DV被害支援 「SOSの声、くみ取ろう」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013060402000139.htmlより、
東京新聞【社説】DV被害支援 SOSの声、くみ取ろう
2013年6月4日

 夫婦間の暴力(DV)が深刻化し、東日本大震災の被災地では被害相談が急増している。DV防止法の施行から十二年、被害者が安心して支援を求められる体制の充実と、加害者の更生制度が必要だ。
 DVは貧困など社会の病巣が投影される問題でもある。
 被災地の狭い仮設住宅では逃げ場がない。避難生活の中で失業などした夫は、家にいる時間が増え、イライラが妻たちに向かう。殴る、蹴る、人格否定する暴言…。女性たちは深く傷ついている。
 昨年の東北三県の県警へのDV相談をみると、福島県は前年比64%増の八百四十件、宮城県も同33%増の千八百五十六件。いずれも過去最高を更新。岩手県だけは前年比でわずかに減ったが、被災した沿岸部は支援体制が手薄になったために、被害者が声を上げられないでいるとみられている。
 二〇〇一年のDV防止法によって、家庭という閉ざされた中で起きる暴力が犯罪だと認められるようになった。被害者を守り、自立を支える法として改正を重ねてきたが、まだ不十分で課題が多い。
 全国のDV被害相談は年間八万件、警察の認知件数も四万件を超える。だが、被害者の申し立てにより、加害者を近づけないために出る保護命令は二百件のみ。その命令も一定期間を過ぎれば元に戻り、違反しても罰金のみで刑罰はない。夫が妻を殺す事件は年間百件以上起きている。
 日本では被害者を安全な場所に逃がすのに手いっぱいで、加害者は放任だ。これでは被害を減らせないだろう。欧米では加害の病理に働き掛ける更生プログラムが行われている。学んだり、カウンセリングを受けながら、自ら暴力をやめるよう働き掛ける。再犯防止に一定効果を上げており、日本でも導入を考えるべきではないか。
 今国会で成立見通しの改正生活保護法がDV被害者を不安にさせている。現在は防止法に基づいて、当面の生活保護を受給できるが、改正法では親族への扶養照会が盛り込まれた。加害者の夫に居所を突き止められかねない。DV被害者など命が危険にさらされている事情を持つ人は、安全に支援を受けられると、国や自治体は周知を徹底すべきだ。受給を諦める人が出てきてしまう。
 暴力によって働けなくなったり、体や心を病めば、回復に時間がかかる。配偶者暴力相談支援センターなどを中心に、暴力根絶に向けた取り組みを強化したい。

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