シリア 化学兵器疑惑 米「独断」で攻撃か

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130831/k10014186451000.htmlより、
シリア 軍事行動への不安高まる
8月31日 19時1分

シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとアメリカ政府が結論づけるなか、国連の調査団が現地調査を終えてシリアを出国し、アメリカなどによる軍事行動が近く始まるのではないかとシリア国内では不安が高まっています。
アメリカ政府はシリアの首都ダマスカス近郊で化学兵器が使われたとされる問題について独自の調査報告書を発表し、化学兵器による攻撃を3日前から準備していたことなど政権側の関与を裏付ける証拠があるとして、アサド政権が化学兵器を使用したと結論づけました。
オバマ大統領は、フランスのオランド大統領と電話で会談するなど同盟国や友好国と協議を行い、シリアへの軍事行動に踏み切るかどうか最終的な調整を急いでいます。そのうえで、仮に軍事行動に踏み切った場合、地上部隊は派遣せず、限定的な攻撃にとどめる意向を示しています。
一方、化学兵器の使用を巡る問題で今月18日からシリアに入っていた国連の調査団は、被害者の血液や周辺の土の採取、それに病院関係者の聞き取りなど一連の調査を終え、調査結果をパン・ギムン事務総長に報告するため31日午前シリアを出国しました。
シリア国内では、調査団が出国した直後にもアメリカなどが軍事行動に踏み切るのではないかと、市民の間で不安が高まっています。
ダマスカスに住む27歳の公務員の女性はNHKの電話取材に対し、「調査団がいなくなり、攻撃が近づいているのかと思うと本当に怖い。市民は仕事に出かけることを控え、食料などを買いだめして自宅にこもっている」と不安そうに話していました。
シリア国内にいる反政府勢力によりますと、アサド政権の政府軍はダマスカス国際空港から軍事物資とみられる荷物を運び出しているほか、軍事施設にある戦車や軍の装備、それにスカッドミサイルを大型のトラックで別の場所に移動させているということで、攻撃に備えて防衛態勢を強化しているとみられ、緊張が高まっています。

トルコ国境地帯に難民が殺到
アメリカ主導の軍事行動が検討されるなか、シリアの隣国トルコの国境地帯には、シリア人が相次いで避難してきています。
シリアとの国境地帯のトルコ側の町キリスにある国境検問所は、激しい戦闘が続くシリア北部のアレッポから65キロのところにあります。
アレッポ郊外には化学兵器の製造工場があるとみられ、軍事行動の標的になる可能性が指摘されていて、検問所では、大きなスーツケースなどを持った人たちが次々とトルコ側に避難してきています。
アレッポ郊外から逃れて来た男性は「化学兵器の問題が起きる前にも大勢の市民が死亡しているのに国際社会は何もしなかった。軍事行動が流血の事態を食い止めてくれるわけではなく、アメリカのパフォーマンスにすぎない」とアメリカなどの対応を批判していました。
一方、別の男性は「ここ数日で急に政府軍による攻撃が激しくなり、これ以上はシリアにはいられないと思った。一刻も早く軍事行動を始めてほしい」と話していました。
キリスの住民によりますと、ここ数日でシリアから逃れてくる人の数は急増しているということですが、トルコ側の難民キャンプはすでに満員の状態で、人道支援が追いつかない状況となっています。

http://mainichi.jp/select/news/20130831k0000e030157000c.htmlより、
シリア:米大統領「限定攻撃を検討」…最終調整進める
毎日新聞 2013年(最終更新 08月31日 13時56分)

 【ワシントン白戸圭一、パリ宮川裕章】オバマ米大統領は30日、化学兵器使用疑惑のあるシリアのアサド政権に対して「限定的で精密な行動を取る可能性を模索している」と述べ、巡航ミサイルによる限定的な軍事攻撃に向けて最終調整を進めていることを明らかにした。ホワイトハウスによると、オバマ大統領は同日、フランスのオランド大統領と電話協議。両首脳は化学兵器使用を「容認できない」と断じた上で、アサド政権に責任を取らせるため「断固たるメッセージ」を送ることで一致。軍事攻撃で米仏が共同歩調を取る見通しとなった。

 ◇化学兵器で1429人死亡…米報告書
 オバマ大統領は記者団に対し、軍事攻撃に反対する中露両国などを念頭に「国連安全保障理事会は(化学兵器使用を禁じた)国際規範の違反を明確にすることに現時点では無力だ」と発言。イラク戦争開戦時と同様に、安保理の武力行使容認決議がなくても米主導の「有志連合」が独自の判断で攻撃を開始する公算が大きく、攻撃の合法性を巡る議論が高まるのは必至だ。
 大統領は記者団に「化学兵器が将来も使用され、テロリストの手に渡る危険が増大している」と述べ、化学兵器使用は安全保障上の脅威だとの認識を示した。
 軍事攻撃については「最終決定を下してはいない」としつつ、「何も行動を起こさなければ、化学兵器禁止の国際規範には意味がないとの誤ったシグナルを送ることになる」と攻撃の必要性を訴えた。
 一方、ホワイトハウスは30日、シリアのダマスカス近郊で21日にアサド政権が化学兵器を使用し、少なくとも子供426人を含む1429人が死亡したと断定する報告書を公表した。
 ケリー国務長官は30日の声明で「我々は化学兵器を搭載したロケット弾がいつ、どこで発射されたかも把握している」と、政権による化学兵器使用の「証拠」を有していると主張。レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラや北朝鮮の名を挙げ、「世界のテロ組織や独裁者に大量破壊兵器の使用を思いとどまらせる必要がある」と述べた。
 長官は政権が21日の3日前から神経ガス・サリンを準備し、攻撃当日は政権側兵士がガスマスクを使用していたなどと主張したが、化学兵器使用の物的証拠は明らかにしなかった。

http://mainichi.jp/select/news/20130831k0000e030157000c2.htmlより、
 対シリア軍事攻撃の時期を巡っては、オランド大統領が30日付の仏紙ルモンドで、仏国会が開かれる予定の9月4日以前の可能性を「排除しない」と発言。オバマ大統領は3〜6日にスウェーデン、ロシアを歴訪予定で、外交筋は本紙に「2、3日以内の攻撃もあり得る」との見方を示した。仏メディアによると、仏軍の攻撃は米軍同様、巡航ミサイルによる公算が大きい。

 ◇状況証拠で「強く確信」
 【ワシントン西田進一郎】オバマ政権は30日に公表した化学兵器に関する報告書で、アサド政権高官の通信傍受などの状況証拠を積み重ね、シリア政府の関与を「強く確信している」とした。その上で、アサド大統領の関与を強くにじませた。
 報告書は、シリアでは大統領が化学兵器の取り扱いに決定権を持っており、ダマスカス近郊からの反体制派の排除失敗への「いらだち」が背景となった可能性があると分析した。
 攻撃については、政権の化学兵器担当者が3日前から化学兵器の調合場所で準備とみられる作業を開始したと説明。複数の筋から「政権側が21日未明にダマスカスに向かってロケット弾攻撃と砲撃を実行した」との情報を得る一方、偵察衛星がロケットが政権の支配地域から発射され、反体制派の支配地域や紛争地域に着弾したことを探知した。さらに、攻撃と深く関わる政権高官が化学兵器使用を確認し、国連調査団に証拠を収集されることを懸念する内容の通信を傍受したことも明らかにした。
 イラク戦争では、戦争の根拠となっていた大量破壊兵器の情報が虚偽だったことが発覚し、大きな批判を浴びた。これらを念頭に、ケリー国務長官は「慎重に情報を再検討し、さらに再検討してきた」と強調した。
 しかし、報告書には大統領と攻撃を結びつける決定的な証拠はない。ホワイトハウス高官は「過去の化学兵器使用でアサド大統領に責任があったのは疑いがない。大統領に責任があるというのが一貫した我々の立場だ」と説明するが、証拠として十分なのかどうか論議を呼びそうだ。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130831/k10014179581000.htmlより、
米大統領 軍事行動踏み切るか調整急ぐ
8月31日 11時17分

アメリカ政府は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと結論づける調査報告書を発表しました。
これを受けて、オバマ大統領はフランスなどの首脳と相次いで電話で会談し、軍事行動に踏み切るかどうか、最終的な調整を急いでいます。
アメリカのケリー国務長官は30日、シリアの首都ダマスカス近郊で今月21日に化学兵器が使われたとされる問題について、独自の調査報告書を発表しました。
この中では、シリアのアサド政権が化学兵器による攻撃を3日前から準備していたことや、ガスマスクを装着して攻撃に備えるよう内部で指示を出していたことなどを裏付ける証拠があるとしています。
これを受けてオバマ大統領は30日、シリアに対する軍事行動の必要性を強調するフランスのオランド大統領と電話で会談し、アサド政権が化学兵器を使用したとの認識で一致しました。
そのうえで両大統領は、アサド政権は責任を負わなければならず、国際社会は強いメッセージを送るべきだとして、今後の対応に向けて連携していくことを確認したということです。
また、オバマ大統領は、イギリスのキャメロン首相とも電話で会談し、軍事行動への承認を求めたイギリス政府の提案が議会で否決されたものの、アサド政権による化学兵器の使用は容認できず見過ごすことはできないという認識で一致しました。
オバマ大統領は、同盟国や友好国との協議を行い、シリアへの軍事行動に踏み切るかどうか最終的な調整を急いでいます。

仏大統領は共同歩調の考えを示唆
フランスのオランド大統領は30日、シリアを巡ってアメリカのオバマ大統領と電話で会談しました。
会談のあとオランド大統領は声明を発表し、アサド政権が化学兵器を使用したとの認識で一致したとしています。そのうえで「国際社会にとって化学兵器の使用は容認できるものではなく、強いメッセージを発さなくてはならない」として、アメリカと軍事行動も含めた共同歩調を取っていく考えを示唆しています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013083101000987.htmlより、
軍事介入不可避と米 1400人超死亡の報告書
2013年8月31日 09時52分

 【ワシントン共同】米政府は30日、シリアのアサド政権が21日に首都ダマスカス近郊で神経ガスによる化学兵器攻撃を行った「強い確信」があるとする報告書を発表した。少なくとも子ども426人を含む1429人が死亡したと分析。ケリー国務長官は国務省で記者会見し「独裁者による化学兵器使用に目をつぶれば歴史に断罪される」と述べ、軍事介入が不可避だとの立場を鮮明にした。
 オバマ大統領は記者団に「女性や子どもが毒ガスにさらされる世界は受け入れられない」と明言。まだ決断はしていないと前置きした上で、短期間の限定的軍事作戦を検討していると強調した。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013083100041より、
米大統領、「限定攻撃」を検討=1429人が犠牲と断定-シリア化学兵器で証拠公表

 【ワシントン時事】オバマ米大統領は30日、ホワイトハウスで記者団に対し、シリアのアサド政権による化学兵器の再使用を阻止するため「限定的で焦点を絞った行動を取る可能性を検討している」と表明、軍事介入へ詰めの調整を進めていることを明らかにした。その上で、国際社会や米議会に協力を求めつつ、シリア介入の時期を最終決断する方針を示した。
 ホワイトハウスは同日、シリアのアサド政権が今月21日にダマスカス郊外で化学兵器(神経ガス)を使用したという情報機関による証拠を公表した。
 大統領はこれを踏まえて、化学兵器の使用は「米国の安全保障上の利益を脅かす」と指摘。大量破壊兵器が米国に対し用いられる危険が増すとも警告し「米国は世界のリーダーとして、国際規範で禁じられた兵器の使用をいとわない政権の責任を問う義務の一端を担っている」と主張した。
 介入のタイミングについては「最終決断は下していない」とし、軍から幅広い選択肢を提示されている中で、地上部隊の派遣を含む長期作戦は排除していると語った。国連安保理決議案をめぐる交渉には影響されない姿勢も示した。
 大統領は30日、フランスのオランド大統領、キャメロン英首相と相次いで電話会談し、アサド政権の責任を追及する方針を確認した。
 ケリー国務長官も証拠の公表を受けて記者会見し、化学兵器攻撃によって子供426人を含む少なくとも1429人が殺害されたと強く確信していると述べた。
 長官は「われわれはアサド政権の支配地域からいつ(化学兵器を搭載した)ロケットが発射され、反体制派地域のどこに着弾したのかを知っている」と説明。政権高官が化学兵器の使用を確認し、国際社会への発覚を恐れていたとも述べた。
 ホワイトハウスによれば、化学兵器攻撃が行われた21日、政権側の要員がガスマスクを使用していたほか、反体制派に対して過去にも複数回にわたり小規模の化学兵器攻撃が仕掛けられていた。米政府は、アサド政権の兵器使用への「強い確信」という評価を、確認の一歩手前の最も強い立場表明だとしている。(2013/08/31-09:41)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013083101001066.htmlより、
シリアめぐり米仏首脳が電話会談 「犯罪行為に罰」
2013年8月31日 08時57分

 【パリ共同】フランスのオランド大統領は30日、オバマ米大統領と電話会談した。オランド大統領側近によると、両氏は化学兵器使用疑惑が強まるシリアに関し「犯罪行為には罰を与える決意」を確認し合った。フランス公共ラジオが伝えた。
 電話会談は約45分間にわたった。両大統領は、21日にシリアの首都ダマスカス郊外で化学兵器が使用されたと指摘される攻撃に関し、両国が得ている証拠などについて情報交換。アサド政権が化学兵器を使ったことを「両国が同じ程度に強く確信している」という認識で一致した。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013083100082より、
米の主張は「でっち上げ」=反体制派のネット情報と主張-シリア

 【ダマスカスAFP=時事】シリア外務省は30日、国営テレビを通じて声明を出し、米政府が発表したシリアでの化学兵器使用に絡む証拠の数々について「完全なでっち上げだ」と反論した。
 声明は、米国の説明を「テロリスト(反体制派)が過去1週間にわたって流し続けてきた話以外の何物でもない」と批判。米国が発表した内容は、こうしたインターネット上の情報を切り貼りしたものだと主張し「超大国がありもしない証拠を振りかざして世論をあざむき、戦争か平和かという局面でネット情報に基づき政策を決めようとしている」と米国を強く非難した。(2013/08/31-08:05)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130831/k10014177971000.htmlより、
シリア 米国務長官を厳しく非難
8月31日 7時15分

アメリカのケリー国務長官が、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したことを裏付けるさまざまな証拠があると主張したことについて、シリア外務省は30日夜、声明を発表し、「シリア国内のテロリストの情報をうのみにしてうその情報を流している」などと厳しく非難しました。
声明ではまた、「『政権側が攻撃の3日前から化学兵器による攻撃を準備していた』と言うが、それではなぜシリア軍の兵士も化学兵器の被害を受けたのか」などと反論しました。
さらに、イラク戦争を前に国連でアメリカのパウエル元国務長官が、イラクは大量破壊兵器を持っていると主張したことを引き合いに「パウエル長官の演説を思い出させる発言だ。結局、シリア政府が化学兵器を使ったという証拠は出していないし、軍事攻撃はアメリカ政府の利益のためにやろうとしているだけだ」などとアメリカを強くけん制しました。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130831ddm003030095000c.htmlより、
クローズアップ2013:英、シリア介入断念 米「決断」に逆風 世論も戦争回避機運
毎日新聞 2013年08月31日 東京朝刊

 米国の最大の同盟国・英国が29日、対シリア攻撃を断念したことは、国際協調を追求するオバマ政権にとり大打撃となった。30日にもアサド政権の化学兵器使用の「証拠」を示し攻撃への国民や議会の理解を求める方針だが、説得が奏功する成算はない。英国では「イラク戦争の悪夢」が下院の攻撃否決に至ったが、米国との「特別な関係」が傷付くことに懸念も強まっている。
 29日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、オバマ政権内部では、「同盟国の外交的支持が重要」(米政府高官)で各国の「支持」があれば国連安保理決議なしの単独攻撃でも構わないとの「強硬論」が強まっている模様だ。米国家安全保障会議のヘイデン報道官も29日の声明でオバマ大統領による攻撃決断の可能性を示唆、決定では米国益が最優先されると明示した。
 オバマ大統領が「レッドライン(越えてはならない一線)」としてきた化学兵器使用を前に攻撃をためらえば、米国の指導力は揺らぐ。大量破壊兵器使用のハードルが下がる懸念もある。米戦略国際問題研究所の軍事専門家アンソニー・コーデスマン氏は「何もしないのは賢明な選択でない」と言う。
 シリア入りしている国連調査団は31日に米ニューヨークの国連本部に戻る予定で、その後は攻撃があり得る状況になるとみられる。
 大統領は、9月3日にワシントンを離れ、5、6日にシリアの後ろ盾ロシアで主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する。こうした日程も念頭に最終決断するとみられる。
 だが、法的根拠の説明が不十分なままでの単独攻撃は、イラク戦争で傷ついた米国の信頼回復を追求してきたオバマ政権に対する反発を生み、ロシアや中国との緊張を高めるのは必至だ。米国の財政危機への対応で世界の安全保障を同盟国と分担する戦略の否定にもつながりかねない。
 米国の電子新聞ハフィントン・ポストが26〜27日に実施した世論調査ではシリア空爆への反対は41%、賛成25%。米世論の戦争回避機運は強く、大統領は困難な判断を迫られる。
 攻撃の可否を決断するうえでのカギの一つは米議会の反応だ。戦争権限法は大統領が軍事行動をとる場合、議会への事前説明▽作戦開始から48時間以内の議会への報告書提出▽提出から90日以内に議会が宣戦布告しない場合の軍撤退−−を義務づける。だが議会内には開始前に議会承認を求める意見も強く、調整に手間取りそうだ。「国際的な支援を求めるべきだ」(レビン上院軍事委員長)との声もあり幅広い支援を模索する中で攻撃が先に延びる可能性もある。【ワシントン白戸圭一、西田進一郎】

http://mainichi.jp/opinion/news/20130831ddm003030095000c2.htmlより、
 ◇イラク戦争、不信の源泉 英、米との「戦友意識」喪失に危惧
 「世論はイラクでの経験に毒された。我々はその不信感を理解する」。英下院で29日に行われたシリアへの軍事攻撃容認動議に関する議論でキャメロン首相は、国民の不信感の源泉がイラク戦争(2003年)にあるとの認識を示した。首相は、攻撃は人道的介入と強調すれば国民や議会を説得可能と考えていたようだが、読みは外れた。
 イラク戦争で英米両国は、フセイン政権の大量破壊兵器保有疑惑を根拠に国連安保理決議なしに攻撃を実行した。結局、大量破壊兵器は見つからず英兵179人が死亡。英国民には「政府にだまされた」との感情が強い。
 キャメロン首相は、シリアでは地上戦や政権転覆を想定していないなど「イラク戦争との違い」を強調。だが実際には、国連安保理決議なしの攻撃▽大量破壊兵器疑惑での希薄な根拠▽攻撃が宗派・民族対立をあおる可能性−−など似た面が多い。それが与党議員39人(BBC調べ)もが反対票を投じ動議が否決される結果を招いたと言える。
 また、英政府が提出した攻撃正当化の根拠文書に英メディアから批判が噴出したことも国民の不信を招いた。アサド政権の化学兵器使用を断定した情報機関文書と攻撃の法的根拠を示す文書だが、BBCは「化学兵器使用の証拠というより理屈を示したもの」と指摘。ガーディアン紙は法的根拠として示された「人道的介入」には議論があるとする専門家の見解を紹介した。
 一方、今回の動議否決で英政府内には米国との「特別な関係を傷つけるかもしれない」(ハモンド国防相)との危惧も強い。英米間には歴史・文化的な結びつきに加え第二次世界大戦以降「共に戦ってきた」戦友意識がある。英国は1986年のリビア空爆、91年の湾岸戦争、99年のユーゴスラビア空爆、2001年のアフガニスタン戦争など米主導の戦争の大半に参戦してきた。世界で英国が存在感を示す理由の一つは、超大国・米国との「特別な関係」だ。
 だが、英国民にはイラク戦争で米国に追従し国際的信用が失墜したとの思いもある。労働党のミリバンド党首は否決を受け、「米大統領が(英国に)やってほしいと思うことが簡単になされるものではない」と述べた。英国民のいらだちを示した言葉だと言える。【ロンドン小倉孝保、ブリュッセル斎藤義彦】

 ◇英政府が議会に示したシリア武力行使を巡る文書の内容
 ▼アサド政権犯行説の根拠
・反体制派に大規模な化学兵器攻撃を行う能力がなく、行った証拠もない
・政権は12年から14回、小規模に化学兵器を使用
・被害のビデオ映像はサリンなど神経ガス被害と合致
http://mainichi.jp/opinion/news/20130831ddm003030095000c3.htmlより、
・限られているが、証拠となる秘密情報もある

 ▼武力行使の合法性
 ▽安保理決議なしでも武力行使が合法な3条件は
 (1)緊急性、国際社会が納得する証拠がある
 (2)武力行使以外方法がない
 (3)方法が必要かつ適切。期間、目的も明確

 ▽今回は3条件を満たす。理由は
 (1)被害が大規模。再攻撃の可能性がある
 (2)過去2年、安保理は妨害され武力行使以外ない
 (3)例外的。特定の目標を攻撃し適切

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130831/k10014177261000.htmlより、
オバマ 軍事行動踏み切る場合も限定的
8月31日 5時29分

シリアで化学兵器が使われたとされる問題で、アメリカのオバマ大統領は、軍事行動に踏み切るかどうか引き続き同盟国や議会などと協議したうえで最終判断を行う考えを強調するとともに、踏み切る場合でも限定的な攻撃にとどめる意向を示しました。
オバマ大統領は、30日午後、日本時間の31日午前3時すぎ、ホワイトハウスで記者団に対して「アサド政権による化学兵器の使用は、イスラエルやトルコなど周辺国をも脅かし、アメリカの安全保障上も脅威だ」と述べました。
そのうえで、「アフガニスタンやイラクの戦争で、嫌気がさしていることは理解している。しかし、化学兵器で子どもを含む1000人以上が殺害されているのに、何も行動を起こさなければ、国際的な規範は意味がないというシグナルを送ることになる。化学兵器を使った政権は、責任を負うということを明確にするのが、世界のリーダーとしての責務だ」と述べました。
ただ、軍事行動に踏み切るかどうかは「まだ決めていない」と述べ、引き続き、同盟国や議会などと協議したうえで最終判断を行う考えを強調しました。
一方で、オバマ大統領は「地上部隊を派遣するような長期間の行動は考えていない」と述べ、軍事行動に踏み切る場合でも限定的な攻撃にとどめる意向を示しました。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013083101000981.htmlより、
米NBC、軍介入に50%反対 世論調査
2013年8月31日 05時08分

 【ワシントン共同】米NBCテレビ(電子版)は30日、化学兵器使用疑惑が強まるシリアへの軍事介入に関する世論調査結果を発表、米軍の軍事行動に反対する回答が50%で、賛成は42%だったと伝えた。介入の是非について、米市民の見方は割れていることが分かった。
 オバマ大統領は軍事介入前に議会から承認を得る必要があるかという質問では「承認を得るべきだ」との回答が79%に上り、「承認は不要」という回答は16%にとどまった。
 米軍の攻撃によってシリア市民の状況が改善すると思うかには「改善する」が27%。「改善しない」は41%。
 調査は米国の700人に28~29日実施。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130831/k10014177231000.htmlより、
シリア 国連調査団は活動終了し出国へ
8月31日 4時20分

シリアで、化学兵器による攻撃で多数の死者が出たとされる問題で、国連の調査団は、現地での調査活動を終了し、31日朝、日本時間の31日午後、シリアを出国する予定で、できるだけ早く調査結果をパン・ギムン事務総長に報告することにしています。
シリアの首都ダマスカス近郊で今月21日、化学兵器の使用が疑われる攻撃で多数の死者が出たことについて、反政府勢力や欧米諸国はアサド政権側が化学兵器を使用したと非難しています。
この問題で国連の専門家で作る調査団は4日間にわたり、被害者の血液や周辺の土を現地で採取したほか、病院の関係者などから聞き取りを行い、30日、調査を終了しました。
調査団は現地時間の31日朝、日本時間の31日午後にシリアを出国する予定で、患者の検体などを研究施設での分析に回したうえで、できるだけ早くパン・ギムン事務総長に調査結果を報告することにしています。
この調査に関連してシリアの国営テレビは、ムアレム外相がパン・ギムン事務総長と電話で会談したと伝えました。
この中で、ムアレム外相は「完全ではない不十分な報告書であるならば、シリア政府は拒否する」と述べ、反政府勢力側の主張に沿っただけの報告書であれば、受け入れられないという考えを示しました。
これに対しパン・ギムン事務総長は「調査団はまたシリアに戻ることになるだろう」と述べ、必要ならば調査を継続する可能性を示唆しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130831/k10014177071000.htmlより、
米国務長官 シリアの化学兵器証拠ある
8月31日 2時44分

シリアで化学兵器が使われたとされる問題について、アメリカのケリー国務長官は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したことを裏付けるさまざまな証拠があると主張し、今後、議会と国民への説明を尽くしたうえで、オバマ政権として軍事行動に踏み切るか、判断する考えを示しました。
ケリー国務長官は、30日午後、日本時間の31日未明に国務省で会見し、シリアの首都ダマスカスの郊外で今月21日に化学兵器が使われたとされる問題について、アメリカの情報機関が集めた情報を明らかにしました。
この中でケリー長官は、「政権側が攻撃の3日前から化学兵器による攻撃を準備していた」と述べたほか、政権側がガスマスクを装着して攻撃に備えるよう指示を出したことや、化学兵器を搭載したロケット弾がいつ、どこから発射されたのかなどもアメリカ政府は把握していると説明しました。
そして、化学兵器による攻撃で「1429人が死亡し、このうち少なくとも426人が子どもだった」と述べました。
ケリー長官は「こうした行為は人道に反する罪で、アメリカがどのような判断を下すのか、われわれの指導力と信頼性に関わってくる」としたうえで、「大量破壊兵器の使用に目をつぶれば、歴史の厳しい審判を受ける」と述べました。
さらに、「レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラや北朝鮮など世界のテロ組織や独裁者に大量破壊兵器の使用を思いとどまらせなければならない」と述べ、この問題は、シリア1国だけでなく、アメリカの国益に大きく関わると強調しました。
そのうえで、議会と同盟国、それにアメリカ国民への説明を尽くしたうえで、アメリカとして軍事行動に踏み切るかどうか、判断する考えを示しました。
さらに、ケリー長官は、軍事行動に踏み切る場合、その目的はアサド政権による化学兵器使用の責任を問うためのもので、地上部隊は送らないなど限定的な作戦を想定しており、イラクやアフガニスタンでの戦争のように長期化させる考えはないと強調しました。

米政府報告書を発表
アメリカ政府は、30日、内戦が続くシリアで化学兵器が使われたとされる問題について、アメリカ政府の分析結果をまとめた報告書を発表しました。
それによりますと、今月21日にシリアの首都ダマスカス近郊で神経ガスの化学兵器が使用され、1429人が死亡し、このうち少なくとも426人は子どもだったとしています。
そのうえで、アサド政権が攻撃の3日前から神経ガスの一つであるサリンを含む化学兵器を製造している地域の近くで攻撃を準備していたほか、攻撃の当日は、ガスマスクを使用して化学兵器に備えていたことなどを明らかにしています。
一方で、反政府側が化学兵器を使うような兆候はなかったとしています。
さらに、化学兵器の被害を受けた地域に政権側がロケット砲弾などの攻撃を仕掛けていたことが偵察衛星などで裏付けられたとしているほか、化学兵器の使用を確認した政権の会話も傍受しているとしています。
そして報告書は、すべての情報を公開することはできないが、数多くの情報からアサド政権側が化学兵器を使用したことを強く確信していると結論づけています。
しかし、報告書は、オバマ政権の主張を列挙しているだけで、その主張を裏付ける物的証拠は盛り込まれていません。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013083001002689.htmlより、
国連チームが現地調査完了 シリア出国へ
2013年8月31日 00時32分

 【ダマスカス共同】シリアの首都ダマスカス近郊で化学兵器による攻撃で多数の市民が死亡したとされる疑惑で、国連調査団は30日、現場近くの軍病院などで行った最終日の現地調査を終え、滞在先のダマスカスのホテルに戻った。調査は4日間。31日朝までにシリアを出国する。
 調査団は、現場で採取した被害者の髪の毛や血液、土などの分析を進め、化学兵器使用の有無や種類を特定。潘基文事務総長に調査結果を報告する見通し。
 シリアの国営テレビは30日、ムアレム外相が国連の調査結果について、研究機関での分析が行われる前の不完全なものは受け入れられないとの立場を示したと伝えた。

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