「シリア内戦の平和解決を探れ」

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO54930960S3A510C1PE8000/より、
日経新聞 社説 シリア内戦の平和解決を探れ
2013/5/12付

 米国とロシアが内戦の続くシリア情勢の打開を目指して、当事者と関係国による国際会議を開く方針で一致した。
 対話による解決で米ロが歩調をあわせることは重要だ。国際社会はこの機会を逃してはならない。混乱が周辺地域に広がる前に停戦を実現する必要がある。
 アサド政権と反政府勢力の衝突では7万人が死亡し、今も血が流れ続けている。有効な手を打てずに放置してきた国際社会の責任は重い。なかでも国連安全保障理事会は米国とロシアの立場の違いからまったく機能してこなかった。
 重火器で依然勝る政府軍に対し、反政府勢力はまとまりを欠く。シリア国外からイスラム過激派が入り込み、アルカイダ系の国際テロ組織との連携を公言する組織も現れた。レバノンのイスラム教シーア派民兵組織のヒズボラもアサド政権側について内戦に加わっているという。
 ヒズボラはレバノン南部を事実上支配し、イスラエルと対立する。イスラエルによるとみられるシリア領内への空爆も相次いで起きた。シリアからヒズボラへ武器が渡ることを阻止するためだったとされる。
 シリア情勢は国土が分裂し、周辺国を巻き込んで混乱が広がる様子を見せている。加えて心配なのは内戦で化学兵器が使われた可能性が出てきたことだ。
 誰がどのように使ったのかは慎重な検証が必要だ。米政府は政権側が弾圧に使ったことを確認できれば、反政府勢力への武器供与などに踏み切る考えだという。
 非人道的な化学兵器の使用は許されない。だがアサド政権の受け皿が見えない状況で武器を供与し、政権を武力で倒せば、混乱を長引かせることになりかねない。
 国際会議の実現は容易ではない。米ロは全勢力が参加する「移行政府」樹立を探るとしているが、アサド大統領の処遇をめぐり政権と反政府勢力の溝は深い。しかし、もはや時間の猶予はない。平和解決を全力で探る時である。

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