憲法と国会 「立憲主義を踏み外すな」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 5月 25 日(土)付
憲法と国会―立憲主義を踏み外すな

 いまの憲法に、問題点があるのかどうか。衆院の憲法審査会が、3月から続けていた憲法各章の条文についての自由討議を今週終えた。
 討議の過程では、改憲手続きを定める96条改正の是非に注目が集まった。全体を振り返ってみても、自民党が昨春にまとめた「改正草案」に沿って示した見解の中には、見過ごせない点が多い。
 例えば、第3章の「国民の権利及び義務」に関しては、こんな議論があった。
 いまの13条には、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」は、「公共の福祉に反しない限り」最大の尊重を必要とするとある。自民党案はこれを「公益及び公の秩序に反しない限り」と改めている。
 自民党の委員は「基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明確にした」と説明した。
 つまり、権力側が「公の秩序に反する」と判断すれば、私たちの人権を制限できる余地が生まれるということだ。
 集会、結社、言論、出版などの「表現の自由」を保障した21条についても「公益及び公の秩序」を害する活動や、それを目的にした結社は認められないとしている。
 いま、憲法の尊重擁護義務は天皇や国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員にのみ課せられている。自民党は、国民一般にも尊重義務を課すべきだと主張した。
 さらに、各地の高裁から「違憲」と断じられた一票の格差についても、自民党からはこんな開き直りのような発言が繰り返された。
 「立法府が決めた選挙制度に対し、司法が違憲や選挙無効の判断をすることは、立法府への侵害だと考える」
 近代憲法の本質は、権力が暴走しないように縛る「立憲主義」にある。自民党の主張には、逆に権力の側から国民を縛ろうという「統治者目線」や、司法に対する牽制(けんせい)がいたるところに見られるのだ。
 一票の格差是正のための緊急避難的な措置である小選挙区定数の「0増5減」すら、いまだに実現していない。そこから先の改革については、会期内では絶望的だというのがいまの国会の姿である。
 憲法をよりよいものにするために、国会議員が率直に議論する。それは否定しない。
 けれども、自らには甘く、国民への制約は強めるというのでは方向が逆だ。そこに自民党の改憲論の本質が見える。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130525/stt13052503270000-n1.htmより、
産経新聞【主張】自民参院選公約 96条の先行改正を掲げよ
2013.5.25 03:27 (1/2ページ)

 最大の争点を公約に明記せずにどう戦うのか。自民党が参院選公約原案で、憲法改正の発議要件を定める96条の先行改正を盛り込まなかったのはおかしい。
 安倍晋三首相はかねて「自民党はまず96条から始める」との決意を示していた。攻めの姿勢から守りに転じることは、政局運営の主導権を失うリスクがあることを認識すべきだ。
 首相は「強い日本」にするとの決意と覚悟を新たにし、先行改正を正面に掲げて、参院選に臨んでもらいたい。
 安倍首相が憲法改正を掲げてきたのは、今の憲法の下で日本の平和と安全を守るのは困難だという危機感からだろう。尖閣諸島を中国から守り抜くうえでも、自衛権が強く制約され、抑止力を他国に依存している憲法を改めなければならない。その改正を封じる衆参各院の総議員の「3分の2以上の賛成」という発議要件の緩和が、妥当かつ必要なものであることを堂々と訴えるべきだ。
 公約原案は「国防軍の保持」など党憲法改正草案の骨格とともに「憲法改正原案の国会提出と憲法改正を目指す」との決意を示している。「発議要件を衆参それぞれの過半数に緩和」との内容にも触れている。それなのに先行改正の方針を明確にしないのは、96条改正について国民の支持が高いとはいえないとの判断や、公明党の慎重姿勢などがあったためだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130525/stt13052503270000-n2.htmより、
2013.5.25 03:27 (2/2ページ)
 だが、首相が指摘する「国民的な議論」も、争点に掲げてこそ深まるものではないのか。
 24日の自公党首会談では参院選の共通公約策定を見送った。自民党は憲法改正をめぐる主張を遠慮なく掲げればよい。日本維新の会やみんなの党も先行改正に賛同し、これに慎重な民主党も争点化に応じるという。自民党が先に看板を下ろしてしまっては有権者の信頼を失いかねない。
 米軍普天間飛行場をめぐり、党沖縄県連は「県外移設」を地域版公約でうたおうとしている。政府は日米合意に基づく辺野古への移設こそ現実的な案と位置付け、埋め立て許可を県に申請した。国家の安全保障に関する二重基準は解消しなければならない。
 日米の抑止力の拠点である沖縄の重要性を沖縄県民や国民により理解してもらわねばならない。その前に県連を説得しきる指導力を発揮することが求められる。

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