障害者差別解消 「違いを認め合う社会へ」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013060302000128.htmlより、
東京新聞【社説】障害者差別解消 違いを認め合う社会へ
2013年6月3日

 健常者の都合のみに即してつくられた社会を、障害者の多様なニーズに応えられるよう変えていく。国会で審議中の障害者差別解消法案の狙いだ。違いを尊重し、支え合う社会への一里塚としたい。
 日本は国家ぐるみで障害者を差別してきたといえる。
 知能や精神の障害のため、成年後見人がついた途端、選挙権を奪い取っていた。公職選挙法に基づき、いわば“合法的”に人権を侵していたのだ。
 差別や偏見を生み出す元は、障害への無知や無理解が大きい。
 もちろん、憲法違反の法規定をほったらかしていた国会に限った話ではない。行政や司法、さらには民間分野のさまざまな場面、場所に、それはひそんでいる。
 障害者が生きにくい訳は、心身の機能がうまく働かないからというだけではない。健常者のことしか頭にない社会の仕組みや意識に阻まれてしまうからでもある。
 政府が国会に出した法案は、そんな考え方に立っている。障害者を分け隔てる社会の壁をなくすための初めてのルールとなる。
 障害があるからと、健常者と異なる扱いをするのはご法度だ。車いすの人はバスに乗せない、精神障害の人はホテルに泊めないといったあしらい方は差別になる。国や自治体はじめ公的機関はもとより、民間事業者も許されない。
 気をつけたいのは、障害者や家族の要望にはなるべく応えなくてはならなくなることだ。その配慮を欠くと、差別とみなされる。
 目の見えない人には点字翻訳を、耳の聞こえない人には手話通訳を提供する。お金や人手の負担が重すぎない限り、例えば、そんな援助が求められる。
 でも、負担が過重かどうか、だれがどうやって判断するのか。法案でははっきりしていない。
 障害者への配慮を公的機関にのみ義務づけ、民間事業者には努力を促すにとどめるという点も気になる。中小零細事業者への公的支援をふくめ、社会の障壁をなくす手だてをよく議論してほしい。
 もっとも、どんな事柄が差別に当たるか、どんな配慮が好ましいかは、政府が具体例を示す段取りだ。理解と協力が根づくような工夫を期待したい。
 百三十カ国が結ぶ国連障害者権利条約の批准に欠かせない法案だ。建物や交通へのアクセス、教育や就労の機会、選挙や裁判の手続き。差別撤廃は世界の約束だ。
 障害者にとって優しい社会づくりは、高齢化への備えにもなる。

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