麻生副総理らが靖国参拝 「なぜ火種をまくのか」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130425/plc13042503170002-n1.htmより、
産経新聞【主張】靖国参拝 「祈りの文化」で屈するな
2013.4.25 03:17 (1/2ページ)
靖国神社に麻生太郎副総理兼財務相ら3閣僚が参拝したのに続いて、国会議員168人が春の例大祭に参拝した。
平成に入ってから最多である。これに対しても、中国と韓国が反発している。不当な内政干渉というしかない。
安倍晋三首相は参院予算委員会で、「国のために尊い命を落とした英霊に対して尊崇の念を表するのは当たり前だ。閣僚はどんな脅かしにも屈しない。その自由は確保していく」と述べた。
内政干渉に屈しない強い決意の表れと受け止めたい。
中国外務省の報道官は「どんな方法、どんな身分であっても、参拝は日本の軍国主義的な侵略の歴史を否定するものだ」と述べ、安倍首相が靖国神社に真榊(まさかき)を奉納したことも暗に批判した。
しかし、日本と中国が国交を回復した昭和47(1972)年の日中共同声明は、第6項で「内政に対する相互不干渉」をうたっている。中国の非難は、この共同声明に明らかに違反している。
韓国も外相訪日中止に続いて、外務省報道官が国会議員の靖国参拝について「関連国の国民にどのような思いをさせるか、深い反省があるべきだ」と批判し、靖国神社を「戦争を美化している所だ」と決めつけた。
いわれなき非難だ。日韓間においても、相互に内政干渉しないことは基本である。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130425/plc13042503170002-n2.htmより、
2013.4.25 03:17 (2/2ページ)
残念なのは、中韓両国の日本の閣僚や国会議員の靖国参拝の有無を常に外交交渉に結びつけるやり方だ。国内で抱えている多くの難題に対し自国民から不満の声があがるのを、靖国問題に抗議することによってそらそうとしているように見えてしまう。
日本国内にも一部に、政治家らの参拝をことさらに問題視して、紛争の「火種」にしようとする動きがある。
繰り返すまでもないが、戦死者の霊が靖国神社に、また地方の護国神社・忠霊塔に祭られ、その霊に祈りをささげるのは、日本の儀礼であり伝統文化だ。慰霊は公人、私人を問わない。それは日本人の心のあり方である。
これまで日本政府は、毎年1回の靖国参拝を続けた小泉純一郎政権を除き、靖国問題で中韓両国に不必要な譲歩を重ねてきた。安倍政権は今度こそ、両国につけいるスキを与えてはならない。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 4月 24 日(水)付
靖国問題―政治家は大局観を持て
日本はいったい、何を考えているのか。この国の為政者全体の国際感覚が、そう疑われても仕方がない。
安倍政権の3閣僚に続いて、与野党の国会議員がきのう、大挙して靖国神社を参拝した。
「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」によると、その数168人。人数の把握を始めた87年以降で最多という。
政府や党の要職にある議員たちも多く加わった。国会議員の参拝数は、昨年の同じ時期と比べると、一気に倍増した。
隣国の神経を逆なでする行動が流行のように政治家に広がることを憂慮せざるを得ない。
参拝問題をめぐる日韓の摩擦の再燃について、米国務省の報道官も「対話で違いを乗り越えてほしい」と苦言を呈した。
自民党の高市早苗政調会長は「外交問題になる方が絶対おかしい」と語ったが、それはあまりにも独りよがりの発想だ。
外交とは、国同士の相互関係で紡ぐものであり、一方が問題ないと片づけることはできない機微にふれる問題なのである。
歴史問題をめぐる政治家らの思慮を欠く対応は、私たち日本自身の国益を損ねている。
北朝鮮に対する日米韓のスクラムでは、日韓のパイプが目づまりしてきた。さらに歴史問題がこじれれば、軍事情報の交換をめぐる懸案の協定も結べず、チームワークは進まない。
日中韓をめぐっては、自由貿易協定論議が遠のくだけではない。日本を置いて、韓国は中国への傾斜を強めている。
来月に外遊を始める朴槿恵(パククネ)大統領はまず米国を訪れ、その次は日本ではなく中国を考えている。歴代政権で異例のことだ。
北東アジアの多国間外交において、日本の孤立を招きかねない事態を、安倍首相はじめ政治家はどう考えているのか。
首相が立て直したと自負している米国との関係も誤解してはならない。オバマ政権は従軍慰安婦問題をめぐる「河野談話」の見直しや、尖閣諸島問題をめぐる不用意な言動を控えるよう安倍政権に警告してきた。
国内の一部の感情を優先して近隣外交を揺らすような日本の姿は、米国にとっても信頼に足る同盟国とは言えない。
だからこそ安倍首相は2月の訪米時に、アジアとの関係を重んじる決意を誓ったのではなかったか。「地域の栄えゆく国々と歩みをともにしてゆくため、より一層の責任を負う」と。
何よりも肝要なのは、中国、韓国との信頼関係づくりに歩を進めることだ。国を思うなら真の大局観を失ってはならない。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042300943より、
対中外交、停滞必至=靖国参拝さらなる火種に
靖国神社の春季例大祭に合わせた麻生太郎副総理らの参拝に続き、超党派の国会議員168人が23日、一斉に参拝した。安倍晋三首相は参拝を見送る一方で、日本の要人訪問を拒む中国の対応を批判。韓国とのあつれきも解消しておらず、政府内には「日中、日韓関係はしばらく動かなくなった」(外務省筋)との見方が広がった。
首相は23日の参院予算委員会で、中国の外交姿勢に関し「会うか、会わないかということを外交交渉のツールとして使うべきではない」とけん制した。5月1~3日の訪中で調整していた超党派の日中友好議員連盟(会長・高村正彦自民党副総裁)に対し、中国側が習近平国家主席ら首脳との会談は難しいと回答してきたことが念頭にある。
中国側が硬化した背景には、閣僚の靖国参拝などが影響したとの指摘がある。中国外務省副報道局長は23日、「国会議員の会」の靖国参拝について「軍国主義の侵略の歴史を否定しようとする意図がある」と非難した。韓国外務省報道官も「日本に対して譲歩できない原則がある」と反発した。
同日には、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の領海に過去最多の中国海洋監視船8隻が侵入した。尖閣の国有化をきっかけに始まった日中対立は、安倍政権下で靖国問題も加わり、さらに長期化する様相で、対話の糸口は見えない。
ただ、中国国家海洋局は監視船増派の理由を「多数の日本の船が釣魚島海域で活動しているのを発見した」と説明。菅義偉官房長官も靖国参拝が原因との見方を否定した。北朝鮮問題を抱え、日中両政府とも泥沼化を避けるため靖国問題は切り離したい考えとみられ、日本政府高官は「あうんの呼吸だ」と指摘した。(2013/04/23-21:05)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042300710より、
歴史問題、譲歩の余地なし=外相訪日中止の省察を-韓国外務省
【ソウル時事】韓国外務省報道官は23日の定例記者会見で、麻生太郎副総理ら閣僚や国会議員が靖国神社に参拝したことに関連し、「北朝鮮の核の脅威などの問題を解決する上で、この地域の国家と国際社会が力と知恵を集めることがお互いにプラスになる」とする一方、「日本に対して譲歩できない原則がある。それは混ぜこぜにすることはできない」と強調した。
報道官は「靖国神社は戦争犯罪者が合祀(ごうし)されており、戦争を美化しているところだ。このような神社の参拝が関連国家の国民にどのような思いを抱かせるのか、なぜ検討されていた(尹炳世外相の)訪日が中止になったのか、(日本は)深く省察すべきだ」と指摘。「歴史認識は国ごとに異なる」との見解に対しても「正しいことは正しい、誤りは誤りだ」と批判した。(2013/04/23-20:20)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042300739より、
日本の意図に「高度な警戒」=靖国参拝を非難-中国
【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は23日の記者会見で、日本の国会議員168人が靖国神社を参拝したことについて、「日本の行動と意図はアジアの隣国と国際社会が高度に警戒するに値する」と非難し、「国際社会の信用を得られる行動」を取るよう日本に要求した。
華副局長は「(私的か公的かなど)どういう形式であろうと、日本の指導者が靖国神社を参拝することには軍国主義の侵略の歴史を否定しようとする意図がある」と強い口調で批判した。
このほか華副局長は沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の周辺海域に日本の右翼団体関係者が乗った漁船が入ったとされることについて、「日本に対し厳正な申し入れを行い、強烈に抗議した」と述べた。さらに中国の海洋監視船8隻を派遣したことを明らかにし、「右翼の船は釣魚島の領海を既に出た」と主張した。(2013/04/23-17:45)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130423/k10014117971000.htmlより、
麻生氏ら 参拝は外交絡めることでない
4月23日 12時21分
麻生副総理兼財務大臣、新藤総務大臣らは、閣議のあとの記者会見などで、みずからが靖国神社に参拝したことに中国や韓国が反発していることについて、私的な行為であり、外交に絡めることではないという認識を示しました。
麻生副総理兼財務大臣は、「ほかの閣僚を務めていた時も、靖国神社に行かなかった時はないのではないか。大体、毎年2、3回参拝しており、いまさら言われるような話ではない。外交に影響が出るということはあまりないと思う」と述べました。
新藤総務大臣は、「戦争で命を落とされた方々への追悼と平和を祈って、私的参拝させていただいた。私の祖父や大おじもまつられており、日常的にお参りしている。個人の私的な行為が、近隣諸国に影響を及ぼすとは考えていない」と述べました。
古屋国家公安委員長は、「国のために、命をささげた英霊に対し、哀悼の誠をささげるのは国会議員として当然の責務だ。あくまでも私の問題であり外交に深刻な影響があるとは一切考えていない」と述べ、春の例大祭に合わせて靖国神社に参拝した3人の閣僚は、私的な行為であり、外交に絡めることではないという認識を示しました。
また菅官房長官は、「信教の自由がわが国にはある訳だから、閣僚であっても、超党派の国会議員であっても、政府が立ち入ることはすべきではない」と述べたほか、下村文部科学大臣は、「閣僚が靖国神社に参拝するかどうかは、国内の問題であり、諸外国はぜひ、外交問題に絡めない対応をしてほしい」と述べました。
一方、岸田外務大臣は、「今回のことで、今後の日本と韓国の関係に影響が出ないよう、しっかり対応したい。政治レベルでの意思疎通は重要だと考えており、われわれの対話のドアはいつもオープンにしてある」と述べました。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042301001357.htmlより、
超党派議連、168人が靖国参拝 89年以降最多
2013年4月23日 12時12分
超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・尾辻秀久自民党参院議員)は23日午前、春季例大祭に合わせて東京・九段北の靖国神社に集団参拝し、国会議員168人が参加した。議連に記録がある1989年以降で最多。昨年の衆院選で自民党などの保守系議員が増えた影響とみられる。
安倍晋三首相の供物奉納や、麻生太郎副総理兼財務相ら閣僚3人の参拝に不快感を示す中国と韓国が一層、反発を強める可能性もある。
議連は毎年、春と秋の例大祭と終戦記念日の8月15日に合わせて参拝している。近年の参加議員は毎回30~80人程度だった。(共同)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130423/k10014117821000.htmlより、
国会議員168人が靖国参拝
4月23日 12時9分
自民党や民主党など超党派の国会議員が23日朝、春の例大祭が行われている靖国神社に参拝し、平成になってから最も多い168人が参拝しました。
「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は毎年、春と秋の例大祭と、8月15日の終戦の日に、東京・九段の靖国神社に参拝しています。
23日は春の例大祭に合わせて、会長を務める尾辻前参議院副議長らを先頭に、自民党、民主党、日本維新の会、みんなの党、生活の党などの168人の国会議員が、午前8時すぎにそろって参拝しました。
安倍内閣からは、山口俊一財務副大臣、若林健太外務政務官ら政務三役が参拝したほか、自民党の高市政務調査会長も参拝しました。
「国会議員の会」によりますと、168人が参拝したのは、平成になってから最も多く、去年の春の例大祭の2倍以上になりました。
参拝の後、尾辻前参議院副議長が記者会見し、「先の衆議院選挙で新しい国会議員も増えたので、そうした方々が参拝した結果だと思う。国会議員が、国に殉じた英霊に対して参拝するのは、どこの国でも行っているごく自然な行為であり、中国や韓国に反発されるのはよく理解できない」と述べました。
安倍内閣では21日、麻生副総理兼財務大臣が参拝するなど、これまで合わせて3人の閣僚が、春の例大祭に合わせて靖国神社に参拝しています。
中国メディアは強く反発
超党派の国会議員168人が23日朝、靖国神社に参拝したことについて、中国の国営メディアは速報で伝え、強く反発しています。
国会議員らの靖国神社参拝について、中国政府は公式の反応を出していませんが、国営の中国中央テレビは、東京駐在の記者によるリポートを速報で伝えました。
この中で、集団での参拝の規模は、ここ数年は30人から80人だったとして、「100人を超えるのは、日本が右傾化していることを明らかに示すものだ」などと強く反発しています。
さらに、麻生副総理兼財務大臣ら3人の閣僚が靖国神社に参拝したことについても触れ、日本国内で賛否が分かれているなどと解説しています。
「日本人が決める国内問題」
自民党の高市政務調査会長は参拝後、靖国神社で記者団に対し、「参拝した国会議員の数はいつもに比べて多かった。新人議員も多く参拝したので、うれしく思う。日本の国策に殉じて尊い命を捧げて国を守ってくれた方々をいかにまつり、どのように慰霊するかは日本人が決める国内の問題だ。これが外交問題になることは、絶対におかしい」と述べました。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042301001524.htmlより、
麻生氏の歴史発言が背景か 韓国紙、外相の訪日中止で
2013年4月23日 12時07分
【ソウル共同】23日付の韓国紙、中央日報は、尹炳世外相が麻生太郎副総理兼財務相らの靖国神社参拝などを理由に訪日を中止した問題で、麻生氏が2月の朴槿恵大統領との会談で「同じ国、民族でも歴史認識は一致しない。それを前提に歴史認識を論じるべきではないか」などと歴史問題で強い立場を示したことが訪日中止の背景にあると報じた。複数の韓国外交筋らの話としている。
麻生氏は2月25日にソウルで行われた朴大統領の就任式に出席後、朴氏と会談した。
麻生氏の発言を聞いた朴氏は表情をこわばらせたという。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042301001492.htmlより、
麻生氏「外交影響あまりない」 靖国参拝で
2013年4月23日 10時45分
麻生太郎副総理兼財務相は23日の閣議後記者会見で、靖国神社の参拝に対する中国や韓国の反発に関して「海外で反応が出ているが、それによって外交に影響が出ることはあまりないと思う」と述べた。
麻生副総理は「(靖国参拝には)毎年2、3回、伺っている。いまさら言われるような話ではない」と説明。記者から「韓国や中国に与える影響から(靖国参拝に)行かないという考えはなかったのか」と問われると「ありませんでした」と答えた。
麻生氏は、円安進行に伴う燃料高騰などについて、漁業関係は対応済みと説明。「ほかにいろいろなことが出るのであれば、その段階で考えなければいけない」と述べた。(共同)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 4月 23 日(火)付
靖国問題―なぜ火種をまくのか
近隣諸国との関係改善が必要なときに、安倍政権はいったい何をしているのか。
麻生副総理・財務相ら3閣僚が、春季例大祭に合わせて靖国神社を参拝した。安倍首相は参拝を控えたが、神前に捧げる供え物「真榊(まさかき)」を奉納した。
これに反発して、韓国は今週末に予定していた尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日を取りやめた。中国外務省も日本に「厳正な申し立て」をしたと発表した。
菅官房長官は会見で「影響を外交に及ぼすべきではない」と語った。だが、靖国参拝は歴史認識に関わる問題であり、両国の反発は当然、予想されたはずである。
日本外交にとって、いま最も優先すべき課題のひとつは、核・ミサイル問題で挑発を強める北朝鮮に日中韓が結束して当たることだろう。韓国外相の来日もその調整の一環だった。
たしかに、日本と中韓両国とは尖閣や竹島問題をめぐって緊張が続いている。中国の監視船が尖閣周辺の日本領海を侵犯するなどの行為に対して、抗議するのは当然だ。
同時に、首相自身が「大局的な観点から関係を進める」と語ったように、粘り強く関係修復をはかる。そうした微妙な時期である。
それを、靖国問題でことを荒立てるのでは、方向が逆ではないか。
これによって関係改善が遠のくようなことになれば、国益を損なうだけだ。
首相はもともと靖国参拝が持論だ。だが、第1次安倍内閣のときは参拝を見送り、悪化していた両国との関係を打開した経緯がある。
今回、首相は閣僚の参拝について「自由意思に基づいて行うことだ」と、それぞれの判断に任せたという。自身が参拝しなければ乗り切れると思っていたとすれば、甘すぎると言わざるを得ない。
首相は再登板後も、歴史問題をあまり前面に出さず、経済再生を優先してきた。
しかし、このところ気になる言動が目立ち始めている。
2月の国会答弁では「(前回の)首相在任中に靖国参拝できなかったのは痛恨の極みだ」と語った。
きのうの国会では、過去の植民地支配と侵略へのおわびと反省を表明した村山談話について「安倍内閣として、そのまま継承しているわけではない」と述べた。
高い支持率で、緊張感が薄れているのではないか。閣僚の言動も含め、自制を求めたい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130423/plc13042303120004-n1.htmより、
産経新聞【主張】靖国と韓国 外相の訪日中止は残念だ
2013.4.23 03:12 (1/2ページ)
韓国外務省当局者が、今月末をメドに日本と調整していた尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日と岸田文雄外相との会談を中止することを明らかにした。また、韓国外務省は、安倍晋三首相が靖国神社に真榊(まさかき)を奉納したことや麻生太郎副総理兼財務相ら3閣僚が靖国神社に参拝したことに「深い憂慮と遺憾を表明する」との論評を発表した。
外相の訪日中止は、首相の真榊奉納などに対する抗議の意思表示とみられる。極めて残念で大人げない韓国の対応である。
尹氏の訪日と日韓外相会談は、日中韓3カ国外相会談の見通しが立たないことから、韓国側が積極的に進めていたとされる。
日韓間には、北朝鮮の核、ミサイル問題や拉致問題など、共通する重要課題が山積している。
尹氏は今月の韓国国会で、朴槿恵政権の対日政策について、歴史・領土問題で譲歩しないとしつつ、「これとは別に、両国の互恵的な分野や人的交流分野では(協力を)続ける」と述べている。
日本と同じ自由を重んじる価値観を持つ隣国として、成熟した対日外交を求めたい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130423/plc13042303120004-n2.htmより、
2013.4.23 03:12 (2/2ページ)
安倍首相が奉納した真榊は、祭場を装飾する供え物だ。以前は、首相の靖国神社参拝と真榊奉納が普通に行われていた。首相自身、第1次安倍内閣の平成19年4月に奉納し、麻生氏も首相だった20年10月と21年4月に奉納した。靖国神社にまつられる戦死者の霊に哀悼の意をささげる行為だ。
靖国神社には、古屋圭司国家公安委員長と加藤勝信官房副長官も春の例大祭に合わせて参拝した。新藤義孝総務相は例大祭前日の20日に参拝した。古屋氏は参拝後、「国のために命をささげた英霊に哀悼の誠をささげるのは国会議員として当然だ」と述べた。
民主党前政権では、閣僚に靖国参拝の自粛が求められた。安倍首相は各閣僚の自由意思に委ねた。当然の対応である。
戦死者の霊が靖国神社にまつられ、その霊に国民が祈りをささげるのは日本の文化であり、伝統だ。外国は日本人の心に介入すべきではない。内政干渉しないことは両国関係の基本である。
安倍首相は今月の予算委員会で靖国参拝について「私が指導者として尊崇の念を表することは国際的にも当たり前のことだ」と述べた。終戦の日の8月15日や秋の例大祭の首相参拝を期待したい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130423k0000m070151000c.htmlより、
社説:靖国の例大祭 閣僚参拝は無神経だ
毎日新聞 2013年04月23日 02時32分
国の内外の人々がわだかまりなく戦没者を追悼できるようにするには、どうしたらいいか。この重い課題に政治が答えを出せないまま、今年も靖国神社の春季例大祭が巡ってきた。これまでに麻生太郎副総理兼財務相ら3閣僚が参拝し、安倍晋三首相は参拝は見送ったが、供え物の真榊(まさかき)を奉納した。
韓国外務省は今回の事態を受けて、今月中に予定していた尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日を中止した。
北朝鮮が弾道ミサイル発射の構えを崩さず、日米中韓が連携して北朝鮮の暴発を食い止めるべき時だ。靖国参拝をすぐに外交問題に発展させる韓国側の対応は冷静さを欠いている。だが、緊迫した状況下で「安倍内閣ナンバー2」の麻生副総理ら閣僚が靖国参拝に踏み切り、首相もこれを容認したことは、北朝鮮問題での中韓との連携を難しくし、結局は日本の国益を損ないかねない。無神経な行動と言わざるを得ず、極めて残念だ。
第1次安倍内閣で首相は、在任中、靖国に一度も参拝しなかった。前任者の小泉純一郎元首相の参拝で悪化した日中関係を改善するためで、「行くとも行かないとも言わない」という「あいまい戦略」をとった。
麻生氏も外相、首相として在任中は参拝しなかった。両氏とも自制的に対応したと言える。
しかし首相は、前回の首相在任中に参拝できなかったことを「痛恨の極み」と語り、後悔しているようだ。今回の内閣では参拝したいという意思表示とも受け取れる。安倍政権を支持する保守層は、終戦記念日よりも、靖国の秋季例大祭での首相参拝を重視し、実現を狙っているようだ。今回の首相の真榊奉納と麻生副総理の参拝が、夏の参院選対策や、在任中の首相参拝への布石だとしたら、受け入れられるものではない。
首相や閣僚の靖国参拝の是非について国論が割れてきたのは、(1)憲法20条の政教分離原則に抵触する疑いがある(2)極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯が合祀(ごうし)された靖国への参拝は中国などから侵略戦争の肯定と受け止められる−−という主に二つの観点からだ。首相は、日本が東京裁判を受諾した歴史的事実は受け入れる立場を示しているが、東京裁判については「連合国側の勝者の判断によって断罪がなされた」と疑問を投げかけている。
A級戦犯の分祀論や無宗教の国立追悼施設の建設案にも、首相は慎重とみられている。靖国参拝をどう考え、今後、どう解決していくつもりか。国民への説明をあいまいにしたまま、既成事実を積み重ねるようなやり方は許されない。首相は自らの言葉で語るべきだ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130422/k10014088571000.htmlより、
官房長官 外交に影響及ぼすべきでない
4月22日 12時13分
菅官房長官は午前の記者会見で、韓国政府の当局者が安倍内閣の閣僚が靖国神社に参拝したことに抗議し今月末ごろに検討していたユン・ビョンセ外相の日本訪問を取りやめたことを明らかにしたことに関連し、「それぞれの国にはそれぞれの立場があり、そうしたことの影響を外交に及ぼすべきではない」と述べました。
靖国神社の春の例大祭に合わせて、安倍内閣では麻生副総理兼財務大臣ら3人の閣僚が靖国神社に参拝しました。
これについて、菅官房長官は午前の記者会見で「私人として参拝されたものと理解している。閣僚が私人の立場で参拝することは閣僚個人の私的な行動に関する事柄であり、政府として答えることは差し控えたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は韓国政府の当局者が安倍内閣の閣僚が靖国神社に参拝したことに抗議し、今月末ごろに検討していたユン・ビョンセ外相の日本訪問を取りやめたことを明らかにしたことに関連し、「それぞれの国にはそれぞれの立場があり、そうしたことの影響をあまりそれぞれの外交に及ぼすべきではない」と述べました。
また、菅官房長官は安倍総理大臣が靖国神社に「真榊(まさかき)」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納したことについて、「私人としての行動だと思うので、政府見解を申し上げるべき事柄ではない。政府として春の例大祭に真榊を奉納することを決定したことはなく、公費で支出したとは承知していない。総理大臣の肩書きをつけるのはその地位にある個人を示すものであって、公人として真榊を納めたということではない」と述べました。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042101001349.htmlより、
麻生、古屋氏が靖国参拝 閣僚計3人、首相は供物
2013年4月21日 20時55分
麻生太郎副総理兼財務相は21日夜、東京・九段北の靖国神社を春季例大祭(21~23日)に合わせ参拝した。古屋圭司国家公安委員長兼拉致問題担当相も午前に参拝した。20日には新藤義孝総務相が参拝しており、第2次安倍政権で閣僚の参拝が判明したのは計3人となった。
一方、安倍晋三首相は、中国や韓国との外交関係に配慮し、今回の例大祭に合わせた参拝を見送る方針を固めた。代わりに21日までに「真榊」と呼ばれる供物を「内閣総理大臣」名で奉納した。
公明党の山口那津男代表は21日、閣僚の靖国参拝が外交に影響を及ぼす懸念を表明している。(共同)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130421/k10014077091000.htmlより、
麻生副総理ら閣僚3人 靖国神社に参拝
4月21日 20時52分
麻生副総理兼財務大臣が、21日夜、靖国神社に参拝し、これまでに合わせて安倍内閣の閣僚3人が、春の例大祭に合わせて靖国神社に参拝しました。
東京・九段の靖国神社では、21日から3日間、春の例大祭が行われていて、麻生副総理兼財務大臣は、21日夜7時すぎ、靖国神社を訪れ、本殿の前で一礼しました。
これに先立って古屋国家公安委員長が午前10時ごろ靖国神社を訪れ、本殿に上がって参拝しました。
参拝したあと古屋国家公安委員長は記者団に対し、「国務大臣、古屋圭司として参拝した。玉串料は自費で出した。国のために命を捧げた英霊に対して哀悼の誠を捧げるのは、私の国会議員という立場からして当然のことだ」と述べました。
安倍内閣の閣僚では、新藤総務大臣も、20日、私人として参拝していて、これまでに3人が春の例大祭に合わせて靖国神社に参拝しました。
一方、安倍総理大臣は春の例大祭に合わせた参拝を見送り、「真榊(まさかき)」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。