医療事故調査制度 患者の「なぜ」に応えよ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013071902000116.htmlより、
東京新聞【社説】医療事故調 患者の「なぜ」に応えよ
2013年7月19日

  医療現場での事故を調査し再発防止に役立てる国の医療事故調査制度の概要がまとまった。患者の「なぜ」に応え、医療への信頼を高める制度にできるのか、医療側のやる気が問われる。
 回復を願い治療を受けたのに予期せぬ医療事故に遭ってしまう。診療行為にかかわる死亡事故は年間千三百~二千件起きていると推計されている。
 患者や家族にとっては「なぜ死ななければならなかったのか」という思いが消えない。事実の隠蔽(いんぺい)や虚偽の説明がなされては、医療側への不信は高まるばかりだ。
 一方、医療側も手を尽くしたのに刑事責任を問われかねない事態はつらい。難しい治療に挑む医師を萎縮させかねない。
 医療事故の原因を解明し、再発防止に役立てたい。双方の思いがやっと形になった。厚生労働省の検討部会が医療事故調査制度(医療版事故調)の概要を決めた。
 二年後の創設を目指す事故調は、国内の医療機関計約十八万施設を対象にした。これまで分からなかった事故実態の把握が進む。
 予期しない死亡事例が起きたら、遺族への説明とともに第三者機関への届け出と、院内での調査を義務づける。調査結果は第三者機関に報告し遺族にも伝える。
 遺族が院内調査結果に納得しない場合は、第三者機関へ再調査を求められる。
 ただ、原因究明を優先する考えから、第三者機関は調査結果を警察などに通報しない。
 刑事責任は医師個人の責任を問われるが、実際は医療機関の組織に問題があるケースが少なくない。システムの不備を見抜くことを主眼に置いた。
 それだけに院内調査の役割は重要になる。事故の発生でただでさえ遺族に不信を持たれている。医療側に責任感と自立性が求められることを忘れるべきでない。
 第三者機関は行政から独立した民間組織を想定している。最後に遺族が頼る先である。調査権限や中立性をどう確保していくのかが大きな課題だ。
 再調査の費用は一部遺族に負担させる方向だが、落ち度のない遺族に求めることは筋が違う。小さな診療所の調査には限界がある。支援する仕組みも必要だろう。
 五年前に厚労省が創設へ大綱を示したが、警察への通報を盛り込んだ点に医療側から反発がでて頓挫していた。今度こそ国民の命と安全を守る制度に育ててほしい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56104460S3A610C1EA1000/より、
日経新聞 社説 事故調を医療への不信和らげる一歩に
2013/6/12付

 厚生労働省の検討部会が医療事故調査制度の概要をまとめた。
 病院などで患者が予期せず亡くなった場合、院内調査の実施と民間の第三者機関への届け出を医療機関に義務付ける内容だ。この第三者機関が医療版の事故調査委員会の役割を果たす。病院の対応に納得できなければ、遺族はここに再調査を申請できる。
 制度は医療事故の原因を調べ再発防止につなげるのが目的だ。医療の質と安全を高めるとともに、事故をむやみに刑事事件に発展させないためにも必要だ。
 第三者機関の独立性や調査能力などに課題はあるが、まずは最初の一歩を踏み出すことが大事だ。必要な修正を適宜加えて実効性のある仕組みに育てたい。
 第三者機関は病院に立ち入り検査をしたり証拠を提出させたりする強制力のある調査権を持たない。航空機や鉄道事故の事故調査とは性格がかなり異なる。
 厚労省が2008年に示した制度案では調査権を備えた公的な委員会を設け、悪質な事例は警察に通知するとしていた。これに対し医療界の一部から「責任追及は原因究明と再発防止を妨げる」と反発が出て議論が止まっていた。
 今回の案は事故調査の独立性や透明性を確保する観点では、08年案に比べ後退感がぬぐえない。
 医療行為、とりわけ外科手術は不確実性が伴う。最善を尽くしても予見できない事態は起きうる。亡くなるに至った経緯と原因に関し、医師が遺族にていねいに説明し納得してもらうのが望ましい。責任追及ばかりが前面に出たのでは真相解明や再発防止につながりにくいのはその通りだ。
 ただ医療行為に関して具体的に知りうる情報の量が医師と遺族では格段の差がある。また不都合な事実を隠す不届きな医療機関があるのも事実だ。医師の説明だけでは満たされない遺族の思いへの配慮も大事なことだ。
 第三者機関の権限を弱めた結果、医療界の責任は重くなったといえる。院内調査の透明性や中立性を高め不信を招かぬよう心がける必要がある。院外の医療専門家を調査に加えるのは当然だ。
 制度は万能薬ではない。これで医療事故や医療不信がなくなるとは思えない。道をはずれた医師が刑事処分の対象になるのも変わらない。ただ、うまく制度が機能すれば、不幸な事故や事件を少しでも減らせるのではと期待する。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130605/dst13060503290001-n1.htmより、
産経新聞【主張】医療事故調 患者の信頼取り戻したい
2013.6.5 03:28 (1/2ページ)

 治療に訪れたのに思わぬ事故で命を落とす。そんな理不尽な事態の再発防止を目指す民間の第三者機関による医療事故調査制度の概要がやっと固まった。
 医療事故をめぐる民事訴訟や医師個人の刑事責任が問われるケースも増え、医師に対する患者側の不信が拡大している。医療事故調査制度は、複雑化、専門化する事故原因を徹底解明するうえでも不可欠だ。厚生労働省の検討部会がまとめた概要をたたき台にして、実効性のある制度の確立に努めてほしい。
 厚労省によると、診療行為に絡んだ予期せぬ死亡事故は年間1300~2000件起きている。過去には手術で患者を取り違えたり、器具を体内に置き忘れたりと信じがたい事故もあった。病院側の隠蔽(いんぺい)体質も否定できず、カルテ改竄(かいざん)の悪質例もみられた。
 訴訟や刑事事件に発展する事態が増えたことで、医師がリスクの高い手術を避けたり、訴訟の多い産科の医師などが減ったりする事態も起きている。医療崩壊が大きな社会問題にもなってきた。
 医療事故調査制度の最大の狙いは、医療への信頼回復にある。医療界は制度を機能させるために率先して協力すべきだ。
 制度の特徴も、まず病院や診療所など医療機関自らの手で事故原因を調べるところにある。死亡事故は全国約18万の医療機関すべてが院内調査を実施し、再発防止策を講じるよう義務付ける。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130605/dst13060503290001-n2.htmより、
2013.6.5 03:28 (2/2ページ)
 調査結果は第三者機関への報告とともに患者側にも必ず説明するよう定める。それについて患者側が納得できない場合は、第三者機関に直接、再調査を求めることができるとした。
 第三者機関は、調査結果について、警察や行政機関への通報などはしないが、その分、医療界の自浄能力が問われている。
 第三者機関の調査の中立性や公正性、透明性を担保するため、権限や人選など、ほかにも解決すべき課題が少なくない。医療機関自らの調査でも、外部の医師の参加は欠かせない。
 検討部会がまとめた概要でも「原則として外部の医療の専門家の支援を受ける」としている。法律で義務付けるべきだ。
 第三者機関の調査費用の一部は、遺族や医療機関が負担する方向だが、これについても明確なガイドラインが必要だ。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 6月 2 日(日)付
医療事故調査―医師らの本気が見たい

 医療での思いがけない事故について、真相をたしかめる仕組みの大枠がやっと固まった。
 第三者の立場から原因を調べる民間の機関がもうけられる。飛行機事故などで知られた「事故調査委員会」にちなみ、「医療版事故調」と呼ばれる。
 医師や、患者の遺族、弁護士らでつくる厚生労働省の検討部会が構想をまとめた。この秋に医療法をととのえ、早ければ15年度中の実現をめざす。
 調べるのは死亡したケースに限るなど、まだ不十分さも目につく。だが、10年近い論議の末にたどりついた結論だ。
 医療の信頼を高めるために、ここから制度を育てたい。
 対象は、病院、歯科診療所、助産所など約18万ある国内すべての医療施設。
 診療のなかで、医師も予期しない死亡がおきたときは、かならず外部の医師を入れた院内調査をするよう義務づける。
 事故調への届け出もルール化し、遺族に開示した院内調査の結果も報告させる。
 遺族が納得できないときは、事故調に直接調査を求めることもできる。
 医療事故やその疑いがある例の原因究明について、これまで統一的な取りきめはなかった。
 病院が真相を隠したり、警察の捜査で医師の刑事責任が問われたりするたび、遺族の怒りや医療不信がふくらんだ。
 むずかしい診療行為では、事故か、そうでないかの判断が簡単でないことも多い。
 医師の側にも責任追及をおそれるあまり、命にかかわる診療科をこころざす人が減るなど、マイナスの影響があった。
 厚労省が08年に案をつくったときは、医療界の一部から猛反発が出た。ふつうの診療から大きく外れていたことが原因だった時などは、警察に知らせることになっていたからだ。
 それが今回は、事故調の手前の院内調査に重点が移った。目的も、再発の防止と医療の質の向上と明記され、警察へ通知はしないことになった。
 最大のカギは院内調査の中身になる。公正に、自らの弱みも含めて原因に切りこめるか。小さな施設では地元医師会などが力を貸すことになりそうだが、かばい合いは許されない。
 診療のなかで死亡する事故は年に1300~2000件といわれるが、全体像さえあやふやだ。事故調への届け出でようやく解明のとびらが開く。
 医療界をあげて本気で取りくんでほしい。厚労省は事故調を切望してきた遺族らの声もくみ、制度設計を急ぐべきだ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130531k0000m070131000c.htmlより、
社説:医療事故調 信頼確立の第一歩だ
毎日新聞 2013年05月31日 02時32分

 医療には予測できないことが起こる。全国の医療機関での「予期せぬ死亡事故」は推計で年間1300〜2000件ある。突然、肉親を亡くした遺族が失意と混乱の中でどうして事故が起きたのか原因解明と説明を求めるのは当然だ。医療側にミスがあれば謝罪を求め、責任追及し、金銭的な賠償が必要な場合もある。再発防止を祈念する遺族も多い。
 ところが、現実には医師から納得できる説明がなされることは多くなく、責任追及を恐れて医療側が口をつぐむと原因解明は進まず、再発防止にもつながらない。単純ミスやカルテの隠蔽(いんぺい)、同じ医師が事故を繰り返すケースもあって民事訴訟は後を絶たない。一方、刑事訴追された医師が無罪となり、医療側から強い批判が起きたこともある。医師らはリスクの高い産科や小児科を避けるようになり、病院や診療科の閉鎖の原因となっているとも言われる。いくつもの矛盾が重なって医療不信と医療崩壊の震源となっているのだ。
 航空機や鉄道事故の調査委員会のように、責任追及とは別に独立した機関による原因解明が必要だ。厚生労働省の委員会がまとめた医療版事故調査制度(医療事故調)によると、死亡事故について調査する民間の第三者機関の設置とともに、全国の病院や診療所、歯科診療所、助産施設など計18万施設に院内調査と調査結果の報告を義務づける。院内調査には外部の医師も加えて客観性を担保するが、遺族が納得できない場合は第三者機関が改めて調査する。第三者機関は警察へは通報しない。
 報告を義務づけられることに医療側から懸念の声も出ているが、患者や遺族が納得できる原因解明のためには不可避だろう。問題は第三者機関の性格だ。国内の多数の医療団体が参画して事故調査の実績を積んでいる一般社団法人「日本医療安全調査機構」(東京都港区)が検討されているが、公平性や実効性を高めるために調査権限や独立性をどう規定するかは重要だ。また、小規模病院や診療所の場合、院内調査には医師会や大学病院の協力が必要だ。調査結果の公開や捜査機関との調整、患者の費用負担をどうするかなど煮詰めるべき問題は多い。
 医療事故調は患者や関係団体が以前から必要性を訴え、厚労省は設置法案の原案も作成したが、責任追及を恐れた医療界からの反発もあり、民主党政権下で動きが止まっていた。今回の医療事故調は医師と患者双方の信頼を確立するものにしなくてはならない。第三者機関が警察へ直接通報することはないが、遺族には医師側の過失が明らかで刑事訴追の恐れがある内容も伝えるべきだ。信頼は真実を隠したところには生まれない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130530ddm003040095000c.htmlより、
クローズアップ2013:医療事故調制度 信頼回復へ客観性担保 費用は遺族も負担
毎日新聞 2013年05月30日 東京朝刊

 検討開始から6年。医療界の反発や政権交代の影響でまとまらなかった医療版事故調査制度の概要が固まった。民間の第三者機関が医療機関で起きる予期せぬ死亡事故の原因を究明することになる。会議最終日の29日になって、院内調査に外部の医師が加わることも決まり、医療事故の遺族からは「悲しい事故を繰り返さないための大きな一歩だ」との声が上がった。【桐野耕一、奥山智己】

 概要が固まった制度では、まず死亡事故を起こした医療機関が院内調査で原因を調べることになる。厚生労働省は当初「外部の支援を受けることが望ましいとの意見があることに留意して対応することが必要」との案を示し、院内調査に外部の医師を入れることを求めない考えだった。
 だが、大学病院院長や日本医師会理事、医療事故の遺族や弁護士ら16人で作る有識者会議内には、厚労省案で院内調査の透明性が確保できるか懐疑的な見方があった。この日の会議でも、厚労省案をどう扱うかに議論が集中した。
 院内調査に納得できず、事故調に調査を申請した遺族は費用を払う必要がある。口火を切ったのは弁護士委員だった。「遺族に負担を求めるなら、まず院内調査が客観的なものでなければならないはずだ」。当初から外部のチェックを入れるべきだとの意見だった。
 予定の2時間を超えて会議は続き、大学病院の院長も「私たちの病院でも外部の専門医に入ってもらうことがある」と発言。他の委員からも「信頼がここまで傷ついているのに、外部も入らない院内調査で社会の納得が得られるのか」と厳しい意見が相次いだ。
 医師である委員が「医療機関の自主性が損なわれる」「院内調査で本当のことを言わなくなる」と反論したが、明確な反対は1人だけ。最後は「原則として外部の医療専門家の支援を受ける」ことに決まった。
 だが、外部の医師を入れて院内調査を行う場合、一部の外科医や解剖医に調査依頼が集中する可能性がある。厚労省は専門医不足を懸念して当初の案を示した側面もあったという。
 制度の円滑な運用には人材確保が不可欠だが、有識者会議の委員を務めた日本医師会の高杉敬久(のりひさ)常任理事は「院内調査を迅速に支援し、医師不足も起きないよう、医師会と大学病院が連携する仕組み作りに既に取り組んでいる」と説明する。
 「どんなに丁寧に説明しても医師が遺族から疑われてしまうのが現状だ」。日本医療機能評価機構の産科医療補償制度原因分析委員会委員長として、出産時に乳児が脳性まひになった事例を調べている岡井崇・愛育病院院長は「信頼回復のために外部の医師を調査に入れるのは自然な流れだ」と指摘した。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130530ddm003040095000c2.htmlより、
 ◇点滴ミス遺族「第三者の目で解明を」 訴え13年「一歩前進」
 「制度創設のめどがついたのは一歩前進」。医療事故調査制度のあり方を検討する有識者会議の議論を見守り続けた「医療の良心を守る市民の会」代表の永井裕之さん(72)=千葉県浦安市=は静かに語った。
 1999年2月。東京都立広尾病院で関節リウマチの手術を受けた妻悦子さん(当時58歳)を亡くした。食塩水の代わりに誤って消毒薬を静脈に注射される点滴ミスが原因だった。
 半年後、都の調査報告書を見て驚いた。死亡した時刻や状況が、自身の知る事実と異なっていたからだ。不信感が高まり身内の調査では真相を解明できないと感じ始めた。「医療事故が起きたら調査に第三者を加え、真相究明と再発防止に努めてほしい」。2000年以降、シンポジウムなどに呼ばれる度に訴え続けた。
 医療界も動いた。原因究明や再発防止を担う第三者機関の創設に向け、01年から日本外科学会などが相次いで声明を発表。05年には、日本内科学会などによるモデル事業も始まった。厚労省も07年から死亡事故の原因を究明する第三者機関の設置について検討し、3度にわたり試案を公表。08年には医療事故調査組織の設置法案の原案となる大綱案も明らかにした。
 だが、悪質事例を警察に通知するという大綱案の項目に医療界の一部が「医師の責任追及につながる」と強く反発。現場の自主性を尊重するとの立場から第三者機関より院内調査を重視していた民主党が政権の座に就くと、厚労省は法案提出をいったん断念した。
 永井さんは民主党政権下でも、厚労相に事故調査機関設置を求める要望書を提出。12年2月に制度を検討する有識者会議が3年ぶりに再開されると、そのほとんどに足を運んだ。議論は迷走しているように感じたが、昨年4月には参考人として「独立性を持った第三者機関を」と訴えた。
 有識者の委員に思いが届いたかどうか、手応えはなかった。昨年12月に政権が再び交代すると、流れがようやく変わり、制度の概要がまとまった。「ここまで来て期待は持てる。ただ、費用の遺族負担など残された課題も多いので、これからが大事」。訴え続けて13年。会議の結論を見届けた永井さんは少しだけ安心したように笑みを浮かべた。

 ◇医療事故調設置を巡る主な経過
99年2月  東京都立広尾病院の点滴ミス隠し事件で患者が死亡。元院長らの有罪が確定し、遺族から第三者機関の設置を求める声が上がり始める
04年9月  日本医学会の主要19学会が中立的な調査機関の創設などを求める共同声明

http://mainichi.jp/opinion/news/20130530ddm003040095000c3.htmlより、
05年9月  日本内科医学会が主体となり死亡事例の調査分析モデル事業を開始
06年2月  帝王切開手術のミスで妊婦を死亡させたとして、福島県立大野病院の医師が逮捕されたことをきっかけに、第三者機関設置の声が強まる(医師は無罪確定)
07年3月  厚労省が死因究明の方法に関し、
〜08年4月 第1〜3次試案を公表
08年6月  厚労省が医療事故調査組織設置法案の大綱案を公表
09年9月  厚労省が国会への法案提出を断念
10年5月  医療事故被害者団体が首相らに調査機関の設置を求める署名提出
12年2月  医療事故調査制度を検討する厚労省の有識者会議が3年ぶりに再開
13年5月  有識者会議で制度の概要固まる

http://mainichi.jp/select/news/20130530k0000m040096000c.htmlより、
医療版事故調査制度:院内調査に外部医師
毎日新聞 2013年(最終更新 05月29日 23時36分)

 診療行為中に起きた予期せぬ死亡事故の原因を究明する「医療版事故調査制度」の概要が29日、固まった。国内すべての病院や診療所に対し、第三者の立場で原因を調べる民間の事故調査機関に死亡事故を届け出たうえで、院内調査と結果の報告を義務付ける。院内調査に原則外部の医師を入れて客観性を担保するが、遺族が調査結果に納得できない場合は事故調が直接調べることも可能になる。
 制度のあり方を検討してきた厚生労働省の有識者会議で内容がまとまった。厚労省は今後、手続きを定めるガイドラインを作成したうえで医療法改正案をまとめ、早ければ今秋の臨時国会に提出する方針。
 相次ぐ医療事故に対し、遺族からは医療機関側による原因究明が不十分との指摘が出ていた。医療界からも医師個人の刑事責任を追及するより、再発防止に向けた中立的な立場での調査が必要との声が上がり、法律に基づく調査機関の設置に向けて2007年から検討が続いていた。
 新制度では、事故調が歯科診療所や助産施設を含め、全国計約18万施設の事故事例を集め、原因を分析することになる。
 厚労省は、全国の医療機関で起きる予期せぬ死亡事故は年間1300〜2000件に上ると推計している。
 厚労省は、一部地域で事故調査のモデル事業を行っている一般社団法人「日本医療安全調査機構」(東京都港区)などを調査実施機関にすることを検討している。院内調査に外部の専門医がスムーズに加われるよう、都道府県医師会や医療団体が支援する。
 事故調は遺族の申請があれば院内調査と並行した独自調査も行う。医療機関側も院内調査とは別に事故調に対して自ら調査を申請できる。
 将来的には重い障害が残った事故なども調査対象にする方向で検討する。警察への死亡事故の届け出は事故を起こした医療機関が行い、事故調は通報しない。
 遺族に事故調の調査費用の負担を求めることについては、一部有識者から反対の声があったが、調査の申請を妨げることのない金額になるよう配慮し、所得によって減額することでまとまった。【桐野耕一、奥山智己】

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