風疹大流行 「社会全体で対策とろう」

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130520/bdy13052003190000-n1.htmより、
産経新聞【主張】風疹の流行 社会全体で予防進めたい
2013.5.20 03:18

 せきやくしゃみでウイルスが感染し、はしかのように発疹や発熱などの症状が出る「風疹」が流行している。
 今後、夏場にかけて流行のピークを迎えるため注意が必要だ。
 「三日ばしか」とも呼ばれ、症状は軽いが、妊娠初期の女性が感染すると、お腹(なか)の赤ちゃんに障害が残る可能性がある。
 厚生労働省はワクチンの接種を呼びかけており、社会全体で感染の予防を進めたい。
 赤ちゃんの障害は先天性風疹症候群(CRS)と呼ばれ、心臓病や白内障、難聴などで、今年に入り、国内で5人の赤ちゃんがこのCRSを発症している。
 健康な赤ちゃんを産むためにも予防接種を心掛けたい。ただし妊婦にはワクチンから感染する危険がある。妊娠中で感染が心配な場合は妊婦本人が接種せず、家族など周囲の人が接種して感染を避けなければならない。
 厚労省によると、風疹の患者数は今年初めから4月28日までの累計で5442人と5千人を超え、過去5年間で最多だった昨年1年間の患者数の2倍を超えた。
 今回の流行は感染者の大半が20~40歳代で男性が中心だ。この世代の男性は子供のときの定期のワクチン接種が女子中学生に限定されていたことなどから未接種者が多い。女性も定期接種が抗体の十分にできる2回でなく、1回だったことで感染しているという。
 こうした事情の背景には、ワクチン行政の変化がある。一部のワクチンで副反応が社会問題になり、厚生省(当時)は平成6年の法改正でワクチンの接種を「義務」から「勧奨」に変え、予防接種を個人の意思に任せた。
 学校での集団接種も医療機関での個別接種に転換した。その結果、風疹のワクチンでも接種率が低下した。希望者には学校での集団接種を再開するなど、ワクチン行政を見直す必要もある。
 風疹のワクチンでは、接種にかかる費用を補助する自治体があるにもかかわらず、その事実を知らない住民も多い。ポスターやイベントで積極的に呼びかけるなどの対応も求められる。
 接種する時間の取れない会社員には、企業が職場での集団接種を進めることも有効だろう。
 風疹を「たかが三日ばしか」と侮らず、社会全体で感染を防ぐことが大切だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130425k0000m070140000c.htmlより、
社説:風疹大流行 社会全体で対策とろう
毎日新聞 2013年04月25日 02時30分

 風疹の流行が止まらない。今年の患者数は既に4000人を超え、昨年1年間の2倍に迫る勢いだ。東京や神奈川など首都圏や関西圏の患者が多い。ゴールデンウイークで人の往来が増えれば、流行がさらに拡大しかねない。妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんに難聴や白内障、心疾患など「先天性風疹症候群(CRS)」と呼ばれる障害が出る恐れがある。女性が安心して子供を産むことができるよう、社会全体の問題として対策に取り組みたい。
 風疹は患者のせきやくしゃみで感染し、発疹や発熱などの症状が出る。今年の患者の8割は男性で、妊婦の夫にあたる20〜40代が大半だ。この年代の男性は子供のころ、風疹の予防接種の対象外だったり、学校での集団接種から医療機関での個別接種に変わったりしたため、接種を受けていない人が多い。風疹は子供の病気という認識は誤りだ。07年の麻疹(はしか)流行で10代、20代の患者が目立ったことは記憶に新しい。
 女性の接種率は男性より高いが、接種を受けても十分な免疫力がない場合もある。今年は複数の赤ちゃんがCRSと報告されている。
 最も効果的な風疹対策は予防接種だ。ただし、妊婦は受けられない。風疹への免疫力は、妊婦検診などの際に検査されている。もしも低ければ、人混みへの不要な外出はひかえる方がよい。夫や同居の家族、職場の同僚も接種を受けるなど、周囲の協力も大切だ。母子健康手帳などで自分や子供の接種歴も確認しよう。接種歴が不明でも、新たな接種が問題となることはないという。
 もちろん、ワクチンには副作用の心配もある。国立感染症研究所によれば、風疹のワクチンは安全性が高い。関係機関は、正確な情報を分かりやすく伝え、接種への理解を得る努力を続けていく必要がある。
 成人の場合、風疹ワクチンは健康保険の対象外だ。風疹単独は5000円程度、風疹・麻疹の混合は1万円程度かかる。単独は不足気味だが、混合は余裕があるという。
 東京都などでは費用の公的負担も行われている。20〜40代の男性が流行の中心なのは、二転三転した予防接種行政の結果でもある。厚生労働省は「他のワクチンの議論もあり、財源的にめどは立っていない」と言うが、政府も助成を検討すべきではないか。
 妊婦が感染したからといって、赤ちゃんが必ずCRSになるわけではない。妊娠から5カ月を過ぎれば、可能性は極めて低いという。かかりつけ医や専門医が連携して対応することになるが、妊婦をいたずらに不安に陥れることなく、生まれてくる赤ちゃんの命を大切にしたカウンセリングやケアが重要だ。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中