家電に眠る資源 「都市鉱山」を開発しよう

http://mainichi.jp/opinion/news/20130408k0000m070113000c.htmlより、
社説:家電に眠る資源 都市鉱山を開発しよう
毎日新聞 2013年04月08日 02時32分

 携帯電話や電子ゲーム機など使用済みの小型家電を市区町村が住民から回収し、再資源化を図る「小型家電リサイクル法」が施行された。小型家電には金や白金、レアメタルなどの有用金属が眠る。「都市鉱山」とも呼ばれるそれらの資源を、有効活用する制度として定着させたい。
 新制度では、リサイクルが義務化されているテレビや冷蔵庫など4品目を除くほとんどの家電が対象となる。参加自治体の住民は、基本的に無料でごみとして出せる。
 環境省によれば、1年間に発生する使用済み小型家電は約65万トン。含まれる有用金属は844億円の価値がある。種類別では、金が10・6トン(年間国内需要量の6・4%)、銀が68・9トン(同3・7%)などかなりの量だ。しかし、これまではその多くがごみとして処分されていた。新制度が機能すれば、使用済み家電の不適正輸出の防止や資源の海外頼みの軽減にもつながるだろう。
 だが、その行方は不透明だ。新制度はリサイクルを義務化せず、自治体や住民の自発的な取り組みに頼っているからだ。環境省の調査では、参加意向を示した市区町村は全国の約3割にとどまる。回収体制や財政面を課題に挙げたところが多い。
 自治体は集めた家電を国の認定を受けた再生事業者に渡すが、現状では引き渡し価格は安く、自治体の収益になかなかつながっていない。再生事業者が自治体に利益を還元できる体制が整ってこそ、制度も回る。
 政府は15年度までに年間14万トンを回収する目標を掲げた。実現すればリサイクルがコスト的に見合うというが、6〜7割の市区町村の参加が前提だ。当面は、回収に取り組む自治体への一定の財政支援が必要だろう。既存のごみ回収ルートを活用するなど、自治体も回収率の向上や低コスト化に知恵を絞ってほしい。
 住民の理解が進み、協力意識が高まれば自治体も動く。どれだけ再資源化が進んだか、利益は上がったのかなどの情報を公開し、制度の透明性確保を徹底してもらいたい。
 レアメタルの中には、製品からの回収技術開発が遅れているものもある。官民が連携して、技術開発を急ぐべきだ。小型家電メーカーの責任も重い。製品づくりの際に、リサイクルしやすい設計や素材利用が求められる。企業秘密にかかわる部分もあるだろうが、製品にどんなレアメタルを使用しているかなどの情報を再生事業者に提供する仕組みがあれば、回収作業のむだを省き、再資源化の効率も上がる。
 新制度は施行後5年で見直す規定がある。普及状況を見極めつつ、家電メーカーや販売業者への回収義務付けなども検討すべきだろう。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130331/trd13033109170004-n1.htmより、
眠れる都市鉱山、中国流出防げ 小型家電リサイクル1日スタート
2013.3.31 09:12 (1/2ページ)

 携帯電話やパソコンなど小型家電をリサイクルする新たな制度が4月1日から始まる。従来の家電リサイクル法で回収が義務づけられているエアコンやテレビなど4品目以外を対象に、市区町村が消費者から回収し貴金属などを取り出してメーカーが再利用する仕組みだ。制度には「都市鉱山」と呼ばれる都市に眠った貴金属やレアメタル(希少金属)などが中国をはじめ海外へ流出している実態を食い止める狙いもある。
 回収対象となる小型家電の中でも、携帯電話はインジウムなど20種以上のレアメタルが含まれる上、携帯1万台から50グラムの金が取り出せる。これは天然の金鉱ならば50トン分掘らなければならない量で、都市鉱山として有望視されている。
 携帯電話会社などが回収を進めるが、平成12年度の1361万台から減少傾向で23年度は696万台。業界団体の電気通信事業者協会は「個人情報や写真などが保存されている上、高機能なスマートフォンはカメラやゲーム機などとしても使われ、消費者が手放したがらない」と分析する。
 一方で海外への輸出は続いている。物質・材料研究機構の原田幸明特命研究員(61)によると、携帯電話などの「電子廃棄物」は有害物質も含んでおり、バーゼル条約で国際移動が規制されている。
 原田さんは「中古品の『再利用』名目にして、中国などアジアへ輸出されている。海外で貴金属やレアメタルが回収され、残りは不適正に捨てられている場合も多い」と指摘。こうした実態は、カラスのようにいいとこ取りで食い散らかす「鴉食(あしょく)リサイクル」と呼ばれているという。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130331/trd13033109170004-n2.htmより、
2013.3.31 09:12 (2/2ページ)
 国立環境研究所の寺園淳室長(47)=資源循環=が日本の貿易統計で推定したところ、中古携帯は23年、香港へ約3万4千台、アフガニスタンへ約2万7千台、イランへ6900台が輸出されていた。中国は中古家電の輸入を禁じており、寺園室長は「実態は不明だが、香港へ輸出された中古携帯は中国本土へ再輸出、つまり密輸されている恐れがある」と懸念する。
 新制度は、制度そのものも「壮大な社会実験」といわれる。家電リサイクル法は消費者とメーカーにリサイクルを義務づけるものだが、新制度は消費者からは基本的に無料で回収し、メーカーが取り出した貴金属などの売却益で経費をまかなうビジネスモデルだ。
 原田さんは「いわば『もったいない精神』による善意のシステムであり、世界でも例がない。家電リサイクルも当初は欧州から『消費者に回収費を負担させると不法投棄が増える』と揶揄(やゆ)されたが、日本人は生真面目なので成功した。レアメタル供給の安全保障という意味からも長い目で育てたい」と話す。

 ■小型家電リサイクル制度 回収対象は携帯電話やカメラから炊飯器、電子レンジ、扇風機、アイロン、掃除機、こたつ、ストーブ、ドライヤー、芝刈り機などまで、家電リサイクル法が対象とするエアコン、テレビ、冷蔵・冷凍庫、洗濯・乾燥機の4品目を除くほぼ全て。市区町村が回収ボックスを設置したり、従来通り資源ごみとして回収したりし、国の認定事業者へ引き渡して再資源化する。昨年11月の環境省の調査では全国の市区町村の34%が制度参加の意向。携帯電話会社などによる回収も従来通り行われる。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013033102000105.htmlより、
「都市鉱山」活用 自治体に温度差 あす小型家電リサイクル開始
東京新聞 2013年3月31日 朝刊

 不要となった携帯電話など小型家電のリサイクル制度が四月一日に始まる。「都市鉱山」と呼ばれる小型家電から貴金属やレアメタル(希少金属)を回収、再利用するのが狙いだ。ただ、制度に参加するかどうかは地方自治体の判断に委ねられ、取り組みに温度差が出ている。

◆海外流出
 環境省の推計では、使用済み小型家電は年間約六十五万トンが発生し、自治体は大半を不燃ごみとして埋め立て処分してきた。
 だが、各地で最終処分場確保が困難になっているほか、中国などアジア地域で日本から流出した廃家電の不適正なリサイクル処理による環境問題も発生。政府は新たなリサイクル制度の検討を進め、昨年八月に「使用済み小型電子機器再資源化促進法」が成立した。
 新制度は、参加する市区町村が回収ボックスなどを設置して住民から小型家電を集め、国が認定する業者に引き渡す。その後、中間処理施設での分解を経て、製錬所で金銀銅やパラジウムなど十六種類の金属を取り出し、メーカーが再利用する仕組みだ。
 回収対象は、携帯電話、パソコン、小型ゲーム機など約百品目だが自治体が選ぶことができる。粗大ごみとして扱う場合を除き手数料は掛からない見込み。「家電リサイクル法のテレビなど四品目を除くほぼ全ての家電が当てはまる」(環境省)

◆先行地域
 一部地域では制度に先行した回収事業が既に始まっている。資源リサイクル業「日本磁力選鉱」(北九州市)は昨年五月、福岡県内の北九州、福岡、直方の三市と連携して小型家電を回収する実証実験をスタートした。
 三市に約百カ所の回収ボックスを設置し、携帯電話やデジタルカメラなどを収集。同社の処理施設で破砕・分別後、取り出した金属を製錬会社に売却している。
 北九州市は実験結果から小型家電回収率を5~6%と試算。回収量を増やすため、年末や引っ越しシーズンを中心に、区役所職員や引っ越し業者などに回収を呼び掛けてもらうことを検討している。

◆財源不足
 環境省は二〇一三年度の回収目標を約一・三万トンとし、一五年度には十倍超の約十四万トンを目指す。だが、同省の昨年十一月の調査で制度に参加する意向を示したのは全国の市区町村の約三分の一にとどまった。
 意欲的な自治体からは「税収や雇用を増やす効果が期待できる」(北九州市)との声が上がる一方、慎重な自治体の多くは財源や人員不足を理由に挙げる。環境省は回収ボックス購入や住民向け広報に掛かる費用を全額補助するなど自治体をバックアップする方針だ。

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