だったが、悲報に接しての最初の言葉は「南北休戦ラインは大丈夫ですか?」だったという。

《中国への注文忘れるな》
 指導者としての心構えは十分できているとみていい。
 韓国はその後、成長を続け、戦後の世界で「途上国として経済発展と民主化を実現した最初の国」と呼ばれる。「援助される国から援助する国」になったのである。今や経済力では世界の上位を占め、文化やスポーツなどを含め国際的に注目される存在だ。
 韓国では近年、国際化や先進国化がよく語られる。「国際化」という意味では、既に国連事務総長は韓国人だ。現在、韓国は国連安全保障理事会の議長国である。今や国際社会に重要な責任を負う国になったのだ。
 朴槿恵氏が国際関係で日米韓協力体制の維持、強化を強調しているのは大いに歓迎できる。核実験を繰り返す軍事独裁国家・北朝鮮の脅威に対応するためには、これは不可欠である。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130226/kor13022603100004-n2.htmより、
2013.2.26 03:10 (2/3ページ)
 同時に、朴槿恵氏はこれまで中国との親しい関係が伝えられる。就任演説でも、「米、中、日…」と中国を2番目に挙げて重視している。経済を中心とした韓中関係の深まりを背景に、中国への配慮は当然かもしれない。
 しかし中国の軍事的膨張、領土問題に見られる覇権主義的態度、さらには北の核開発への「黙認」などを見過ごしてはならない。中国指導部との親しい関係を通じ必要な場面では、中国を厳しく説得し、注文してもらいたい。
 大きくなった韓国は以前のように他国に不平、不満、批判ばかり言ってすむ状況ではなくなった。国の品格として、国際協調や国際貢献とともに、国際的マナーに合った行動が求められている。その点でいえば、日本との関係では、いまだ国際的感覚に欠けているようにみえる。
 韓国社会でしばしば見られるいわゆる「反日無罪」がそうだ。例えば、在韓日本大使館前の慰安婦記念像は国内的にも国際的にも不法な存在だが、今なお放置されたままだ。日本への批判、非難なら「何でも許される」という感覚は韓国の品格にふさわしくない。

《「反日無罪」は品格欠く》
 朴槿恵氏は、就任演説でまず経済を課題に挙げ、「第2の漢江の奇跡を起こす」と宣言した。昨年度の成長率は約2%で、既に低成長時代に入りつつある。高齢化社会も急速に進行中だ。「増税無き福祉」が公約だが、その実現にはかなりの困難が予想される。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130226/kor13022603100004-n3.htmより、
2013.2.26 03:10 (3/3ページ)
 いずれも日本が経験してきた道である。日韓は領土問題や歴史問題を除けば、高齢化対策などでいくらでも協力し合えるのだ。
 韓国に国民感情があるように、日本にも国民感情がある。李明博前大統領の竹島上陸や天皇陛下への謝罪要求は、日本の国民感情をいたく傷つけた。日本人の多くはこれを挑発と受け取った。
 相手を批判、非難ばかりしながら協力というのは難しい。相互理解とは自分の立場や考え方を相手に押しつけることではない。抑制と同時に、時には不平不満を互いに棚上げにする知恵がほしい。
 朴槿恵氏の父は対日関係改善を追い風に利用して韓国発展の基礎を築いた。日本との協力関係がいかに重要だったかは、南北の発展の格差を見れば明白だ。そのことも改めて確認したい。
 就任式後、朴槿恵氏と会談した麻生太郎副総理は安倍晋三首相の祝意を伝えた。日韓新政権が未来志向で緊密に協力することでも一致したことは評価できる。
 だが、本来は首相自ら出席すべきだった。祝賀訪問として互いに懸案抜きで会えば、首脳同士が親近感を確認するいい機会だったはずだ。安倍首相は早い時期に初会談の場を設定し、胸襟を開いて信頼関係を築いてほしい。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013022602000157.htmlより、
東京新聞【社説】韓国女性大統領 「北」の核武装止めねば
2013年2月26日

 韓国の朴槿恵大統領が就任した。分断国家の北朝鮮は、核兵器保有の道を突き進んでいる。韓国の経済発展と社会を守るため、初の女性大統領は今までにない重荷を背負っての船出となる。
 ソウルの国会議事堂前広場で行われた就任式には、一般市民も含め約七万人が参加した。朴大統領は就任演説で、いま国民の前にある危機としてグローバル経済の影響と北朝鮮の核武装を挙げた。
 北朝鮮は昨年十二月、人工衛星と主張して長距離弾道ミサイルを発射し、今月には三回目となる核実験を強行した。もし弾頭を軽量化して核ミサイルの実用化に成功すれば、隣接する韓国が最も深刻な脅威を受ける。
 朴氏は演説で、抑止力を高め北朝鮮に挑発行為をさせないと明言した。この言葉通り、新政権は国連安全保障理事会の追加制裁決議に賛成し、米韓合同軍事演習を行うなど強い姿勢で臨むだろう。
 さらに「(核実験の)最大の被害者は北朝鮮だ」と言い切った。国際社会から孤立して経済は破綻し、国民は慢性的な食料不足に苦しんでいるという意味とみられるが、金正恩体制を正面から批判したといえる。
 北朝鮮との共存、共栄を目指す「朝鮮半島信頼プロセス」を進めると提案したが、信頼構築には「一歩ずつ進む」と述べた。核実験強行によって、対話を急ぐことはせず慎重姿勢に変わった。
 北朝鮮の核問題は今や一筋縄では解けないレベルにきているが、五年後には核兵器を保有するとの深刻な見方もある。韓国はじめ周辺国はもう一度、核武装を止める方法を考えたい。
 経済制裁や軍事演習などの抑止政策、周辺国が足並みをそろえた外交、さらに機が熟せば南北当事者の対話も必要になろう。どれもこれまでに試された方法だが、今後は情勢に応じていくつかの政策を効果的に組み合わせる「ベストミックス」を探ることが重要ではないか。
 朴大統領は中国語を学び、中国指導者とも面識がある。習近平指導部が北朝鮮を説得するよう、強く働き掛けてほしい。
 朴氏は就任式に出席した麻生太郎副総理兼財務相と会談し、両国が未来志向で緊密な協力をしていくことを確認した。島根県・竹島(韓国名・独島)の領有権や元従軍慰安婦問題などの懸案があるが、政府間対話や経済協力を着実に続け、冷却した関係を正常化する努力を重ねたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52138630W3A220C1EA1000/より、
日経新聞 社説 首脳間の信頼軸に盤石な日韓関係を
2013/2/26付

 韓国で朴槿恵氏が新大統領に就任した。初の女性大統領として、5年間にわたり国政を担う。朴氏は「信頼」をなにより重んじる。日本との外交についても、安倍晋三首相との信頼構築を軸に盤石な関係づくりをめざしてほしい。
 女性らしさだろうか。あるいは同じ保守系ながら、成長ばかりを重視した李明博前政権との違いを意識したのか。朴氏が就任式の演説でとくに強調したのは「国民の幸福」だった。
 もちろん、国の未来に成長は欠かせない。朴氏も父親である故・朴正熙元大統領がかつて導いた高度経済成長にならい、「第2の漢江の奇跡」を起こすと語った。とりわけ科学技術やIT(情報技術)を中心に新産業を育て、雇用を創出していく構えだ。
 同時に、社会の格差を是正すべく財閥系の大企業に偏重した産業構造の転換、中小企業の育成、福祉の充実にも力を入れるという。ただ輸出をけん引する財閥系企業を過度に締め付ければ、成長の鈍化は避けられない。現実は難しい政権運営を迫られるだろう。
 北朝鮮政策では「国民の生命と韓国の安全を脅かすいかなる行為も容認しない」と、先の核実験を激しく非難した。当然である。
 日本など主要国とは「信頼醸成」に努めるとした。朴氏は就任式に出席した麻生太郎副総理との会談でも、日韓の未来志向による緊密な協力に期待を示した。李前大統領の竹島上陸などで冷え込んだ関係を立て直す好機といえる。
 日韓には確かに、竹島の領有権や従軍慰安婦問題など、領土や歴史をめぐる根深いあつれきが横たわる。朴氏は麻生氏に「歴史認識が重要」と改めてクギを刺した。これらの問題は今後も関係改善を妨げる要因として、折に触れて浮上してくるはずだ。
 ではどうすればよいのか。日韓関係に占める領土・歴史の比率を小さくしていくしかない。
 日韓は互いに主要な貿易相手国で、距離的にも近い。とくに求めたいのは両国の経済連携協定(EPA)の締結だ。産業構造が似通う日韓の経済協力が進み、相互の企業進出は雇用創出にもつながる。なにより未来志向の関係をつくる強固な基盤となるはずだ。
 北朝鮮の核問題への対処など、日韓が協調すべき課題も多い。早期の首脳会談を通じて、包括的な視野で関係を強める道筋を模索していくべきだろう。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130226k0000m070118000c.htmlより、
社説:韓国大統領就任 新次元の関係構築を
毎日新聞 2013年02月26日 02時30分

 昨年暮れの韓国大統領選挙で当選した朴槿恵(パククネ)氏が正式に就任した。初めての女性大統領誕生である。
 ソウルの国会前広場で挙行された就任式で、新大統領は経済、福祉、文化を重視する姿勢を強調した。北朝鮮の核実験やミサイル開発を非難すると同時に、南北間の信頼構築に努める方針も明言した。
 隣国の歴史的な慶事を祝福する。5年の任期中、北朝鮮への対処をはじめ、多難な時代のかじ取りを担当するのは容易なことではあるまい。日韓が協力しあって、共に前進できることを心から願う。
 とはいえ、その日韓関係は悩ましい摩擦の迷路にはまり込んでいる。前大統領の竹島上陸と天皇陛下への批判にあたる発言で、多くの日本国民の対韓認識に暗い影が差した。
 その後、朴槿恵氏当選で関係改善への期待がふくらんだが、島根県主催の「竹島の日」記念式典が開かれた22日には摩擦が起きた。安倍晋三政権としては事前に決めていた政府主催の式典を見送り、配慮した形だが、韓国政府の抗議や韓国メディアの反発は避けられなかった。
 日韓関係は見通しのきかない曲がり角に来ているようにも見える。
 新大統領の父である故・朴正熙(パクチョンヒ)元大統領は社会主義陣営との対抗上韓国の安定を望んだ米国の後押しで日韓国交正常化に踏み切り、高度成長を実現した。その後も長期間、日本は韓国経済にとって必要不可欠な存在だったが、状況が変わった。
 日本企業が韓国企業に敗れる例が目立っているのは周知の事実だ。
 ソウルから聞こえてくるのは、今や韓国の関心は圧倒的に中国へと傾いている、という話である。
 韓国は中国との貿易から最大の利益を得ている。北朝鮮の脅威に対処するため中国の協力を得る努力も必要だ。対中傾斜は無理もない。
 だが中国の軍事的膨張や北朝鮮をかばう姿勢を甘く見るのは危険だ。安保に関する日米韓の結束に緩みが生じるようでは本末転倒である。
 日本側にも配慮すべき点がある。日本が朝鮮半島を支配した歴史を背景に、韓国では「親日」という言葉自体に嫌悪感が伴う。日本の政治家が新大統領を「親日的」と評価すれば、新政権に批判的な勢力から攻撃材料にされ、逆に負担になる。こうした現実を軽視してはならない。
 領土や歴史認識を巡る日韓対立には誤解のほか慢心、屈辱、憎悪といった負の感情がからみ、解決は難しい。だからこそ新しい次元の相互関係構築を共に目指すべきだ。
 その第一歩は、政治指導者同士の真摯(しんし)な対話だろう。勇気ある歩み寄りを重ねてこそ、真の和解が進む。歴史が教えるところである。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130226ddm003030166000c.htmlより、
クローズアップ2013:朴韓国大統領就任 埋没する対日改善
毎日新聞 2013年02月26日 東京朝刊

 ◇歴史認識のとげ 外交の中心、対中・対米に
 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は25日の就任式後、麻生太郎副総理兼財務相と会談した。中国や北朝鮮への対応をにらんで安倍晋三首相がこだわった麻生氏の訪韓。未来志向の日韓関係が大事との原則で一致したものの、焦点の歴史認識では、温度差の方が目立ち、関係改善の道のりが遠いことを感じさせた。一方、南北関係では朴大統領が信頼構築を訴えたのに対し、北朝鮮は同日深夜までに反応を見せておらず、双方のにらみ合いが当面続きそうだ。
 「演説は印象的で、素晴らしかった」。25日午後、青瓦台(大統領府)に朴大統領を訪ねた麻生副総理が語りかけた。
 日本政府の麻生氏派遣は、韓国新政権発足を機に関係を改善し、領土を巡る韓国と中国との「二正面作戦」を避け、北朝鮮政策で韓国との連携を強めようという安倍首相の意を受けたものだ。首相は、補正予算の成立を遅らせてでも麻生氏の訪韓を実現させるよう指示していた。
 一方、朴氏が就任演説で外交課題として取り上げたのは「アジアにおける緊張と葛藤を緩和する」だった。複数の外交ブレーンは毎日新聞に「アジア・パラドックスを念頭に置いたものだ」と話す。
 アジア・パラドックス−−世界経済の中心となりつつある地域なのに、主要国間の緊張が高まっているという北東アジアの現状を批判的に見る観点だ。朴氏はこの言葉を昨年10月、米紙ウォールストリート・ジャーナル・アジア版への寄稿で使った。その解決策として「日中韓3国の大和解」「正しい歴史認識」などを挙げていた。
 麻生氏との会談でも、朴氏は「未来志向の協力のためにも歴史認識が重要だ」と強調した。朴氏に「お互いの立場を理解することが重要だ」と説いた麻生氏は会談後、記者団に「ずっと過去にこだわっても」と語り、認識のずれが浮き彫りになった。
 「竹島の日」の22日、訪米中の安倍首相は講演で「(朴大統領の父の)朴正熙(パクチョンヒ)元大統領は最も親日的な大統領だった」と語った。朴氏への親近感を示そうとしたようだが、韓国で「親日」は、日本の植民地支配に協力した「売国奴」という意味でしかない。
 韓国の事情を理解しないまま朴氏に期待する安倍政権。一方で韓国は、従軍慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」について安倍首相が見直しの構えを見せたことに強い疑念を持つ。両者にはすれ違いが生じているのだ。
 そんな中、朴氏は就任演説で、協力すべき国を「米国、中国、日本」の順で列挙した。歴代大統領の就任演説は日米両国を優先的に取り上げており、中国が日本より先になったのは初めてだ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130226ddm003030166000c2.htmlより、
 中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局長は25日の記者会見で、朴氏就任に祝賀の意を表明し、「中国は韓国と各分野で友好交流や実務的な協力を深め、戦略的パートナーシップ関係の中身を充実させたい」とエールを送った。
 中国通である朴氏に、中国は好感を抱いているとされる。朴氏は就任式後、同じく女性である劉延東国務委員と会談し、「中国の代表的な女性指導者で業績が多い」とたたえた。劉氏は「中韓関係重視」を記した胡錦濤国家主席と習近平共産党総書記の親書を渡し、連携をアピールした。
 李明博(イミョンバク)前政権下で強化され今年で同盟60周年となる米韓関係、結びつきが強まる中韓関係。朴氏は両国を外交戦略の中心に据える。【ソウル澤田克己、吉永康朗】

 ◇南北対話、必要性訴える 北朝鮮は様子見か
 「確かな抑止力を土台に南北間の信頼を積み上げるため一歩一歩進んでいく。互いに話し合って約束を守るとき信頼は増していく」
 朴大統領は就任演説で北朝鮮との対話方針を掲げた自身の政策「朝鮮半島信頼プロセス」の必要性を訴えた。
 ただ、北朝鮮の核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験で身動きは取れないのが実情だ。朴氏は既に信頼プロセスについて「強力な抑止力を元にした政策であり、単純な融和策ではない」とも説明している。
 韓国は国連安全保障理事会で議長国を務め、制裁を主導する立場だ。国立外交院の尹徳敏(ユンドクミン)教授は「今は制裁局面であり、思ったより深刻な状況から政権がスタートすることになった。当面は厳しい政策を取らざるを得ない」と話す。
 北朝鮮は突如、対南政策で立場を変える時がある。ソウルの外交関係者は「北朝鮮が南北離散家族の再会事業を提案するなど急に『平和攻勢』に打って出てきた時、朴政権は安易にそれに応じることができず、難しい対応を迫られる」とみる。
 一方の北朝鮮。朴氏就任の25日、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(電子版)で次のように主張した。
 「(李明博(イミョンバク)大統領のような)人間が再び権力の座に就いて同胞の運命を操ることがないようにし、そのような集団の芽は最初から踏みつぶさなければならない」
 南北関係が悪化した責任を李前政権に転嫁しながら、朴新政権に対して異なる北朝鮮政策を取るよう求めた形だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130226ddm003030166000c3.htmlより、
 これまで北朝鮮の国営メディアは朴氏を名指しで批判したことはなく、しばらくは様子を見るとのスタンスで臨んでいるようだ。北朝鮮は、李前政権が「先に核放棄、その後に経済支援」という政策を打ち出したことが、南北関係悪化の最大の要因と見ており、朴政権にはより柔軟な姿勢を求めてくるとみられる。【ソウル西脇真一、北京・米村耕一】

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