「指定廃棄物」最終処分 国・県の連携で解決?

http://mainichi.jp/opinion/news/20130605k0000m070151000c.htmlより、
社説:指定廃棄物処分 国・県の連携で解決を
毎日新聞 2013年06月05日 02時32分

 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場建設計画が、各地で難航している。環境省は先月、処分場選定の新手順案をまとめ、設置を予定する5県の市町村長会議での説明を始めたが、風評被害や地下水汚染への懸念もあり、すんなりとは受け入れてもらえない状況だ。
 指定廃棄物は放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレルを超す焼却灰や汚泥、稲わらなど。焼却施設などで一時保管されているが、長期的な安全の確保には、地中に埋める最終処分を急ぐ必要がある。避けては通れない課題として、国と自治体は連携し、解決に努めてほしい。
 事故で環境中にまき散らされた放射性物質は焼却や下水処理の過程で濃縮される。今年3月末で指定廃棄物は11都県に約12万トンある。昨年全面施行の放射性物質汚染対処特措法に基づき、各都県での処分が基本方針とされた。自前施設がなかったり、処分が行き詰まったりしている宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県については、国の責任で最終処分場を1カ所ずつ造ることになった。
 環境省は昨年9月、地形や農地からの距離などを考慮して栃木県は矢板市、茨城県は高萩市のそれぞれ国有地を候補地に選んだ。しかし、反対運動などを嫌って選定過程は公開されず、突然提示されたことに両市が反発し、撤回に追い込まれた。
 新選定手順案では、詳細な現地調査を実施し、各県の市町村長会議での協議も踏まえ、候補地を最終決定する。撤回の経緯を考えれば、地元の意向尊重は当然のことだろう。
 新手順案の説明に際しても「福島県に集約するのがわかりやすい」などの異論が出ている。廃棄物を生んだ責任者は東電だ。厄介者はごめんだと首長たちが考えるのも分かる。しかし、それが廃棄物を福島県に運び込む理由にはなるまい。住民の意見にも耳を傾けながら地域の問題として解決するのが筋だ。処分場とセットで国による地域振興策を求める声も市町村にはあるが、利益誘導ありきは安全性への疑念を生み、かえって住民の反発を招きはしないか。
 千葉の会議では「複数設置し、負担を分け合うべきだ」との意見が出た。これも一つの考え方だろう。
 処分場はコンクリートで囲われ、放射能漏れなどを監視する。環境省は安全に万全を期すと言う。住民の安心を得るには、だれもが監視データに簡単にアクセスでき、説明を受けられる仕組みがいる。風評被害が起きた時の補償のあり方も、国と自治体で議論しておいた方がよい。
 国が説明を尽くすのは当たり前だが、知事を先頭に各県にも、当事者として積極的な対応を求めたい。

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