高速道路 「借金返済を延ばすのか」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 5月 21 日(火)付
高速道路―借金返済を延ばすなら

 全国の高速道路で、今後直面する大規模な改修や造り直しの費用をどうまかなうか。
 国土交通省は、道路建設にかかった借金の返済期限を先延ばしして、資金を捻出する方針を固めた。今後、関係する審議会で議論が進む見通しだ。
 旧道路公団の民営化でうたわれた「2050年までに旧公団の約40兆円の借金をすべて返し、高速は無料にする」との計画は、名実ともに破綻(はたん)する。
 改修をめぐっては、首都高速会社が今年初め、「約9千億円が必要」と発表したのを皮切りに、東、中、西日本の各高速会社や阪神高速会社も同様の試算を示した。合計すると現時点で7兆円近くになる。
 05年の民営化では、事前に日々の維持修繕費は計算していたものの、大規模改修費は考慮されていなかった。
 料金を無料にすれば、老朽化対策は税金で進めることになるが、国の財政難を考えると現実的ではない――。関係者の多くが、当時から計画の危うさを認識していたようだ。
 無責任というしかない。
 国民の安全・安心にかかわるだけに老朽化対策を怠ってはならないが、条件がある。
 まず、新規着工から改修へ、政策の重点を完全に変えなければならない。
 「民間の経営判断にゆだね、むだな道路を造らない」ことが民営化の目的だったが、税金で整備する「新直轄方式」も用意された。これが、費用対効果に疑問符がつく路線を増やす抜け道になっていないか。
 いったん造ればいずれ改修が必要となり、また税金をつぎ込むことになる。人口減のなか、国民負担を抑えるには、新規着工どころか、代替ルートのある老朽化路線の閉鎖も必要だ。
 そのうえで、返済期限の先送りで浮かせた財源が、確実に改修にあてられる仕組みが不可欠だ。財源を別管理で積み立てるなど、透明性の高い制度を作るべきである。
 国交省が返済延長を探る背景には、改修以外の問題もある。
 08年秋、麻生政権時に3兆円かけて始まった高速料金割引の財源が今年度で底をつく。国交省は景気への配慮から、割引を見直しつつも続ける考えだ。
 しかし、財源をなし崩しにあてることは許されない。
 民主党政権時代を含め、高速料金は目先の景気下支えと人気取り対策から、猫の目のように変更されてきた。こんな政策とは決別しなければならない。
 これも、返済延長の条件の一つである。

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