与良政談:96条改正には反対だ 与良正男氏

http://mainichi.jp/opinion/news/20130501k0000e070217000c.htmlより、
熱血!与良政談:96条改正には反対だ=与良正男
毎日新聞 2013年05月01日 13時23分

 何度か書いているように私は決して護憲論者ではない。どうしても変える必要があるのなら改正すればよい。そして現状では、まず検討した方がいいのは9条ではなく、参院のあり方など国会の問題からではないかというのが私の立場だ。

 そこで、憲法96条の問題だ。おさらいしておくと、憲法を改正するには今、衆参両院の総議員それぞれ3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得なければならない。これに対し、自民党の憲法改正草案は国会提案に必要な各院の賛成を「総議員の過半数」に引き下げるというものだ。結論からいうと私はこれには反対だ。

 憲法は国民を縛るものではなく、国家権力の乱用を抑えるためにあると先々週書いた。一般の法律が国民の基本的人権を侵していないかどうか、歯止めをかけるのも憲法だ。あらゆる法律の上位にあるべき憲法が一般の法律とほぼ同じ扱いで改正できるようになるのは、やはり危険であり、「大半の党派が納得したうえで改正する」という意味で、今の「3分の2」は妥当だと考える。

 安倍晋三首相は「3分の1をちょっと超える国会議員が反対すれば、国民が指一本触れられないのはおかしい」「憲法を国民の手に取り戻す」という。「なるほど、その通り」と思う人も多いかもしれない。

 でも、私も、私たちメディアも、そして国民も往々にして判断を間違えるのである。批判を受けるのを覚悟して言えば、国民を信じ過ぎてもいけないのだと私は思う。

 選挙でナチス党を大躍進させた戦前のドイツ国民の例を出すまでもないだろう。一時的な熱狂を排して冷静に判断するのが国民の代表たる国会議員であり、それが代議制の大きな役割だ。それに、そもそも国民の意見を直接聞くこと、例えば住民投票に自民党はこれまでそんなに熱心だったろうか。「国民の手に」というのは改憲=自主憲法制定をたやすくするため、後からつけた理屈ではなかろうか。

 まして96条改正を先行させるというのは邪道である。手続きではなく、どこの条項をどう変えたいのか、優先するのは何か、具体的にきちんと説明するのが先だと思う。

 参院選は憲法も争点の一つになる。みなさんも差し迫った問題として考えていきましょう。(論説委員)

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