消費税8%(2014年4月実施) 「延期すべきだ」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2より、
朝日新聞 社説 2013年 8月 3 日(土)付
消費増税―先送りの危うさに目を

 いまは5%の消費税率を、来年4月から8%に、15年10月には10%へと引き上げる。
 「社会保障と税の一体改革」の柱であり、法律も成立している2段階の消費増税について、安倍首相が慎重な姿勢を見せている。最終決断するのはこの秋で、さまざまな経済指標を見極めつつ、有識者からも意見を聞くという。
 心配は、わかる。
 経済はやっと上向いてきたものの、企業の業績改善が投資や家計消費を押し上げ、それが企業業績を支えるという好循環には乗り切れていない。デフレ脱却と本格的な経済成長への入り口にこぎつけたのに、増税で台無しにならないか――。
 しかし、同時に財政規律への目配りを忘れてはならない。
 先進国の中で最悪の財政難のなか、日本銀行は金融緩和のために、市場を通じて国債を大量に買っている。
 これが「中央銀行による財政の尻ぬぐい」と疑われれば、国債相場は急落し、金利が急上昇して景気の足を引っ張る。そうなるとデフレ脱却と経済成長、財政再建のすべてが遠のいてしまう。
 政権が消費増税から逃げるかのような姿勢を見せれば、その危うさは高まる。国際社会から「信頼できる中期財政計画」を示すよう求められているだけに、なおさらである。
 消費税の増税分は、社会保障に回される。その一部は保育所の整備など子育て支援策に充てることが決まっている。
 成長戦略の中で首相が重視する「女性が活躍できる社会」には欠かせない対策だが、増税を先送りすれば、その実現もおぼつかなくなる。
 日本経済は、本当に増税に耐えられないのだろうか。
 注目されるのは、8月中旬に発表される4~6月期の経済成長率だ。民間調査会社の多くは年率換算で3%台の成長を予測しており、「増税の環境は整いつつある」との見方が強い。
 リーマン・ショックのような世界経済の激変に見舞われない限り、予定通り増税を実施する前提で、残された課題に力を注ぐべきだ。
 経済を自律的な回復軌道へと後押しするため、成長戦略の具体化と補強を急ぐ。
 所得が少ない人たちへの現金給付など、負担増を和らげるための対策をまとめる。
 増税前の駆け込み需要とその後の落ち込みをできるだけならすよう、知恵を絞る。
 手をこまぬいている時間はない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130726k0000m070132000c.htmlより、
社説:消費税増税 課題を忘れていないか
毎日新聞 2013年07月26日 02時32分

 来年4月に消費税率を5%から8%に上げるかどうかの最終判断をめぐり、安倍政権内で綱引きが起きている。安倍晋三首相は「秋に判断する」と従来通りの発言を繰り返すが、麻生太郎財務相は9月上旬にロシアで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議を念頭に、増税の決断を前倒しする考えを示した。一方、政権のブレーンである浜田宏一・内閣官房参与は経済を成長軌道に乗せることを優先すべきだとの慎重論を繰り返している。
 私たちは、増大する社会保障費と危機的な財政を踏まえ、増税は避けて通れない道だと主張してきた。ただし、そのためには取り組むべき課題があることを改めて指摘したい。
 自公民3党は、税と社会保障の一体改革に関する合意で、増税とともに社会保障制度改革国民会議で議論を深め、安心できる年金、医療、介護などの具体的な将来像を描くことを約束した。高齢化で社会保障費は毎年1兆円ずつ国の歳出を押し上げる。効率化は不可避だ。ところが自民、公明両党の年金・医療改革は現行制度の手直しにとどまる。国民会議でも年金の抜本改革の議論は深まっていない。何のための増税なのか。その原点を忘れていないか。
 軽減税率の導入の道筋を明確にすることも急務だ。自公両党は8%での導入見送りで合意し、2015年10月に10%に引き上げる際の導入が検討されている。欧州諸国のほとんどが軽減税率を採用しており、食品のほか新聞や書籍類の税率をゼロや数%に低く抑えている。多様なマスメディアや知識産業が存在し、だれでも情報を入手しやすい。それが民主主義を支えているという社会的合意があるためだ。毎日新聞が参院選公示前に実施した全候補者アンケートで、全当選者の53%が軽減税率導入に賛成し、反対の18%を大きく上回っている。
 増税への国民の理解も深まっていない。毎日新聞が参院選投票日前に実施した全国世論調査で、消費税の8%への増税について「予定通りに引き上げるべきだ」との回答は21%にとどまった。「引き上げるべきだが、時期は先送りすべきだ」の36%と「5%を維持すべきだ」の37%を合わせると73%になる。経済政策・アベノミクスで円安、株高が進んだが、国民生活が楽になった実感はない。そんな中で、自民党は参院選で国民に真正面から消費増税への理解を求めようとしなかった。その説明不足が世論調査に表れているのではないか。
 増税の判断をめぐっては、今後公表される国内総生産(GDP)の四半期速報など経済指標が注目されているが、大事なのは国民が納得する環境を整えることだ。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130605/k10015081951000.htmlより、
「消費税還元セール」禁止法成立
6月5日 18時41分

税負担の公平性の維持などを目的に、いわゆる「消費税還元セール」を禁止することなどを柱とした特別措置法が、5日の参議院本会議で賛成多数で可決、成立しました。
来年4月の消費税率引き上げ以降に、税負担の公平性の維持や、増税分を価格に上乗せしづらい中小企業を支援することを目的にした「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための特別措置法」は、5日の参議院本会議の採決で自民・公明両党と民主党などの賛成多数で可決、成立しました。
この法律は、「増税分の値引き」とか「消費税相当分をポイントで還元します」などと、消費税との関連を明示し、増税分を事実上、負担させないようないわゆる「消費税還元セール」を禁止しています。
また、独占禁止法の例外として中小企業が申し合わせて増税分を価格に一斉に上乗せする「転嫁カルテル」を認めています。
さらに、来年4月の8%のあと、再来年10月に10%へと、短い期間に2度、税率の変更が予定されていることから、事業者の負担を軽くするため、これまで「消費税込み」が義務づけられていた価格表示を税抜きでも認め、業界で価格表示を一律に定める「表示カルテル」も容認します。
今回の措置は平成29年3月までの時限的なもので、政府は禁止されるセールの範囲などについてガイドラインを作り、業界への周知を図ることにしています。

「分かりやすいガイドラインを」
いわゆる「消費税還元セール」を禁止することなどを柱とした特別措置法が成立したことについて、スーパーマーケットなどで作る日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は、「法律で縛るのではなく、企業の自主性に任せるべきだと主張してきたが、禁止の範囲が限定される形で修正された点は評価している」と話しています。そのうえで、「消費の活性化のために企業は販売促進を工夫するが、運用の段階で混乱が起きないように、何がよくて何が悪いのか分かりやすいガイドラインを定めてほしい」と述べました。
また、商品の価格表示が一定期間、消費税抜きでも認められることについて、「価格表示の方法が緩和されたことは評価している」としたうえで、期限が過ぎても税抜き表示が認められるよう政府に求める方針を示しました。

「カルテルは足並みそろわないと」
「転嫁カルテル」が認められたことについて、千葉県の豆腐業者で作る組合は、歓迎する一方で、カルテルは業界全体の足並みがそろわなければ難しいとしています。
千葉県内のおよそ200の豆腐業者で作る千葉県豆腐商工組合は、千葉市稲毛区の工場で1日に3万枚近いの油揚げを生産し、スーパーなど小売店に納めています。
油揚げの原料となる輸入大豆の価格は、円安や生産地の天候不順で去年の同じ時期より2割ほど上昇したほか、食用油や燃料となる軽油も値上がりしています。
一方、激しい価格競争のなかで、原材料価格の高騰分を卸売価格に転嫁できていないことから、消費税率の引き上げ分も上乗せできなければ、さらに経営が厳しくなると不安を募らせてきました。
このため、今回「転嫁カルテル」が法律で認められたことについて、ひとまず歓迎しています。
千葉県豆腐商工組合の木達満理事長は、「消費税率の引き上げでいちばん懸念しているのは、小売業者が素直に税の転嫁を受け入れてくれるのかということだ。このため、カルテルが認められたのはよいことじゃないかと思っている」と話しています。
一方、豆腐業界では組合に加盟していない業者もあり、全体の足並みがそろわなければ転嫁カルテルは難しいということです。
木達理事長は、「安く大量販売したいなど、個々の業者の考え方もある。組合に入っている業者は話し合いでまとまるが、組合を抜けている業者もいて、どうやって話をまとめていくかが難しい」と話しています。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2013060500818より、
「税抜き」「税込み」、対応苦慮=価格表示、意見割れる-小売業界・消費税転嫁法

 小売業者の「消費税還元」をうたったセールを禁じる消費税転嫁対策特別措置法が5日、成立した。同法をめぐり、業界関係者が注目するのは、現在は禁止されている「税抜き価格」の表示が認められた点だ。かねて「税抜き」表示を認めるよう訴えていた日本チェーンストア協会は「歓迎する」と評価するが、「既に定着した『税込み』表示のほうが顧客に分かりやすい」(大手スーパー)との意見も出ている。対応が分かれれば、消費者が混乱する可能性もある。
 税抜き価格にするのか、従来の税込み価格にするのか。チェーン協では、7月中にも「望ましい表示スタイル」を示す方向で協議を進めている。ある食品スーパーは「『税抜き』で商品の安さをアピールしたい」と主張している。
 しかし、業界内では「税抜き」表示への切り替えに必要なコストに二の足を踏む思いもある。また、2017年3月末までの時限立法であることから、スーパー関係者は「(法の期限切れ後)元に戻すのにも費用がかかる」と指摘する。(2013/06/05-18:25)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013060501001265.htmlより、
消費税転嫁法案が成立 「還元セール」の広告など禁止
2013年6月5日 11時23分

 参院本会議は5日午前、「消費税還元セール」といった広告や宣伝の禁止を盛り込んだ消費税転嫁法案を可決、同法は成立した。来年4月からの消費税率引き上げ時に、中小の納入業者が増税分を価格に上乗せしやすくするため、大規模な小売業者が買いたたきや不当な利益提供の要求など下請けいじめをしないよう禁止行為を列挙した。
 条文に「消費税との関係を明示したもの」と追加。「春の生活応援セール」や「3%値下げ」は容認することになった。
 違反した場合は、消費者庁が是正を勧告する。消費者庁は具体例を明示した指針を今後公表する。(共同)

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55851090V00C13A6EA1000/より、
日経新聞 社説 消費増税の価格転嫁を円滑に
2013/6/5付

 2014年度から実施する消費税率の引き上げに合わせ、増税分の価格転嫁を円滑にする特別措置法案が5日に成立する。大手の仕入れ業者が優越的な地位を乱用し、中小・零細の納入業者に負担を迫るのを禁止するのが柱だ。
 2段階に及ぶ消費税増税は日本の財政再建に欠かせない。これを軟着陸させるには、商品やサービスの値段に増税分を上乗せできるようにする必要がある。政府は特措法案を適正に運用し、円滑な価格転嫁の環境を整えるべきだ。
 中小・零細企業の価格転嫁を認めず、自分の会社で増税分を負担するよう圧力をかける大企業が後を絶たない。消費者の低価格志向が根強く、容易に値上げできないというのが共通の理由である。
 これでは中小・零細企業の収益が圧迫され、消費税増税と景気回復の両立に支障が生じかねない。その障害を取り除く特措法案の内容はおおむね妥当といえる。
 仕入れ業者の監視や指導を強化し、価格転嫁を拒んだ時には公正取引委員会が是正を勧告する。納入業者が価格転嫁を取り決める「転嫁カルテル」を一部容認する――。こうした特措法案の規定を周知徹底する必要がある。
 ただ企業の価格・販売戦略も尊重しなければならない。特措法案では消費税増税の還元などと銘打ったセールを禁止する一方、消費税の文言を使わない安売りは容認するという修正を施した。あまりに機械的な運用で企業の創意工夫を妨げないようにしてほしい。
 税額を含めた価格表示を義務づける「総額表示」の特例にも配慮が要る。誤解を与えない表示方法ならば、本体価格と税額を分けて記すことを認める措置だ。企業の事務負担を軽減するのはいいが、消費者に不都合が生じないよう細心の注意を払ってもらいたい。
 政府は特措法案の成立を受けて、細目を定めた内閣府令やガイドラインをつくるという。禁止するセールや価格表示などの具体例をできるだけ明確に示し、企業や消費者の混乱を避けるべきだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013060202000136.htmlより、
東京新聞【社説】週のはじめに考える 消費増税は延期すべきだ
2013年6月2日

 景気に薄明かりが見えてきました。安倍晋三政権は今秋、来年四月から消費税を引き上げるかどうか最終判断します。ここで冷や水をかけていいのか。
 二十三日の木曜日から始まった株価の動揺は先週いっぱい、続きました。円の為替相場や長期金利の指標になる債券とも連動して、金融市場は上がったり下がったり神経質な動きになっています。
 円安株高は昨年十一月から、ほぼ一本調子でした。これだけ上がれば「いったんスピード調整」という展開になるのは自然です。むしろ、このまま市場が過熱するほうが怖い。ここは冷静に受け止めるべきでしょう。

◆「よちよち歩き」の経済
 株価はともかく、実体経済がどうなっているかと言えば、次第に上向いてきました。個人消費や生産活動が着実に改善しています。五月の政府月例経済報告では「景気は緩やかに持ち直している」という基調判断でした。
 ただし、デフレを脱却できたわけではありません。報告は「デフレ状況にあるものの一部に変化の兆しもみられる」と慎重です。
 ひと言で言えば、ようやく景気は立ち上がってきたものの、まだ「よちよち歩き」の状態なのです。これから二本の足でしっかり立って、全力で前に走りだせるかどうか。二十年にわたる「大停滞」から抜け出せるかどうか。それは、今後の政策展開にかかっています。
 そういう観点から見ると、課題が二つあります。一つは「アベノミクス・第三の矢」といわれる成長戦略、とりわけ規制改革を抜本的に進められるかどうか。もう一つが消費税の扱いです。
 規制改革については、一朝一夕にはいきません。農業一つとっても、そこには農協とか農業委員会とか地域にしっかり根を張った組織があり、現行の法制度の下で既得権を拡大してきました。

◆税率アップが税収減に
 農業全体の構造を改めて「世界で戦える成長産業に育てよう」と思えば、農地法改正を視野に相当、骨太な議論が必要です。
 とはいえ、これはやり切らねばなりません。中途半端に終われば、日本経済の安定成長は結局、夢か幻に終わってしまうでしょう。その前に、金融市場が必ず反応します。失望感が広がって調整どころか暴落してもおかしくない。いま「世界が日本経済に注目していればこそ」なのです。
 そこで、二つ目の消費税です。いまの局面で増税を決断する必要があるのでしょうか。
 そもそも、なぜ消費税引き上げが決まったか。言うまでもなく、日本の財政赤字が膨らんで、このままでは危機的状況になると心配したからです。だれが。財務省と前の野田佳彦政権が、です。
 もともと野田佳彦前首相は「増税の前に政府に巣くうシロアリ退治をする」と言って当選してきたのですから、国民をだました増税でした。増税に政治的正統性がないのですが、そこは政権が倒れたので措(お)くとしましょう。
 消費税引き上げが不可欠とされた根本の理由は「増税しなければ財政が立て直せない」とみたからです。しかし、増税で財政再建ができるわけではありません。ここが肝心なポイントです。
 それは一九九七年に消費税を3%から5%に引き上げた時の経験が物語っています。当時、橋本龍太郎政権が断行してみたものの、それから国の税収全体は傾向として減り続けました。
 たしかに消費税収は増えましたが、法人税収や所得税収が減ったからです。赤字企業は法人税を納めませんし、家計だって累進課税制度の下で所得が減れば所得税が少なくなる。だから税収は景気に連動します。
 財務省は「消費税の税率さえ引き上げれば税収が増える」と信じているようですが、それが誤りなのは事実が示しているのです。
 では、どうすればいいか。もっとも大事なのは、まず経済を立て直す。日本経済を真に安定軌道に乗せる。それに尽きます。経済再建に失敗し、再び停滞の泥沼に落ち込んでしまえば、元も子もありません。税収は増えるどころか、また減ってしまうでしょう。
 まずは、いま明るさが出てきた景気の勢いをしっかり根付かせることが重要です。そのうえで税収が伸びるかどうかを見極める。景気が回復すれば税収は必ず増えるのですから、その時、あらためて増税が必要かどうかを検討しても遅くはありません。

◆景況好転が台なしに?
 これまでのところ、アベノミクスは成果を挙げています。しかし、消費税引き上げを急げば、せっかくの景況好転が台なしになってしまうかもしれません。ここが経済運営の正念場でしょう。政権の慎重な判断を求めます。

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