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月別アーカイブ: 6月 2013

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013063002000123.htmlより、
東京新聞【社説】週のはじめに考える イスラムと世俗の間
2013年6月30日

 トルコのデモでは、イスラムと世俗の対立が話題になりました。だが実態はどうなのか。わかりにくいイスラムの政治事情を一緒に考えてみましょう。
 ここで世俗とは、いわゆる欧米流の自由主義をさしますが、その前にイスラムと西欧の民主主義の違いを確認しておきましょう。
 もう二十年も前になりますが、アラビア半島の君主制の国オマーンに出かけた時のことです。
 国王が砂漠で“議会”を招集しているというので、タクシーに頼み込んで出かけました。

◆アラブ式の民主主義
 広い道路を外れ砂漠に入ると、大きなテントの張ってあるのが見えました。その中では国王が部族の長老たちを集め、おそらくは車座になって評議をしているはずでした。テントの周りは軍用車がびっしりと固め、結局は追い返されましたが、アラブ伝統の政治を垣間見る思いでした。
 この会議形態は、イスラム以前からのものといわれ、その後もイスラムに合うとして今へと続いているのです。
 決議は全員一致を旨とします。多数決で決める西欧型の議会とは違います。
 アラブでは誇りを込めアラブ式民主主義とも呼びます。イスラムの論理では多数決とは人が人を統治することになり、アラー(神)の支配に背いてしまうのです。
 かつてパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが、パレスチナ議会の選挙をボイコットしたことがありました。西欧型の議会そのものがイスラムに反するという理由もあったでしょう。
 イランの全権支配者が聖職者であるというのも、神の法に基づく政治体制だからです。大統領はただの行政マンなのです。
 とはいえ、時代の変化もしばしば受けます。

◆政教分離を宣言する
 先に触れたオマーンでは二〇〇〇年に国王令で議会に直接選挙制が導入されました。ただし議会は国王の法案を評議するだけです。
 では中東で、なぜ王政を倒し共和制の国が生まれたのか。
 それは戦後の独立や軍のクーデターがもたらしました。チュニジアやエジプト、イエメンなど。アラブの春の起きた国々です。
 トルコは、先陣を切るように一九二三年に共和国宣言をしています。イスラムの王朝を倒し、人民が権力をもつと宣言したのです。
 議会に勝る権力はない。今に至る政教分離の始まりでした。
 それらを踏まえ、今度のトルコのデモを考え直してみましょう。
 デモは公園の立ち木の伐採をめぐって起きました。それをきっかけに世俗の若者らが集結したのです。伐採は、現イスラム政権が進める再開発と、それに伴うショッピングモール建設のためです。
 大学での女性のベール着用を認めたり、アルコールの夜間販売を規制するなどイスラム色が強まる中でのデモでした。
 そのため、欧州などからはイスラムと世俗の対立という見方が強まりました。
 そういう面はあります。イスラム強権に対する警戒です。しかしながら、現地では価値観の対立というよりも、イスラム政党と世俗諸勢力の一種の政治的闘争という見方も出ています。
 広く民衆に支持されるイスラム政権と、それをおもしろく思わない一部財閥階層との対立ともいわれます。ともあれ理由は一つではなさそうです。
 こんな見方もあります。平和的なデモが起き、それに対し政権側が暴力的制圧はできるだけ抑え、対話も持ち出したのは成熟した民主主義の表れではないかというのです。
 いや、そういう言い方は失礼かもしれない。トルコにはトルコの民主主義があります。トルコ国民のつくる民主主義です。
 イスラム政権が誕生し、経済も伸長したのは、その証しではないでしょうか。欧米の新聞は中東の模範生などと書きました。ただしイスラム国だからという偏見はもちたくないものです。

◆互いを認める政治に
 アラブの春は、なお混乱の中。しかしそれぞれの民主主義を育てる揺籃(ようらん)期なのかもしれません。
 千年以上の歴史をもつイスラム的価値観が、西欧の世俗的価値観に劣るわけではむろんなく、世界史的に見れば欧米型の民主主義が絶対に優れていると言い切れるわけでもないでしょう。
 システムの良しあしは、結局、それをどう使うかです。
 イスラム主義も世俗主義も人間を尊重することに変わりはありません。イスラム主義と世俗主義が互いに押しつけ合うだけでは争いは続くばかりです。
 イスラムと世俗の間は対立ではなく、互いの存在と考え方を認め合わねばならないのです。

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 6月 25 日(火)付
区割り再可決―国会丸ごと不信任だ

 こんな泥仕合を見せられては、与野党に丸ごと不信任を突きつけたくなる。
 衆院はきのう、小選挙区の「0増5減」に伴う新区割り法を与党の3分の2の賛成で再可決し、成立させた。参院は4月に法案を受け取ったにもかかわらず、60日間審議をせず、否決したものと見なされた。
 衆院小選挙区の「一票の格差」が最高裁で「違憲状態」と断じられたのは、一昨年春のことだ。それから総選挙をはさんで2年あまり。国会が出したたったひとつの答えが、この「0増5減」の新しい区割りだ。
 私たちは社説で「0増5減」について、投票価値の平等に向けた抜本改正に進むまでの「緊急避難的な措置」と位置づけ、一刻も早い実現を求めてきた。
 たとえ最低限の帳尻あわせであっても、「違憲状態」にひとまず区切りをつけないことには、腰を据えた検討作業に進むのは難しいと考えたからだ。
 だが、各党には、そんな真摯(しんし)な議論をするつもりは、さらさらなかったようだ。
 参院で与野党は、この法案の審議や採決をする、しないでもめ続けた。「0増5減だけでは抜本的な解決にはならない」という野党側の言い分もわかるが、ならば堂々と審議の場で主張すればいい。
 議会としてあたりまえの審議をせぬままに、会期末を目前に控えた与野党は、有権者にはまったく理解できない駆け引きを繰り広げた。
 民主党の予算委員長が、首相の出席が見込めないまま予算委員会を開くことを決める。与党はこれに対抗するかのように、民主党の参院議長の不信任決議案を提出する。
 ともにその狙いは、参院選を控えて相手の非をアピールすることだ。だが、そのあげくに衆院に再可決を許してしまったのでは、参院の自殺行為と言われても仕方ない。
 肝心の選挙制度改革については、衆参両院ともに議論を参院選後に先送りだ。
 来月の参院選は、昨年の臨時国会で成立した「4増4減」の新しい定数配分で行われる。一票の格差は5倍近くのままで、選挙後に無効を求める訴訟が起こされる見通しだ。
 一方、昨年の衆院選をめぐる無効訴訟の最高裁判決は、この秋に見込まれている。
 国会はつまるところ、最高裁から「違憲、選挙無効」の最終通告を突きつけられない限り、何もできないのか。
 「国権の最高機関」の、あまりにもむなしい姿である。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130625/stt13062503380004-n1.htmより、
産経新聞【主張】「0増5減」成立 抜本改革やる気あるのか
2013.6.25 03:38

 衆院小選挙区の「0増5減」の区割り改定を行う改正公職選挙法が憲法の規定で「みなし否決」され、衆院の3分の2以上の賛成による再可決で成立した。
 「一票の格差」を放置したまま行われた昨年12月の衆院選に対しては、「無効」「違憲」の厳しい高裁判決が相次いだ。0増5減は、これに対処するため「格差」を2倍未満に抑える最低限の措置だ。与党が再可決を行ってでも成立させたのは当然だ。
 みなし否決を経た衆院の再可決は、平成20年4月に福田康夫内閣で揮発油(ガソリン)税の暫定税率を復活させる改正歳入関連法以来、5年ぶりだ。
 「0増5減」は緊急避難措置であるにもかかわらず、法案は参院で60日以上も放置された。立法府としてこのうえない怠慢の責任は、他の野党を巻き込んで先行処理に反対した民主党にある。
 さらに、これをスタートに抜本的な選挙制度改革や定数削減を行わなければならないのに、その方向性は何ら決まっていない。今国会で結論を出すとしていた自民、公明、民主の3党をはじめ、与野党の責任もまた大きい。
 与野党の実務者協議では、現行の制度の手直しから中選挙区制まで、意見はバラバラだった。比例代表で中小政党に議席を優先配分する「連用制」「優先枠」など投票結果に人為的操作を加える案も出され、混乱を極めた。
 昨年11月の3党合意は、抜本改革と定数削減について今国会で「結論を得た上で必要な法改正を行う」と明記していた。特に定数削減については、消費税増税など国民に新たな負担を求めるにあたり、政治がまず身を切る姿勢を示す目的があったはずだ。
 約束を守れなかった3党は、なぜできなかったのか、今後どうするのか、国民に明確に説明しなければならない。
 具体的には首相の諮問機関、選挙制度審議会を「第9次審」として始動させ、期限を区切り結論を求めるしかないのではないか。第8次審は平成2年、衆院に小選挙区比例代表並立制を導入することを答申し、曲折を経て8年から現行制度で衆院選が実施された。
 民主主義の土俵づくりを議員が放棄し、第三者に委ねるのはなさけなくもある。だが自らの手でまとめられず、先送りを繰り返すなら国民の不信は増すばかりだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000132.htmlより、
東京新聞【社説】0増5減成立 弥縫策を繰り返しては
2013年6月25日

 衆院小選挙区定数を「〇増五減」するための新しい区割りを盛り込んだ改正公職選挙法が成立した。しかし「一票の不平等」解消には程遠い。国会は抜本改革に踏み込まなかった怠慢を猛省すべきだ。
 「〇増五減」とは何か。
 一票の格差が二倍を大きく超えた二〇〇九年衆院選を、最高裁が一一年三月の判決で「違憲状態」としたことに対する、最低限の是正である。本来なら一二年十二月に行われた衆院選前に処理しておくべきものだ。
 この不平等を放置し、違憲状態のまま突入した一二年の衆院選にも「一票の不平等」訴訟が提起された。すでに多くの高裁が「違憲」判決を出し、そのうち二つの高裁は選挙「無効」に踏み込んだ。
 安倍晋三首相は改正法成立後の国会答弁で「一票の格差は解消したものと考える」と胸を張った。
 しかし、〇増五減をしても、一〇年の国勢調査後の人口移動で格差はすでに二倍を超えたとの試算もある。二倍近い格差を残したままで平等か、という議論もある。
 一票の不平等は参院でより顕著だ。昨年「四増四減」の是正をしたが格差は依然四・七五倍ある。
 弥縫(びほう)策を繰り返してはいつまでも不平等はなくならない。より踏み込んで、法の下の平等を追求するのは国会の責務ではないのか。
 くり返し主張してきたが、選挙制度の抜本改革は、首相の諮問機関の選挙制度審議会のような第三者機関に委ねるしかあるまい。
 今国会中に結論を出すと合意した定数削減や抜本改革に関する協議が遅々として進まなかったように、各党間の協議に委ねていてはいつまでも結論が出ないからだ。
 立法府の根幹にかかわる選挙制度を行政府に委ねることに抵抗感があるのなら、議長の下に諮問機関や協議機関をつくってもよい。
 この際、衆参双方の選挙制度をそれぞれの位置付けや役割分担に踏み込んで抜本的に見直してはどうか。衆参両院の定数もただ減らせばいいものではなく、抜本改革の中で適正水準を決めるべきだ。
 衆院小選挙区は限りなく格差一倍に近づくよう区割りをするか、それが困難なら死票の多い小選挙区から、比例代表制などに移行するのも選択肢だろう。
 年間三百二十億円を共産党以外の政党に配分している政党交付金も見直し対象にすべきだ。政党収入の多くを交付金が占めて、もはや「国営」と化した政党に、国民の側に立った政策が実現できるかどうか、甚だ疑問だからである。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56597290V20C13A6EA1000/より、
日経新聞 社説 さらなる1票の格差是正を
2013/6/25付

 衆院の小選挙区を「0増5減」し、1票の格差を是正する改正公職選挙法が成立した。
 参院に送付されてから60日たっても採決されなかったため、与党は憲法59条の「みなし否決」の規定を適用して、衆院での3分の2以上の賛成で再可決した。0増5減は1票の格差是正のために、国会が果たすべき最低限の責務であり、再可決は当然である。
 参院で審議しなかったのは、野党の怠慢というしかない。とりわけ昨年の衆院解散時に自民、公明両党と3党合意を交わした際、0増5減に賛成した民主党が、法改正を阻んだのは理解に苦しむ。
 0増5減は緊急避難であり、問題をはらんでいる。最高裁が求めた、都道府県にまず1議席ずつ割り振る1人別枠方式の廃止に、きちんとこたえていないからだ。
 山梨、福井、徳島、高知、佐賀5県の定数は3から2に減り、2009年の衆院選で最大2.30倍だった格差は2倍未満に縮小した。しかし別枠方式を廃止して、人口比例で議席を配分すれば定数が1に減る鳥取などには手をつけなかった。
 最高裁は違憲状態で実施された昨年の衆院選の1票の格差について、年内に判決を下す見通しだ。高裁段階では0増5減では不十分との指摘も出ており、最高裁が同様の判断を示す可能性もある。
 国会は最高裁判決を待たずに、別枠方式を完全に解消する、より踏み込んだ1票の格差の是正案を取りまとめなければなるまい。
 3党合意で、今通常国会中に実現すると約束した定数削減は先送りされた。解散時期をめぐる駆け引きの中での合意だったとはいえ、3党は安易に約束したことを深く反省する必要がある。他党も1党だけでは実現できない定数削減について、人気取りのために選挙公約に掲げるのは慎むべきだ。
 定数削減は各党の利害が絡み、合意点を探るのは容易でない。衆参両院の抜本的な選挙制度改革の論議と合わせ、腰をすえて取り組むべき課題だろう。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130625k0000m070122000c.htmlより、
社説:0増5減法成立 許せぬ無責任な幕引き
毎日新聞 2013年06月25日 02時31分

 これだけで幕引きでは責任放棄に等しい。違憲状態にある衆院小選挙区「1票の格差」を是正する「0増5減」の改正公選法が衆院で3分の2以上を占める与党などの賛成多数で再可決され、やっと成立した。
 0増5減をすみやかに実施したうえで衆院の選挙制度改革に向けた協議を進め、定数削減の結論を出すことが各党に今国会で課せられた使命だった。ところが閉会直前まで先送りされたあげく、与野党は批判の泥仕合を演じている。まさに醜態だ。
 公選法改正案は4月23日に衆院を通過した。にもかかわらず民主党は参院での採決を引き延ばし、60日間を経て否決したとみなしての衆院再議決となった。与党も参院議長の不信任決議案を提出するなど混乱を加速させた。いずれも責任政党とかけ離れた姿である。
 これまでにも指摘したように0増5減は高裁で無効判決すら出た昨年衆院選への最高裁判決を控え、2010年国勢調査ベースで格差を2倍未満に抑える最低限の応急措置だ。
 0増5減では各都道府県にまず1議席を配分する「1人別枠」方式が最高裁の廃止要求にかかわらず事実上温存される。是正が実現しても複数の選挙区ですでに格差は2倍を超したとの試算もある。安穏と次期衆院選を迎えられる状態ではない。
 比例代表など衆院の定数削減も与野党の対立が解けず、今国会で結論を得るとした昨年11月の自公民3党合意はほごにされる。中小政党への配慮や方法をめぐり議論が暗礁に乗り上げてしまったためだ。
 「1票の格差」問題とは別に、政界には小選挙区制自体の見直しを主張する声もある。さまざまな糸がもつれあい、選挙制度改革は身動きが取れなくなっているのだ。
 すでに6度の選挙が実施された小選挙区制の功罪を点検すべき時期に来ているのは確かだ。だが、2大政党と多党制のいずれを志向するかなど、選挙制度は政治のあり方に直結する。現行制度を基本としてさらに踏み込んだ格差是正や定数削減を行い、小選挙区制の検証を並行して進めていくのが現実的ではないか。
 「1票の格差」は参院も衆院以上に深刻で、「1人区」の存否も含めた抜本改革を迫られている。衆院と似た原理で議員が選ばれ、広範な権限を持つ現在の参院のあり方が果たして妥当か。衆参両院の機能分担に関する議論も持ったなしだ。
 だからこそ、選挙制度改革は権威ある第三者機関による議論が望ましい。国会議員だけに問題を任せられないことは今回、ますますはっきりした。与野党に危機感があるのならせめて、機関設置と改革の期限だけでも早急に合意すべきである。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013062400422より、
「0増5減」法成立=衆院で再可決-安倍首相「違憲状態解消」

 衆院小選挙区を「0増5減」して区割りを変更する改正公職選挙法は24日午後、成立した。参院で採決されなかったことを受け、憲法59条の「みなし否決」規定を適用、衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの3分の2以上の賛成で再可決した。
 同法は、2009年の衆院選の際に最大で2倍を超えた小選挙区の「1票の格差」を是正するため、福井、山梨、徳島、高知、佐賀の5県で定数を1ずつ削減するなどし、10年国勢調査に基づく格差を最大で1.998倍に抑えた内容。安倍晋三首相は24日の衆院本会議で「これにより違憲とされる状態が解消された」と成立を歓迎した。
 区割り法の成立で国会は、最高裁が「違憲状態」と指摘した格差の是正について、最低限度の措置を講じたことになる。ただ、これには「弥縫(びほう)策にすぎない」との批判が強く、なお抜本改革に向けた与野党の取り組みが求められそうだ。
 同法をめぐって衆院本会議ではまず、参院が否決したとみなす動議を可決。その上で、3分の2以上の賛成で再可決した。「みなし否決」による再可決は、2008年4月以来5年ぶりで3例目。
 一方、参院議院運営委員会は24日の理事会で、与党が提出した平田健二参院議長の不信任決議案の扱いを断続的に協議し、26日の本会議で採決することで合意した。不信任案は野党の反対多数で否決される見通しだ。
 また、民主党は24日の役員会で、与党が同日の参院予算委員会への出席を拒否したことに関して海江田万里代表や細野豪志幹事長らが対応を協議。しかし、結論が出ず、内閣不信任決議案や参院への首相問責決議案提出の是非を含め、海江田、細野両氏に一任した。
 参院予算委は24日夜、理事会を開き、首相出席の下での集中審議の25日開催を石井一委員長が再び職権で決めた。政府・与党は24日と同様に欠席する方針だ。(2013/06/24-22:41)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013062400847より、
抜本改革置き去り=国民不在の与野党攻防-衆院選挙制度

 衆院小選挙区を「0増5減」して区割りを変更する改正公職選挙法は24日、衆院での再可決により成立した。同法は終盤国会で与野党の駆け引き材料となり、参院では全く審議が行われないという「国民不在」の対応となった。さらに、自民、民主、公明3党は、定数削減を含む衆院選挙制度の抜本改革について今国会中に結論を出すことで合意していたが、ほごにした。
 「定数削減になぜ手を付けないのか。言い訳は聞きたくない」。24日の衆院本会議で民主党の野田佳彦前首相は、安倍晋三首相に厳しく迫った。
 民主党政権下の昨年11月の党首討論で、当時首相だった野田氏と自民党総裁の安倍氏は、衆院解散と引き換えに、今国会中に衆院定数削減の結論を得ることを「約束」。野田氏は「だました人が悪いのか、だまされた私が悪いのか」とも述べ、首相を挑発した。
 与党が定数削減を含む抜本改革に慎重な背景には、昨年12月の衆院選をめぐって各地の高裁で違憲判決が相次ぎ、0増5減による「1票の格差」是正を優先させたことがある。衆院選で圧勝した与党にとって、選挙区の大幅見直しが想定される抜本改革に取り組めば、候補者調整の面で深刻な内部対立を招くという事情もある。与野党は選挙制度改革に関する実務者協議を25日も開くが、接点を見いだすのは困難だ。
 抜本改革に関する野田氏の質問に対し、首相は「各党各会派が責任を持って真摯(しんし)に建設的な議論を進め、早期に結論を得る努力が必要だ」と従来の答弁を繰り返した。首相に抜本改革をリードする意欲はみられず、与党内にも秋の臨時国会での法改正を迫る民主党の要求に応じようとする空気は乏しい。
 「0増5減の食い逃げだ」。再可決を求める与党動議に対する衆院本会議の反対討論で、民主党の泉健太氏はこう批判した。
 一方、昨年の衆院解散前に0増5減関連法に賛成しながら、同法を基にした区割り変更法に反対した民主党の対応も分かりにくい。民主党には、参院選を前に「身を切る改革」に及び腰な与党の姿勢を浮き彫りにする狙いがあったが、「政局優先」との批判は免れない。(2013/06/24-21:34)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013062401001600.htmlより、
区割り法が衆院本会議で成立 09年以来の再可決
2013年6月24日 18時02分

 衆院小選挙区定数「0増5減」に伴い区割りを改定する改正公選法は24日の衆院本会議で、自民、公明両党などの3分の2以上の賛成多数により再可決され成立した。1選挙区当たりの人口最大格差は現行2・52倍から1・998倍に縮小し、最高裁が問題視する「2倍以上」をわずかに下回る。再可決は麻生政権当時の2009年6月以来で、野党は反発。今国会最大の課題だった同法の成立を受け、7月に予定される参院選へ与野党の攻防が本格化する。
 区割り法は4月に衆院を通過したものの、参院では与野党対立の影響により採決されなかった。参院送付から60日以内に議決されない場合に法案否決とみなす憲法の規定が適用された。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130624/k10015534651000.htmlより、
区割り法案 衆院で再可決・成立
6月24日 15時28分

衆議院の小選挙区の区割りを見直す法律は、衆議院本会議で、憲法59条に基づいて、改めて採決が行われ、3分の2以上の賛成多数で再可決されて、成立しました。
衆議院の小選挙区の区割りを「0増5減」の法律に基づいて見直す法案は、参議院に送られてから60日がたった今月21日までに、参議院本会議で採決が行われず、午後1時からの衆議院本会議で、憲法59条に基づき、参議院で否決されたとみなすことが決まりました。
自民・公明両党は、法案が参議院から戻ってきたのを受けて、再議決を求める動議を衆議院に提出し、改めて開かれた衆議院本会議で、各党による討論が行われました。
この中で、自民党は、「これ以上、立法府が怠慢を続けるわけにはいかない。いたずらに国会の意思決定に時間をかけた時の最大の被害者は国民であり、一刻も早く違憲状態の1票の格差を解消すべきだ」と述べました。
民主党は、「参議院でこの法案を議決できなかった原因は、与党の無責任で残念な態度にある。自民党はたった0増5減にきゅうきゅうとし、本来行うべき定数削減などになぜ主導権を発揮しないのか。与党による『0増5減法案』の食い逃げだ」と述べました。
そして、記名投票による採決の結果、区割りを見直す法律は、賛成384票、反対91票で、3分の2以上の賛成多数で再可決されて、成立しました。
採決では、自民・公明両党に加えて、ことし4月の衆議院本会議の採決を欠席した日本維新の会が、「違憲状態の1票の格差を放置するわけにはいかない」として賛成しました。
参議院に送られた法案が60日たっても採決されず、参議院で否決されたとみなして衆議院で再可決されたのは、平成20年の、ガソリン税などの暫定税率を維持するなどとした税制関連法以来、5年ぶり、3例目です。
一方、参議院予算委員会は、石井委員長が職権で、午前9時から経済政策などについて集中審議を行う日程を決めていましたが、安倍総理大臣をはじめ閣僚や、与党側の委員は、平田参議院議長に対する不信任決議案が提出されていることを理由に欠席しており、24日の審議は行われない見通しです。

「0増5減」の区割り法とは
成立した衆議院の小選挙区の区割りを見直す法律は、小選挙区を5つ減らして1票の格差を是正する「0増5減」の法律に基づき、政府の審議会が勧告した新たな区割り案を実現するものです。
具体的には、「0増5減」の法律で小選挙区が「3」から「2」に減る▽福井▽山梨▽徳島▽高知▽佐賀の5県、全国で人口が最も少ない鳥取県、鳥取県の新たな区割りで、人口が少ない方の新鳥取2区を基準として、これよりも人口が少なくなる▽青森▽岩手▽宮城▽茨城▽和歌山▽愛媛▽長崎▽熊本の8県、新鳥取2区を基準として、人口の格差が2倍以上となる▽千葉▽東京▽神奈川の3都県の合わせて17都県の42選挙区で区割りが見直されます。
この結果、平成22年の国勢調査の人口に基づく1票の格差は、最も人口が少ない新鳥取2区と最も人口の多い新東京16区との間で最大1.998倍となり、見直し前の最大2.524倍から改善されます。
この法律は、公布されてから1か月の周知期間を経て施行されます。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013062101001498.htmlより、
区割り法案、みなし否決の公算 衆院で再可決へ
2013年6月21日 12時01分

 参院議院運営委員会は21日、衆院小選挙区定数「0増5減」に伴う区割り改定法案を同日の参院本会議では採決しないと決めた。参院送付から60日以内の採決が見送られたため、憲法の規定に基づき「みなし否決」となる公算が大きくなった。与党は24日に衆院で再可決して成立させる方針だ。
 区割り法案は21日の参院政治倫理・選挙制度特別委員会で審議入りする予定。ただ、与党が轟木利治委員長(民主党)の不信任動議を提出しており、動議の扱いをめぐって混乱する可能性もある。
 議運委で与党は、区割り法案を特別委で採決した後に21日中の本会議で採決するよう提案したが、野党が反対多数で否決した。(共同)

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56597260V20C13A6EA1000/より、
日経新聞 社説 新基準を第一歩に原発の安全を競え
2013/6/25付

 原子力規制委員会が原子力発電所の新規制基準を決定した。7月8日に施行される。
 東京電力福島第1原発の事故を受けて、核燃料が溶けるといった過酷な事故への対策などを電力会社に義務づけた。原発の寿命を原則40年と定めた。
 新基準は原発の再稼働に道を開く。同時に基準適合が難しい原発をふるいにかける役割を担う。新基準を満たすための多額の安全投資が引き合わない原発は廃炉の判断を迫られることになるだろう。
 この新基準を電力会社には安全確保への必要最低限の要求と心得てもらいたい。
 日本原子力産業協会の服部拓也理事長はスロバキアの原発を訪れて驚いたという。過酷事故対策を完了、事故時に50人が5日間たてこもって対処する第2制御室も備えていた。日本ではこれからだ。
 日本の原発の安全確保は世界水準から周回遅れだ。電力会社も規制当局も「安全神話」に慢心し必要な努力を怠った。加えて日本は地震など自然災害のリスクが欧米より大きい。電力各社には規制基準を満たしたうえで、さらに高い水準を目指し互いに安全を競い合う前向きな姿勢が求められる。
 規制委は発足9カ月で4千ページに達する新基準をつくった。しかし完璧な基準というものはない。総合的な観点から不足は補い、不要な事項は省くなど、常に基準を見直し最善を心がける必要がある。
 基準づくりの過程では、規制委と電力会社や立地自治体との間で十分な対話を欠いていた。よい基準をつくり、厳しい審査をすることだけが規制委の仕事ではない。原子力規制への信頼回復こそ最も大事な使命のはずだ。コミュニケーション不足ではその達成はおぼつかない。改めてもらいたい。
 安全を守る最後の砦(とりで)は人間だ。東日本大震災の時、福島第2原発では増田尚宏所長(当時)が所員らに「帰宅しないでくれ」と呼びかけた。福島第1も第2も東電や協力企業の従業員の懸命の働きで、さらに深刻な事態に陥るのを回避した。自衛隊や消防、警察の支援も大きかった。
 再び同様の事故に直面した際、社員や隊員を現場に飛び込ませることができるか。この備えと覚悟なくして世界最高水準の安全はありえないだろう。新基準の要求を超えることかもしれないが、電力会社や政府には真剣に対応を考えてもらいたい。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 6月 22 日(土)付
大飯原発―関電は規制委に従え

 国内でいま運転している原発は、関西電力の大飯原発3、4号機だけである。その暫定的な稼働について、原子力規制委員会は、9月の定期検査まで続行を認める方向を固めた。
 原発の新規制基準が7月8日に施行されると決まったばかりだ。本来はその前に止めるのが筋ともいえるが、規制委は「新基準におおむね適合している」との評価を下す見通しだ。
 夏の電力ピークを前に、「あえて止めるほどの問題があるかどうか」を吟味した現実的な対応であろうし、新基準との整合性をチェックした努力のあとも認められる。
 それでも、「重要施設の真下に活断層があるのではないか」という専門家からの指摘について、結論を先送りしたままの継続容認は納得できない。
 もし活断層であるとの結論になるなど重大な問題が出れば、たとえ定検直前であっても直ちに運転を止めねばならない。
 それは規制委の田中俊一委員長自身がかねて明言してきたことでもある。もちろん、大飯だけでなく、どの原発でも、新基準による正式審査ではこうした先送りは許されない。
 規制委以上に問題なのは、関電の不誠実な対応だ。
 規制委の評価書案では「対策を小出しに提案して新基準を満たす最低線を探ろうとするかのような姿勢」と批判された。
 活断層かどうかを判断しようにも、関電による地質調査が遅々として進まず、データが出てこなかった。
 耐震性を評価する上で周辺の三つの活断層が一緒に動く場合を考えるようにと規制委が求めても、関電は強く難色を示し、1カ月以上応じなかった。
 「しょせん規制委に大飯を止めることはできないだろう」とたかをくくっているようにも見えた。安全を最優先に考えている企業とは思えない。こんな対応しかできないのならば、関電に原発を動かす資格はない。
 これまで原子力の安全については、技術面で詳しい電力会社が規制当局を都合よく操った面があった。福島原発に関する国会事故調査委の黒川清委員長が「規制のとりこ」と呼んだ現象で、日本では原発の監督機能が崩壊していたと指摘した。
 規制委は曲がりなりにも、そうした反省を生かそうとしている。電力会社は古い考えを捨てて、規制委に完全協力し、できる限り高度な安全を確保する姿勢に転じねばならない。
 国民が電力会社を見る目は今も厳しい。その現実をよく考え、猛省すべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130620/plc13062003410001-n1.htmより、
産経新聞【主張】原発新基準 再稼働へ柔軟な運用を 迅速審査で電力不足解消せよ
2013.6.20 03:41 (1/4ページ)

 国内の全原発に対して新たな安全対策を義務づける新規制基準が正式に決まった。
 東日本大震災の巨大津波で炉心溶融と水素爆発を起こした東京電力・福島第1原子力発電所の事故を踏まえて新設された原子力規制委員会の手になるものだ。
 これまでの安全体系の抜本改革をうたっているが、対策はハード面に偏り、しかも規制の大幅な拡充と強化によって実現しようとする危うさをはらむ内容だ。
 原子力発電の真の安全性向上とエネルギー安全保障にどこまで資するか、大いに疑問である。
 新基準の運用には規制委と原子力規制庁の良識が不可欠だ。それを欠くと、国の生命線であるエネルギー政策が破綻する。

 ≪40年規制の枠はめるな≫
 地震に強い免震棟を用意することや電源喪失に備えての電源車配備などは重要だが、全体として厳しすぎる規制色が軽減されることなく了承された。
 新基準には、民主党時代の反原発色が温存されている。原発の運転を40年で打ち切ることもその一例だ。一度に限って最大20年間の延長を認める措置も設けているが、認可の見通しは不透明だ。
 原発では大部分の設備が新品に置き換えられていくので、全体の経年劣化は起きにくい。それを考えると、一律に40年規制の枠をはめることに意味はない。40年超の運転を目指す原発の方が、堅牢(けんろう)性で優れているのは自明だ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130620/plc13062003410001-n2.htmより、
2013.6.20 03:41 (2/4ページ)
 また、規制委の思惑次第で、40万年前まで遡(さかのぼ)り得る活断層の認定も問題だ。それに加えて「可能性が否定できない」という論理の横車が押されると、既存の原発の多くで重要施設が活断層の上に建っていることになりかねない。
 これらの2大難点に挟撃されているのが、日本原子力発電の敦賀発電所(福井県敦賀市)だ。1号機は40年規制、2号機は活断層認定で窮地に立たされている。
 規制委は強い独立性が保障された組織なので、一部の委員に原発潰しの意図があれば、原発を廃炉や長期停止に追い込んだり、巨額の費用が必要な対策工事を求めたりすることも可能である。
 新規制基準に照らして行われる原発の安全審査には、弾力性と迅速性が求められる。
 新基準は、7月8日に施行される。原発再稼働のための審査の早期申請を目指す電力会社は、四国電力や九州電力など、少なくとも4社を数える見通しだ。
 電力会社が急ぐのは、原発の停止分をカバーする火力発電の燃料代が肥大しているためだ。家庭や工場に電気は滞りなく届いているが、各社の内情は火の車だ。
 現状で再稼働しやすい加圧水型のタイプの6発電所・12基から申請が予想されている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130620/plc13062003410001-n3.htmより、
2013.6.20 03:41 (3/4ページ)
 ≪現実に即した見直しを≫
 それに対して、原発審査の実務に当たる規制庁のチーム編成が貧弱だ。審査には半年程度かかるとされているが、それでは年内に再稼働する原発は、ごく少数しか望めない。今夏と冬の電力ピークを乗り切ることができるのか。
 審査にこれだけ長期を要するということは、基準自体が現実離れした法外な代物であることを自ら物語っていないか。審査の遅滞は許されない。
 世論の一部には、米国からのシェールガス輸入で原発を不要とする声もあるが、浅慮にすぎよう。輸入は4年先のことであり、量にも限りがある。今後も波乱含みの中東からの輸入に頼らざるを得ないのだ。国富が流出し、記録的な貿易赤字が一段と膨らむ。
 太陽光や風力などの再生可能エネルギーの実力では、二酸化炭素の排出も減らせない。エネルギー資源に乏しい日本では、好むと好まざるとにかかわらず、原発の利用が必要だ。ならば、前向きに安全活用に努めようではないか。
 7月から原発の審査にあたる規制庁のチームに対して、注文しておきたいことがある。上から目線にはならないことだ。
 原発の安全は、規制する側とされる側の二人三脚で高みを目指していくものである。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130620/plc13062003410001-n4.htmより、
2013.6.20 03:41 (4/4ページ)
 新基準を実際に適用すると、現実にそぐわない部分も頻出するだろう。その際には、世界に誇れる改善を目指しての改定が必要だ。電力会社も遠慮なく改善への提案を行うべきである。
 強権的な規制基準の硬直化と横行を放置すると、安全文化を蝕(むしば)む新たな危険の根がはびこる。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130620k0000m070123000c.htmlより、
社説:原発新規制基準 厳正な審査を徹底せよ
毎日新聞 2013年06月20日 02時30分

 原子力規制委員会が原発の新規制基準を決定した。東京電力福島第1原発事故のような過酷事故対策や地震津波対策の強化などを電力会社に義務付け、既設原発に対しても最新の安全対策を課す「バックフィット制度」も盛り込んだ。閣議決定を経て、7月8日に施行される。
 施行後は、原発再稼働を急ぐ電力各社から規制委に対し、新基準への適合審査の申請が相次ぐだろう。規制委の田中俊一委員長は「国際的に見てもきちんとした体系ができた」と言うが、審査が厳正に行われることが大前提となる。規制委の真価が問われるのはこれからだ。
 田中委員長は「(電力会社の)経営的な問題は、考慮しない」とも述べている。これは当然のことだ。透明性を確保するため、審査過程は全面的に公開してほしい。
 電力会社も、新基準は最低限の対策であり、原発の安全性向上に向けて自主的な取り組みの継続が求められることを忘れてもらっては困る。
 新基準の施行にあたり、規制委とその事務局の原子力規制庁は、安全審査チームを三つ作ることにした。総勢では80人規模となる。規制庁は一つの原発の審査に少なくとも半年程度はかかるとみている。
 これに対し、茂木敏充経済産業相からは、原発再稼働が「(早ければ)今年の秋になる」との発言が飛び出した。安倍政権が閣議決定した成長戦略には、新基準に基づき安全性が確認された原発の再稼働を進めることが明記された。電力会社も審査の効率化を要望している。安倍政権も電力会社も、一日でも早く再稼働にこぎつけたいのが本音だろう。
 そうした中、規制委の田中委員長は、審査チームの運用を「全体として効率よくできるよう工夫する」との考えを示した。だが、効率化を図るあまり審査に見落としが出るようなことがあっては、本末転倒だ。
 新基準は従来の安全規制を抜本的に見直すものだ。規制委は新基準の施行に先立ち、運転中の関西電力大飯原発3、4号機の適合状況を事前確認中だが、新設原発の過去の安全審査は複数年かかっていた。既存原発の審査といえど、過酷事故対策など従来になかった項目も多い。審査にあたっては、効率よりも安全性の確保を優先してもらいたい。
 地元の同意や地域防災計画が策定されていることが再稼働の前提条件となるのは、言うまでもない。
 新基準の施行は、原発を安全性というふるいにかけて、適合できない場合は退場してもらう時代の幕開けを告げるものでもある。廃炉がスムーズに進む枠組み作りに本腰を入れて取り組むことこそが、安倍政権には求められている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130625/stt13062500200002-n1.htmより、
初の電話・ネット同時調査 内閣支持率は電話=60%に対しネット=47%
2013.6.25 00:18 (1/2ページ)

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が22、23両日に実施した電話による合同世論調査で 安倍晋三内閣の支持率は60・7%となり、5月25、26両日実施の前回調査(65・6%)から4・9ポイント減少した。不支持率は6・1ポイント増の24・3%だった。産経新聞社は今回、電話と同じ質問を初めてインターネットでも実施。それによると、内閣支持率は47・4%、不支持率は22・0%だった。
 内閣支持率に差が出たのは、電話調査と異なり、ネット調査はあらかじめ「わからない・どちらとも言えない」を選択肢として明示したためとみられる。ネット調査はこの数値が30・6%だったのに対し、電話調査は15・0%だった。
 両調査の比較を行った静岡大情報学部の佐藤哲也准教授は「ネット調査の47・4%が熱心な安倍内閣支持層で、電話調査との差13・3ポイント分が浮動層の支持ではないか」と分析している。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130625/stt13062500200002-n2.htmより、
2013.6.25 00:18 (2/2ページ)
 一方、政策などの項目では両者ともほぼ同じ傾向がみられた。安倍政権による経済政策「アベノミクス」は、電話調査で「評価する」が51・8%、「評価しない」が37・2%で14・6ポイント差。ネット調査は「評価する」が40・7%で、「評価しない」の27・3%との差は13・4ポイントだった。
 7月予定の参院選で最も重視する政策は、電話、ネットの両調査とも上位の並びは同じで、景気・経済対策(電話32・1%/ネット40・7%)、社会保障(27・1%/15・6%)、外交・安全保障(7・6%/8・8%)の順だった。
 参院選の比例代表で、どの政党、候補者に投票するかについては、電話調査は自民42・2%、民主8・4%、公明6・7%、日本維新6・5%、みんな4・6%など。ネット調査も自民が34・6%でトップだったが、2位は維新の7・7%で、民主6・8%、みんな5・7%と続いた。
 佐藤氏は両調査を比較して「ネットの調査は偏っていると言われていたが、おおむね電話調査と同じような結果となった。それだけネット利用が普及し、一般化したことの表れではないか」と話している。

≪再掲≫
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20130527-00000788-fnn-polより、
アベノミクスに期待6割以上、先行き不安半数以上 FNN世論調査
フジテレビ系(FNN) 5月27日(月)12時29分配信

FNNがこの週末に行った世論調査で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」に期待する人が6割以上と、高い水準で推移する一方、先週の株価の乱高下を受け、先行きに不安を感じている人も、半数以上にのぼることがわかった。また、日本維新の会の橋下共同代表の、いわゆる「従軍慰安婦」発言を不適切だと回答した人は75%を超えた。
26日までの2日間、全国の有権者1,000人から回答を得た電話調査によると、安倍内閣の支持率は65.6%で、前回に引き続き、わずかに下がったものの、依然高い水準を維持している。
「支持しない」は、18.2%だった。
一方、アベノミクスと呼ばれる経済政策に期待している人は、依然6割を超えているが(62.3%)、先週の株価の乱高下を受けて、アベノミクスの先行きに不安を感じている人は、半数以上にのぼり(55.7%)、今後の住宅ローンなどの金利の上昇に不安を感じる人も、6割を超えた(62.0%)。
また、景気回復を「実感していない」と答えた人も、前回同様、8割を超えている(80.3%)。
一方、日本維新の会の橋下共同代表の、いわゆる「従軍慰安婦」をめぐる発言については、75.4%の人が、党の代表として「不適切」だと回答し、橋下氏の発言で、日本維新の会のイメージが悪くなったと答えた人は40%余り(40.8%)、夏の参院選の比例代表の投票先として維新を挙げた人は、前回より4.4ポイント減って、6.4%となり、民主党(8.8%)に逆転された。
一方、拉致問題解決に向け、飯島内閣官房参与が北朝鮮を訪問し、要人と会談したことに関しては、安倍政権の取り組みを「支持する」と答えた人が8割以上で(80.2%)、アメリカや韓国などから、連携への悪影響を懸念する声が出る中においても、拉致問題で日本が独自に北朝鮮と接触することは「必要」と思う人も、81.3%にのぼった。
さらに、夏の参院選で「憲法改正」が重要な争点となると回答した人は72%で、「憲法改正」自体に賛成の人は56.3%、憲法96条を改正し、改正の発議要件を衆参両院の3分の2以上の賛成から「過半数」の賛成に緩和することについては、前回の賛否が拮抗(きっこう)していた状況から変わり、今回は「反対」が52%となっている(賛成32.3%)。
最終更新:5月27日(月)12時29分

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130527/stt13052712490001-n1.htmより、
橋下氏の慰安婦発言「不適切」75% 維新支持も急落
2013.5.27 12:47 (1/2ページ)

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が25、26両日に実施した合同世論調査で、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の慰安婦に関する発言について、75・4%が「不適切」と回答した。「適切」は16・8%だった。維新は今夏の参院選比例代表の投票先としても前回調査(4月20、21両日)から4・4ポイント減の6・4%となり、民主党(8・8%)に抜かれて3位に転落。橋下氏の発言が維新への支持を急落させる格好となった。参院選比例の投票先のトップは自民党の45・0%だった。
 橋下氏が在日米軍に風俗業の活用を進言したことについても80・7%が不適切と答え、適切は12・2%にとどまった。橋下氏の発言を受け、みんなの党が維新との参院選での協力を解消したことには60・1%が妥当と回答した。参院選後に自民党が組む連立相手の政党としても、維新は前回(20・7%)からほぼ半減の10・7%となり、公明党の20・5%(前回比2・2ポイント増)に抜かれた。
 飯島勲内閣官房参与の訪朝をはじめとする安倍晋三政権の北朝鮮問題への取り組みについては80・2%が支持した。拉致問題解決に向け日本独自で北朝鮮と接触することも81・3%が必要と答えた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130527/stt13052712490001-n2.htmより、
2013.5.27 12:47 (2/2ページ)
 安倍首相の経済政策「アベノミクス」について「期待している」は62・3%(前回比3・2ポイント減)と、ほぼ横ばいだったが、最近の株価の乱高下を受けた今後の経済政策の先行きには55・7%が「不安に感じている」と答えた。住宅ローンなどの金利上昇の可能性についても「不安を感じている」が62・0%だった。
 憲法改正が参院選の重要な争点に「なる」とした回答は72・0%で前回より7・5ポイント上昇。憲法改正を目指す参院議員が改憲に必要な3分の2以上を占めることが「望ましい」との回答は54・6%で、前回(54・8%)とほぼ同様だった。
 ただ、憲法96条を改正し、衆参両院で改憲発議に必要な条件を「3分の2以上」から「過半数」に緩めることへの「反対」は52・0%(前回比7・3ポイント増)で、「賛成」の32・3%(同9・8ポイント減)を上回った。
 参院選から解禁となるインターネットを使った選挙運動に関しては、ネットの情報を投票の「参考にしない」(56・8%)との回答が、「参考にする」(39・3%)を上回った。
 安倍内閣の支持率は65・6%で、前回から1・9ポイント減だった。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130527/plc13052722400028-n1.htmより、
改憲勢力結集に影、自維連携派は10%に半減
2013.5.27 22:39 (1/2ページ)

 日本維新の会共同代表、橋下徹大阪市長の慰安婦に関する発言で維新への支持が急落したことは、安倍晋三首相(自民党総裁)が目指す参院選後の改憲勢力の結集に影を落としている。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、自民と維新の連携を望む回答が前回4月の20.7%から10.7%へと半減した。維新、みんなの党との連携を想定してきた首相は、戦略の練り直しを迫られている。
 慰安婦問題をめぐっては、自民と維新の軋轢(あつれき)が顕著になっている。
 「私たちは政府・与党が一体となってやっている。『二枚舌』とか、そういうご発言は気をつけてなさっていただきたいものだ」
 自民党の石破茂幹事長は27日の記者会見で、橋下氏が旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた河野談話に対する政府・自民党の姿勢を「二枚舌だ」と批判したことに反論した。
 合同世論調査では、参院選後の自民とみんなの連携を望む回答も前回並みの5.3%にとどまり、逆に「どの政党とも連携すべきでない」との回答が33.5%から41.5%へと8ポイントも増加。公明党との連立維持を望む意見も18.3%から20.5%に微増した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130527/plc13052722400028-n2.htmより、
2013.5.27 22:39 (2/2ページ)
 自民党を支持する保守層には、公明が反対しても、より保守色の強い維新やみんなと連携することにより憲法改正に道が開けるとの見方が強かった。首相も一時、「公明抜き」を検討したふしがある。
 ところが、維新は橋下氏の発言により失速し、一方のみんなは維新との選挙協力を解消し、参院選での連携先として民主党を模索している。このまま維新の失速や、みんなとの選挙協力が頓挫したままでは、改憲勢力の議席が憲法改正の発議に必要な3分の2に届かない可能性がある。
 公明党を除いた「自維み」による連携シナリオが風前のともしびとなったことを見透かしてか、公明党の井上義久幹事長は27日の大阪市内での講演で、自民党が単独過半数を獲得するのは困難だと指摘。その上で「よほどのことがない限り、自公政権は続く」と強調した。(水内茂幸)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130624/k10015542921000.htmlより、
安倍内閣の支持率 61%
6月24日 19時50分

NHKが行った世論調査によりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、61%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は、23%でした。
NHKは、今月21日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは4746人で、65%にあたる3060人から回答を得ました。
それによりますと、▽安倍内閣を「支持する」と答えた人は、61%だったのに対し、▽「支持しない」と答えた人は、23%でした。
次に、夏の参議院選挙について、どの程度関心があるか聞いたところ、▽「非常に関心がある」が28%、▽「ある程度関心がある」が51%、▽「あまり関心がない」が16%、▽「まったく関心がない」が3%でした。
そして、参議院選挙の投票に行くかどうか聞いたところ、▽「必ず行く」が60%、▽「行くつもりでいる」が28%、▽「行くかどうかわからない」が7%、▽「行かない」が3%でした。
また、8つのテーマを挙げて、参議院選挙で投票先を決めるにあたって重視したいと思うかどうか尋ねたところ、重視したいと思うと答えた人が、最も多かったのが、▽「経済政策」と、▽「東日本大震災からの復興」の82%で、次いで、▽「社会保障政策」の78%、▽「原発のあり方を含むエネルギー政策」の70%、▽「財政再建」の69%などとなりました。
さらに、参議院選挙の結果、自民党と公明党が参議院でも過半数を確保するのが望ましいと思うかどうか聞いたところ、▽「望ましい」が30%、▽「どちらかといえば望ましい」が31%、▽「どちらかといえば望ましくない」が14%、▽「望ましくない」が16%でした。
次に、安倍内閣の経済政策を評価するかどうか聞いたところ、▽「大いに評価する」が11%、▽「ある程度評価する」が56%、▽「あまり評価しない」が20%、▽「まったく評価しない」が7%でした。
また、景気が回復していると感じるかどうか聞いたところ、▽「感じる」が13%、▽「感じない」が48%、▽「どちらともいえない」が34%でした。
今の憲法を改正する必要があると思うかどうか尋ねたところ、▽「改正する必要があると思う」が29%、▽「改正する必要はないと思う」が25%、▽「どちらともいえない」が37%でした。
インターネットによる選挙運動について、参議院選挙の投票にあたって、どの程度参考にするか聞いたところ、▽「大いに参考にする」が4%、▽「ある程度参考にする」が26%、▽「あまり参考にしない」が36%、▽「まったく参考にしない」が25%でした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130624/k10015543091000.htmlより、
NHK世論調査 各党の支持率
6月24日 19時50分

NHKが行った世論調査によりますと、各党の支持率は、
自民党が45.6%、
民主党が8.1%、
日本維新の会が3.3%、
公明党が5.5%、
みんなの党が2%、
生活の党が0.4%、
共産党が2.4%、
社民党が0.7%、
みどりの風が0.1%、
「特に支持している政党はない」が23.7%でした。

≪再掲≫
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130610/k10015203031000.htmlより、
内閣支持率 やや下がり62%
6月10日 19時22分

NHKが行った世論調査によりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月より3ポイント下がって62%で、「支持しない」と答えた人は、2ポイント上がって20%でした。
NHKは、今月7日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは1628人で、62%に当たる1008人から回答を得ました。
それによりますと、▽安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月より3ポイント下がって62%となりました。一方、▽「支持しない」と答えた人は、先月より2ポイント上がって20%でした。
支持する理由では、▽「他の内閣より良さそうだから」が37%、▽「政策に期待が持てるから」が21%、▽「実行力があるから」が18%だったのに対し、支持しない理由では、▽「政策に期待が持てないから」が41%、▽「人柄が信頼できないから」が20%、▽「支持する政党の内閣でないから」が17%などとなっています。
次に、夏に行われる参議院選挙について、投票に行くかどうか聞いたところ、▽「必ず行く」が58%、▽「行くつもりでいる」が31%、▽「行くかどうかわからない」が7%、▽「行かない」が3%でした。
また、7つの政策課題を挙げて、参議院選挙で投票先を決める際に、非常に重視したいと思うかどうか聞いたところ、非常に重視する割合が最も多かったのが、▽「景気対策」の83%で、次いで、▽「社会保障制度の見直し」の72%、▽「財政赤字の削減」の68%、▽「原発を含むエネルギー政策」の63%、▽「外交・安全保障」の63%、▽「TPP=環太平洋パートナーシップ協定の問題」の40%、▽「憲法改正の問題」の35%となりました。
さらに、参議院選挙の結果、自民党と公明党が参議院でも過半数を確保するのが望ましいと思うかどうか尋ねたところ、▽「望ましい」が26%、▽「どちらかといえば望ましい」が38%、▽「どちらかといえば望ましくない」が15%、▽「望ましくない」が14%でした。
安倍内閣の経済政策を評価するかどうか聞いたところ、▽「大いに評価する」が9%、▽「ある程度評価する」が60%、▽「あまり評価しない」が20%、▽「まったく評価しない」が5%でした。
また、景気が回復していると感じるかどうか聞いたところ、▽「感じる」が11%、▽「感じない」が46%、▽「どちらともいえない」が37%でした。
さらに、今、物価の上昇に対する不安を感じるかどうか尋ねたところ、▽「感じる」が55%、▽「感じない」が15%、▽「どちらともいえない」が25%でした。
安倍総理大臣が打ち出した、1人当たりの国民総所得を10年後に150万円増やすことを目標とする経済の成長戦略が、経済の再生につながると思うかどうか聞いたところ、▽「つながると思う」が13%、▽「つながると思わない」が33%、▽「どちらともいえない」が45%でした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130610/k10015203041000.htmlより、
NHK世論調査 各党の支持率
6月10日 19時22分

NHKが行った世論調査によりますと、各党の支持率は、
自民党が41.7%、
民主党が5.8%、
日本維新の会が1.5%、
公明党が5.1%、
みんなの党が1.5%、
生活の党が0.1%、
共産党が2.2%、
社民党が0.4%、
「特に支持している政党はない」が34.6%でした。

http://mainichi.jp/area/news/20130624ddf012070025000c.htmlより、
今、平和を語る:憲法学者・早大教授、水島朝穂さん
毎日新聞 2013年06月24日 大阪夕刊

 ◇自衛隊は「国際災害救助隊」に 国益ではなく「地球益」見つめよ
 参院選の争点にあげられている改憲の先には、自民党の改憲草案に明記された国防軍の創設がある。これに対して、憲法学者で早大教授の水島朝穂さん(60)は、自衛隊を「解編」して「国際災害救助隊」を常設すべきだと提唱する。憲法の積極的平和主義を生かした「軍事力によらない平和づくり」を、水島さんに聞いた。

−−まずは、改憲の動きから。
 水島 憲法の本質は権力を拘束し、制限することにあります。その憲法を、国民の側からではなくて、統制されている権力者のほうが変えようというのですから、国民の納得できるプロセスが求められます。私は憲法を変える「三つの作法」と呼んでいますが、まずは変える側に「高度の説明責任」があります。次に「情報の公開と自由な討論」がなされなければならない。最後は「熟慮の期間」です。残念ながら安倍晋三首相は、目指すべき国家像から改憲の必要性に至るまで説得力のある根拠を示していません。「占領下で制定された」とか「我々の手で憲法をつくり時代を切り開いていく」などと、抽象的で観念的な理由を並べているだけです。

−−集団的自衛権の行使を容認しないと、日米同盟が崩壊するとの声もあります。
 水島 イラク戦争でもそうでしたが、このままではアメリカに見捨てられるという。ならばアメリカの誰が、日本を見捨てるというのですか。限られた政治家と軍事産業の関係者を除けば、アメリカ国内にはいろいろな意見があって、東アジアの安定を考えると日本は集団的自衛権を行使しないほうがいいと考える人だって少なくない。日米関係は将来的に、過度な軍事的関係から、もっと対等で豊かな関係に変えていくべきでしょう。

−−自衛隊の国防軍化は、違憲をなくすためだと言います。
 水島 軍隊を禁じた憲法のもとで実質的な軍隊が存在するのは矛盾です。それを解決する方法は二つあります。9条を明文で改正して軍隊にする。これはきわめて安易な解決法です。自衛隊がここまで大きくなり、矛盾も肥大化してきたので、明文改憲を行い国防軍にするというのが自民党です。

http://mainichi.jp/area/news/20130624ddf012070025000c2.htmlより、
 憲法施行後3年で朝鮮戦争が始まり、再軍備が求められる。でも、憲法改正をするにはハードルが高い。そこで、警察予備隊からはじまり、1954年に「自衛力」という考え方をひねり出した。自衛権がある以上「自衛のための必要最小限度の実力」は憲法上許されるという政府解釈です。60年近くこの解釈のもとに存在した自衛隊について、国民の評価は主に災害派遣が中心でした。PKO活動なども加わりましたが、「国防軍」となって海外で武力行使をするところまで支持があるわけではない。入隊時、「わが国を防衛すること……」と宣誓した自衛隊員も、長らく「専守防衛」の頭で活動してきた。客観的には違憲と分かっていても、憲法を変えて「国防軍」にすると言われると困惑してしまう。ここまで自衛隊でやってきたし、誇りを持っている、何も今さら「国防軍」にしなくてもいいと思っている自衛官は少なくないはずです。

−−そこで、自衛隊を解編して「国際災害救助隊」にする構想ですが、水島さんは21年前から訴えています。
 水島 矛盾のもう一つの解決法がこれです。もはや国益を突出させる「国益防衛軍」、略して「国防軍」は時代錯誤です。海外派遣にしても、非軍事の活動に徹して、国際的な公共福祉のため活動する。自衛隊を「解編」して「国際災害救助隊」にする構想は、64年にイギリスで制作され、日本でも何度となく放映されたテレビ人形劇「サンダーバード」(国際救助隊)から得ました。非戦と非武装に徹底した「国際災害救助隊」こそが、憲法の積極的平和主義にかなうと思います。

−−著書の「ベルリンヒロシマ通り」(中国新聞社)に「ニッポン国際救助隊法(第一次)案」を掲載しました。平和協力は海外の大規模な「自然災害」「環境破壊」「放射能汚染」「飢餓危機」「伝染病の蔓延(まんえん)」など多彩です。そのうえで<この目的を達するため、陸海空軍その他の戦力および軍隊類似組織の参加または協力は、これを認めない>とあります。
 水島 軍隊は国家が丸々持っていますが、「サンダーバード」は家族による救助隊だから国家に所属していません。国益ではなく、地球益のために出動するところは、「国際災害救助隊」もまったく同じです。

http://mainichi.jp/area/news/20130624ddf012070025000c3.htmlより、
−−今年3月に防衛省が製作した啓発ポスターは、なんと「サンダーバード」とコラボしたものでした。自衛隊の「国際協力活動」「災害救助活動」「自衛官募集」などの啓発ポスターです。
 水島 私が提唱している「サンダーバード」を取り入れたのは、「国防軍になります」では若者が集まらないと思ったからでしょうか。自衛官の家族のなかには、国防軍では話が違う、「サンダーバード」になるのは賛成だという方が少なくないと私は見ています。

−−編著の「きみはサンダーバードを知っているか」(日本評論社)で書かれました。<軍隊をもつ最大の理由は、「脅威」の存在である。それは結局のところ、相手が「何をするかわからない」という「不信」から発しているのである>
 水島 国防軍を保持すれば、他国に口実を与え、軍拡競争に拍車をかけるのは目に見えています。「現代軍事法制の研究」(日本評論社)を著したとき、哲学者・カントの次の言葉を序文にいれました。<常備軍は、時とともに全廃されなければならない。なぜなら、常備軍はいつでも武装して出撃する準備を整えていることによって、ほかの諸国をたえず戦争の脅威にさらしているからである>。そうしないためにこそ日本国憲法は、国家が武装することを、自ら放棄する勇気を世界に示したのです。<聞き手・専門編集委員 広岩近広>=次回は7月29日掲載予定

 ■人物略歴
 ◇みずしま・あさほ
 1953年東京都生まれ。早稲田大大学院法学研究科博士課程満期退学。広島大総合科学部助教授などを経て96年から早稲田大学法学学術院教授(憲法・法政策論)。法学博士。憲法学者として執筆、講演、テレビやラジオのコメンテーターとして活躍、著書は「憲法『私』論」(小学館)など多数。今月には、「戦争とたたかう−憲法学者・久田栄正のルソン戦体験」(岩波現代文庫)を刊行、戦争体験から平和憲法の本質を論じている。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 6月 24 日(月)付
都議選終えて―野党は対立軸を鮮明に

 きのうの東京都議選で、自民党と公明党は、候補者全員を当選させる完勝をおさめた。
 身近な都政の課題より、安倍政権の経済運営の是非に焦点が当たった選挙戦だった。このところ足踏み気味の株価だが、それでも首都の有権者は、アベノミクスに一定の期待を示したといえるだろう。
 ただ、自民党が野党の不振に乗じた面が強いことは否定できない。民主党は議席を激減させ、第1党から第4党に転落した。都議選初挑戦で候補者を大量に立てた日本維新の会も、まったく振るわなかった。
 橋下徹大阪市長の慰安婦発言が批判を招いただけでなく、石原慎太郎氏との「謝れ」「謝らない」の茶番が有権者をしらけさせた。
 一方、共産党が議席を倍以上に増やしたことは注目に値する。反アベノミクス、原発ゼロ、憲法改正反対を明確に打ち出し、政権批判票の受け皿になったことは間違いない。
 来月21日とされる参院選まであと1カ月。過去には、都議選が直後の国政選挙の結果を先取りするようなこともあった。
 だが、近年の国政選挙は風向き次第で結果が大きく左右される。特に今回は、アベノミクスが最大の争点だけに、市場の動きからも目が離せない。
 安倍首相は衆院選の直後、「自民党に百%信頼が戻ってきたわけではない」と話していた。得票率でみれば、惨敗した09年から大きく伸ばしたわけではなかったからだ。
 ところが、そうした謙虚さや緊張感は、このところ急速に失われつつある。
 典型的なのは、休止中の原発の再稼働や海外への原発輸出に前のめりの姿勢をあらわにしていることだ。高市早苗・党政調会長が「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」と語り、猛反発を受けた。
 そんな横暴や、なし崩しの方向転換を許さないためにも、いつでも政権を取って代われる力強い野党の存在は不可欠だ。
 とりわけ、つい半年前まで政権を担っていた民主党の責任は重い。
 いまの国会で民主党は精彩を欠いた。予算委員会では、株高を誇る安倍首相に切り込めなかった。民主党政権が掲げた「原発ゼロ」の目標をほごにされたのに、世論を盛り上げて対抗することができなかった。
 政権に対峙(たいじ)する迫力が必要なのは、都議選での共産党の戦いぶりを見ても明らかだ。参院選に向け各野党は、説得力のある対立軸を示さねばならない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130624/elc13062403380012-n1.htmより、
産経新聞【主張】都議選自民全勝 参院選へ「安倍色」強めよ
2013.6.24 03:38 (1/3ページ)

 ■憲法改正こそ国の立て直しだ
 安倍晋三政権が経済再生に最優先で取り組み、成果を挙げつつあることが、自民党の全勝につながったといえる。
 参院選の前哨戦となる東京都議選で、自民党は4年ぶりに第一党に復帰し、やはり全勝した公明党と合わせて過半数を得た。
 首相が進めるアベノミクスは、個人消費の伸びや輸出増をもたらし、日本経済を上昇気流に乗せた。急激な株高・円安への調整もあるが、民主党政権当時に比べれば流れは大きく変わったと国民は受け止めている。
 政党支持率で自民党だけが突出する「一強多弱」の状況が続いている要因もあっただろう。

 ◆問われる橋下氏の責任
 日本維新の会は橋下徹共同代表の慰安婦をめぐる発言で急速に支持を減らした。民主党は海江田万里代表の下で受け皿としての存在感を示せていない。自民党優位も他党に助けられている要素が大きいといえる。
 首相に問われるのは、この選挙結果を受けて参院選にどう臨むのかである。衆参ねじれを解消し、政権運営を安定化させなくてはならない。だが、そのために憲法改正に慎重な公明党への配慮を重視しつづけるのか。
 憲法改正や外交・防衛の立て直しは、経済再生とともに首相が掲げてきた政権の根幹的な課題といえる。日本が危機を乗り越え、国際社会で生存していくために避けて通れない。首相は参院選の争点として、日本をこうするとの国家像を明確な選択肢として国民に示すべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130624/elc13062403380012-n2.htmより、
2013.6.24 03:38 (2/3ページ)
 中国が力ずくで尖閣諸島の奪取を図ろうとしていることなどに対し、首相が領土・主権を守り抜く姿勢を示したことも評価されたといえる。
 日米同盟の強化に不可欠な集団的自衛権の行使容認については、有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で議論を重ねている。
 だが、領域警備法の制定や憲法解釈の変更など具体的な形になかなか至っていない。公務員常駐など尖閣の統治強化策もまだ着手できていない。公明党との連立を重視するため、持論を抑制せざるを得ない面が多かったのだろう。
 同時に、首相は、尖閣や歴史問題をめぐり悪化している中国や韓国との関係をどう打開するかという課題も抱えている。領土・主権で一歩も譲らない姿勢を貫くのは当然だが、中韓両国への対応には違いがあってよい。
 残念なのは、憲法改正の発議要件を衆参各院の「3分の2以上」から「過半数」に緩和する96条の改正について、先行改正を公約に明記しなかったことだ。
 「3分の2以上」では国民投票につながらず、民意を反映しにくい現状を変えなければならない。このことは自民党が憲法改正に取り組む基本的な考え方だろう。首相は改めてその必要性を明確にし、争点化すべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130624/elc13062403380012-n3.htmより、
2013.6.24 03:38 (3/3ページ)
 ◆民主は全党的出直しを
 憲法改正を実現する勢力の結集という観点からは、連立与党の公明党以外に、維新、みんなの党との連携を引き続き模索することが必要だ。
 維新は橋下氏の慰安婦発言が尾を引き、都議選の投票直前に同じく共同代表の石原慎太郎氏とトップ2人の対立が表面化した。立候補予定者による辞退も相次ぎ、選挙前の議席も確保できなかった。橋下氏の責任も問われよう。
 維新は政党としてまとまりを欠いている。信頼感を取り戻さなければ、どんな政策を打ち出しても説得力を持たない。参院選に向けて立て直しが急務だ。
 同じ第三極でもみんなの党は1議席から7議席に大躍進した。共産党も議席を大きく伸ばした。
 選挙前に第一党だった民主党は一気に第四党に転落した。海江田氏では参院選は戦えないとの声も出てこよう。
 海江田氏はアベノミクス批判に重点を置くが、民主党政権がデフレ脱却を果たせなかった失政は隠せない。「0増5減」関連法案などの国会審議も引き延ばした。全党的な出直しが必要だ。
 支持率で他党を圧倒する自民党にも、もろさがあることは、地方首長選での敗退事例が示している。準備不足、地域の事情などから十分な浸透を図れていなかった。自民党政権が目指すものを丁寧に有権者に説明し、理解を深める作業が求められている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062402000147.htmlより、
東京新聞【社説】東京都議選 自民への支持は本物か
2013年6月24日

 第二次安倍内閣発足後初の大型選挙となった東京都議選は、自民党が第一党に返り咲く勢いだ。一カ月後には参院選も控える。自民党への支持は本物か。
 都議選は言うまでもなく都政を議論する都議会の議員を選ぶ選挙だ。各候補者は暮らしにより近い政策に関する公約を掲げ、有権者の判断に委ねるのが筋である。
 しかし、そうなっていないのが現実だろう。東京は日本の首都であり、有権者数は一千万人を超える。直後には国政選挙があることが多い。願わくば都議選に勝ち、国政選挙に弾みをつけたい。国政を担う各政党の、そんな思惑から逃れられない運命を背負う。

◆準国政選挙を掲げ
 今回も例外ではなかった。
 特に六年前、首相の座を一度退いた安倍晋三首相は都議選を「準国政選挙」と位置付けた。
 都議選と、それに続く参院選で勝って、六年前の参院選で自らが招いた国会の「ねじれ」状態を解消しなければ、「死んでも死にきれない」とまで言い切った。
 告示前と投票日前の週末には、都内の合わせて三十カ所近くで街頭演説に立つ熱の入れようだ。
 自民党は四年前の麻生太郎内閣当時、都議選で第一党の座を民主党に譲る敗北を喫し、直後の衆院選で惨敗、政権から転落した。その記憶が生々しく残るのだろう。
 必勝を期す首相が訴えたのは都政が直面する課題ではなく、デフレ脱却のための経済政策だった。
 共同通信が六月二十二、二十三両日に行った全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は65・6%と高水準を維持している。投票先を判断する際に重視する課題は「景気や雇用など経済政策」(35・4%)が最も多かった。
 有権者の関心が高い経済政策を重点的に訴え、都議選を勝ち抜く選挙戦術だったようだ。

◆敵失が支える勝利
 自民党が都議選で第一党に返り咲き、公明党と合わせて過半数を確保する勢いなのは、首相率いる自民党が、政権に返り咲いた昨年十二月の衆院選以来の勢いを維持し、経済優先の政策も有権者の支持を得ているためなのだろう。
 首相は持論とする憲法改正や集団的自衛権の行使容認などの「タカ派」的政策を、ときおり地金が出るものの、極力抑えているように見える。そうした「安全運転」の政権運営が、有権者の支持をつなぎ留めている一因と言える。
 ただ、衆院選に続き、都議選でも見られた自民党への支持回帰が本物かどうか、見極めるにはまだ時間が必要ではないか。自民党の強みとされてきた地方では依然、苦戦が続いているからだ。
 今年に入って行われた静岡県、名古屋、さいたま両市など主要な首長選では自民党推薦候補が敗れた。千葉市長選では候補擁立すらできなかった。
 これは、自民党に代わり得る受け皿があれば、有権者の支持が流れることを意味してはいないか。
 自民党の都議選での好調さは、民主党への根強い不信や、日本維新の会など第三極の力不足という「敵失」に支えられていると言ってもいい。この構図は、昨年の衆院選と全く変わっていない。
 四年前、五十四議席を獲得して第一党に躍進した民主党は離党者が相次ぎ、現有は四十三議席。候補を四十四人に絞り込み、海江田万里代表ら党幹部が都内を駆け巡ったが、自民党の訴えを突き崩す説得力に欠けていた。
 逆風の今、漫然と政権を批判するだけでは、有権者の心を再びつかむことは難しい。
 初めての都議選に挑んだ日本維新の会は、橋下徹共同代表(大阪市長)の従軍慰安婦をめぐる発言が勢いをそいだことは否めない。
 橋下代表が街頭演説に駆けつけても自らの発言の釈明から始めざるを得ないのでは迫力を欠く。慰安婦発言を受け、みんなの党とは参院選での選挙協力を解消した。
 自民党の受け皿となるべき第三極が割れては自民党を利するだけだ。自民党ではできない、官僚が支配する統治機構の改革を目指すのなら、協力できる勢力とは協力する謙虚な姿勢が必要だ。

◆投票に行ってこそ
 都議選の投票率は前回よりも低くなりそうだ。昨年の知事選で四百万票以上集めた猪瀬直樹知事人気の前に都議会がほぼ「オール与党化」し、各党政策の違いが見えにくくなったことも一因だろう。
 それは政党の責任放棄ではあるのだが、有権者はそれに惑わされてはならない。公約を吟味し、自らの考えに近いよりましな候補者を選ぶ。政治を、暮らしを、少しでもよくするには、その地道な作業を我慢強くくり返すしかない。
 都政であれ国政であれ、投票しなければ何も変わらない。その当たり前とも言える教訓を、参院選を前にあらためて胸に刻みたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56551130U3A620C1PE8000/より、
日経新聞 社説 都議選の低投票率が映す対立軸の不在
2013/6/24付

 7月の参院選の前哨戦とされた東京都議会議員選挙で国政与党の自民、公明両党が勝利し、都議会の過半数を4年ぶりに回復した。自公は参院でも非改選議席と合わせて過半数の奪回を目指しており、大きく弾みがついた。
 ただ、都民の関心は最後まで高まらなかった。投票率は民主党ブームに沸いた4年前の前回選より約10ポイント下がり、過去2番目に低い水準にとどまった。都議選は直後の国政選挙の先行指標となってきた。参院選も投票率の大幅な低下が懸念される。
 背景には政策論戦が盛り上がらなかったことがある。自公は主にアベノミクスや憲法改正など国政の課題への取り組みを訴えた。民主党や第三極は明確な対立軸を提示できなかった。
 争点が浮き彫りにならず、有権者に選択肢が見えにくい選挙戦だった。猪瀬直樹知事のもとで都議会が共産党などを除き事実上のオール与党化したことも一因だ。
 民主党は都議会第1党から第4党に転落。選挙戦でアベノミクスを「一過性の打ち上げ花火」と批判したが、政権担当当時に打ち出した経済政策と似通う部分もある。どうすれば日本経済を立て直せるのか。党の軸足はどこに置くのかをはっきりさせてもらいたい。
 都議選に初挑戦した第三極はみんなの党が善戦したものの、日本維新の会は34人もの候補者を擁立したにもかかわらず、現有3議席を下回った。
 橋下徹共同代表の物議を醸した発言やそれを受けた党内の亀裂が響いたとみられる。党の司令塔はどこにあるのかなどの疑問を早急に解消することが必要だ。
 安倍政権は参院選での戦いや今後の政権運営に自信を深めた。公明党の山口那津男代表は「政治の安定を求める流れは参院選でも続く」との見方を示した。
 とはいえ、投票率が5割を切り半数の都民を振り向かせることができなかったという意味では自公も勝者とばかりは言い難い。
 低成長が続き、昔よりも小さくなったパイを分け合う時代だ。行政と有権者の不断の対話なしに国はまとまらない。政治への関心が低いままでは、長い目でみたとき統治力は必ず落ちていく。
 よい政治を実現するには与野党が切磋琢磨(せっさたくま)することが大事だ。政策のメニューを競い合い、有権者を引き付ける参院選にしなければならない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130624k0000m070108000c.htmlより、
社説:都議選自民圧勝 民主党の危機的な凋落
毎日新聞 2013年06月24日 02時31分

 空前の圧勝である。参院選の先行指標として注目された東京都議選が投開票され自民、公明両党の候補が全員当選した。都議会第1党の座を自民党は民主党から奪還、自公両党で都議会過半数を確保した。
 地方選挙とはいえ首都、東京での政権与党の勝利は政治の安定や経済政策などへの期待が持続していることを反映した。野党では民主党が惨敗を喫し、日本維新の会も苦戦した。とりわけ民主党は戦略の根本的な練り直しを迫られよう。
 国政の傾向を反映することで知られる都議選だが、ここまで極端な結果は異例である。自民党が獲得した59議席は小泉内閣発足直後でブームが起きた01年の53議席を上まわる。「準国政選挙」と位置づけ、高い内閣支持率を背景に政権半年の評価を問う姿勢を前面に出した安倍晋三首相の戦略が奏功した。
 投票率が前回を大きく下回る中での自公勝利は他党のふがいなさの裏返しでもある。戦後最低の投票率だった昨年12月の衆院選と同様、無党派層やかつての民主党支持層の票が行き場を失い自公両党を押し上げる構図が繰り返されたと言える。
 自民党にとって参院選へのはずみとなることは確実だ。経済政策への期待を失望に変えぬためにも、いわゆるアベノミクス路線と財政健全化をどう整合させるかなど、より踏み込んだ説明が求められる。
 獲得議席で公明党、共産党に及ばず都議会第1党から第4党に転落した民主党の凋落傾向は深刻だ。衆院選惨敗をそのまま引きずり有権者からの不信が続き、参院選を前にしての危機的状況を浮き彫りにした。
 選挙戦で民主党は安倍政権の経済政策への批判を強めたが対立点を的確に説明できず、都政の争点も十分に提示できなかった。選挙結果は海江田万里代表が著しく発信力を欠き、今国会で党が存在感を発揮できなかったことの証明でもある。
 候補を大量擁立した日本維新の会にも風は吹かなかった。橋下徹共同代表のいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる発言が波紋を広げ、石原慎太郎共同代表が批判するなどいったん反目が表面化した。さきの衆院選で改革姿勢に期待した有権者も混乱や内輪もめにうんざりしたはずだ。政策も分権改革などをアピールできず、政権与党の補完勢力的な印象を与えている可能性もある。
 今回の選挙では共産党が議席を大きく伸ばし、都議選初陣のみんなの党も堅調だった。投票率などの要因があるとはいえ、野党でも政策の輪郭が明確な政党が健闘したといえる。安倍内閣に向かう対立軸をきちんと示せるかどうか、参院選で野党側が負う責任は重大である。