原爆症認定 「被爆者案軸に決着急げ」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 6月 20 日(木)付
原爆症認定―被爆者案軸に決着急げ

 広島、長崎で被爆して病気になったのに、国はなぜ原爆症と認めないのか。全国の被爆者が制度改正を求め、集団訴訟に踏み切ったのは10年前だった。
 行政訴訟としては異例なことに、国は連敗を続けた。政府は08年に認定基準を大幅に緩め、09年には日本原水爆被害者団体協議会(被団協)との間で集団訴訟の終結に合意した。
 だが問題は今も解決していない。10年度から昨年末までに7536人の申請が却下された。ほぼ3人に1人しか認定されない状況だ。原爆投下後に被爆地を歩いた「入市被爆者」らへの壁が特に厚い。
 入市被爆は浴びた放射線量がごく少ないというのが学界の通説だ。審査する国の専門家会議が、病気との関係性は低いと判断しているとみられる。
 抜本解決に向け、被団協は昨年1月、制度改正案をまとめた。線量にこだわらず、約21万人の被爆者全員に月3万円程度の手当を支給▽原爆症になった場合は病気の重さに応じて手当を加算、との内容だ。
 専門家会議での審査はやめ、どう加算するかは医師の診断書と意見書によって判断できるようにする、としている。
 線量が多いほど病気の危険性は高まるとの疫学データにこだわる国の姿勢が、入市被爆者らの認定の壁を厚くしてきた。一連の訴訟では、こうした姿勢が「救済を目的とした被爆者援護法の趣旨に沿わない」と裁判所に再三批判されてきた。
 被団協案は法の趣旨からも合理的といえる。国はこの案を軸に早期決着を図るべきだ。
 厚生労働省が制度見直しのため、3年前に設置した有識者検討会では、被団協案に難色を示す空気が強い。
 原爆症と認める病気の種類を増やしたり、可能性が否定できない人には一定の手当を支給したりする代案が出ているが、抜本解決にはなるまい。
 厚労省内には、被団協案を採用すれば、年1400億円程度の被爆者関連予算が膨らむのでは、という懸念もある。
 財源では工夫できる余地はある。原爆症と認定されると、重いがんでも軽い白内障でも、月13万円超が一律に支給される。この制度には、被爆者の間でも疑問の声がある。
 被爆者全員を対象とすることを前提に、病気の重さや回復後のケアの必要性に応じた加算額を適切に決めれば、予算が極端に増えることはないだろう。
 被爆者の高齢化が進み、今や平均年齢は78歳だ。今決断しないでいつ決断するのか。

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