もんじゅ現地調査 「活断層」判断は長期化

http://mainichi.jp/opinion/news/20130719ddm003040145000c.htmlより、
クローズアップ2013:もんじゅ現地調査終了 核燃サイクル瀬戸際 「活断層」判断は長期化
毎日新聞 2013年07月19日 東京朝刊

 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)について、原子力規制委員会は18日、原子炉施設直下にある断層(破砕帯)の活動性を把握するための2日間の現地調査を終えた。調査団を率いる島崎邦彦・規制委員長代理は、原子力機構に追加調査を求め、結論が得られるまで長期化する様相を呈してきた。もんじゅは、国策である核燃料サイクルの中核を担う。規制委の判断は、運転再開を遅らせるだけでなく、国策の行方も左右しそうだ。【鳥井真平、吉田卓矢、柳楽未来、斎藤有香】

 5人の専門家でつくる調査団は、今回参加できなかった宮内崇裕・千葉大教授が現地視察を終えるのを待ち、8月下旬にも評価会合を開き議論する。島崎委員長代理は「すぐに結論が出る状況ではない」と語り、時間がかかることを示唆した。
 長期化させる要因は、複数ある。
 もんじゅは、原発と同様の規制基準が適用される予定で、活断層のすぐ真上に重要施設を造ることができない。原子炉施設直下では8本の破砕帯が確認され、このうち「a破砕帯」(長さ250メートル)が原子炉を冷やすナトリウムの交換機がある「原子炉補助建物」の直下を走る。調査団は今回、その近くで掘った溝に現れた破砕帯を視察し、粘土を採取した。だが、活断層かどうかを判断するのに重要な活動年代の特定には不十分として、調査範囲の拡大を求めた。
 もんじゅの西側約500メートルを南北に走る活断層「白木(しらき)−丹生(にゅう)断層」も観察した。この活断層は、敷地内の破砕帯と連動して動く可能性が指摘されている。地中で傾いているため、もんじゅの地下約850メートルを通っている。島崎委員長代理は「(この活断層が原因となる)地震の揺れに、施設が耐えられるかどうかの評価も課題だ」と述べた。追加調査で時間がかかりそうな項目が、もんじゅ近くの海底探査だ。指定の調査地点には漁業で使う定置網があり、網の撤去は11月以降になるという。
 原子力施設敷地内の活断層問題は、もんじゅ以外の原子力施設でも運転再開の鍵となってきた。
 日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)では、規制委が今年5月、直下の断層を活断層と認定した。原電は規制委に、行政不服審査法に基づいて異議申し立てを行った。
 もんじゅの池田真輝典(まきのり)副所長は「提案された追加調査に早く対応し、活断層ではないと証明する」と語る。規制委が活断層と認定しても、原子力機構は同様に徹底抗戦するとみられ、出口が見えない状態が続く。

 ◇運転再開見通しなく
http://mainichi.jp/opinion/news/20130719ddm003040145000c2.htmlより、
 もんじゅは、原発の使用済み核燃料から取り出されたプルトニウムを、ウランと混ぜたMOX燃料を使い、消費量以上に燃料のプルトニウムを得る。同じようにMOX燃料を使う原発の「プルサーマル発電」とともに、政府が推進する「核燃料サイクル」の両輪になっている。規制委が直下の破砕帯を活断層と認定し、廃炉に追い込まれると、実質的に計画は破綻する。規制委の評価は、政府に計画の見直しも迫る。
 資源の乏しい日本は、核燃料の再利用ができる「核燃料サイクル」の実現にこだわってきた。だが、もんじゅは、1995年のナトリウム漏れ事故など多くのトラブルを起こし、ほとんど運転できない状態が続く。所管する文部科学省は昨年10月に作業部会を設置した。作業部会の主査を務める山名元(はじむ)・京都大原子炉実験所教授は「高速炉は非常に幅広い能力を持つ。もんじゅの価値をもう一度明らかにしたい」と述べ、運転再開への議論の必要性を強調する。部会での議論も「もんじゅ継続」が主流で、安倍晋三首相もサイクルを「継続する」と表明している。
 だが、もんじゅでは約1万個の機器の点検漏れが発覚し、運営する原子力機構が今年5月、規制委から運転再開準備の禁止命令が出された。島崎委員長代理は「こういう組織の存続を許していること自体が問題だ」と指摘。「安全を軽視する組織の体質が改善されない限り、運転再開はあり得ない」(原子力規制庁幹部)との声も出て、断層調査で「活断層ではない」と判断されたとしても、運転再開の見通しは立っていない。
 一方、もんじゅと両輪をなす原発のプルサーマル発電も課題は多い。規制基準に基づいて今月8日に始まった再稼働申請で、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)など計4基が、MOX燃料を使ったプルサーマル発電を前提とする。だが、一部の専門家からは「原子炉の運転を制御する制御棒の利きが悪くなる」と指摘される。田中俊一・規制委員長は「技術的にきちんと審査する」と述べており、再稼働の安全審査で、より慎重な対応を求められる可能性がある。サイクル全体の先行きは不透明だ。

 ■もんじゅの調査団メンバー
 ◇島崎邦彦氏
 原子力規制委員長代理。日本地震学会や地震予知連絡会の会長を歴任
 ◇大谷具幸氏
 岐阜大准教授。断層や破砕帯の内部で起こる現象を研究
 ◇竹内章氏
 富山大教授。地殻変動や地震災害、地質を研究
 ◇水野清秀氏
 産業技術総合研究所平野地質研究グループリーダー。活断層や火山灰などを研究
 ◇宮内崇裕氏
 千葉大教授。日本活断層学会理事。高精度の活断層図の作製に携わる

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