イラク開戦10年 死者17万4000人(IBC)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130320/k10013327891000.htmlより、
イラク戦争 米に重い負担強いる
3月20日 6時28分

2003年にアメリカが始めたイラク戦争から、20日で10年。
この戦争では、アメリカ兵も4400人が死亡し、後遺症が残るけがをした兵士の数は3万人を超えました。
遺族や傷病兵に対する補償費用はばく大な金額に上り、アメリカ社会はこれからも重い負担を強いられていくことになります。
2003年3月、当時のブッシュ政権が開戦の火ぶたを切ったイラク戦争では、フセイン政権が崩壊に追い込まれた一方、アメリカが開戦の根拠とした大量破壊兵器は結局見つからず、おととし、アメリカはすべての戦闘部隊を撤退させました。
この間に死亡したアメリカの兵士は4400人を越え、3万人以上が後遺症が残る大けがを負うなど、アメリカ社会にも大きな傷痕を残しました。
アメリカのブラウン大学による最新の試算によりますと、イラク戦争にかかったこれまでの戦費は、2兆2000億ドル(日本円でおよそ200兆円)です。
さらに兵士や遺族への恩給や、傷病兵に対する補償などを含めた最終的な戦費は、日本の国家予算の6年分に当たる580兆円に上るとされます。
イラク戦争のつけは巨額の財政赤字となって残り、アメリカは今後数十年にわたって財政的にも社会的にも重い負担を強いられることになります。
一方、調査会社の「ギャラップ」が行った最新の世論調査によりますと、「アメリカのイラクへの侵攻は間違っていたか」という質問に対して、「間違っていた」と答えた人は53%、「間違っていなかった」は42%でした。
「イラク戦争は間違っていた」と答えた人は、2007年以降、7年連続で過半数を超えています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130320/k10013326891000.htmlより、
イラク戦争 開戦から10年
3月20日 5時10分

アメリカ軍による武力侵攻で多くの犠牲者が出たイラク戦争の開戦から、20日で10年となります。
イラクでは、石油の増産で経済復興が進み、各国企業の進出が加速していますが、19日も、爆弾テロが相次ぐなど、治安の安定が依然として課題になっています。
イラク戦争は、2003年3月20日、アメリカ軍によるイラクの首都バグダッドへの空爆で始まりました。
アメリカは、国連安全保障理事会の決議を得ないまま、一方的に侵攻しましたが、開戦の大義に掲げた大量破壊兵器は、イラクに存在しませんでした。
アメリカ軍の撤退で、おととし戦争が終結するまでに、イラクでは、アメリカ軍と武装勢力の戦闘や、イスラム教の宗派間の対立に巻き込まれるなどして、12万人ともいわれる市民が犠牲となりました。
最近は、世界有数の埋蔵量を誇る石油の生産量が回復し、開戦前の水準を突破したほか、去年、イランを抜いて、OPEC=石油輸出国機構でサウジアラビアに次ぐ規模にまで拡大しました。
外国からの投資額は、ここ4年間で20倍に急増し、バグダッドの繁華街では輸入品を扱う大型のショッピングモールがオープンするなど、各国企業の進出が加速しています。
その一方で、イスラム教シーア派とスンニ派の宗派間の緊張が続いており、19日も、バグダッドの複数の地点で爆弾テロが相次ぎ、50人以上が死亡するなど、治安の安定が依然、課題となっています。

石油産業 復興が進む
イラクでは、1980年代の「イラン・イラク戦争」や、1991年の「湾岸戦争」、そして、10年前の2003年3月に始まり、おととし終結した「イラク戦争」と、大規模な戦争と混乱が続き、世界有数の石油の埋蔵量を誇りながら、その生産量は低迷してきました。
しかし、最近は外国企業が開発に参加して生産量が増え続け、石油産業の復興が進んでいます。
イラク政府は、2009年以降、これまでに4回にわたって主要な油田の国際入札を行い、欧米の大手石油会社のほか、中国やロシアの石油会社の進出も目立っています。
IEA=国際エネルギー機関は、去年10月、イラクに関する調査報告書を公表し、イラクの石油生産は、22年後の2035年には日量830万バレルに達し、ロシアを抜いて、世界第2位の石油の輸出大国になるという見通しを示しています。
そのうえで、イラクの石油生産の拡大は「世界のエネルギー市場の安定化に貢献する」として、その成長に大きな期待を示しています。
こうしたなか、日本の企業も相次いで権益の獲得に向けて動きましたが、入札で、パキスタンの会社に負けたケースもあるなど、ほかの主要国に比べて出遅れが指摘されています。
日本の企業は現在2社がイラクの油田開発に参加していますが、いずれもほかの国の企業が主導しています。
このうち南部の「ガラフ油田」では「石油資源開発」が、マレーシアの国営石油会社が主導する開発に参加し、ことし半ばにも生産が始まる見通しです。
また、南部のほかの鉱区では、「国際石油開発帝石」が、ロシアの会社が主導する開発に参加しています。

目立つ韓国企業進出 日本は出遅れ
イラクへの外国企業の進出は、イスラム教の宗派間の対立が沈静化し始めた2008年ごろから急速に増加しました。
UAE=アラブ首長国連邦に拠点を置くコンサルティング会社によりますと、おととしのイラクでの外国企業の商取引高は4年前の20倍に増加し、556億7000万ドルに上っています。
中でも欧米や中東の企業と並んで韓国企業の進出が目立っていて、おととしの商取引高に占める割合は22%と、アメリカを上回って最大となっています。
韓国企業は、バグダッド郊外に10万戸の住宅を建設する総額80億ドルのプロジェクトを受注するなど、さまざまな分野に積極的な投資を行っています。
一方、日本企業は、治安情勢が不安定なこともあり、依然として進出が遅れていて、イラクに長期滞在する人の数も、韓国のおよそ800人に対し、日本は大使館員も含めて数十人にとどまっています。
イラク政府に法人登録をしている日本企業はおよそ20社余りありますが、首都バグダッドに日本人社員を常駐させている企業は1社だけです。
この会社は、イラク国内10か所に総合病院を建設する計画に携わる医療コンサルティング会社で、現在13人の日本人が駐在しています。
日本企業は1970年代から80年代にかけてイラクに数多く進出し、最盛期にはおよそ1万人の日本人が駐在していただけに、イラク側からは日本企業に期待する声が根強く残っています。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013031800453より、
米、「介入の時代」に幕=経済再生に関心移行-20日でイラク戦10年

 【ワシントン時事】2003年の米国による対イラク開戦から19日(イラクの現地時間20日)で10年を迎える。この間、武力行使に踏み切った共和党のブッシュ政権は過去のものになり、後を襲った民主党のオバマ政権は11年12月、イラク駐留米軍を完全撤退させた。米国が目指すのは、イラク戦以来続く大規模な軍事介入の時代の終結だ。
 オバマ大統領は今年1月の2期目の就任演説で、「戦争の10年は終わりつつある」と述べ、イラクに次いでアフガニスタンでの戦争も完了させると強調した。12年の大統領選では、大統領と対立候補だった共和党のロムニー氏の双方がアフガン撤退を唱え、反戦感情が国民に浸透していることを浮き彫りにした。(2013/03/18-20:59)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130318/k10013266751000.htmlより、
イラク 開戦10年で死者17万人以上
3月18日 6時27分

イラク戦争の開戦から今月20日で10年になるのを前に、イギリスの民間団体は、開戦後、戦闘やテロに巻き込まれるなどして死亡したイラクの民間人や兵士は合わせて17万人を超えるとする報告をまとめました。
イラク戦争は、2003年3月20日、アメリカが、イラクの当時のフセイン政権に対して始め、おととし12月にアメリカ軍が撤退して終結しましたが、フセイン政権崩壊後に入り込んだ過激派のテロや、イスラム教の宗派間の対立で多くの犠牲者が出ました。
イギリスの民間団体「イラク・ボディー・カウント」は、17日、新たな報告をまとめ、イラク戦争の開戦後、戦闘やテロに巻き込まれるなどして死亡したイラクの民間人はおよそ12万人に上ると発表しました。また、イラクの治安組織やアメリカ軍などの兵士、それに武装勢力の死者も加えると、この10年で、合わせて17万4000人が死亡したとしています。
イラク戦争による死者の数を巡っては、アメリカがイラク側の死亡者に関する統計をとらなかったことや、フセイン政権崩壊後の混乱で行政機能がまひしたことなどから正式な統計はなく、民間団体や研究機関が独自に推定しています。イラクでは、17日も南部のバスラの近郊で自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し、警察によりますと、これまでに10人が死亡し、20人がけがするなど、不安定な治安情勢が続いています。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013031700253より、
民間人11万人超犠牲に=イラク戦10年で-英NGO

 【バグダッドAFP=時事】英国に本拠を置くNGO「イラク・ボディー・カウント(IBC)」は17日、米国が2003年3月にイラク戦争に踏み切ってから10年で少なくとも11万2000人の民間人が現地で死亡したと明らかにした。
 戦闘に加わった兵士らも含めれば、犠牲者数は17万4000人に上る可能性があるという。最も死者が多い地域は首都バグダッドで、犠牲者数の48%を占めている。(2013/03/17-23:47)

http://www.asahi.com/international/update/0316/TKY201303160411.htmlより、
2013年3月17日5時9分
サマワ、あふれる選挙ポスター イラク戦争開戦10年
(写真)イラク・サマワ中心部の市場の入り口には、4月に実施される地方議会選の立候補予定者のポスターが至る所に張り出されていた=13日、仙波理撮影
(写真)日本の援助で08年末に引き渡されたサマワの発電所。132人の従業員を抱えていたが、発電機の不具合とメンテナンス用の予備部品の不足で昨年末に停止した。施設内では作業員が手作業で排水溝を整備していた=13日、イラク・サマワ、仙波理撮影
(写真)サマワ中心部の婦人服店。店の奥では店員がスマートフォンに夢中だった。開戦後しばらくは休業が相次ぎ人通りがなかったという街も、今はものであふれている=13日、仙波理撮影

 【サマワ(イラク南部)=石合力】20日でイラク戦争開戦から10年となる。戦後の復興支援活動で陸上自衛隊が駐留していた南部ムサンナ州サマワに入った。4月にある地方議会選挙のポスターが街中にあふれていた。女性の多くが全身に黒い服(アバヤ)をまとう土地柄だけに女性候補にはポスターに顔写真を出さない人もいる。
 今も自爆攻撃などが起きる首都バグダッドなどと比べ、サマワを含むイラク南部の治安は安定している。市内各所で軍の検問はあるが、緊張感は見られず、商店街は夜遅くまで買い物客らでにぎわっていた。「いま大事なのはインフラ整備。自衛隊の復興活動には感謝している」。買い物客らに投票を呼びかけていた与党ダワ党の候補者ラスール・ラーディさん(65)はそう語った。

■日本企業の進出に期待
 自衛隊がサマワに駐留していた当時、市民の間では「日本の支援でサマワは東京になる」という過大な期待もあった。今、「支援活動の規模は日本の国力に比べてあまりにも小さく、駐留後も電力や道路などの事情はほとんど改善しなかった」という声も聞く。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130317/k10013250911000.htmlより、
イラク戦争開戦10年を前に大規模デモ
3月17日 4時31分

イラク戦争の開戦から今月20日で10年になるのを前に、イラクで大規模なデモが行われ、参加した数万人の市民がアメリカの武力行使を非難するとともに、戦後も市民生活が改善していないことへの不満を訴えました。
イスラム教シーア派のグループ「サドル派」の呼びかけで、イラク中部の町クートで16日に行われたデモには数万人が参加しました。参加した人たちは、イラクの国旗を手に「アメリカにノーを」などと叫び、10万人を超える市民が犠牲になったと見られるイラク戦争でのアメリカの武力行使を非難しました。
また、今も多くの地域で電力が十分に供給されていないことや、失業率が高止まりしていることなど、戦後の復興が進まず、市民生活が改善していないことへの不満の声も多く聞かれました。
イラクでは、おととし12月に戦争が終結しアメリカ軍が撤退したあとも、過激派によるテロや襲撃事件が相次ぎ治安が不安定な状態が続いているうえ、宗派間の政治的な対立も続いていて、政治の安定と治安の回復が最大の課題となっています。

http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2934057/10438925より、
イラク戦争から10年、民間人の犠牲11万6000人 米報告 
2013年03月15日 14:48 発信地:パリ/フランス

【3月15日 AFP】2003年3月に開戦したイラク戦争では、2011年の米軍撤退までにイラク民間人11万6000人と多国籍軍兵士4800人が犠牲となったことが、15日発表された米大教授らの報告書で明らかになった。
 また、イラク介入に伴う米国の財政負担は既に8100億ドル(約78兆円)に上っているが、最終的には3兆ドル(約288兆円)に達する見込みだという。
 報告書は、イラク開戦10周年を機に米タフツ大学(Tufts University)医学部のバリー・レビー(Barry Levy)教授とアルバート・アインシュタイン医科大学(Albert Einstein College of Medicine)のビクター・シデル(Victor Sidel)教授が、各専門誌で発表された研究結果や政府・国際機関の報告書、ニュース記事などからイラク戦争のコストや人的被害をまとめ、英医学専門誌ランセット(The Lancet)に発表したもの。
 それによると、2003年~11年の8年間に死亡した非戦闘員のイラク人は、少なくとも11万6903人に上った。さらに、医療関連設備が破壊されたことで多くのイラク民間人がけがや病気を悪化させる結果となったほか、500万人が住む家を失ったという。
 米軍側の被害としては、3万1000人以上の米兵がイラクで負傷し、派兵された兵士のうちの相当数がPTSD(心的外傷後ストレス障害)や外傷性脳損傷、神経心理学的障害や社会生活への不適応といった問題に苦しんでいると指摘している。(c)AFP

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130315/k10013215771000.htmlより、
イラク戦争の費用「210兆円」
3月15日 9時54分

今月で開戦から10年となるイラク戦争は、アメリカ政府に当初の予想の40倍に当たる日本円で210兆円余りに上る費用を負担させることになるという試算が明らかになりました。
これは、アメリカ・ブラウン大学のワトソン国際問題研究所が14日公表した報告書の中で明らかにしたものです。
それによりますとアメリカ政府がイラク戦争のために負担することになる費用は、戦争開始からの戦費や駐留費などにおよそ1兆7000億ドル、その後退役軍人に対して40年間にわたって行う補償が4900億ドル余りで、合わせるとおよそ2兆1900億ドル(日本円で210兆円余り)に上ると、試算しています。
これは、アメリカ政府が戦争開始前に予想していた額の40倍ほどに当たるということです。
そのうえで報告書は「イラクでは戦争でインフラが破壊され、今なお多くの人が苦しい生活を強いられているほか、アメリカの兵士にも死者とけが人が多数出た」として、この戦争に多くの犠牲が伴ったことを改めて指摘しました。

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