中国全人代 「軍頼みの大国では困る」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 3月 6 日(水)付
中国全人代―軍頼みの大国では困る

 中国の国会、全国人民代表大会(全人代)が始まった。
 胡錦濤(フーチンタオ)国家主席と温家宝(ウェンチアパオ)首相が引退し、習近平(シーチンピン)、李克強(リーコーチアン)両氏に引き継ぐ。これで党、軍、国家の権力移行が完了する。
 習・李体制の今後を占ううえで、強い懸念を抱かざるをえないことがある。
 習氏が昨年11月に共産党トップの総書記に就いた後、「中華民族の偉大な復興」を唱え、ナショナリズムと富国強兵を繰り返し強調していることだ。
 昨年末には、その実現に向けて「強固な国防と強大な軍隊を建設する努力」を訴えた。
 一方、軍の機関紙は今年1月、軍総参謀部が全軍に戦争の準備を指示したと報じた。尖閣諸島をめぐる日本との緊張激化を受けたものだ。
 「中華民族の偉大な復興」という言葉の裏には、列強に虐げられた近代の記憶があるのだろう。だが、それを強調するあまり、対外強硬姿勢をあおるようなことになっては困る。
 総書記と同時に軍トップに就いた習氏は、ひんぱんに部隊を視察するなど軍への配慮が際だっている。権力基盤を固める狙いだろうが、軍の影響力が強まることには危惧を感じる。
 5日に発表された13年の予算案によると、国防予算は前年実績比10・7%増の7406億元(約11兆1千億円)にのぼる。3年連続2けたの伸び率で、日本の防衛費の2倍以上だ。
 全人代では開幕前日の記者会見で国防予算が発表されるのが恒例だったが、今年は見送られた。軍備増強に注目が集まるのを嫌ったからと見られる。
 国際社会の懸念を感じているのなら、何がそれを招いているのか自省し、振る舞いを正していくべきではないか。
 指導部が軍を十分に統制できていないことをうかがわせる事件もあった。
 1月にあった自衛隊艦船などへのレーダー照射だ。当初、中国側は「知らない」としていたが、その後、日本による「ねつぞう」と反論に転じた。
 指導部に知らせないまま、海軍や部隊レベルで照射を判断した可能性がある。こんなむちゃな行動が続けば、取り返しのつかないことになりかねない。しっかり統制するよう求める。
 胡・温体制の10年で未曽有の経済成長を遂げた中国だが、貧富の格差拡大や汚職の蔓延(まんえん)、大気汚染など、成長のひずみを覆い隠せなくなっている。
 習指導部を取り巻く環境は厳しい。だからといって、国内の不満を外に向けて解消するような手法は厳に慎むべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130306/chn13030603240002-n1.htmより、
産経新聞【主張】中国の国防費増 武力の威嚇を強めるのか
2013.3.6 03:23 (1/2ページ)

 「覇権を求めない」という言葉とは裏腹の軍事力増強ぶりだ。
 中国の2013年度予算案の国防費が前年度実績比10・7%増の7406億2200万元(約11兆1千億円)に達した。当初予算比では25年連続の2桁増、日本の防衛費(来年度予算案で4兆7538億円)の2・3倍である。沖縄県・尖閣諸島を力ずくで奪おうとする中国の危険な意思と行動を裏付ける数字だ。
 そもそも中国の公表国防費では予算の内訳が明らかにされない。戦闘機やミサイル、さらにサイバー攻撃の研究開発費も明示されない。実際の軍事費は公表額の1・5~3倍という。この不透明性そのものが周辺国への脅威だ。
 昨年11月の中国共産党大会で総書記となった習近平氏は、国防費が発表された全国人民代表大会(全人代=国会)で、まもなく国家主席に選出される。権力基盤を固めたい習氏が軍権の掌握を急いでいるのは明らかだ。
 昨年末、広州戦区を視察した習氏は師団級以上の幹部に対し、「中華民族の偉大な復興」のために「強固な国防と強大な軍隊を建設せよ」と指示した。引退する温家宝首相も全人代初日、同様の演説を行った。これで、中国の新指導部が軍事路線をさらに強めることがはっきりした。
 「鉄砲から政権が生まれる」と言った毛沢東を見習う姿勢が実際の外交・軍事にどう反映されるか。中国は次世代ステルス戦闘機の開発を進め、昨年9月に就役の初の空母「遼寧」を東シナ海をにらむ山東省青島の新設基地に配備した。1月には中国軍艦が自衛艦に射撃用レーダーを照射した。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130306/chn13030603240002-n2.htmより、
2013.3.6 03:23 (2/2ページ)
 こうした中国の軍備増強や威嚇の抑止に、安倍晋三政権が米国との連携を強めたのは当然だ。
 一方、安倍首相は今年初め、訪米前に東南アジア諸国連合(ASEAN)を舞台にした首脳外交を展開し、南シナ海で中国と領有権を争っているベトナムやフィリピンを支援する姿勢を明確にした。「法の支配」を掲げ、「力による現状変更に反対」とのメッセージを発信した。
 麻生太郎副総理も5月にインド訪問を検討中だ。中国がインド周辺で進めている海洋進出の拠点づくりを牽制(けんせい)する狙いがある。
 日米を軸に価値観を共有する国々と、対中抑止の輪を広げなければならない。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013030602000139.htmlより、
東京新聞【社説】平和的に台頭してこそ  習指導部の中国 
2013年3月6日

 中国が民族の偉大な復興に燃えている。周辺諸国はその真意を測りかね、再び脅威を感じ始めている。平和的な台頭こそが目指すべき道ではないか。
 開幕した全国人民代表大会(全人代)で、中国共産党の習近平総書記が、胡錦濤前総書記の国家主席の地位も受け継ぎ、名実ともに中国トップの座に就く。
 平和的台頭の考えは、胡政権の初期に打ち出され、ほどなく消えていった国家戦略である。
 スタートする習指導部に、今こそ思い返してほしい平和台頭論をまず、ふりかえってみよう。

対外戦略が白紙に戻る
 これは中国語では「和平崛起(くっき)」と呼ばれた。胡氏の有力な政策ブレーンであった鄭必堅氏が二〇〇三年、海南島で開かれたフォーラムで初めて提唱した。
 ひと言で言えば、経済発展には安定した周辺環境が必要で、中国は台頭しても国際秩序の脅威にはならない、という国家戦略だ。
 鄭氏は戦争の近代史を振り返り、その原因について「新興国が侵略戦争を発動し、対外拡張の道を歩んだ」と指摘した。第一次、二次大戦の分析に基づく、冷静で地に足がついた戦略であったと評価できる。
 その後、温家宝首相や胡前総書記らも演説や講演で、平和台頭論にお墨付きを与えた。
 だが、台湾問題や日中の海洋資源をめぐる対立などにマイナス影響があるとの意見が軍を中心に強まり、新戦略は白紙に戻った。
 軍の強硬論にくみした江沢民元総書記と胡前総書記の路線対立もあったという。この戦略で、中国が北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議を主導するなどの成果もあっただけに、新戦略の消滅はアジアの平和にも痛手であった。

中国脅威論は「心外」か
 それに代わり、大気汚染に煙る北京で今、熱狂的に語られるのが「中華民族の復興」である。
 習氏は昨年秋、中国トップ6を率いて国家博物館を視察。「近代以降の中国にとって最大の夢は、中華民族の偉大な復興と考える」と演説した。
 見学した展示こそ、アヘン戦争をきっかけに、東亜病夫(東洋の病人)とまで言われた十九世紀半ば以降の屈辱の歴史であった。
 だからこそ、新たな指導者が語る民族復興とは、歴史と伝統を持つ中華の大国への回帰と読み解くべきなのであろう。
 世界最大の発展途上国を自任しながらも、中国には新たに台頭する新興国などではないという意識が強烈である。
 帝国主義に一時屈辱を強いられたものの、大国への回帰の努力を脅威などと批判されるのは心外であるというのが、中華民族の復興に込めた思いであろう。だが、誇りと屈辱が入り交じった思いを、諸外国は理解するにしても、納得はしないだろう。
 中華復興意識の兆しは〇八年の北京五輪でも見られた。開会式の華やかなショーは、火薬、印刷技術、紙、羅針盤の世界四大発明は中華民族のものという中華意識の発揚であった。
 世界第二位の経済大国になった自信もあり、今や平和的台頭という抑制的な戦略でなく、中華意識を前面に押し出した対外戦略にカジを切ったのなら不安である。
 中国の国防予算を見ても、二十五年連続で二桁の伸びを示し、六年前の二倍となった。再び中国脅威論が巻き起こるような事態を、慎重に避けてほしい。
 全人代の政府活動報告で、温首相は「強大な軍隊を打ち立て、国家の主権、安全、領土を断固として守る」と訴えた。一時間四十分を超える演説で、ひときわ大きく、長く、拍手が鳴り響いた。
 国家主権を守る備えをすることはどの国にとっても当然のことである。だが、大国にふさわしく、周辺国が脅威と感じないようなふるまいが求められる。
 領土問題をめぐり、日本や東南アジアなど周辺国とのあつれきを高めるような行為は慎むべきである。まして軍幹部が会議などで軽々しく戦争を口にするのは論外であろう。

抑制的だった温演説
 民族の復興を強調しすぎることは、過度にナショナリズムをあおる危険もある。もしも対外的なナショナリズムの高揚で、汚職腐敗や格差など深刻な国内問題から国民の目をそらそうという狙いが潜んでいるのなら、誤りである。
 ただ、温首相の政府活動報告は、党大会以降の習総書記の言動と比べれば、総じて抑制的であった。「国家の海洋権益を守る」と訴えたが、それ以上の発言には踏み込まなかった。
 引退する温首相は「平和的発展」とクギをさした。習氏にはあらためて胡・温時代の平和台頭論を胸に刻んで、大国を率いてほしい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52471650W3A300C1EA1000/より、
日経新聞 社説 質の高い経済成長へ道筋を描けぬ中国
2013/3/6付

 中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が北京で開幕し、温家宝首相は今年の実質経済成長率の目標を前年と同じ7.5%にする方針を明らかにした。
 やみくもに速い経済成長を追い求めるのではなく、民生の向上につながるような質の高い安定成長を目指す姿勢を改めて示したといえよう。ただ具体策には乏しく、道筋は見えてこない。
 温首相と胡錦濤国家主席は今回の全人代で2期10年の任期を終え退任する。胡・温体制は10年前に発足した直後から民生重視を表明してきたが、結局、掛け声倒れに終わった観がある。
 最後の施政方針演説となった5日の政府活動報告で、温首相は内需が主導する経済成長を目指す姿勢を強く打ち出した。そして内需拡大の「重点」として個人消費を増やす必要性を訴えた。
 それには中低所得層の収入の底上げがカギを握る。社会の安定を揺るがしている格差を是正するうえでも、所得分配のあり方は転換が求められている。残念なことに、温首相は具体的な政策をほとんど打ち出さなかった。
 温首相の後任は李克強副首相になる見込み。李次期首相は、成長の新たなエンジンを生み出し、社会の安定を促すために、中低所得層の収入を重点的に増やす改革を全力で進める必要がある。
 北京などの大気汚染が象徴するように、過去30年あまりに及ぶ経済の高成長の副作用は深刻なレベルに達している。環境対策や法の支配の確立など、質の高い成長に向けて李次期首相が取り組むべき難題は山積している。
 一方、2013年の予算案は国防費を前年実績比10.7%増、当初予算比で約10.5%増の7406億元(約11兆1千億円)とした。実績比では3年連続の2桁増で、当初予算比だと実に25年連続で2桁の伸びとなる。
 次期国家主席の習近平・共産党総書記は「中華民族の偉大な復興」を盛んに唱えている。温首相も過去5年間の実績として「国力の高まり」を盛んに誇示し、今年の任務の一つとして「海洋権益を守ること」を掲げた。
 共産党政権は民生を重視する方針を掲げながら、軍事力や海洋監視能力を増強する姿勢をますますあらわにしている。日本は環境対策など質の高い成長を中国に促すと同時に、強まる力の風圧に対処していかなければならない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130306k0000m070088000c.htmlより、
社説:全人代開幕 中国は岐路に立った
毎日新聞 2013年03月06日 02時32分

 中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が開幕した。今度の大会では、引退する胡錦濤(こ・きんとう)国家主席、温家宝(おん・かほう)首相ら国家指導者の後任に習近平(しゅう・きんぺい)国家主席、李克強(り・こくきょう)首相らが選ばれる。
 今後、2期10年間、中国を動かす「習・李体制」はなにを目指すのか。その一端が大会初日に温首相が行った政府活動報告からうかがえる。
 報告は、今年の経済成長率目標を7.5%と設定している。中国の高度成長時代はもはや過去のものだ。国際的な不況の影もあるが、中国自身の成長力もピークを過ぎた。急激な高齢化の進行で新規労働力の増加率が減少に転じ、労賃が上昇し「世界の工場」としての競争力が落ちた。
 急成長の時代が終わると、これまで成長の輝きで目立たなかった社会矛盾が一気に大きな問題となって立ちはだかってくるだろう。大国には類のない貧富の格差、空気や水や土壌の深刻な汚染、貧弱な医療制度や学校教育制度……。モノだけではない。中国の憲法が定める庶民の人権を平然と無視する共産党の統治への不満も高まっている。
 胡・温体制でも、毎年、全人代のたびに民生重視が叫ばれ、貧富の格差是正を目指す改革の必要性が繰り返されてきた。だが、中国の高度成長を担ってきたのは、資源エネルギー産業や軍需産業を中心とする大型国有企業であり、成長の果実は大企業幹部と共産党幹部が癒着(ゆちゃく)した「特殊権益集団」が独占してきた。
 改革は、これら既得権益層に切り込まなければならず、党内外の抵抗でかけ声倒れに終わっていた。
 習氏は改革派と見なされたことはなかったが、昨年11月、共産党大会で総書記に就任した後は、広東(かんとん)省を訪問してトウ小平(しょうへい)像に献花し「改革開放」路線の立場を明らかにした。
 1月には党政治局で「和平発展の道」を演説した。中国はまだ発展途上期にあり、平和な国際環境が戦略的に必要だとした点が注目される。対米、対日関係の安定をはかったトウ小平時代の全方位外交への回帰だ。周辺国との摩擦を起こしている軍拡に歯止めをかけるのだろうか。
 政府活動報告には環境保護対策や所得配分の格差縮小など内政の改革案が盛り込まれた。その一方で「海洋権益を守る」「国家主権を守る強大な軍隊」など軍部に対する配慮がなされた。「和平発展の道」に早速、軍部から強い反発が出たのではないか。
 「改革開放」という習・李体制の路線選択は正しい。それ以外に安定成長期に入った中国の選択はない。だが、党内外の抵抗勢力を抑える実行力が習・李体制にあるか。まだまだ不安定だと見ておかなければならないだろう。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130306ddm003030045000c.htmlより、
クローズアップ2013:中国国防費10.7%増 不透明な実数字
毎日新聞 2013年03月06日 東京朝刊

 中国が全国人民代表大会(全人代)開幕に合わせて発表した13年度の国防費は前年度実績比10・7%増の7406億2200万元(約11兆1200億円)となり、今大会で本格始動する習近平(しゅうきんぺい)政権も軍備増強を続ける姿勢が浮き彫りになった。世論の後押しを受けて「強大な軍隊」の建設を加速させる中国に、沖縄県・尖閣諸島をめぐり対立する日本や、サイバー攻撃に神経をとがらせる米国は警戒を強め、国防費の透明化を求める声を一層強めそうだ。

 ◇習体制、情報公開さらに抑制
 「強固な国防と強大な軍隊を打ち立て、国家の主権・安全・領土保全を断固として守る」。5日午前、北京の人民大会堂。全人代開幕後の政府活動報告で温家宝首相がこう発言すると、会場に詰めた全人代代表から大きな拍手が湧き起こった。
 活動報告の中身は、物価安定や教育振興など内政問題が大半。だが、これらの課題に対する会場の反応は鈍い。半面、国防や領土問題には会場全体が強い関心を示す。「国防建設をもっと進めるべきだ」。温首相の報告を聞き終えた貴州省代表の大学学長、鄭強(ていきょう)氏は毎日新聞の取材に、こう訴えてみせた。
 財政省が公表した13年度予算案の国防費は初めて7000億元を上回った。中国の軍備増強に国際社会の懸念が高まる中、中国がさらなる強化の方針を打ち出した背後には、全人代代表の反応に見られるような、海洋進出や軍の近代化に対する世論の支持がある。
 活動報告の国防方針に関する説明も昨年と比べて変化した。
 胡錦濤(こきんとう)指導部の昨年は(1)情報化のもとで局地戦争に打ち勝つ(2)後方支援のテンポを速める(3)新たなタイプの人材を育成する、など多岐にわたった。だが、習近平指導部初となる今回は、国防方針についての言及は3分の1程度に減った。情報の公開を極力控えつつ、武器などの近代化を優先させるという意向が鮮明になった。
 温首相は活動報告で、過去5年間の「革新型国家の建設の成果」を列挙。その中には▽ミサイルの精度を高めるといわれる中国版GPS「北斗衛星ナビゲーションシステム」の運用開始▽初の空母、遼寧(りょうねい)の就役−−なども含まれていた。さらに「軍事闘争への備えも絶えず深まり、新しい段階の歴史的使命を果たす能力が著しく高まった」と、軍を意識した発言を繰り返した。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130306ddm003030045000c2.htmlより、
 また「海洋の総合的管理を強化し、海洋資源の開発能力を高め、国家の海洋権益を守る」とも強調した。報告では経済政策として位置付けられたが、軍事面と表裏一体だ。中国海軍が、沖縄から台湾、フィリピンに至る「第1列島線」を越え、北マリアナ諸島、グアムを含む「第2列島線」への進出をうかがう動きと密接に関係している。
 不透明と言われて久しい中国の国防費。今回もどの分野がどう増えたのか、明らかにされていない。中国の軍事事情に詳しいカナダ人の専門家、平可夫(ピンコフ)氏は「公表された国防費の使途は人件費などとみられ、一部の武器研究開発費や宇宙開発費などは含まれていない可能性が高い」と分析する。中国が保有する艦船や航空機の数などから推計すると実際は3倍を上回るとも指摘する。
 今後も中国の軍備増強は続くのか−−。平可夫氏は「最高指導部は軍の支持を得るために相当の予算を軍に配分せざるを得ず、増額傾向はしばらく変わらない」と見通す。【北京・工藤哲、隅俊之】

 ◇日本は警戒感強め 米、サイバー攻撃力注視
 中国国防費の伸びについて、日本政府は「引き続き国防政策の透明性向上を求めたい」(菅義偉官房長官)との立場を表明している。尖閣諸島をめぐる対立は日中の衝突も起きかねないという懸念が生じるほど解決の糸口が見いだしづらい。日本は中国に軍事増強の意図を説明するよう求めるとともに、防衛当局間のホットライン設置などを呼びかけ不測の事態を避ける意向だ。しかし、中国に応じる気配はなく、膠着(こうちゃく)している。
 安倍晋三首相は5日の参院本会議で、中国に対し「戦略的互恵関係の原点に立ち戻るよう粘り強く訴える」と表明した。安倍政権は「中国脅威論」を背景に、13年度予算案で防衛関係費を11年ぶりに増額。一方で日中対立を避けたい米国の意向もあり、中国との不測の事態は避けたいのが実情だ。日本側は「中国も本格的な軍事衝突は望んでいない」(防衛省幹部)とみているが、中国海軍による射撃用レーダー照射以降、日中関係は一層の緊張を強いられている。菅氏は「中国の体制がまだ固まっていない」と指摘し、中国の新指導部の姿勢を当面見守る意向を示した。
 一方、米政府にとって中国の国防費の2桁の伸びは織り込み済みだが、伝統的な軍事費の伸びよりもサイバー攻撃能力など新たな領域への投資が実際にどの程度、伸びているかに注目している。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130306ddm003030045000c3.htmlより、
 最近まで米国防総省の最大の関心事は、米海軍の西太平洋での活動を拒絶するため、中国が開発を進める弾道ミサイルやステルス戦闘機の開発レベルだった。だが、米国の政府や大手企業、シンクタンクへのサイバー攻撃の頻度が増し、その攻撃元として中国軍の直接的な関与が濃厚になってきたことから、中国軍のサイバー攻撃能力への警戒度が急速に増している。
 特に「軍や情報機関の組織を使って、米国の知的財産を盗んでいる」(ロジャース下院情報委員長)など、軍による米民間企業からの知的財産持ち出しを目的としたサイバー攻撃に関し、名指しで中国を批判する場面が多くなっている。
 こうした動きに、中国は真っ向から疑惑を否定してきたが、米政府は、米中の軍事交流の枠組みなどを利用し、直接的な証拠も提示しながら、中国側に問いただしていく方針だ。さらに、新たな戦闘領域としての「サイバー空間」で、米軍が他国のサイバー攻撃からの防衛と、報復としての他国へのサイバー攻撃において、どのような役割を担うか、検討を加速する。【吉永康朗、ワシントン古本陽荘】

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