東京都議選 「野党は対立軸を鮮明に」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 6月 24 日(月)付
都議選終えて―野党は対立軸を鮮明に

 きのうの東京都議選で、自民党と公明党は、候補者全員を当選させる完勝をおさめた。
 身近な都政の課題より、安倍政権の経済運営の是非に焦点が当たった選挙戦だった。このところ足踏み気味の株価だが、それでも首都の有権者は、アベノミクスに一定の期待を示したといえるだろう。
 ただ、自民党が野党の不振に乗じた面が強いことは否定できない。民主党は議席を激減させ、第1党から第4党に転落した。都議選初挑戦で候補者を大量に立てた日本維新の会も、まったく振るわなかった。
 橋下徹大阪市長の慰安婦発言が批判を招いただけでなく、石原慎太郎氏との「謝れ」「謝らない」の茶番が有権者をしらけさせた。
 一方、共産党が議席を倍以上に増やしたことは注目に値する。反アベノミクス、原発ゼロ、憲法改正反対を明確に打ち出し、政権批判票の受け皿になったことは間違いない。
 来月21日とされる参院選まであと1カ月。過去には、都議選が直後の国政選挙の結果を先取りするようなこともあった。
 だが、近年の国政選挙は風向き次第で結果が大きく左右される。特に今回は、アベノミクスが最大の争点だけに、市場の動きからも目が離せない。
 安倍首相は衆院選の直後、「自民党に百%信頼が戻ってきたわけではない」と話していた。得票率でみれば、惨敗した09年から大きく伸ばしたわけではなかったからだ。
 ところが、そうした謙虚さや緊張感は、このところ急速に失われつつある。
 典型的なのは、休止中の原発の再稼働や海外への原発輸出に前のめりの姿勢をあらわにしていることだ。高市早苗・党政調会長が「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」と語り、猛反発を受けた。
 そんな横暴や、なし崩しの方向転換を許さないためにも、いつでも政権を取って代われる力強い野党の存在は不可欠だ。
 とりわけ、つい半年前まで政権を担っていた民主党の責任は重い。
 いまの国会で民主党は精彩を欠いた。予算委員会では、株高を誇る安倍首相に切り込めなかった。民主党政権が掲げた「原発ゼロ」の目標をほごにされたのに、世論を盛り上げて対抗することができなかった。
 政権に対峙(たいじ)する迫力が必要なのは、都議選での共産党の戦いぶりを見ても明らかだ。参院選に向け各野党は、説得力のある対立軸を示さねばならない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130624/elc13062403380012-n1.htmより、
産経新聞【主張】都議選自民全勝 参院選へ「安倍色」強めよ
2013.6.24 03:38 (1/3ページ)

 ■憲法改正こそ国の立て直しだ
 安倍晋三政権が経済再生に最優先で取り組み、成果を挙げつつあることが、自民党の全勝につながったといえる。
 参院選の前哨戦となる東京都議選で、自民党は4年ぶりに第一党に復帰し、やはり全勝した公明党と合わせて過半数を得た。
 首相が進めるアベノミクスは、個人消費の伸びや輸出増をもたらし、日本経済を上昇気流に乗せた。急激な株高・円安への調整もあるが、民主党政権当時に比べれば流れは大きく変わったと国民は受け止めている。
 政党支持率で自民党だけが突出する「一強多弱」の状況が続いている要因もあっただろう。

 ◆問われる橋下氏の責任
 日本維新の会は橋下徹共同代表の慰安婦をめぐる発言で急速に支持を減らした。民主党は海江田万里代表の下で受け皿としての存在感を示せていない。自民党優位も他党に助けられている要素が大きいといえる。
 首相に問われるのは、この選挙結果を受けて参院選にどう臨むのかである。衆参ねじれを解消し、政権運営を安定化させなくてはならない。だが、そのために憲法改正に慎重な公明党への配慮を重視しつづけるのか。
 憲法改正や外交・防衛の立て直しは、経済再生とともに首相が掲げてきた政権の根幹的な課題といえる。日本が危機を乗り越え、国際社会で生存していくために避けて通れない。首相は参院選の争点として、日本をこうするとの国家像を明確な選択肢として国民に示すべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130624/elc13062403380012-n2.htmより、
2013.6.24 03:38 (2/3ページ)
 中国が力ずくで尖閣諸島の奪取を図ろうとしていることなどに対し、首相が領土・主権を守り抜く姿勢を示したことも評価されたといえる。
 日米同盟の強化に不可欠な集団的自衛権の行使容認については、有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で議論を重ねている。
 だが、領域警備法の制定や憲法解釈の変更など具体的な形になかなか至っていない。公務員常駐など尖閣の統治強化策もまだ着手できていない。公明党との連立を重視するため、持論を抑制せざるを得ない面が多かったのだろう。
 同時に、首相は、尖閣や歴史問題をめぐり悪化している中国や韓国との関係をどう打開するかという課題も抱えている。領土・主権で一歩も譲らない姿勢を貫くのは当然だが、中韓両国への対応には違いがあってよい。
 残念なのは、憲法改正の発議要件を衆参各院の「3分の2以上」から「過半数」に緩和する96条の改正について、先行改正を公約に明記しなかったことだ。
 「3分の2以上」では国民投票につながらず、民意を反映しにくい現状を変えなければならない。このことは自民党が憲法改正に取り組む基本的な考え方だろう。首相は改めてその必要性を明確にし、争点化すべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130624/elc13062403380012-n3.htmより、
2013.6.24 03:38 (3/3ページ)
 ◆民主は全党的出直しを
 憲法改正を実現する勢力の結集という観点からは、連立与党の公明党以外に、維新、みんなの党との連携を引き続き模索することが必要だ。
 維新は橋下氏の慰安婦発言が尾を引き、都議選の投票直前に同じく共同代表の石原慎太郎氏とトップ2人の対立が表面化した。立候補予定者による辞退も相次ぎ、選挙前の議席も確保できなかった。橋下氏の責任も問われよう。
 維新は政党としてまとまりを欠いている。信頼感を取り戻さなければ、どんな政策を打ち出しても説得力を持たない。参院選に向けて立て直しが急務だ。
 同じ第三極でもみんなの党は1議席から7議席に大躍進した。共産党も議席を大きく伸ばした。
 選挙前に第一党だった民主党は一気に第四党に転落した。海江田氏では参院選は戦えないとの声も出てこよう。
 海江田氏はアベノミクス批判に重点を置くが、民主党政権がデフレ脱却を果たせなかった失政は隠せない。「0増5減」関連法案などの国会審議も引き延ばした。全党的な出直しが必要だ。
 支持率で他党を圧倒する自民党にも、もろさがあることは、地方首長選での敗退事例が示している。準備不足、地域の事情などから十分な浸透を図れていなかった。自民党政権が目指すものを丁寧に有権者に説明し、理解を深める作業が求められている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062402000147.htmlより、
東京新聞【社説】東京都議選 自民への支持は本物か
2013年6月24日

 第二次安倍内閣発足後初の大型選挙となった東京都議選は、自民党が第一党に返り咲く勢いだ。一カ月後には参院選も控える。自民党への支持は本物か。
 都議選は言うまでもなく都政を議論する都議会の議員を選ぶ選挙だ。各候補者は暮らしにより近い政策に関する公約を掲げ、有権者の判断に委ねるのが筋である。
 しかし、そうなっていないのが現実だろう。東京は日本の首都であり、有権者数は一千万人を超える。直後には国政選挙があることが多い。願わくば都議選に勝ち、国政選挙に弾みをつけたい。国政を担う各政党の、そんな思惑から逃れられない運命を背負う。

◆準国政選挙を掲げ
 今回も例外ではなかった。
 特に六年前、首相の座を一度退いた安倍晋三首相は都議選を「準国政選挙」と位置付けた。
 都議選と、それに続く参院選で勝って、六年前の参院選で自らが招いた国会の「ねじれ」状態を解消しなければ、「死んでも死にきれない」とまで言い切った。
 告示前と投票日前の週末には、都内の合わせて三十カ所近くで街頭演説に立つ熱の入れようだ。
 自民党は四年前の麻生太郎内閣当時、都議選で第一党の座を民主党に譲る敗北を喫し、直後の衆院選で惨敗、政権から転落した。その記憶が生々しく残るのだろう。
 必勝を期す首相が訴えたのは都政が直面する課題ではなく、デフレ脱却のための経済政策だった。
 共同通信が六月二十二、二十三両日に行った全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は65・6%と高水準を維持している。投票先を判断する際に重視する課題は「景気や雇用など経済政策」(35・4%)が最も多かった。
 有権者の関心が高い経済政策を重点的に訴え、都議選を勝ち抜く選挙戦術だったようだ。

◆敵失が支える勝利
 自民党が都議選で第一党に返り咲き、公明党と合わせて過半数を確保する勢いなのは、首相率いる自民党が、政権に返り咲いた昨年十二月の衆院選以来の勢いを維持し、経済優先の政策も有権者の支持を得ているためなのだろう。
 首相は持論とする憲法改正や集団的自衛権の行使容認などの「タカ派」的政策を、ときおり地金が出るものの、極力抑えているように見える。そうした「安全運転」の政権運営が、有権者の支持をつなぎ留めている一因と言える。
 ただ、衆院選に続き、都議選でも見られた自民党への支持回帰が本物かどうか、見極めるにはまだ時間が必要ではないか。自民党の強みとされてきた地方では依然、苦戦が続いているからだ。
 今年に入って行われた静岡県、名古屋、さいたま両市など主要な首長選では自民党推薦候補が敗れた。千葉市長選では候補擁立すらできなかった。
 これは、自民党に代わり得る受け皿があれば、有権者の支持が流れることを意味してはいないか。
 自民党の都議選での好調さは、民主党への根強い不信や、日本維新の会など第三極の力不足という「敵失」に支えられていると言ってもいい。この構図は、昨年の衆院選と全く変わっていない。
 四年前、五十四議席を獲得して第一党に躍進した民主党は離党者が相次ぎ、現有は四十三議席。候補を四十四人に絞り込み、海江田万里代表ら党幹部が都内を駆け巡ったが、自民党の訴えを突き崩す説得力に欠けていた。
 逆風の今、漫然と政権を批判するだけでは、有権者の心を再びつかむことは難しい。
 初めての都議選に挑んだ日本維新の会は、橋下徹共同代表(大阪市長)の従軍慰安婦をめぐる発言が勢いをそいだことは否めない。
 橋下代表が街頭演説に駆けつけても自らの発言の釈明から始めざるを得ないのでは迫力を欠く。慰安婦発言を受け、みんなの党とは参院選での選挙協力を解消した。
 自民党の受け皿となるべき第三極が割れては自民党を利するだけだ。自民党ではできない、官僚が支配する統治機構の改革を目指すのなら、協力できる勢力とは協力する謙虚な姿勢が必要だ。

◆投票に行ってこそ
 都議選の投票率は前回よりも低くなりそうだ。昨年の知事選で四百万票以上集めた猪瀬直樹知事人気の前に都議会がほぼ「オール与党化」し、各党政策の違いが見えにくくなったことも一因だろう。
 それは政党の責任放棄ではあるのだが、有権者はそれに惑わされてはならない。公約を吟味し、自らの考えに近いよりましな候補者を選ぶ。政治を、暮らしを、少しでもよくするには、その地道な作業を我慢強くくり返すしかない。
 都政であれ国政であれ、投票しなければ何も変わらない。その当たり前とも言える教訓を、参院選を前にあらためて胸に刻みたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56551130U3A620C1PE8000/より、
日経新聞 社説 都議選の低投票率が映す対立軸の不在
2013/6/24付

 7月の参院選の前哨戦とされた東京都議会議員選挙で国政与党の自民、公明両党が勝利し、都議会の過半数を4年ぶりに回復した。自公は参院でも非改選議席と合わせて過半数の奪回を目指しており、大きく弾みがついた。
 ただ、都民の関心は最後まで高まらなかった。投票率は民主党ブームに沸いた4年前の前回選より約10ポイント下がり、過去2番目に低い水準にとどまった。都議選は直後の国政選挙の先行指標となってきた。参院選も投票率の大幅な低下が懸念される。
 背景には政策論戦が盛り上がらなかったことがある。自公は主にアベノミクスや憲法改正など国政の課題への取り組みを訴えた。民主党や第三極は明確な対立軸を提示できなかった。
 争点が浮き彫りにならず、有権者に選択肢が見えにくい選挙戦だった。猪瀬直樹知事のもとで都議会が共産党などを除き事実上のオール与党化したことも一因だ。
 民主党は都議会第1党から第4党に転落。選挙戦でアベノミクスを「一過性の打ち上げ花火」と批判したが、政権担当当時に打ち出した経済政策と似通う部分もある。どうすれば日本経済を立て直せるのか。党の軸足はどこに置くのかをはっきりさせてもらいたい。
 都議選に初挑戦した第三極はみんなの党が善戦したものの、日本維新の会は34人もの候補者を擁立したにもかかわらず、現有3議席を下回った。
 橋下徹共同代表の物議を醸した発言やそれを受けた党内の亀裂が響いたとみられる。党の司令塔はどこにあるのかなどの疑問を早急に解消することが必要だ。
 安倍政権は参院選での戦いや今後の政権運営に自信を深めた。公明党の山口那津男代表は「政治の安定を求める流れは参院選でも続く」との見方を示した。
 とはいえ、投票率が5割を切り半数の都民を振り向かせることができなかったという意味では自公も勝者とばかりは言い難い。
 低成長が続き、昔よりも小さくなったパイを分け合う時代だ。行政と有権者の不断の対話なしに国はまとまらない。政治への関心が低いままでは、長い目でみたとき統治力は必ず落ちていく。
 よい政治を実現するには与野党が切磋琢磨(せっさたくま)することが大事だ。政策のメニューを競い合い、有権者を引き付ける参院選にしなければならない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130624k0000m070108000c.htmlより、
社説:都議選自民圧勝 民主党の危機的な凋落
毎日新聞 2013年06月24日 02時31分

 空前の圧勝である。参院選の先行指標として注目された東京都議選が投開票され自民、公明両党の候補が全員当選した。都議会第1党の座を自民党は民主党から奪還、自公両党で都議会過半数を確保した。
 地方選挙とはいえ首都、東京での政権与党の勝利は政治の安定や経済政策などへの期待が持続していることを反映した。野党では民主党が惨敗を喫し、日本維新の会も苦戦した。とりわけ民主党は戦略の根本的な練り直しを迫られよう。
 国政の傾向を反映することで知られる都議選だが、ここまで極端な結果は異例である。自民党が獲得した59議席は小泉内閣発足直後でブームが起きた01年の53議席を上まわる。「準国政選挙」と位置づけ、高い内閣支持率を背景に政権半年の評価を問う姿勢を前面に出した安倍晋三首相の戦略が奏功した。
 投票率が前回を大きく下回る中での自公勝利は他党のふがいなさの裏返しでもある。戦後最低の投票率だった昨年12月の衆院選と同様、無党派層やかつての民主党支持層の票が行き場を失い自公両党を押し上げる構図が繰り返されたと言える。
 自民党にとって参院選へのはずみとなることは確実だ。経済政策への期待を失望に変えぬためにも、いわゆるアベノミクス路線と財政健全化をどう整合させるかなど、より踏み込んだ説明が求められる。
 獲得議席で公明党、共産党に及ばず都議会第1党から第4党に転落した民主党の凋落傾向は深刻だ。衆院選惨敗をそのまま引きずり有権者からの不信が続き、参院選を前にしての危機的状況を浮き彫りにした。
 選挙戦で民主党は安倍政権の経済政策への批判を強めたが対立点を的確に説明できず、都政の争点も十分に提示できなかった。選挙結果は海江田万里代表が著しく発信力を欠き、今国会で党が存在感を発揮できなかったことの証明でもある。
 候補を大量擁立した日本維新の会にも風は吹かなかった。橋下徹共同代表のいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる発言が波紋を広げ、石原慎太郎共同代表が批判するなどいったん反目が表面化した。さきの衆院選で改革姿勢に期待した有権者も混乱や内輪もめにうんざりしたはずだ。政策も分権改革などをアピールできず、政権与党の補完勢力的な印象を与えている可能性もある。
 今回の選挙では共産党が議席を大きく伸ばし、都議選初陣のみんなの党も堅調だった。投票率などの要因があるとはいえ、野党でも政策の輪郭が明確な政党が健闘したといえる。安倍内閣に向かう対立軸をきちんと示せるかどうか、参院選で野党側が負う責任は重大である。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中