武器貿易条約 国連総会で採択
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013040201002571.htmlより、
武器貿易条約を採択 国連、初の世界的ルール
2013年4月3日 05時12分
【ニューヨーク共同】国連総会(193カ国)は2日、本会議を開き、通常兵器が市民虐殺や人権抑圧に使われないよう国際取引を規制する武器貿易条約(ATT)案を賛成多数で採択した。通常兵器の貿易を規制する初めての世界的ルールで、批准などにより50カ国が参加した段階で発効する。
核や生物・化学兵器は拡散を防ぐ枠組みがあるが、規制の乏しい通常兵器の犠牲者は紛争地や治安が安定しない地域を中心に世界で年間50万人ともいわれる。条約は武器の輸出、輸入国の双方にとって一定の歯止めとなることが期待され、国際社会として悲惨な犠牲者の減少を目指す。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013040200996より、
武器貿易条約を採択=通常兵器の取引初規制-国連
【ニューヨーク時事】国連総会は2日、通常兵器の国際取引を規制する初の包括的ルールとなる「武器貿易条約」案を採択した。条約は虐殺、弾圧への使用が予想される兵器の輸出を禁じ、闇市場に武器が流れるのを防ぐ措置を取るよう加盟国に義務付ける。通常兵器は銃などの小型武器だけで年間約50万人の命を奪っているとされ、条約の制定はそうした犠牲を減らすための重要な一歩となる。
賛成は日米をはじめ154カ国、反対がイランと北朝鮮、シリアの3カ国、棄権は中国、ロシア、インドなど23カ国だった。(2013/04/03-01:43)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130403/k10013633641000.htmlより、
国連総会で「武器貿易条約」採択
4月3日 0時52分
銃や戦車など武器の国家間の取り引きを規制する初めての国際条約「武器貿易条約」が、国連総会で2日、採決にかけられ、加盟国の圧倒的多数の賛成で採択されました。
世界の紛争や犯罪で、銃や戦車などの武器による市民の犠牲は毎年およそ50万人に上ると推定されますが、核兵器などの大量破壊兵器と異なり、通常兵器の国際的な取り引きを規制する条約はこれまで存在しませんでした。
これについて国連は、加盟国間による交渉を続け、先週、武器貿易条約の最終案をまとめ、現地時間の2日午前、国連総会で採決を行いました。
その結果、加盟国193か国のうち、主要な武器輸出国であるアメリカも含む154か国による圧倒的多数による賛成で、条約は採択されました。
反対は北朝鮮、イラン、シリアの3か国、棄権はロシアや中国など23か国でした。
「武器貿易条約」は、戦車やミサイルから銃などに至る幅広い武器を対象に、大量虐殺や戦争犯罪などに使われると分かっている場合や、国連安全保障理事会の制裁決議による禁輸措置に違反している場合などに、加盟国の輸出入や仲介などを禁止しているほか、加盟国に毎年、武器の輸出入に関する記録を国連に報告することを義務づけています。
日本の西田恒夫国連大使は、「多くの人が犠牲となり、犯罪とも絡む通常兵器の取り引きについて、初めて法的な意味のある規制として承認されたことは非常に意義深い」と評価しました。
武器貿易条約は今後、50か国の批准によって正式に発効します。
武器取り引きの現状は
国際的な武器の取り引きを分析している、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所によりますと、2008年から去年までの5年間の世界の武器取り引き量は、2007年までの5年間と比べ、17%増えています。
国別にみた武器の輸出量は、▽トップが世界全体の30%を占めるアメリカ、▽2位がロシアの26%、▽3位がドイツの7%、▽4位がフランスの6%、そして、▽中国が、前回5位だったイギリスを抜いて、5%を占め、5位になっています。
一方、武器の輸入量トップ5は、▽インド、▽中国、▽パキスタン、▽韓国、▽シンガポールで、アジア諸国が独占しています。
また、地域別の輸入量の割合でも、アジア・オセアニア地域が世界の47%と半分近くを占め、アジアでの軍備拡大の傾向を裏付けています。
前の5年間と比べ、どれだけ輸入量が増減しているのかを地域別にみると、▽アフリカが、アルジェリアやモロッコなど北アフリカ諸国を中心に104%の増加と、ほぼ倍増しています。
このほか、▽アジア・オセアニアが35%の増加、▽南北アメリカがそれぞれ34%増加しています。
これに対し、▽ヨーロッパが20%の減少、▽中東は7%の減少となっています。
武器流出、影響は大きく
国家間の武器取り引きを巡っては、取り引き後の管理体制が国によっては不透明なことが多く、紛争地やテロ組織、さらには犯罪組織などへの武器の流出が続いてきました。
内戦が続くシリアでは、アサド政権側にはイランが、また反政府勢力側には湾岸諸国が、それぞれ武器を提供していると指摘され、内戦の拡大の原因とされています。
また、カダフィ政権が崩壊したリビアでも、政府軍や反政府勢力が保有していた地対空ミサイルなどの大量の武器が未回収で、ことし1月に日本人10人を含む外国人が犠牲になったアルジェリアの人質事件でも、リビアからの武器が使用された可能性が高いと指摘されています。
しかし、これまで武器の管理や取り引きを規制するための国際的な枠組みが存在しなかったため、人権問題を扱う世界的なNGOからは「武器の取り引きはバナナの取り引きよりも規制が緩い」といった皮肉な指摘もなされてきました。
採択までに「長い道のり」
戦車や銃など、通常兵器の取り引きを透明化することで、テロリストや武装勢力などへの武器の流出を防ぐべきだという声は、90年代後半から国際的なNGOや有識者の間で高まりを見せました。
特に自動小銃や手りゅう弾といった小型武器の取り引きは、持ち運びが簡単で入手先が分かりにくいことなどから、アフリカや中東などの紛争地域で野放しの状態で、紛争の長期化や市民の犠牲の拡大などの要因になってきました。
このため国連は2001年、小型武器の流出の防止や、不要になった武器の回収と処分の徹底、武器の流通ルートを追跡できるような制度作りなどを各国に求める行動計画を採択しました。
さらに2006年には、日本などがリーダーシップをとって、小型武器を含む通常兵器全体の国際的な取り引きを規制する「武器貿易条約」の制定を求める決議案を国連に提出して採択されました。
しかし、武器貿易条約の具体的内容の交渉では、アメリカなど武器輸出国を中心にさまざまな反対意見が出されました。
特に、弾薬や部品など、どこまでを武器として規制するのかや、輸出入の規制をどこまで厳しくするのかなどの点で意見がまとまらず、去年7月の国連での交渉も、アメリカやロシアが厳しい内容の条約案に慎重な姿勢を崩さず、交渉は決裂しました。
そうしたなかで、先月18日から始まった会議は、この条約に関する最後の会議として位置づけられ、アメリカなども条約の最終案に賛成の立場でしたが、条約の採択には加盟国の全会一致が原則だったため、北朝鮮などの反対で採択は実現しませんでした。
このため、日本など条約を推進する立場の国々が、条約案を国連総会の場で採決する方針に切り替え、2日、総会での圧倒的多数の賛成で条約は採択されました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130402/k10013606531000.htmlより、
国連 「武器貿易条約」採決へ
4月2日 6時41分
銃や戦車などの武器の国際取引を規制する初めての条約である「武器貿易条約」の制定を巡る国連での交渉で、日本など条約を推進する各国は、条約案を国連総会にかけて投票することを提案し、条約は2日、賛成多数で採択される見通しです。
「武器貿易条約」は、核兵器などの大量破壊兵器と異なり、これまで国際条約でまったく規制されてこなかった銃や戦車などの通常兵器に関して、国家間の輸出入などを規制するものです。
この条約の採択には加盟国の全会一致が原則でしたが、国連本部で続いてきた交渉最終日の先月28日、北朝鮮、イラン、シリアの3か国が、「アメリカなどの武器輸出大国の言い分ばかりが盛り込まれ、各国の自衛権を踏みにじった条約案だ」などとして反対を表明したため、採択に至りませんでした。
これに対して条約を推進してきた日本などが、「長年の努力を3か国の反対で水の泡にはできない」と呼びかけ、これまでにまとまった条約案を国連総会で投票にかけることを80か国以上で共同提案し、採決は2日行われることが決まりました。
条約の採択には、加盟国の過半数の賛成が必要ですが、今回賛成多数となるのは確実とみられ、大量虐殺や戦争犯罪を防止するなどの目的で武器の取引を管理・規制する初めての国際条約が制定される見通しになりました。
http://mainichi.jp/select/news/20130330ddm007030071000c.htmlより、
武器貿易条約:国連会議不調 米へ「拒否権」付与、遠因
毎日新聞 2013年03月30日 東京朝刊
【ニューヨーク草野和彦】国連本部で28日まで開催された武器貿易条約(ATT)の最終国連会議は、イラン、北朝鮮、シリアの3カ国が条約案の合意に反対し、昨年7月の会議に続いての失敗に終わった。もともとは世界最大の武器輸出国・米国を条約策定に参加させるために導入された決定の「全会一致方式」があだとなった形だ。
ATT交渉開始は、06年採択の国連総会決議で決まった。英国の呼びかけに日本やオーストラリアなどが応じ7カ国が共同提案した。当時のブッシュ米政権はATTに反対だったが、09年発足のオバマ政権は国際協調や国連重視の姿勢を示すため、支持に転じた。
一方で、オバマ政権は交渉会議での全会一致方式での決定を要求した。米国に都合が悪い内容が条約案に盛り込まれた場合、多数決で押し切られないよう、「拒否権」を担保したといえる。09年の総会決議は同方式を採用した。
昨年7月と今回の会議の交渉現場では、条約支持派内の温度差が浮き彫りになった。英国と日本などは、多くの国を参加させて条約に普遍性を持たせるためには妥協も必要との立場。メキシコとノルウェーは、強い規制にこだわる積極推進派の代表だった。
それでも今会議では双方が歩み寄り、妥協派の外交官からは27日、「合意の可能性は高い」との声も上がった。8年越しの交渉が妥結間近となった最終日の会議場では、安堵(あんど)感からか、笑顔で記念撮影をする外交官らの姿もあった。
今回の条約案はそのまま国連総会で採択される見通しが高い。予定される共同提案国には英国、日本、ノルウェー、メキシコなど妥協派と積極推進派、米国も名前を連ねる。
◇武器貿易条約を巡る各国の立場
■交渉参加国
米国▽中国▽ロシアなど主要武器輸出国を含む国連加盟193国
■最初の共同提案国
日本▽英国▽豪州▽アルゼンチン▽コスタリカ▽フィンランド▽ケニア
■反対国
イラン▽北朝鮮▽シリア
■国連総会での共同提案予定国
日本(妥協派)▽英国(同)▽ノルウェー(推進派)▽メキシコ(同)▽米国など
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130329/k10013531701000.htmlより、
武器貿易条約 国連総会で投票へ
3月29日 11時28分
銃や戦車といった武器の国際取引を初めて規制する「武器貿易条約」を制定するために国連で続いてきた交渉は、最終日に、北朝鮮、イラン、シリアの3か国が反対を表明したため、全会一致での採択ができなくなり、各国は来週以降、国連総会で投票にかけて採択を目指すことになりました。
「武器貿易条約」は、核兵器などの大量破壊兵器と違って国際条約で全く規制されてこなかった銃や戦車といった武器に関して、国家間の輸出入などを規制するものです。
採決は全会一致が原則でしたが、交渉最終日の28日、北朝鮮、イラン、シリアの3か国が「条約にはアメリカなど武器輸出大国の言い分ばかりが盛り込まれ、各国の自衛権を踏みにじるものだ」などと反対を表明し、採択に至りませんでした。
こうした事態を受けて、日本をはじめ多くの国が、「3か国だけの反対で長年の努力を水の泡にしてはいけない」と主張し、「武器貿易条約」は、来週以降、国連総会での投票によって採択を目指すことになりました。
北朝鮮などが採択を阻止したことについて、アメリカ代表団のカントリーマン団長は、「非常に残念だ。条約はバランスのとれたよい内容だ」と憤りを隠しませんでした。
また、日本代表団を率いる天野万利大使は、「ほとんどの国は条約を支持しており、総会で採択されて成立する」と述べ、条約は採択されることになるという見通しを示しました。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013032901001348.htmlより、
武器取引規制条約合意できず 国連、イランや北朝鮮などが反対
2013年3月29日 09時55分
【ニューヨーク共同】通常兵器が市民の虐殺やテロに使われないよう国際取引を規制する武器貿易条約(ATT)の国連本部での制定交渉会合は最終日の28日、イラン、北朝鮮、シリアの代表がそれぞれ最終草案に反対を表明、合意に至らなかった。
ウールコット議長(オーストラリア)は、同会合の意思決定方法として規定されている「議場の総意」が得られなかったと宣言、同会合での採択を断念した。関連の国連総会が4月2日に予定されており、その場で多数決により条約を採択する案が浮上、条約の推進国を中心に調整が続いている。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130329/k10013527241000.htmlより、
「武器貿易条約」 北朝鮮などが反対
3月29日 7時2分
これまで国際条約による規制がなかった銃や戦車といった武器の国際取引を規制する「武器貿易条約」を巡って国連で行われてきた交渉は、最終日の28日、採決の直前に北朝鮮とイラン、それにシリアの3か国が反対を表明したため、会議はいったん休会となっています。
武器貿易条約は、核や生物兵器などの大量破壊兵器と違い、国際条約で全く規制されてこなかった銃や戦車といった武器の国家間の輸出入などを規制するもので、最終日の28日、採決が行われようとしていました。
しかし、その直前、北朝鮮とイラン、それにシリアの3か国の代表が相次いで発言し、「この条約はアメリカなどの武器輸出大国の言い分ばかりが盛り込まれ、各国の自衛権を踏みにじるものだ」などと述べ反対を表明しました。
武器貿易条約は、全会一致による採択を原則としているため、オーストラリアのウールコット議長は、いったん会議を休会にしてこれらの国々との協議に入り、条約採択に向けた説得を行っているものとみられます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130328/k10013500064000.htmlより、
国連「武器貿易条約」交渉が大詰め
3月28日 5時15分
銃や戦車などの武器の国際的な取り引きを規制する条約、国連「武器貿易条約」の交渉は、27日、最終的な議長案が各国に配られ、全会一致で採択できるかどうか、大詰めを迎えています。
「武器貿易条約」は、大量破壊兵器と違い、国際条約で全く規制されてこなかった、銃や戦車といった武器の国家間の輸出入を規制するものです。
国連本部での交渉は、27日、条約の最終的な議長案が各国に配付され、各国がこれに合意できるかどうかの検討に入っています。
交渉の主な争点のひとつは、規制の対象に、主要な武器生産国であるアメリカが強く反対する、「弾薬」を含めるかどうかでしたが、議長案では、「弾薬」については規制対象とは別の条項を設け、「各国が独自に輸出を管理する体制を構築する」としており、アメリカがこれに合意するかどうか、注目されています。
日本政府は今回、厳しい条約を求めるヨーロッパなどの国々と、厳しい取り決めには慎重だったアメリカなどとの間の調整役を務めています。
外務省・軍備管理軍縮課の吉田謙介課長は「日本はアメリカを交渉に引き込むよう調整してきた。物事はいい方向に向かっていると思う」と述べ、条約の実現に期待を示しました。
この条約は、1か国でも異議を唱えれば採択できない「全会一致」を原則としており、交渉は最終日の28日、各国の同意を取り付け採択できるかどうか、大詰めを迎えています。
一方、「武器貿易条約」を推進する国際NGOはニューヨークで、軍事用ヘリコプターなどの模型を国連本部が見えるビルの屋上に展示して、「世界の犠牲者を減らすため、条約の成立を」と訴えました。
展示を行ったのは、武器貿易条約の制定を推進する複数の国際NGOで、条約の交渉が続く国連本部が見えるビルの屋上に、自分たちで作った軍事用ヘリコプターや弾薬、手りゅう弾などの模型を並べました。国際NGO「オックスファム」のアナ・マクドナルド氏はこれらの模型の前で、「人々の命を奪う軍事用ヘリコプターから弾薬まで、すべてを規制する強い条約が作るべきだ」と述べて、厳しい内容の条約の制定を訴えました。