一票の格差 選挙制度「もう議員に任せられぬ」

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013060800211より、
「衆参ダブル選」消える=0増5減、間に合わず

 与野党の一部に観測があった7月の「衆参同日選」は、事実上消滅した。参院選は7月21日投開票の予定だが、次期衆院選の前提である「1票の格差」是正が間に合わなくなったためだ。昨年末に当選し、4年の任期を得たばかりの衆院議員からは安堵(あんど)の声も漏れている。
 7月21日にダブル選を行う場合、衆院選公示は同月9日。格差是正のため衆院小選挙区を「0増5減」して区割りを変更する公職選挙法改正案は、施行日を公布から1カ月後と定めており、逆算すれば、6月上旬が成立のタイムリミットとなる。しかし、同改正案の参院審議入りは早くても10日の週で、成立は中旬以降の見通しだ。
 自民党が政権を奪還した昨年の衆院選の1票格差について、各地の高裁で違憲判決が続出。その後、安倍晋三首相が政権に正統性を持たせるためダブル選挙に打って出るのではないかとの見方が一部に出ていたが、首相周辺はその可能性を「もうない」と否定する。
 衆院選惨敗で再建途上にある民主党の衆院議員は「ダブル選はやめてほしかった」と胸をなで下ろしているが、幹部の中には「落選者が復帰できるチャンスだったのに」と残念がる声もある。橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言で守勢に立たされている日本維新の会の幹部は「これでようやく参院選に専念できる」と話している。(2013/06/08-15:27)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013060602000151.htmlより、
東京新聞【社説】一票の不平等訴訟 百日裁判の精神を守れ
2013年6月6日

 昨年の衆院選をめぐる一票の不平等訴訟は最高裁に上告中だ。原告が求めるのは、公職選挙法に定めた百日裁判の規定である。迅速な司法判断を望む。
 最高裁の判決がいつ出るのか、現段階では不明だ。最大二・四三倍もの格差があった昨年十二月の衆院選を無効とするよう原告が求めた訴訟である。
 全国十六件の高裁レベルの判断は、東京高裁を振り出しに、三月中にすべて出た。最後の仙台高裁秋田支部判決が同月二十七日だったのは、提訴から、ちょうど百日だったからだ。

◆選挙訴訟は最優先だ
 同支部の訴訟について、秋田県選挙管理委員会が上告したのは、四月九日である。それを起算点にすれば、七月中に最高裁の判断があっても不思議でない。
 公選法では「判決は事件を受理した日から百日以内に、これをするように努めなければならない」と定めているからだ。たんなる努力目標といえない。
 次の条文には、「他の訴訟の順序にかかわらず速やかにその裁判をしなければならない」と書かれている。法が要求しているのは、百日以内に決着させることだと解される。
 通常の民事訴訟ならば、上告状を出した後、五十日以内に上告理由書を提出し、そのチェックなどの手続きで、さらに日数を要する。同じスピードで、選挙訴訟を扱えば、百日という区切りは容易に超過してしまう。
 公選法は、選挙が無効ならば、正当性のない議員の地位を早く奪って、正しい選挙をやり直すことを求めているのだ。その精神を踏みにじってはならない。
 本来、昨年十二月の提訴日から百日以内で、最高裁の判決が出されるべきではないだろうか。
 国会議員は立法活動を行う。その議員自身が身分を失うかどうかの極めて重大な裁判なのだ。

◆「事情判決」は責任逃れ
 数多くの裁判を抱えているにせよ、最高裁は最優先で取り扱うべきだと考える。
 注目されるのは、もちろん最高裁の憲法判断である。最大二・四三倍の格差とは、ある人が「一票」なのに、ある人は「〇・四一票」しか持っていない意味だ。
 高裁レベルでは違憲・無効判決が二件。違憲が十二件で、違憲状態判決は二件だった。問題なのが、選挙区割りで、あらかじめ四十七都道府県に一議席ずつ配分する「一人別枠方式」である。
 二〇一一年に最高裁がこれを不平等を生む原因だと具体的に指摘し、「違憲状態」と判断した。それなのに、同方式を残したまま総選挙が行われたのだ。
 これは国会による“司法無視”に等しく、憲法の番人は厳しい姿勢で臨むべきだ。しかも、今国会で審議中の「〇増五減」法案も、実質的に同方式を温存しており、成立しても最高裁の求めに応えたことにはならない。
 これまで“三段論法”で考えられてきた選挙訴訟にも問題はある。(1)著しい不平等があるか(2)是正のための合理的期間を過ぎているかどうか(3)選挙を無効とするか-。この三点で判断されてきたが、まず不平等を認めることは、選挙が公正でないことを意味しよう。
 それなのに「合理的期間」の概念を持ち出すことは適切だろうか。合理的期間とは何かが極めて曖昧なうえ、それを判断する物差しも判然としない。
 違憲でも選挙は有効とする、いわゆる「事情判決の法理」にも疑問がある。行政処分が違法でも、取り消すと、公の利益に著しい障害が生じる場合は請求を棄却できる-。その行政事件訴訟法の定めを援用した理屈だ。
 だが、選挙無効訴訟で事情判決を行うことは、条文に定めがないうえ、公選法は、選挙無効訴訟には行政事件訴訟法の規定を準用しないと明記している。事情判決には無理がある。最高裁は実は憲法の枠を超越した判断をしていることにならないだろうか。
 選挙無効によって大混乱が生ずるのを心配するならば、一九八五年の大法廷判決の補足意見で示された、「選挙を無効とするが、その効果は一定期間後に発生する」という、“未来の無効”の考え方を採用してはどうか。

◆議員は全国民の代表だ
 有権者の一票を平等にすれば、地方選出の議員が減り、地方の声が届きにくくなるという意見がある。だが、「一人一票」になっても、どの県にも声を託す議員はもちろん存在する。むしろ、国の予算を議員が地元に運んでくるという旧態依然たる利益誘導の発想からは、脱却すべきだ。
 憲法上も、国会議員は全国民の代表である。数十年間も“地方優遇”の選挙をしていたのだ。ゆがんだ選挙制度を正すことこそ、民主主義の要求である。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 6月 5 日(水)付
選挙制度改革―もう議員に任せられぬ

 「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」
 憲法41条には、こうある。だが、その名に恥じない働きをしていると胸を張れる議員は、どれだけいるのか。
 衆院小選挙区の一票の格差を是正し、選挙制度の抜本的な見直しをする。昨年11月の自民、公明、民主のこの3党合意は、ほごにされるのが確実だ。
 制度改革をめぐる与野党対立が解けず、安倍政権は衆院の小選挙区定数を「0増5減」する新区割り法案について、衆院の3分の2の多数で再可決する方針を固めた。
 これで一時しのぎの格差是正は実現する見通しだ。だが、それ以上は手がつかぬまま国会は幕を閉じ、抜本改革はうやむやに終わりそうだ。
 最高裁が衆院の一票の格差を「違憲状態」と断じたのは、2011年の3月だ。国民への約束といえる3党合意や衆院選をへて、2年以上たったいまにいたってもこの体たらくだ。
 与野党は、それぞれ定数削減や制度改革の案を出している。ただ、自民党は公明党の議席維持に配慮した複雑きわまる制度を唱え、野党の一部は極端な定数削減を言い募る。
 要は、自分たちが有利になる制度を主張するばかり。有権者の意思をいかに適切に国会の議席に反映させるかという真摯(しんし)な姿勢はまったく見えない。
 一方で、司法からの「違憲」あるいは「違憲状態」の判断に対し、「立法権への侵害だ」という反発がまかり通る。
 党利党略がさまざまに絡み、自らの身を切る改革は難しいのだろう。だとしても、各党の間で妥協を図る政治的な意志も交渉術も持ちあわせないというならば、国会の手による改革は不可能だと認めるしかない。
 1993年に自民党が下野し、自民党と社会党中心の「55年体制」は終わりを告げた。いまの小選挙区比例代表並立制の導入が決まったのは、翌94年のことだ。
 それから6回の衆院選をへて、政権交代は2度実現した。一方、最近の3回の選挙では、得票率の差以上に議席数が大きく開くという小選挙区制の特性が如実にあらわれた。
 いまの制度の点検を含め、衆院と参院の役割分担も念頭においた選挙制度の抜本改革をセットで考える。そのためには、首相のもとで各界の有識者らが議論する「選挙制度審議会」に委ねるしかない。
 安倍首相はじめ各党党首は、その決断をすべき時だ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130603/stt13060303090001-n1.htmより、
産経新聞【主張】0増5減 抜本改革は第三者機関に
2013.6.3 03:08

 衆院の「0増5減」を実現する公職選挙法改正案は、大型連休前に衆院を通過したものの、参院では、いまだに審議入りさえしていない。
 改正案自体は衆院通過から60日たてば憲法の規定で否決とみなされ、衆院再議決を経て6月26日の会期末までに成立する情勢だ。
 問題は改正案の審議に手間取り抜本的な選挙制度改革の議論が進まず、今国会で何ら結論を得られない状況に陥っていることだ。
 抜本改革の方向性だけでも示すことができればいいが、残り会期は1カ月弱しかない。与野党は早急に改正案を成立させ、選挙制度改革や定数削減を参院選後にどう扱うのか、国民に約束する必要がある。
 これまでの与野党実務者協議の議論は、現行の小選挙区比例代表並立制を軸とした見直しから、中選挙区制の復活論まであって、まとまりがない。中小政党に議席を優先配分する特別枠、一部連用制の導入など、新たに投票価値の平等を崩してしまう問題の多い考え方も提起されてきた。
 一方、いかなる方法で民意を反映、集約し、代議制を機能させるかといった根本的な議論も欠けている。二院制のあり方とも結びつく衆参両院の選挙制度を、同時に考える作業が不可欠である。
 政治家が身を切る姿勢を示す各種の定数削減案も出されたが、どこまで本気なのか疑わしい。政党交付金の減額や歳費、諸手当の見直しなど、他の改革の議論は進展していないからだ。
 協議を与野党に委ね、まとまらない議論を続けた結果、合意ができない事態となれば、国民の不信感は増す。
 安倍晋三首相は、ほかの手段を決断するときだ。党首会談を開いて選挙制度審議会に諮問する意向を表明してはどうか。その際、制度改革の大きな方向性や導入時期について、全党は無理でも主要政党が合意することが重要だ。
 最低限の緊急是正策でさえ直ちに実現できない最大の責任は「0増5減」の先行処理に反対する民主党など野党にある。
 野党側はみんなの党の「18増23減」案と「0増5減」案との並行審議を求めている。その提案は衆院の区割り案を参院で先に審議することであり、無理がある。「0増5減」案を故意に遅延させる行為はやめるべきだ。

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