柏崎刈羽原発 「再稼働を前提にするな」

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130706/plc13070603170005-n1.htmより、
産経新聞【主張】再稼働申請 「柏崎刈羽」こそ急がれる
2013.7.6 03:17

 原発の再稼働を目指す北海道電力、関西電力、四国電力、九州電力の4社が原子力規制委員会に審査申請を連絡した。
 規制委が全原発に対して義務づけた新規制基準は8日に施行される。
 電力会社は、津波や電源喪失事故などに対する防備工事や安全性向上の諸対策を積み上げてきているが、それらが新基準を満たしているかどうかの審査を受けるための申請だ。
 日本のエネルギー回復に向けての重要な第一歩である。とりわけ東京電力の動向に注目したい。東電も新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の審査を行いたいとしている。
 電力の安定供給と賠償完遂のための経営再建を考えると、東電が柏崎刈羽の再稼働を目指すのは当然のことである。その前向きの決断を支持したい。
 東電管内の首都圏には、日本の政治経済の中枢機能が集中している。電力の安定供給への責任は一段と重い。東電が福島第1原子力発電所の事故の当事者であるからといって、柏崎刈羽の再稼働までを非難するのは厳しすぎよう。
 東電は、危機的な状況に陥っている経営の再建計画に柏崎刈羽の再稼働を織り込んでいる。
 原発の停止は、火力発電の燃料代の増加を招く。原発1基が止まっているだけで1日に約3億円、1年では千億円が宙に消える。莫大な国富の流失だ。
 柏崎刈羽の再稼働が実現しなければ、首都圏の電気代の再値上げも不可避となろう。回復の兆候が見え始めた日本経済へのマイナス影響は計り知れない。
 東電が柏崎刈羽の安全審査を受けようとしていることに、新潟県知事が強く反発している。東電と地元自治体の間での安全協定が知事の物言いのよりどころだが、あくまでも紳士協定であって、法的根拠は備わらない。
 日本は法治国家である。それを無視する言動は、容認されないはずだ。知事は原子力規制庁や規制委とも感情的に対立している。
 国が前面に出て、調整を図る必要がある。放置すれば他電力の地元にも悪影響が及びかねない。政府は成長戦略において、原発の再稼働を進める際には「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」と明記している。その姿勢で、事前の説得にも当たってもらいたい。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130706k0000m070105000c.htmlより、
社説:柏崎刈羽原発 再稼働を前提にするな
毎日新聞 2013年07月06日 02時31分

 柏崎刈羽原発の再稼働を巡り、東京電力の広瀬直己社長が新潟県の泉田裕彦知事らと面会したが、理解は得られなかった。東電が地元への説明なしに、原子力規制委員会に安全審査を申請すると発表したのは乱暴だった。反発を招くのは当然だ。
 同社が手続きを急ぐのは、事業計画が行き詰まっているからだ。再稼働前提の無理な事業計画を認めた国の責任も厳しく問われる。
 東電の申請対象は柏崎刈羽の7基のうち6、7号機の2基だ。しかし事前了解を得ずに申請を強行しても、再稼働には地元自治体の同意が欠かせない。今回、地元の頭越しに動いて反発を招いたことで、東電は再稼働へのハードルを自ら引き上げてしまったといえるだろう。
 広瀬社長は「地元の理解が前提」と繰り返してきた。それにもかかわらず、見切り発車に踏み切ったのは、同社の経営が厳しさを増しているからだ。2013年3月期は2期連続の経常赤字だった。原発の穴を火力発電で埋め、燃料費がかさんだためだ。これには、事故に伴う賠償費用は含まれていない。
 東電は昨年、電気料金を値上げしたが、上げ幅は今年度から原発が順次再稼働することを前提に決めた。その前提が崩れ、3期連続の赤字となれば、銀行から融資を打ち切られるおそれがある。電気料金の再値上げを回避しながら黒字転換するには原発の再稼働が欠かせないというのが、同社の考えだ。
 再稼働を巡っては、北海道、関西、四国、九州の4電力が計12基の安全審査を申請する意向だ。規制委の審査能力を考えると、審査対象の第1陣に入らなければ、審査は1年以上後回しになる。それでは銀行を納得させる事業計画は作れないということだろう。
 しかし柏崎刈羽は事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型だ。敷地直下には断層もある。福島の事故は収束せず原因究明も終わらない。再稼働が難しいことは東電も分かっているはずだ。無理を承知で「最大限の努力」を示すのが目的だとしたら地元との信頼関係を踏みにじるものであり、許されない。
 東電の事業計画は、原発再稼働を前提とせずに作り直すしかない。一段の合理化や安い燃料の調達努力が必要なのは当然だが、それでもなお経営が立ち行かないのであれば、値上げによって利用者に負担してもらうことも検討せざるを得ないのではないか。
 これは原発に頼らない社会を目指すために、避けて通れない課題と言えるだろう。国民の負担に結びつく問題だ。政府はエネルギー政策における原発の位置づけを明確にし、国民の理解を得る必要がある。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 7月 3 日(水)付
柏崎再稼働―とても理解は得られぬ

 東京電力が柏崎刈羽(かりわ)原発(新潟県)の6、7号機について、再稼働に向けた適合申請を、できるだけ早く原子力規制委員会に出す方針を発表した。
 東電は福島第一原発の事故を起こした当事者だ。いまだに次から次へと問題が起き、収束のめどすら立っていない。
 それなのに、被災者にどんな顔をして、ほかの原発を再開しようというのか。とうてい理解が得られるものではない。
 新潟県知事が、福島の事故の検証・総括がなければ再稼働の議論はしないとの立場をとるのは、当然だ。
 東電が急ぐ理由ははっきりしている。
 原発を動かせば、1基あたり年間1千億円規模の収支改善になるからだ。東電は巨額の赤字が続いており、いまのままだと金融機関からの融資が止まり、電気料金の再値上げも避けられない。
 とはいえ、東電とて簡単に柏崎刈羽を動かせるとは思っていないだろう。「あらゆる手を尽くしたが、だめだった」という状況をつくったうえで、改めて次の救済策を求める――今回の申請方針にはそんなシナリオが透けてみえる。
 アリバイづくりのような行動に東電を走らせているのは、政治の側に問題がある。
 もともと東電の再建計画は当座しのぎでしかない。事故に伴う損害賠償や廃炉、除染にかかる費用を考えれば、東電にすべてを負担させる計画は、いずれ頓挫することが明らかだった。ところが、民主党政権は放置し続けた。
 安倍政権も、東電問題にはだんまりを決め込んでいる。むしろ福島の事故などなかったかのように、原発再稼働に向けて「地元自治体の理解を得ることに最大限の努力をする」と約束する。
 こうした流れの中に柏崎刈羽も追い込もうというなら、非常識としか言いようがない。
 ましてや柏崎刈羽は、07年の中越沖地震で火災や微量の放射能漏れを起こした。7基が集中立地し、事故時の連鎖が心配されている。かつてトラブル隠しで社長らが引責辞任に至り、原発の負の側面を象徴する存在でもある。
 再稼働を前提にしなければ東電が再建できないのなら、正すべきは再建計画のほうだ。
 国は東電の大株主である。安倍政権は東電の申請をやめさせ、一刻も早く再建計画の見直し作業に着手するべきだ。
 まっとうな主張を続ける新潟県を孤立させてはならない。

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