参院選 震災復興「政治の気合が足りない」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013071902000117.htmlより、
東京新聞【社説】<2013岐路>震災復興 政治の気合が足りない
2013年7月19日

  東日本大震災から三度目の夏だ。避難生活者はいまだに約三十万人にのぼる。原発事故の除染も容易に進まず、復興住宅の建設ものろい。政治に気合が足りない。
 被災地では、今も約十一万人もの人々が、各地の仮設住宅で暮らしている。約三十万人の避難者数は、震災直後の63%にあたる高水準である。
 災害公営住宅、いわゆる復興住宅の完了割合は、三月末時点で、たったの1・2%にすぎない。着工は41%だが、「用地確保」の件数もカウントされている数字だ。
 高台への集団移転や区画整理事業など、約三百七十地区で予定されているが、こちらも工事着手は約百四十地区にとどまる。仮住まいの状態から、脱出できないでいるのが現状なのだ。
 「復興が最優先。住まいの再生をする」(自民党)。「地域の実情にあった復興を加速」(民主党)。「復興加速に向け、区域ごとにまちづくり事業の工程表を明示」(公明党)…。各党とも、復興に力を込めた公約を掲げている点では変わりがない。
 だが、政治が「復興を加速」と言っても、加速しない現実はいったい、どうしたことか。プランづくりや住民の合意形成などに時間を要するとしても、震災から二年四カ月以上を経過しているのだ。
 コンクリートなどの資材不足や人手不足、技術者不足のせいでもある。国土強靱(きょうじん)化策などで、全国的に公共事業が膨らんだ影響があるとみられる。被災地優先で取り組むべきである。
 許し難いのは、復興予算が被災地とは無関係の事業に使われていることだ。「兆」単位の税金が流用された可能性がある。復興税は国民が広く負担しているだけに、有権者は怒っているはずだ。
 被災者支援の集会後に復興庁幹部が「左翼のクソども」とツイッターに書き込みをした件は、官僚のたるみの象徴だ。各省庁が復興に便乗して、予算獲得に走る。これを許すのは、政治のたるみの表れでもある。被災者ばかりか全国民への冒涜(ぼうとく)だ。
 放射能汚染によって、福島では十五万人が避難を続け、故郷へ帰るめどが立っていない。震災関連死も約二千七百人にのぼる。
 復興は被災者の立場で、迅速に行われねばならない。政治は被災者の姿が見えているか。住民本位の復興が着実に実行できるか、見極める選挙でもある。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130719k0000m070119000c.htmlより、
社説:視点・参院選 大震災対策=論説委員・倉重篤郎
毎日新聞 2013年07月19日 02時30分

 来たるべき大震災に政治はどう向き合うべきか。3・11後日本列島は地震活動が活発化、東海、東南海、南海、首都直下型大地震についてはいつ起きてもおかしくない、といった見通しが語られ、相当規模の被害想定が発表されている。
 政治の究極の役割は、国民の生命と財産を守ることである。かつて中曽根康弘内閣は大地震を想定し危機管理にたけた後藤田正晴氏を官房長官に任命、1986年の三原山大噴火では全島民1万人を緊急避難させた。95年の阪神大震災に遭遇した村山富市内閣は自衛隊出動の決断で出遅れたが、復旧、復興面では一定の評価を得た。そして、2011年の3・11。菅直人内閣は自衛隊派遣を素早く決断したものの、大津波や原発メルトダウンなど複合災害への対応はとても十全とは言えなかった。
 もちろん、3・11はまだ終わっていない。その復旧、復興には全力を挙げるべきだが、世界でもまれな地震列島の上に乗る国家としては今後起こりうる大震災にも目配りすべきだ。国家の衰亡にもかかわる話であり、国政選挙でもっと議論があってしかるべきではなかろうか。
 そんな問題意識から各党公約を見る。自民、公明両党は「防災・減災等に資する国土強靱(きょうじん)化基本法案」と、想定される二つの大震災に備えた特別措置法を先の国会に提出済みで、この3法案を成立させることで社会インフラの老朽化対策、耐震化の加速、避難路・津波避難施設や救援体制の整備にあたりたい、としている。公明党はこれに加え、地域ごとの防災マニュアルの配布や防災訓練の実施、防災教育の教科化を挙げる。
 法整備は評価できるし、優先順位を明確化した上での一定のインフラ強化は必要かもしれない。だが、これを公共事業のバラマキにしてはならない。インフラがあっても、危機的状況の中でそれを効果的に動かす組織、人物がいなければ国民の生命、財産を守ることはできない。いざといった時に首相以下どういう体制を取るのか、責任体制と指示系統、各種シミュレーションの透明化が必要だ。ハードのみならずソフト面での強靱化が死命を制することになる。
 民主党は発災後72時間の対応を強化する「命の防災基本法」を制定、インフラ整備では社会資本再生法を制定して公共事業の選択と集中を進める、としている。バラマキにはたがをはめたが、これもまたソフト面での構えが足りない。政権党として3・11を経験した総括と反省が感じられない。両者間でもっと真に迫った議論をしてほしい。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130714k0000m070089000c.htmlより、
社説:視点・参院選 地方経済=論説委員・近藤伸二
毎日新聞 2013年07月14日 02時30分

 大阪では4月に「グランフロント大阪」、6月に「あべのハルカス」と市内中心部に大型施設が相次いで開業し、今も多くの入場客でにぎわう。この影響もあって、今月発表の路線価上昇率の全国トップ3を大阪が占めるなど明るい話題に沸くが、地域に多い中小企業には景気回復の実感はない。そんな大阪の視点で地方経済を見てみたい。
 安倍政権の経済政策「アベノミクス」効果で、全国的に景気回復の動きは広がっている。ただ、地域によって濃淡があり、円安の恩恵が大きい自動車産業を主力とする東海などに比べ、関西は出遅れ気味だ。
 特に、雇用や賃金への波及は鈍い。大阪市信用金庫がまとめた大阪府内の中小企業の夏のボーナス調査によると、「支給する」と回答した企業は50.1%にとどまった。この割合は6年ぶりに前年を上回ったものの、1998年に調査を開始して以来、2番目に低い水準だ。
 中小企業には、円安による原材料価格上昇や電気料金値上げなどが重くのしかかる。関西では、地域経済を引っ張ってきたパナソニックやシャープなど電機大手の経営悪化の影響も尾を引く。
 だが、関西のような大都市圏ではない地方はもっと厳しい状況にある。山口県周南市の中心商店街でつくる徳山商店連合協同組合では、94年に431店あった店舗が昨年は321店に減った。空き店舗率も昨年は17.7%となるなど「シャッター通り」化に歯止めが掛からず、中心商店街がある通りの路線価は前年より11.1%も下落した。
 景気回復の波に乗り遅れた地域や業種、企業にもアベノミクス効果を及ぼすには、成長戦略を各地域の実情に応じて進めていくことが重要になる。
 大阪では、税制優遇や規制緩和を行う「国家戦略特区」に期待する声が強い。参院選後に東京、大阪、愛知を含む数カ所が指定されるとみられており、大阪は先端医療の拠点づくりなどを進めたい考えだ。
 国家戦略特区について、自民党は公約で「各地域の取り組みを踏まえ、大胆な規制改革等を実行する」とうたう。大阪を地盤とする日本維新の会も、特区によりカジノやレジャー、ビジネスなどを含む施設「統合型リゾート」の実現を掲げる。
 民主党政権下の2011年にも「関西イノベーション国際戦略総合特区」が指定されたが、規制緩和が十分に進められたとは言えない。地元の声を取り入れ、使い勝手のいい制度にしなければ、看板を付け替えるだけに終わってしまいかねない。

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