原子力機構「改革」案 またもや猿知恵

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 8月 26 日(月)付
原子力機構―もんじゅ推進は愚かだ

 原子力の研究開発でいま力を入れるべきことは何か。文部科学省は最も重要なポイントがわかっていないのではないか。
 問題続きの日本原子力研究開発機構について、文科省が改革の基本方針をまとめた。
 依然として、高速増殖原型炉「もんじゅ」を中心とした核燃料サイクルの研究開発を、優先業務の一つに掲げている。
 的外れもはなはだしい。福島の原発事故の影響を直視し、一日も早く幻想を捨てて政策を転換すべきだ。
 そもそも原子力機構が抜本改革を求められたのは、もんじゅで大量の機器点検もれが発覚したためだった。
 文科省の方針では、もんじゅを民間の原発にならった「発電所」組織に改組し、運転管理には電力会社から出向などで加わってもらうという。
 だが、もんじゅは実用化以前の原型炉である。研究開発段階でのトラブルが最大のリスクである施設に、ルーチン化した運転管理の専門家をあてるのは、ちぐはぐのきわみだ。
 報告を受けた原子力規制委員会では「我が国の原子力を支える研究機関としての自覚とほこりが感じられない」など、厳しい批判が相次いだ。田中俊一委員長は、出身母体でもある原子力機構の現状に、「大変なときに規制委に役に立っているかというと、きわめて不満が残る」と述べた。
 原発事故は、原子力の研究開発に関する優先順位を一変させた。最も急がれるのは、文科省も指摘する通り、放射能汚染水の拡大防止など福島第一原発の事故対応だ。ヒト・モノ・カネの集中投入で、現在の危機的状況を改善しなければならない。
 一方、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す核燃料サイクルは、多くの原発が稼働することが前提になる。
 だが、事故の反省にもとづく規制強化で、原発の多数稼働はもうありえない。見通しの立たないもんじゅにかまけることはただちにやめ、事故対応や安全規制に役立つ技術開発と人材育成に全力をつくすべきだ。
 これは、文科省だけの問題ではない。事故から2年半が過ぎようとしているのに、原子力政策全体をどう改めていくのかをまったく示していない政府全体の責任である。
 原発事故で核燃料サイクル政策が崩壊している現実から目をそらしていては、眼前の危機への対応も遅れるばかりだ。
 安倍政権は、事故対応を中核にすえ、脱原発への見取り図を早急に示さなければならない。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO58694030Q3A820C1EA1000/より、
日経新聞 社説 もんじゅの位置づけが機構改革より先だ
2013/8/20付

 高速増殖炉「もんじゅ」を保有する日本原子力研究開発機構の改革が論議になっている。同機構のずさんな管理体制が明るみに出たのを受け、文部科学省が改革案をまとめた。だが田中俊一原子力規制委員長がこれに異議を唱え、政府内の足並みがそろわない。
 原子力機構は3900人の職員を擁し、新型炉の開発や原発の安全研究を担う国内最大の原子力研究機関だ。だが昨年秋、もんじゅの安全検査で1万点に及ぶ点検漏れが発覚した。今年5月には茨城県東海村の実験施設で放射能漏れを起こし、組織全体で「安全意識の劣化」が指摘されていた。
 文科省の改革案では、いまの組織を分割し、新組織の業務をもんじゅの運転や福島第1原発事故の対応などに絞る。それ以外の研究部門は切り離し、職員数も400~500人削るとした。
 不祥事の再発を防ぎ、安全を最優先する意識が浸透するように、組織の抜本的な改革が不可欠なことは言うまでもない。だがこの問題は原子力機構のあり方にとどまらず、高速増殖炉や核燃料サイクルの進め方に大きくかかわる。
 政府全体でもっと議論を深め、まず核燃料サイクル政策の位置づけを示したうえで、原子力機構の改革を考えるのが筋ではないか。
 文科省案で疑問が残るのは、もんじゅの存続を前提にしていることだ。安倍政権はもんじゅの位置づけについて明確な姿勢を示していない。もんじゅの成果を次のステップである実証炉に生かせるのか、ナトリウム漏れ事故から17年以上も止まっている原子炉を安全に再稼働できるのか。
 政府はこれらを詰めたうえで、高速増殖炉や核燃料サイクルの位置づけを明確にし、国民に説明する義務がある。
 規制委の田中委員長は、機構の業務をもんじゅなどに絞れば「原発の安全研究が立ち行かなくなる」と文科省案を批判し、逆にもんじゅを機構から分離するよう求めた。それがよいかは別として、同機構が安全研究で担ってきた役割を考えれば、田中氏の懸念には耳を傾けるべき点もある。
 原子力機構で不手際や不祥事が続いたのは、監督官庁でありながらそれを放置してきた文科省の責任でもある。その文科省が改革案を示しても国民の理解は得られないだろう。有識者や関係省庁を集め、広い見地から議論の仕切り直しが必要だ。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO58600460X10C13A8EA1000/より、
日経新聞 社説 原子力委を再生し平和利用の監視役に
2013/8/17付

 原子力委員会を立て直す必要がある。原子力委は原子力政策の司令塔のはずだが、東京電力・福島第1原子力発電所事故の後、ほとんど機能しておらず、存在意義が問われている。
 日本の原子力利用が平和目的に限られることを国内外に保証するため、有識者の委員会が原子力政策や事業を監視する必要がある。廃炉技術など長期にわたる原子力関連の研究開発に関して省庁間の調整役も要る。
 こうした使命を果たすのに必要な権限と能力をもった組織として原子力委を再生すべきだ。政府は同委のあり方を見直すため有識者会議を設けて議論を始めた。国際的かつ長期的な視点を大事にして、しっかりした制度づくりをしてもらいたい。
 1956年発足の原子力委は大臣が委員長を務め、委員会の決定を首相は尊重しなければならないと法律で定められた。原子力が国の重要政策だったからだ。委員会は原子力利用の長期計画をつくり、プルトニウムの管理状況を公表するなどしてきた。
 2001年の省庁再編で委員長には学識経験者が就くようになり首相の「尊重義務」もなくなった。事実上、内閣府の審議会に格下げになった。さらに原子力規制委員会が昨年発足し、核不拡散に関わる業務などが規制委に移された。原子力委の不要論も出た。
 原発への依存度をこれから下げるにせよ、維持するにせよ、原子力委が担うべき大切な仕事が今もある。原子力技術に関し日本は国内での平和利用を保証すると同時に、国際社会において軍事転用を防ぐ活動を主導すべきだ。核融合など将来技術も含めて長期の研究開発を進め、必要な人材育成を促すことも重要だ。
 原子力規制委は原子力委からこれらの仕事の一部を引き継いだはずだが、原発の安全基準づくりと審査で手いっぱいだ。また規制委の田中俊一委員長が指摘するように、規制機関が政策づくりに手を染めるのが適切でない場合も多い。原子力委と規制委の業務の分担をいま一度見直す必要がある。
 新生の原子力委は大臣が委員長である必要はない。しかし諮問に答えるだけの受け身の委員会ではダメだ。
 政治や官庁に追従することなく、原子力を国民生活の安定や成長につなげるべく積極的に発言する機関でなければならない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130814/plc13081403400004-n1.htmより、
産経新聞【主張】原子力機構の改革 まず無責任体質の一掃だ
2013.8.14 03:22 (1/2ページ)

 これで抜本的な改善ができるのか。またもや看板の掛け替えだけで終わるのではないか。
 日本原子力研究開発機構の組織改革案についての危惧である。
 原子力機構は4千人の職員を擁し、核燃料サイクルや核融合などの研究開発に当たるわが国の原子力の総本山だ。
 今回の組織改革は、核燃料サイクルの中核施設である高速増殖原型炉「もんじゅ」で1万点を超す機器の点検漏れが発覚したことなどを機に、文部科学省の陣頭指揮で着手された。
 改革の柱は、組織の分割だ。原子力機構から核融合などの部門を切り離し、別の研究機関に移管する。残ったもんじゅなど核燃料サイクル関連の部門が、原子力機構の主体となる。こうした措置で主要業務を、もんじゅとその関連分野に集約するという。
 だが、これが実効ある改革なのか。原子力機構は、平成17年に核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合された組織だ。それを以前の状態に戻すだけだ。
 改革案では、組織変更に伴い原子力機構の名称も変える方針だが、安易な名称変更は目的を妨げることになる。なぜなら、核燃料サイクル開発機構の元の名前は、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)であるからだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130814/plc13081403400004-n2.htmより、
2013.8.14 03:22 (2/2ページ)
 動燃は、7年に運転中のもんじゅでナトリウム漏れ火災事故を起こした上に虚偽報告で国民を欺いた。2年後にも別の火災爆発事故で虚偽報告を重ね、10年にサイクル機構に改称している。同時に業務のスリム化も行ったが、改革効果は出ていない。
 肝心のもんじゅは、ナトリウム漏れ以来、現在までの約18年間、ほとんど動いていない。すでに1兆円の税金が投入されているにもかかわらず、実用化に必要なデータは得られていない。
 燃やした燃料よりも多くの燃料を生む高速増殖炉は、資源小国の日本にとって待望の原子炉だ。過敏な金属ナトリウムを使う難しさを克服し、もんじゅを完成させなければならない。
 必要なのは、責任感の欠如など旧動燃体質の一掃だ。この体質が大量の点検漏れにもつながった。看板の変更で糊塗(こと)されてきた組織の病根こそ直視すべきだ。
 原子力機構の名称を変えるのなら、使命の原点への回帰を目指して「どうねん」だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130814k0000m070099000c.htmlより、
社説:原子力機構改革 これでは「居直り」だ
毎日新聞 2013年08月14日 02時31分

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)を運用する日本原子力研究開発機構の改革案を、文部科学省がまとめた。もんじゅで昨年秋に発覚した約1万個の点検漏れを受け、同省は「血を入れ替える抜本改革」を図ったというが、組織の一部スリム化を中心とした、小手先の改革にとどまっている。本来なら、今後のエネルギー政策の中で、核燃料サイクルをどう位置づけるのかを議論した上で、もんじゅ廃止も含めた改革を進めるのが筋だ。これでは、もんじゅの存続を前提とした「居直り」の改革案と言わざるを得ない。
 機構は年間予算約1800億円、職員約3900人の巨大組織だ。
 改革案では、核融合研究部門などは機構から切り離し、もんじゅを中心とした核燃料サイクルの研究開発▽東京電力福島第1原発事故への対応▽原子力安全研究▽人材育成−−の4分野に業務を重点化する。職員も500人程度減らす。
 もんじゅは理事長直轄の「もんじゅ発電所(仮称)」とし、運転管理に専念する組織にする。だが、渉外業務などにあたる支援組織を別に設けるので、もんじゅ関連スタッフはむしろ増える。また、民間発電所の幹部経験者を安全担当役員に迎え、電力会社からの出向者を責任部署に配置する。一方で、中堅職員を鉄道や航空会社に派遣し、人命を最優先にした業務運営を学ばせるという。
 民間活力の導入で組織の立て直しを図る狙いがある。しかし、過去にもトラブルが起きるたびに言われてきたことで、なんら新味はない。
 原子力規制委員会は今年5月、点検漏れを起こした機構の「安全文化の劣化」を指摘し、もんじゅの運転再開準備を禁じた。過去の改革の失敗をきちんと総括しないまま、民間の協力を求めても、安全文化が身につくわけがない。監督官庁である文科省の責任も重い。
 そもそも、政府が掲げる核燃料サイクル政策は既に破綻している。
 要の施設となるはずだったもんじゅには、1兆円以上の予算が投じられたが、実用化の見通しは立っていない。直下を活断層が通る疑いもある。停止中でも維持費などに年間約200億円もかかっている。先進国の多くは、開発から撤退した。
 もう一つの要である使用済み核燃料の再処理工場(青森県)も、完工の延期が繰り返されている。
 福島第1原発事故から2年半近く。福島県では約15万人がいまだに県内外で避難生活を送り、第1原発では放射性汚染水との闘いが続く。もんじゅの存続にこだわるより、事故への対応や廃炉、安全研究に機構の業務を集約する方が、よほど日本の将来のためになるはずだ。

http://mainichi.jp/select/news/20130809k0000m040105000c.htmlより、
原子力機構:もんじゅ対応に専念 文科省改革案
毎日新聞 2013年(最終更新 08月09日 01時35分)

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)で約1万個の点検漏れが発覚した問題を受け、文部科学省の改革本部は8日、運営する日本原子力研究開発機構から核融合などの研究部門を切り離し、もんじゅに専念させる組織縮小の改革案を了承した。全職員の1割強にあたる500人程度を削減、理事長直轄の「もんじゅ発電所(仮称)」として再出発を図る。
 改革案は機構の「総花的」な業務内容を見直すとして、もんじゅを中心に核燃料サイクルの研究開発▽東京電力福島第1原発事故への対応▽原子力安全研究▽人材育成−−の4分野に集中させると規定。国際熱核融合実験炉(ITER)など核融合研究は国内の他の研究機関へ移管する。放射性物質漏れで停止中の「J−PARC」(茨城県)などの加速器研究についても、事故原因を究明後に移管を検討。原子力機構の名称も見直す。
 もんじゅについては「経営上の最大の課題として認識されていない」と指摘。理事長直轄とし、技術部門を外して運転・保守部門のみに縮小し「もんじゅ発電所(仮称)」と改称する。また、契約や渉外業務、新規制基準への対応に当たる100人規模の管理部門「もんじゅ発電所支援室(同)」を新設する。発電所の所長級経験者を安全担当役員として招き、中堅職員を鉄道・航空業界に派遣して「人命を最優先にした業務運営」を学ばせる。
 機構は今秋をめどに改革の工程表を策定し、文科省に提出する。【斎藤有香】

 ◇解説 実効性、疑問の声も
 高速増殖原型炉「もんじゅ」は1995年のナトリウム漏れ事故以来、何度もトラブルを繰り返し、そのたびに組織の大規模な改編を重ねてきた。今回の改革案は、東日本大震災後の昨年発覚した大量の点検漏れを受け、「血を入れ替える抜本改革」(文部科学省)とするが、何度も裏切られてきた“改革”が本当に実を結ぶのかは不明だ。
 運営する日本原子力研究開発機構(原子力機構)に対し、文科省は「信頼感をもって運営を委ねる組織とは言いがたい」と断罪。核融合や加速器などの最先端の研究部門を業務から外し、もんじゅと、東京電力福島第1原発事故への対応などに専念させる決断をした。
 同省原子力課は「研究開発炉だからという甘えがあった」と反省し、役員や管理職を電力会社から招くなど、民間のノウハウを取り入れる改革案にした。「もんじゅ発電所(仮称)」への名称変更もその一端という。

http://mainichi.jp/select/news/20130809k0000m040105000c2.htmlより、
 だが、初臨界から19年間で実際に発電したのはわずか約3カ月。小林圭二・元京都大原子炉実験所講師(原子核工学)は「発電所と呼ぶ価値はない。以前合併した組織を元に戻すだけ。過去の教訓をわきまえているのか」と批判する。
 これまで投入された税金は約1兆円。改革をいかに実行し、機能させるのか、国民の目に見える形で示す必要がある。【斎藤有香】

 ◇原子力機構ともんじゅを巡る動き
1956年6月 日本原子力研究所(原研)発足
 67年10月 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)発足
 94年4月 もんじゅ初臨界
 95年8月 もんじゅ発電開始
   12月 もんじゅでナトリウム漏れ事故、運転停止
 98年10月 動燃改組し核燃料サイクル開発機構発足
2005年10月 原研と核燃機構が統合し、原子力機構発足
 10年5月 もんじゅ運転再開
   8月 もんじゅ原子炉容器で部品落下、運転停止
 12年11月 もんじゅで約1万点の点検漏れ発覚
 13年5月 原子力規制委がもんじゅの運転再開準備の禁止命令、鈴木篤之理事長が引責辞任
茨城県の加速器施設で放射性物質漏れ、34人が被ばく
   6月 文部科学省の機構改革本部が発足
   8月 同本部が改革案を了承

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130809/dst13080900060000-n1.htmより、
原子力機構500人削減 文科省、改革で中間報告
2013.8.9 00:04

 高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の機器点検漏れを受け、運用主体の日本原子力研究開発機構の見直しを進めていた文部科学省の同機構改革本部は8日、核融合部門などを分離して外部機関に移管する中間報告を正式に発表した。約1割の職員を削減し、業務の中心をもんじゅの運転管理に絞り込む。
 国際熱核融合実験炉(ITER)に関わる核融合部門や、5月に放射性物質漏れ事故が起きた大強度陽子加速器施設「J(ジェイ)-PARC(パーク)」(茨城県東海村)がある量子ビーム部門などを外部研究機関に移管。職員は現在の3890人から最大500人削減する。
 一方、機構には、もんじゅなど核燃料サイクルの研究開発▽東京電力福島第1原発事故への対応▽原子力の安全性向上研究▽原子力の基礎研究と人材育成-の4分野を残す。
 もんじゅは理事長の直轄としトップの意思を反映しやすくするほか、民間発電所の所長級経験者を安全担当役員に登用。もんじゅの職員は研究担当の約50人を削減し、約280人で運転管理に専念させる。
 中間報告を受け同機構は今秋をめどに具体的な工程表を策定し、改革に着手。新たな業務内容に応じて機構の名称も変更する。文科省は変更に必要な同機構法の改正案を来年の通常国会に提出する。
 同機構の松浦祥次郎理事長は「国民から信頼を得られるように、実効性のある改革に総力を挙げて取り組んでいく」と話した。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130808/k10013644141000.htmlより、
原子力研究開発機構は研究に一本化へ
8月8日 17時45分

高速増殖炉「もんじゅ」などを運用する日本原子力研究開発機構について、文部科学省は、核融合や加速器研究などの部門を切り離し、業務を原子力分野の研究開発に一本化する方針を固めました。
これは、8日開かれた文部科学省の「原子力機構改革本部」の会合で、明らかにされたものです。
それによりますと日本原子力研究開発機構について、文部科学省は、国内でただ1つの原子力に関する総合的な研究開発機関として、現在の「総花的な業務内容を見直す」としています。
具体的には、ITER・国際核融合実験炉に関わる核融合部門や、加速器研究などにあたる量子ビーム部門の一部を切り離し、国内のほかの研究機関に移管します。
そのうえで、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」での研究開発や、東京電力福島第一原子力発電所の事故後の対応、それに、原子力の安全性向上に向けた研究などに業務を絞るとしています。
また、「もんじゅ」の運用にあたっては、民間の電力会社の社員を登用することなどによって、安全管理の向上を図るとしています。原子力機構はこうした方針に基づいた工程表を、ことし秋をめどに取りまとめ、改革を進めることになります。
文部科学省の増子宏原子力課長は、「今回の見直しは、単純な組織替えではなく、血を入れかえる意識でまとめた。原子力機構にはこの方針に沿って改革を進めてほしい」と話しています。
日本原子力研究開発機構は、平成17年に、当時の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合されて発足しましたが、今回の見直しにより、再び、複数の組織に業務が分割されることになります。

松浦理事長「総力挙げて取り組みたい」
改革の方針決定を受け、日本原子力研究開発機構の松浦祥次郎理事長は「実効性のある改革に取り組み、国民の皆様から信頼を得られる、安全を最優先とする組織として認められるよう、総力を挙げて取り組んでいきたい」というコメントを発表しました。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130808/trd13080807470004-n1.htmより、
原子力機構を解体へ 文科省、核融合など切り離し、もんじゅに集中
2013.8.8 07:45

 文部科学省は7日、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運用する日本原子力研究開発機構を抜本的に改組し、事実上解体する方針を固めた。業務内容をもんじゅなどに絞り込み、核融合などの他部門は分離して外部機関に移管。機構の名称変更も検討する。8日に開く同機構改革本部の会議でまとめる中間報告に盛り込み、秋をめどに同機構に改革の工程表を策定させる。
 同機構から分離するのは国際熱核融合実験炉(ITER)にかかわる核融合部門や、大強度陽子加速器施設「J-PARC」(茨城県東海村)がある量子ビーム部門など。
 一方、機構には、もんじゅを中心とした核燃料サイクルの研究開発▽東京電力福島第1原発事故への対応▽原子力の安全研究▽原子力の基礎研究や人材育成-の4分野だけを残す。
 同機構は原子力の幅広い研究開発を行っており、「手を広げすぎて、もんじゅがうまく機能していない」などの批判が根強いため、抜本的な整理・統合が不可欠と判断した。
 同省は、電力会社などの人材活用でもんじゅの運転管理を強化する方針だが、それだけでは不十分との指摘があることから、他部門を分離して人材や経営資源をもんじゅに集中させることにした。
 同機構の名称は改革後の業務内容に応じて変更が必要と判断。変更には同機構法の改正が必要なため具体策を詰めており、先行して英語名から変更する。

 ■日本原子力研究開発機構 原子力の研究開発を行う文科省所管の独立行政法人。核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合して平成17年に設立。高速増殖炉「もんじゅ」や核融合、放射性廃棄物処分などを研究。本部は茨城県東海村。職員数約4千人。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中