石破「首相」に対する期待 小林節氏

http://www.nnn.co.jp/rondan/ryoudan/index.htmlより、
一刀両断 -小林 節-
石破「首相」に対する期待
日本海新聞 2013/5/14の紙面より

 去る5月3日の憲法記念日に向けて憲法論議が盛り上がった中で、在京キー局(テレビの全国ネットワーク)の企画で、石破茂自民党幹事長と30分間も対談する機会を得た。

 結論として、この石破代議士が首相であるならば、国民的合意を形成して、(私が考えるところの)まっとうな憲法改正が行われ得るのではないか…という希望を感じることができた。

 昨春に改憲草案を策定した時の自民党はまだ野党であったために、今年ほど、それは話題にはならなかった。しかし、今年は与党が既に衆議院の3分の2を確保している上に、参院選の結果次第では改憲派が参議院の3分の2を超える可能性があるために、憲法論議が過熱した。

 私も、自称「護憲的改憲派」として、さまざまな討論に参加する機会があったが、改憲派と護憲派の論争は、ほとんどかみ合っておらず、相変わらずの水掛け論であった。

 例えば、一般の「法律」は国家の名で国民の代表(国会議員等)が国民大衆を縛る規範であるが、それに対して、「憲法」は、唯一の例外として、権力の乱用を防ぐために、国民大衆が国民の代表(権力者)を縛る規範であり、それが、世界の常識「立憲主義」「法の支配」である…という護憲派の主張に対して、改憲派が、「私はそういう立場は取りません」と言い放っていた。常識(不動の基礎知識)は議論の前提であり、選択などしようがないはずのものである。また、論争で追い詰められると、「それは外国でしか(または、日本でしか)通用しない議論です」などと、反対論を「採点」して逃げようとするお粗末な「論客」も散見された。

 その点で、石破幹事長の姿勢は一貫して立派である。まず、前提となる基礎知識はしっかりと身についていた。その上で、相手の意見からはいささかも逃げず、話をそらすような失礼もせず、事実と論理を重ねながら真剣に議論に参加する、その誠実な姿勢が何より素晴らしい。さらに、ほとんどの自民党議員は党の草案について一切譲らない…という姿勢を示すのだが、石破幹事長は、あれがたたき台である以上、今後の議論の結果、変わり得るのは当然だと発言していた。

 制定後67年もたった現行憲法が破綻していることは明らかである。石破「首相」の時代にまっとうな新憲法が制定されることを期待したい。
(慶大教授・弁護士)

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