福島第1原発 「汚染水の厳重な管理体制を」

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55715220R00C13A6EA1000/より、
日経新聞 社説 汚染水対処にあらゆる策を
2013/6/1付

 福島第1原子力発電所の汚染水対策について、経済産業省は東京電力に対し「凍土壁」による地下水流入の抑制策を指示した。1~4号機を囲うように土を凍らせて流入を阻む壁をつくる。
 原発の壊れた建物に地下水が流入し、放射性物質で汚れた水が際限なく増え続けている。貯蔵には限界があり事態は深刻だ。ようやくではあるが、政府と東電が思い切った対策を打ち出したことを評価したい。
 ただ1キロメートルを超える人工凍土の壁をつくった前例はなく技術的な課題は多い。施工に1年半~2年かかるため足元の汚染水減らしにはつながらない。凍土壁だけに頼らず、複数の手法を多重に組み合わせた総合策を打ち出すべきだ。
 汚染水問題には3種類の水がかかわる。まず敷地内の地下を流れる自然の地下水がある。この地下水が原発に入り込んでたまった高濃度の汚染水(滞留水)がある。滞留水からとりあえず放射性セシウムだけを除いた汚染水が大量にタンクにたまっている。
 原発に流れ込む地下水は日量約400トンあり、この調子で汚染水が増え続ければ、敷地内では早晩、貯蔵しきれなくなる。
 凍土の遮水壁で流入を抑えられれば汚染水の増加に歯止めがかかる。また建物内の滞留水のくみ出しが可能になり廃炉作業の道を開くことにもなる。建設に加えて凍結維持に多額の費用がかかるだろうが、検討に値する手段だ。
 しかし凍土壁に対策のすべてをかけるのは危険だ。実現に時間がかかり技術面の不確実さもある。
 地下水が建物に入る前にくみ上げて海に流す「バイパス方式」は抜本策とは言えないが、当面の汚染水減らしには役立つはずだ。東電と政府は漁業関係者にていねいな説明を繰り返し、理解を得るよう努める必要がある。
 タンクにためたセシウム除去後の汚染水も最終的な処分法が要る。セシウム以外の残りの放射性物質を可能な限り徹底して取り除く技術開発を加速すべきだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051801001874.htmlより、
東電、計器誤差に気づかず推計 原発汚染水の漏えい量
2013年5月18日 20時25分

 東京電力福島第1原発の地下貯水槽で4月に発生した汚染水漏れに関し、東電は漏えい量の推計を当初の最大約120トン(約12万リットル)から、6千分の1の約20リットルに修正した。当初は大量の放射性物質の拡散が懸念されたが、水位を測る計器の誤差が大きくなっていたことに気づかず、推計ミスにつながったという。
 漏えい場所の確定や原因の究明が難航する中、推計ミスにも厳しい目が向けられており、東電は「心配を掛けて申し訳ない」としている。
 7カ所の地下貯水槽のうち4月5日以降、3カ所で漏えいが判明し、全ての使用中止を決定した。(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051801001480.htmlより、
福島原発3号貯水槽から移送開始 8400トン、地上タンクへ
2013年5月18日 12時40分

 東京電力福島第1原発の地下貯水槽から放射性物質を含んだ汚染水が漏れた問題で、東電は18日、3号貯水槽に残っている汚染水約8400トンを地上タンクに移し始めた。残る6号貯水槽でも7500トンの移送が21日に始まる見通しで、いずれも敷地南側に増設した地上タンクに移す。
 1号、2号貯水槽の汚染水は移送が完了しており、6月10日ごろまでに地下貯水槽の全ての汚染水が地上タンクに移されることになる。
 東電は、3号貯水槽から外部への汚染水漏えいは確認されていないが、3層構造の防水シートのうち、最も外側のシートの内側に汚染水約20リットルが残っているとしている。(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013051802000134.htmlより、
東京新聞【社説】福島事故対策 水から目を背けるな
2013年5月18日

 「どこまで水に苦しめられるのか」。福島の漁業者、県民の嘆きである。原発は水に弱い。この現実から目を背けずに、水に向き合い、知恵を集めて、一刻も早く、恒久対策を見つけ出すしかない。
 不信と不安が底に流れている。
 たとえ汚染される前の地下水だけだと言われても、海へ流されるのは、もういやだ。漁業者だけでなく、多くの福島県民に共通する思いではないか。
 これ以上風評被害が重なれば、漁場としての海は死に絶える。
 東電の「地下水バイパス」計画は、地下水が原子炉建屋に流れ込む前に、山側に掘った井戸でくみ上げ、ひとまずタンクに保管、水質検査で安全が確認されたものだけを、海に放出するという。
 しかし、つい先月、地下の貯水池にためた汚染水の漏出が発覚したばかりである。産廃処分場にも劣る東電の管理体制が指弾され、原因はまだわかっていない。
 バイパスが実現できたとしても、放出できるのは一日百トンだけ。流入は四百トン。残り三百トンは建屋の中に流れ込む。最新鋭の多核種除去装置(アルプス)を導入しても、トリチウム(三重水素)は除去できない。
 「東電の汚染水に対する危機意識の低さに全国の漁業者は強く憤っている」
 全国漁業協同組合連合会(全漁連)は先月末、汚染水管理の抜本対策を首相に要望した。怒りは不安の裏返しなのである。放出を認めるかどうかの判断は、来月以降になるという。
 汚染水が廃炉工事の妨げになっている。傷ついた燃料棒を取り除くことができない以上、頻発する余震のたびに、不安が胸をよぎるという。
 地下水の流入経路が分からない。高線量の見えない壁が作業を拒む。津波はおろか、水漏れを止めるすべさえ持っていない。これが私たちの実力なのだ。
 日本は水の列島だ。活断層よりさらに濃密な地下水脈の上にある。どこを掘っても地下水と温泉がわき出る国だ。原発には適さない。
 だが今は、全漁連が要望しているように、抜本対策が必要な局面だ。政府がより強く関与して、産・官・学の英知を結集し、水と向き合い、汚染水の厳重な管理体制を確立すべきである。
 それと同時に、高線量の現場でより安全に遮水壁を築く技術を考え、試してみるしかない。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013051601004より、
東電「汚染水30リットル漏出」=貯水槽外「ごく少量」-福島第1原発

 東京電力の広瀬直己社長は16日、福島県楢葉町の東電福島復興本社で記者会見し、福島第1原発の地下貯水槽から漏れた放射能汚染水の量は計20~30リットルとの推計を明らかにした。ほとんどは貯水槽下側の溝にとどまり、土壌に流出したのは「極めて少量」としている。
 東電は当初、漏出量を120トン(12万リットル)と推計したが、貯水槽周辺の地下水から検出される放射能濃度が低いことなどから見直した。広瀬社長は「地下貯水槽から漏れた事実は変わらない。周辺への影響の監視を続け、原因を究明したい」と話した。(2013/05/16-20:40)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130516/k10014628701000.htmlより、
東電 汚染水漏えい量を少なく修正
5月16日 20時24分

福島第一原子力発電所にある地下の貯水槽から、汚染水の水漏れが相次いだ問題で、東京電力は、漏れた量を新たに得られたデータから分析した結果、これまでの120トンから400分の1に修正しました。
福島第一原発では、先月、地下の貯水槽から高濃度の放射性物質を含む汚染水の水漏れが見つかり、東京電力は、貯水槽に保管している2万3000トンすべてを地上のタンクに移す作業を進めています。
東京電力は、貯水槽から漏れた量について、これまで水位計の変化の値を基に、水漏れが最も多いとみられる2号貯水槽で、およそ120トンと推定されると説明してきました。
ところが、貯水槽の周辺に穴を掘って水漏れの状況や放射性物質の濃度などを調べ分析した結果、漏れた量は最大で300リットル程度と、これまで推定してきた量の400分の1に修正しました。
また、ほかの貯水槽についても、1号貯水槽が70リットル、3号貯水槽が20リットル漏れたとしています。
東京電力の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、「この量だと、環境への影響はほぼないと言えるが、地下の貯水槽から水漏れがあった事実は変わらないので、原因と対策は今後も検討したい」と述べ周辺に新たに設けた観測地点で、汚染水の広がりや海への影響を監視し続けるとしています。
また、尾野本部長代理は、「新たな推定量が妥当なものかどうかは、国の原子力規制委員会に提出し評価を受けたい」と話しています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051601001830.htmlより、
東電、漏えい汚染水20リットル 土壌浸透はほぼなし
2013年5月16日 19時47分

 東京電力福島第1原発の地下貯水槽から放射性物質を含む汚染水が漏れた問題で、東電の広瀬直己社長は16日、2号貯水槽から漏れた汚染水が、当初推定の約120トンではなく6千分の1の約20リットルと少量で、土壌への浸透はほとんどなかったとの見解を発表した。
 広瀬社長は「(少量でも)漏れた事実は変わらない。原因究明をしっかりやりたい」と話した。事故対応拠点のJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)で記者会見した。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130516/k10014628621000.htmlより、
汚染水対策 今月中に全体計画
5月16日 19時5分

東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける汚染水対策を検討する国の専門家委員会が開かれ、新たに提案されている対策の効果を評価したうえで、複数の対策を組み合わせた全体計画を今月中に示すことを決めました。
先月、地下の貯水槽から汚染水が外に漏れたのをきっかけに設置された国の専門家委員会は、16日、2回目の会合を開き、汚染水の原因となる地下水の建屋への流入を抑える対策などについて引き続き議論しました。
会合では、前回ゼネコン側から示された、地面を凍らせたり遮水性の高い粘土を使ったりして、建屋の周辺に壁を設置する新たな対策などが取り上げられ、早急に効果や問題点を評価することで一致しました。
また、現在検討されている建屋の山側の井戸で地下水をくみ上げて海に放出する対策などについて、効果を発揮しなかった場合のリスクも考えるべきだとして、複数の対策を組み合わせることを決めました。
委員会では、こうした方針の下、地下水の流入を抑える有効な対策を絞り込み、今月中に全体計画をまとめ、政府や東京電力などでつくる「廃炉対策推進会議」に報告するとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130516/k10014620711000.htmlより、
汚染水問題 「国が責任持ち安全確保を」
5月16日 15時35分

東京電力が、福島第一原子力発電所で汚染される前の地下水を海に放出する計画を立てていることについて、福島県の内堀副知事は16日、政府に対して、国が責任を持って安全確保に取り組むとともに地元に十分な説明を行うよう要請しました。
福島第一原発では、建屋の壊れた壁などから地下水が流れ込み汚染水が増え続けているため、東京電力は、汚染される前の地下水を海に放出する計画を立てていますが、地元の漁業者らから同意を得られていません。
これについて、福島県の内堀副知事は16日、資源エネルギー庁の高原一郎長官を訪ね、国が責任を持って安全確保に取り組むとともに環境への影響などについて地元に十分な説明を行うよう要請しました。
これに対して、高原長官は「計画を実施するには関係者の理解を得ることが大前提であり、国としても説明を尽くしたい」と述べ、国としても関係者に理解を求めていく考えを示しました。
会談のあと、内堀副知事は「地元には地下水が海洋に放出されれば、新たな風評被害が引き起こされるのではという不安もある。東京電力任せにしないで国がより前面に出てしっかりと説明責任を果たしてほしい」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130514/k10014555501000.htmlより、
経産相 地下水放出で国も説明尽くす
5月14日 10時30分

茂木経済産業大臣は、福島第一原子力発電所でたまり続ける汚染水の増加を抑えるため、汚染される前に地下水をくみ上げて海に放出する東京電力の計画について、国としても地元の漁業者などの関係者に理解を求めていく考えを示しました。
福島第一原発では、建屋の壊れた壁などから地下水が流れ込んで汚染水が増え続けているため、東京電力は、井戸を掘って建屋に流れ込む前に地下水をくみ上げ、海に放出する計画を立てていますが、13日に行われた地元の漁業者への説明では同意が得られませんでした。
これについて茂木経済産業大臣は、14日朝の閣議後の記者会見で、「汚染水の増加の原因となっている山側から流れ込む地下水を抑えるのは極めて重要な課題だ」と述べました。
そのうえで茂木大臣は、「地元関係者の了解を得ることが地下水を放出するための前提で、国としても説明を尽くしていきたい」と述べ、国として地元の漁業者など関係者に対して対策の必要性などについて理解を求めていく考えを示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130513/k10014540921000.htmlより、
原発地下水の海への放出 結論先送りに
5月13日 16時52分

福島第一原子力発電所でたまり続ける汚染水の増加を抑えるため、東京電力は13日、汚染される前に地下水をくみ上げて海に放出する対策を地元の漁業者に説明しましたが、漁業者側の同意が得られず、結論は来月以降に先送りされました。
福島第一原発では、建屋の壊れた壁などから地下水が流れ込み、1日400トンのペースで汚染水が増え続け、地下水の建屋への流入をいかに減らすかが大きな課題となっています。
このため東京電力は、山側の12か所に井戸を掘り、建屋に流れ込む前に地下水をくみ上げ、海に放出する計画で、13日に福島県いわき市で開かれた地元の漁業者の会議で、この対策を説明しました。
東京電力や漁業者によりますと、会議の中で、東京電力から、対策によって汚染水の増加を1日100トンほど抑えられる見込みであることや、地下水の放射性物質の濃度は周辺の河川と同じレベルで、十分に低いことなどが説明されたということです。
しかし、漁協の組合長などから、「漁業者の中で地下水と汚染水の違いについて理解が進んでおらず、不安を感じている人がいる」などといった意見が出され、会議では対策の実施に同意せず、結論は来月以降に先送りされました。
会議のあと、福島県漁連の野崎哲会長は、「汚染水対策の必要性を国と東京電力から個別に説明してもらったうえで、漁業者の意見を集約し、再判断したい」と話しました。
また、東京電力の新妻常正常務は、「いちばんの関係者である福島県内の漁業者に理解していただくことが重要だ。理解を得たうえで、次のステップに進みたい」と話しました。

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