検察審議決 不起訴不当「手抜き再捜査では困る」

http://mainichi.jp/opinion/news/20130424k0000m070140000c.htmlより、
社説:不起訴不当議決 にじみ出た検察不信
毎日新聞 2013年04月24日 02時30分

 無罪が確定した小沢一郎・「生活の党」代表の陸山会事件で、虚偽捜査報告書作成の元検事に対し、市民から選ばれた検察審査会が不起訴不当を議決した。起訴相当ではないため、最高検が再捜査の結果、再び不起訴処分とすれば捜査は終結する。
 ただし、議決書の内容からは、検察の恣意(しい)的な捜査や処分に対する市民の根強い不信が見えてくる。最高検は再捜査を尽くして処分を決め、説明責任も果たすべきだ。
 経緯を振り返りたい。
 検察審査会が小沢代表について起訴相当と1度目の議決をした後、元秘書の石川知裕衆院議員を東京地検特捜部の元検事が再聴取した。
 元検事が作成した捜査報告書には「ヤクザの手下が親分を守るためにうそをつくのと同じようなことをしたら選挙民を裏切ることになると検事から言われた。これが効いた」と、石川議員の供述が記載された。
 この報告書も検討したうえで、改めて検察審査会が起訴議決をし、小沢代表は強制起訴された。
 ところがその後、石川議員がそんな供述をしていなかったことが判明した。石川議員がICレコーダーで取り調べを録音していたのだ。
 最高検は昨年6月、「勾留中の取り調べと再聴取の記憶が混同した」との元検事の説明を受け入れ、「思い違いの可能性が否定できない。意図的ではなかった」などとして、虚偽有印公文書作成容疑などでの告発について不起訴処分とした。
 だが、審査会はこの結論に異議をとなえた。記憶の混同は納得し難いとし、「意図をもって改ざんしたことがうかがえる」と、当時の審査会誘導の疑念を強くにじませたのだ。
 さらに報告書が2度目の審査に与えた影響に触れ、「実際の弊害として公文書の内容に対する公共的信用を害した」と結論づけた。検察の刑事処分に対しても「ことさら不起訴にするために、故意がないとしている」と、返す刀で批判した。
 小沢代表の裁判で、東京地裁も元検事の説明を「信用できない」と一蹴した。「故意がなかった」とあっさり結論づけた処分は、やはり説得力を欠く。元検事の認識について、突っ込んだ捜査をすべきだ。
 検察不信はいまだに根深い。ひとたびターゲットを決めたら、公文書を捏造(ねつぞう)しても起訴に持ち込もうとする。起訴する権限を手前勝手に行使することもいとわない−−。市民はそう見ている。検察は自ら定めた倫理規定で検察権の行使について「独善に陥ることなく謙虚な姿勢を保つべきだ」と強調した。ならば審査会の「より謙虚に更なる捜査を遂げるべきだ」との指摘を真正面から受け止める時だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013042302000134.htmlより、
東京新聞【社説】検察審議決 手抜き再捜査では困る
2013年4月23日

 陸山会事件で、架空の捜査報告書を作成した元検事を「不起訴不当」と検察審査会は議決した。市民の検察不信は消えてはいない。手抜きと言われぬよう、最高検は徹底した再捜査を尽くすべきだ。
 「検事から『議員なのにうそをついたら選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」
 問題の捜査報告書には、そう書かれている。二〇一〇年に検察審査会が生活の党の小沢一郎代表を起訴相当と議決した後、小沢氏の元秘書だった石川知裕議員が再聴取で東京地検の検事に話したとされる発言だ。
 石川議員はICレコーダーで録音したため、架空のやりとりが明らかになった。このくだりだけではなくて、報告書の大半が、検事の“作文”だった。
 だが、最高検は昨年六月、この検事を不起訴とした。「故意は認められなかった」という理由だった。この処分を不服として、市民でつくる検察審に判断が回されたのは当然の成り行きといえる。
 「検事の弁解をうのみにしていないかとの疑念は払いがたい」「一般常識に照らしても、記憶の混同を基礎付けるものとは言い難い」-。検察審の議決書には検察に厳しい言葉が並んだ。
 「ベテラン検事が簡単に勘違いすることがあるか」との市民の質問に、別の検事は「検事も人の子だから間違いはあると思う」と答えたという。議決書には「答えになっておらず、むしろ答えに窮して、ごまかしていると評せざるを得ない」とまで書かれた。
 「不起訴不当」とした結論は、「捜査が不十分であるか、ことさら不起訴にするために故意がないとしているとさえ、みられる」と、明言している。これが市民の常識的判断なのだ。最高検は再捜査することになるが、「故意がない」程度の言い訳はもはや通用しないと考えるべきである。
 確かに強制起訴に至る一ステップの「起訴相当」議決ではなかった。だが、市民が議決書の言葉で突きつけたのは、検察への不信そのものだ。再捜査次第では既に辞職した元検事を起訴することもできる。もし「ごまかし」で、不起訴とし、幕引きするなら、再び検察不信が高まるのは必然だろう。
 陸山会事件は検察が暴走したら、どう止めるかという問いも投げかけた。法相の指揮権と検察審査会、検察内部の監察指導体制の三つしかない検察のチェックシステムも再考すべきではないか。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042302000133.htmlより、
筆洗
2013年4月23日

  検察の上層部は、この結論に胸をなで下ろしたに違いない。「とかげの尻尾切り」のような形で検察から去った元特捜検事に対し、東京第一検察審査会が出した結論は「不起訴不当」だった
▼もう一段階厳しい「起訴相当」ではなかったことで、捜査報告書のねつ造が疑われた元検事が、強制的に刑事訴追される前代未聞の事態は避けられた。検察が自らの不利になる資料を審査会に積極的に提出するとは考えられず、この結果は予想されたことではあった
▼それでも、最高検が元検事を不起訴にした理由とした「記憶の混同」を審査会が「考えがたい」と断じ、捜査報告書の偽造を「何らかの意図を持った改ざんと推察される」と踏み込んだ意味は大きい
▼小沢一郎元民主党代表(現・生活の党代表)の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件の捜査で、東京地検特捜部は小沢氏本人の訴追に執念を燃やしたが、起訴に持ち込める証拠を集められず、断念した経緯がある
▼審査会が小沢氏を二度にわたって「起訴相当」としたのは、審査会を利用して、小沢氏を政治的に葬り去ろうとした組織的な権力犯罪だったのではないか。疑念は膨らむばかりだ
▼この問題で厳しい処分を受けたのは、末端の特捜検事だけだった。検察という巨大組織を守るための「生け贄(にえ)」にされたように思えてならない。幕引きにはまだ早い。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042201001533.htmlより、
陸山会事件の元検事、不起訴不当 検察審、捜査不十分として
2013年4月22日 12時11分

 元民主党代表で生活の党の小沢一郎代表(70)が無罪となった陸山会事件の捜査で、事実と異なる捜査報告書を作成したとして告発され、最高検が不起訴処分とした田代政弘元検事(46)=辞職=について、東京第1検察審査会は22日、捜査が不十分として虚偽有印公文書作成容疑と偽証容疑を「不起訴不当」とする議決を公表した。
 議決は19日付。「起訴相当」にしない理由は明らかにしなかった。一部の虚偽有印公文書作成容疑は「不起訴相当」とした。
 今後、最高検が再捜査するが、検察幹部は「捜査は尽くした」としており、近く再び不起訴とする見通し。(共同)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中