特定秘密保全法案 「懸念材料が多すぎる」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013091302000147.htmlより、
東京新聞【社説】秘密保護法案 軍事国家への入り口だ
2013年9月13日

 政府が進める秘密保護法案は、国が恣意(しい)的に情報統制を敷く恐れがある。「知る権利」と真正面から衝突する。軍事国家への入り口になってしまう。
 自由や人権などよりも、国の安全保障が最優先されるという思想が根底にあるのだろう。政府が公表した秘密保護法案の概要を見ると、そんな印象を強く持つ。
 かつて検討された法制と異なるのは、特段の秘匿が必要な情報である「特定秘密」の事項だ。(1)防衛(2)外交-は同じだが、「公共の安全および秩序の維持」の項目を(3)安全脅威活動の防止(4)テロ活動の防止-と改めた。

◆情報隠しが横行する
 公共の安全や秩序維持の文言は、社会のあらゆる活動に投網をかけると強く批判されたため、今回は変形させたのだろう。
 それでも問題点は山積だ。まず、特定秘密の指定範囲である。行政機関の「長」が別表で指定するが、中身があまりにも茫漠(ぼうばく)としている。防衛については十項目あり、「自衛隊の運用」が最初に規定されている。「運用」の言葉だけでは、どんな解釈も可能だろう。防衛相は恣意的に特定秘密のワッペンを貼り、さまざまな情報を国民の目から覆い隠せる。
 現行法でも昨年末時点で、防衛秘密の指定事項は二百三十四件にものぼる。秘密文書も膨大となり、一昨年末では約八万三千点が隔離された状態だ。
 外交分野でも同じだ。例えば「安全保障に関する外国政府との交渉」と別表に漠然と書かれているため、外相はいかなる運用もできよう。違法な情報隠しすら行われるかもしれない。
 ある情報が特定秘密に本当にあたるかどうか、国会でも裁判所でもチェックを受けないからだ。形式的な秘密ではなく、実質的な秘密でなければならないが、その判断が行政の「長」に任されるのは、極めて危うい。

◆「知る権利」への脅威だ
 安全脅威やテロの分野も解釈次第で、市民レベルの活動まで射程に入る恐れがある。
 言い換えれば、国民には重要でない情報しか与えられないのではないか。憲法は国民主権の原理を持つ。国政について、国民が目隠しされれば、主権者として判断ができない。秘密保護法案は、この原理に違背するといえよう。
 憲法には思想・良心の自由、表現の自由などの自由権もある。政府は「国民の知る権利や取材の自由などを十分に尊重する」と説明しているものの、条文に適切に生かされるとは思えない。
 特定秘密を取得する行為について、「未遂、共謀、教唆、扇動」の処罰規定があるからだ。あいまいな定めは、取材活動への脅威になる。容疑がかかるだけでも、記者やフリーランス、市民活動家らに家宅捜索が入り、パソコンや文書などが押収される恐れが生じる。少なくとも、情報へのアクセスは大きく圧迫される。
 「取材の自由」はむろん、「知る権利」にとって、壁のような存在になるのは間違いない。政府は「拡張解釈し、基本的人権を侵害することがあってはならない」旨を定めると言うが、憲法で保障された人権を侵してはならないのは当然のことである。暴走しかねない法律だからこそ、あえてこんな規定を設けるのだろう。
 驚くのは、特定秘密を漏らした場合、最高で懲役十年の重罰を科すことだ。現在の国家公務員法では最高一年、自衛隊法では五年だ。過去のイージスシステムの漏洩(ろうえい)事件では、自衛官に執行猶予が付いた。中国潜水艦に関する漏洩事件では、起訴猶予になった。現行法でも対処できるのだ。重罰規定は公務員への威嚇効果を狙ったものだろう。
 そもそも誰が特定秘密の取扱者であるか明らかにされない。何が秘密かも秘密である。すると、公務員は特定秘密でない情報についても、口をつぐむようになる。ますます情報は閉ざされるのだ。
 しかも、国会の委員会などで、公開されない秘密情報も対象となる。つまり国会議員が秘書や政党に情報を話しても罪に問われる可能性がある。これでは重要政策について、国会追及もできない。国権の最高機関である国会をないがしろにするのも同然だ。

◆憲法改正の布石になる
 新法の概要に対する意見募集期間も約二週間にすぎず、周知徹底されているとはいえない。概要だけでは情報不足でもある。政府の対応は不誠実である。
 米国の国家安全保障会議(NSC)をまねた日本版NSC法案も、秋の臨時国会で審議される予定だ。集団的自衛権をめぐる解釈も変更されかねない。自衛隊を国防軍にする憲法改正への道だ。
 秘密保護法案はその政治文脈の上で、軍事国家化への布石となる。法案には反対する。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59415920X00C13A9EA1000/より、
日経新聞 社説 疑問点があまりに多い秘密保護法案
2013/9/7付

 国の安全や外交にからむ機密情報の漏洩を防ぐため、新たな法律をつくる作業が進んでいる。政府は法律案の概要を公表し、一般からの意見募集を始めた。秋の臨時国会に提出する構えだ。
 この法案には疑問点が多い。そればかりか法律の必要性そのものについても議論の余地が残る。もとより国民の権利侵害につながりかねない重大な問題である。さらに丁寧に説明を尽くし、慎重に検討を重ねていくべきであろう。
 法案では、防衛、外交、安全脅威活動、テロの4分野のうち特に秘匿すべき情報を、各省の大臣が「特定秘密」に指定する。公務員がこれを外部に漏らした場合、最高で懲役10年の刑罰を科す。
 特定秘密となりうる具体的な事項については、法律の別表で「安全保障に関する外国政府との交渉」などと個別に定める。だがこの規定は広すぎる。秘密の範囲拡大に歯止めがきかず、都合の悪い情報を隠す形で使われかねない。
 秘密の指定が妥当かどうか、事後的にでも検証できる仕組みが必要ではないか。さらに、一定期間が過ぎれば開示したり、個別の指定に対する異議や不服を受け付けて裁定する機関をつくったりすることも検討すべきであろう。
 罰則も重すぎないか。幅広く秘密の網をかけて重罰を科せば、公務員の側は萎縮してしまうだろう。本来公表すべきものまで秘密にするような副作用が心配される。2005年に個人情報保護法が施行された際の過剰反応を考えれば、十分起こりうることだ。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013090500644より、
秘密保全法、説明ないと抗議=公明

 公明党の石井啓一政調会長は5日、政府が特定秘密保全法案の概要について同党に説明せず、国民への意見募集を始めたのは問題だとして、自民党の高市早苗政調会長に電話で抗議した。公明党は、法案を検討するため同日に予定していたプロジェクトチーム(PT)設置も延期した。
 石井氏の抗議に対し、高市氏は「私どもも詳しい内容は聞いていない。まだ政調内の手続きはしていない」と釈明した。(2013/09/05-16:16)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013090501001024.htmlより、
公明、政府・自民に抗議 秘密保護法案めぐり
2013年9月5日 14時08分

 公明党の石井啓一政調会長は5日、機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ「特定秘密保護法案」をめぐり、同党の了承手続きを軽視しているとして政府・自民党に抗議したと明らかにした。政府は自民党が法案概要を大筋了承した3日からパブリックコメント(意見公募)を始めているが、事前に公明党への説明がなかったという。
 石井氏は国会内で記者団に「公明党が理解しない限り、政府の法案として国会に提出するのは無理だ」と述べた。
 法案は、外交や防衛に関する機密のうち、特に秘匿の必要性がある情報を「特定秘密」に指定している。(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013090402000116.htmlより、
秘密保護法案概要 「知る権利」懸念拭えず
東京新聞 2013年9月4日 朝刊

  政府は三日、秋の臨時国会に提出を目指している「特定秘密保護法案」の概要を公表し、国民から意見を募るパブリックコメント(意見公募)を始めた。概要と意見の応募方法は、インターネットの「電子政府の総合窓口」に載っている。期間は十七日まで。
 政府は公募に先立ち、自民党の「インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」(座長・町村信孝元外相)で法案の概要を説明した。
 概要によると、漏れると国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがあり、秘匿が必要な情報を特定秘密に指定。公務員らが特定秘密を漏らした場合、最高十年の懲役刑を科すが、報道の自由など国民の知る権利の制限につながることが懸念されている。政府は新たに「拡張解釈し、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」との条文を盛り込んだが、努力目標にすぎず、拡大解釈の歯止めにはならないとの声が強い。
 党側の出席者からは「新条文の『不当』とは、どういう範囲なのか」との指摘が出た。特定秘密の指定基準では「各府省庁で統一する必要がある」との意見で一致し、政府側に検討を要請。最高十年の量刑が適正かどうかは、党側で議論を続けることを確認した。外国の情報機関に漏らした場合も処罰の対象になると明記していないことを「不十分だ」とする声もあった。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130904k0000m070119000c.htmlより、
社説:秘密保護法案 懸念材料が多すぎる
毎日新聞 2013年09月04日 02時33分

 国家機密の情報漏えいを防ぐための特定秘密保護法案の議論が本格化してきた。政府は秋の臨時国会に法案を提出予定で、自民党など与党でも検討が始まった。
 「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の4分野のうち、秘匿の必要性が特に高い情報を行政機関の長が「特定秘密」に指定する。故意に漏らした公務員には最高懲役10年の罰則を科す。
 特定秘密の範囲が拡大すれば、国民の「知る権利」が損なわれる。だが、政府が予定している法案の概要では、その歯止めが明確でない。
 あいまいさを残す一方で、当事者を厳罰で縛ろうとする法案の骨格に対し、強い懸念を抱く。
 何が特定秘密になるのか。「外交」など4分野について別表で規定する。たとえば、外交ではその一つとして「安全保障に関する外国の政府または国際機関との交渉または協力の方針または内容」と掲げる。
 かなり抽象的な規定だ。行政機関の長の判断次第で指定の範囲は大きくふくらむ。さらに指定の有効期間は5年で、何回も更新可能だ。
 政府にとって都合の悪い情報の隠れみのになってしまう恐れはないか。指定の適切さを政府内部でどうチェックするのかも明確でない。
 米国では、重要な公文書でも期限がすぎれば公開される仕組みが整備されている。一方、日本は官庁側の裁量に左右されてきた。沖縄密約問題でも、米国で公文書が公開されているのに、政府はいまも文書の存在を認めていない。廃棄などずさんな公文書管理も随分、批判を浴びた。隠蔽(いんぺい)体質を改め、まず基本的な情報公開度を高めるのが先ではないか。
 さらに懸念するのは、特定秘密を知ろうとする側も罰則の対象としていることだ。特定秘密の取得行為に対し、最高懲役10年の罰則を科す予定だ。たとえば、漏えいをそそのかす行為も罰則の対象だ。
 だが、熱心に相手を説得する報道機関の取材とそそのかしをどう線引きするのか。また、取得行為は、報道目的に限らない。国民がそれぞれの立場で政府情報の公開を求める行為も規制対象になり得る。「国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」との規定も設けるというが、適切な運用が担保される保証はない。情報の提供側・受け手双方に対する萎縮効果は甚大だ。
 国家間で共有する情報など機密性の高い情報があるのは確かだ。そのセキュリティーに最善を尽くす必要性は分かる。ただし、一義的には情報を持つ官庁の情報管理の問題だ。幅広く民間人も巻き込み厳罰も導入しての法制化が本当に必要なのか。入り口からの議論が必要だ。

http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000m010091000c.htmlより、
特定秘密保護法案:パブリックコメントを開始
毎日新聞 2013年(最終更新 09月04日 00時34分)

 自民党は3日、特定の秘密を漏らした公務員や不正に情報を入手した第三者を処罰する特定秘密保護法案の概要を大筋で了承した。これを受け、政府は同日、国民の意見を募るパブリックコメントを開始した。政府は秋の臨時国会に提出して成立を図る方針で、「知る権利」との両立や特定秘密の対象が論点となる見通しだ。
 法案は、諸外国との情報共有を進めるため、防衛▽外交▽安全脅威活動防止▽テロ活動防止−−の4分野で機密性の高い情報を「特定秘密」に指定。漏えいや不正入手には最高10年以下の懲役を科す。パブリックコメントは17日まで行われる。
 最大の論点は「知る権利」との兼ね合い。法案では、秘密の有効期間を「上限5年」としたが、行政機関の長の判断で無限に更新できる。法案の検討に着手した民主党政権は、不開示決定の是非を裁判官が判断できる情報公開法改正案も作成したが、安倍政権は見送っている。
 処罰は第三者も対象となるため、「報道の自由」を侵害しかねないとして日本新聞協会は反対を表明している。政府・自民党は「拡張解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」との規定を盛り込む方針だ。
 ただ、3日の自民党インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム(座長・町村信孝元官房長官)では、出席議員が「不当とは何か」と政府の認識を追及。あいまいな規定で報道規制につながることに懸念もあり議論になりそうだ。
 秘密保護の対象となる4分野を巡っても、より限定した規定を求める意見がある。みんなの党の浅尾慶一郎幹事長は3日の記者会見で「客観的でないならば問題だ」と指摘。民主党にも刑期の長さを疑問視する見方があり、日本維新の会も「言論の自由」について内容を精査する方針だ。共産、社民両党は反対する構えだ。
 知る権利の保障をめぐっては、与党の公明党にも懸念が出ている。政府・自民党はパブリックコメントや与党調整を経て法案を提出する方針で、内容が変更される可能性もある。【小山由宇、高橋恵子】

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013090300888より、
秘密保全法案、政府が意見募集

 政府は3日、国の機密情報を漏らした公務員らの罰則を強化する特定秘密保全法案の概要を「電子政府の総合窓口」で公表し、国民からの意見募集を始めた。17日まで電子メールや郵送、ファクスで受け付ける。
 同法案は、国家公務員らが「特定秘密」を故意に漏らした場合、最長懲役10年の罰則を規定。罰則は唆した人物にも適用され、国民の知る権利や報道の自由が侵害されると懸念する声が出ている。(2013/09/03-21:43)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013090301002257.htmlより、
自民、秘密保護法案を了承 報道の自由に配慮
2013年9月3日 20時00分

 自民党の「インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」(座長・町村信孝元外相)は3日の会合で、機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ「特定秘密保護法案」の概要を大筋で了承した。政府は、報道の自由を侵害するとの懸念に応えるため「国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」との表現を新たに概要に盛り込んだ。
 政府は、法案を10月召集予定の臨時国会に提出する方針だ。公明党は「政策の優先順位が低い」(党幹部)としており、成立は見通せない。
 法案提出に先立ち、政府は一般から意見を募るパブリックコメント(意見公募)を実施する。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130903/k10014255791000.htmlより、
自民 秘密保全法案を大筋了承
9月3日 19時25分

自民党は、政府が秋の臨時国会への提出を目指す「秘密保全法案」に関する作業チームの会合を開き、特に秘匿が必要な安全保障に関する情報を漏えいした公務員らに最高で10年の懲役刑を科すなどとした、法案の概要を大筋で了承しました。
政府は、外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議の創設に向けて、特に秘匿が必要な安全保障に関する情報を「特定秘密」に指定し、漏えいした公務員らに最高で10年の懲役刑を科すなどとした、「秘密保全法案」の成立を目指しています。
自民党は3日、この法案に関する作業チームの会合を開き、法案の概要について議論しました。
この中で、出席者からは「政府から情報が漏えいした事例も検証したうえで法案をまとめるべきだ」という指摘や、「諸外国によるスパイ活動にはより厳しく対応すべきだ」などという意見が出されましたが、最終的に大筋で了承されました。
政府は秋の臨時国会への法案の提出を目指し、3日に概要を公表し、国民からの意見を募ることにしています。
作業部会の座長を務める町村元官房長官は記者団に対し、「法案には基本的人権を不当に侵害してはならないという項目があり、報道の自由は確保できると思う」と述べました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013082902000143.htmlより、
「機密」拡大解釈の恐れ 秘密保護法案 見えぬ意義
東京新聞 2013年8月29日 朝刊

 安倍政権が秋の臨時国会に提出を目指す特定秘密保護法案は、「国の安全保障に著しく支障を与える恐れがある」として指定する「特定秘密」が拡大解釈される可能性がある。今でも、公務員が国の機密情報を漏らすと国家公務員法や自衛隊法、日米間の協定に基づく法律で罰せられるのに、政府はさらに厳罰化して、機密情報の対象も際限なく広がりかねない法案を提出しようとしている。(金杉貴雄)
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十八日の記者会見で「法案を提出する限り、その国会で成立を目指すのは当然だ。できるだけ国民に分かりやすい形で議論し、成立させたい」と臨時国会での成立に強い意欲を示した。
 公務員による情報漏えいを禁止する法律には、国家公務員の守秘義務違反に対する懲役一年以下または五十万円以下の罰金を定めた国家公務員法、「防衛秘密」を漏えいした場合に五年以下の懲役を科す自衛隊法がある。
 加えて、日米相互防衛援助協定(MDA)に伴う秘密保護法では、米国から供与された装備品等に関する情報を漏らせば、最長で懲役十年の罰則となる。
 政府は新たに特定秘密保護法案で、厳罰の対象を広げようとしている。政府が指定した「特定秘密」を漏らした場合には、秘密保護法と同じく最長十年の懲役を科す考えだからだ。
 問題は「特定秘密」の範囲。政府は「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の四分野と説明する。「安全保障に支障の恐れ」という定義はあいまいで、拡大解釈される余地が十分にある。しかも、この「特定秘密」を決めるのは大臣などの各省庁や行政機関の長だ。
 この法案が成立すれば、政府は重要な情報を、これを盾に隠すことができる。
 例えば、収束のめどが立たない東京電力福島第一原発など原発に関する情報について、政府が「公表するとテロに遭う危険がある」との理由で国民に伏せる事態も想定される。
 実際、原発事故の直後には、政府は「直ちに健康に影響はない」などと繰り返し、国民が知りたい情報を積極的に公表せず、信用を失った。外交でも、沖縄返還の際に財政負担を米国に約束した沖縄密約問題の情報は明らかにしなかった。同法案はそうした傾向をさらに強めかねない。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013082800436より、
知る権利「極めて大事」=菅官房長官

 菅義偉官房長官は28日午前の記者会見で、機密情報を漏えいした国家公務員らの罰則を強化する特定秘密保全法案について「知る権利や取材の自由を十分に尊重しながら検討を進めている。知る権利や取材の自由は極めて大事だ」と述べ、国民の基本的人権を不当に侵害することにならないよう配慮する姿勢を示した。ただ、侵害を防ぐ具体的方策は今後詰めるとして、明らかにしなかった。
 菅長官は同法案に関して、外交・安全保障政策の司令塔となる日本版NSC(国家安全保障会議)創設法案と合わせ、秋の臨時国会で成立を目指す方針を改めて表明。「(NSCと)外国との情報共有は、その情報を保全することを前提に行われる。法整備は喫緊の問題だ」と強調した。(2013/08/28-12:25)

http://mainichi.jp/select/news/20130828k0000m010140000c.htmlより、
秘密保全法案:テロ防止も対象 「知る権利」配慮規定も
毎日新聞 2013年(最終更新 08月28日 03時02分)

 政府が秋の臨時国会に提出する秘密保全法案で、情報の保全措置を講じる「特定秘密」の対象を「テロ活動防止」「安全脅威活動の防止」など4分野としたことが27日分かった。国民の知る権利や報道の自由に配慮し、「本法を拡張解釈し、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」との規定も盛り込む見通しだ。
 27日開かれた自民党の「インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム(PT)」(座長・町村信孝元官房長官)で内閣官房担当者が説明した。法案の正式名称は「特定秘密の保護に関する法律案」。行政機関の長が指定する保全対象の「特定秘密」は(1)防衛(2)外交(3)安全脅威活動の防止(4)テロ活動防止−−の4分野。骨格段階では(1)(2)及び「公共の安全と秩序の維持」の3分野だったが「あいまい」との批判を招きかねない「公共」を(3)(4)と再定義した。
 特定秘密を漏らした政務三役を含む公務員には最高で懲役10年の罰則を規定。公務員らをあざむき、または脅迫する▽不正アクセス行為−−などで特定秘密を取得した第三者にも最高で懲役10年を科すとした。
 町村氏はPT終了後、記者団に「基本的人権を不当に侵害することがないと法律に明記する」と明言する一方、取材活動に関し「不法な方法は除外にはならないだろう」とも述べた。法案は9月中にまとめられ、パブリックコメントを経て国会に提出される見通しだ。【小山由宇、水脇友輔】

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082701002251.htmlより、
漏えい、民間業者も罰則 政府の秘密保護法案
2013年8月28日 01時10分

 国の機密を漏らした国家公務員らへの罰則強化を盛り込んだ「特定秘密保護法案」で、防衛などの機密情報を扱う府省庁と契約を結ぶ民間企業の従業員も罰則対象とし、漏えいした場合は最高で懲役10年を科すことが分かった。機密情報を取り扱えるか適性を評価するため、社員の同意を得た上で犯歴や経済状態など個人情報を調査する。政府関係者が27日、明らかにした。
 政府は法案の拡大解釈による「基本的人権の不当な侵害」を禁じる規定を盛り込む方針だが、個人調査の対象を民間に広げることでプライバシー侵害の可能性も高まるため、国会では慎重な議論を求める声が強まりそうだ。(共同)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013082700967より、
「不当な取材」定義不明確=秘密保全法案、政府が概要-自民幹部

 政府は27日、秋の臨時国会に提出する特定秘密保全法案の概要を自民党プロジェクトチーム(PT)に提示した。会合後、PT座長の町村信孝元官房長官は同法案が報道の自由を制約しかねないとの指摘について、「正常な取材活動は問題ないことを法律上明確にしたい」と記者団に強調。ただ「何が不当な方法かは議論が分かれるかもしれない」と述べ、具体的にどのような活動が違法とされるのかは明確になっていないことを認めた。
 同法案は、安全保障や外交に関わる国の機密情報の漏えいやその教唆を処罰対象としており、取材活動にも漏えいの教唆罪が適用されるとの見方がある。法案概要は「法適用に当たり、拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」と規定しているが、自由な取材の担保には不十分との指摘も出そうだ。
 政府側は会合で、法案提出前に国民の意見を聴くパブリックコメントを実施すると説明した。(2013/08/27-22:49)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082701001921.htmlより、
秘密保護法案、報道は除外で一致 自民PT
2013年8月27日 19時42分

 自民党は27日、政府が秋の臨時国会に提出予定の特定秘密保護法案について協議する「インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」(座長・町村信孝元外相)会合を開いた。報道の自由を踏まえ、罰則対象から報道目的の除外を明記するよう求める方針で一致した。
 会合後、町村氏は「基本的人権である報道の自由を侵害することがあってはならないと明記する」と記者団に述べた。ただ「不法な方法による取材は除外とならないだろう」との認識も示した。
 9月3日の次回会合で法案概要を了承した後、政府はパブリックコメント(意見公募)を実施する。(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082501001595.htmlより、
罰則対象から報道目的除外を検討 秘密保護法案で政府
2013年8月26日 02時00分

 政府が、国の機密情報を漏らした国家公務員らへの罰則強化を盛り込む「特定秘密保護法案」に関し、罰則対象から「報道目的」の除外を検討していることが分かった。罰則の最高刑は懲役10年とし、民間人が施設に侵入し機密情報を得たケースなども対象となる。秘密保護担当相は森雅子少子化担当相が兼任する。政府関係者が25日明らかにした。
 法案をめぐっては、国民の「知る権利」や報道機関による取材の自由が制約されるとの懸念があり、報道規制にならないよう留意すべきだとの判断が働いたとみられる。拡大解釈による基本的人権の不当な侵害を禁じる規定も盛り込む方針だ。(共同)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013082500110より、
政務三役も漏えい処罰対象=防衛産業も、最長懲役10年-特定秘密保全法案・政府

 政府が秋の臨時国会に提出する特定秘密保全法案で、安全保障や外交上の国の機密情報を漏えいした場合の罰則の適用対象に一般公務員だけでなく、閣僚や副大臣、政務官の政務三役や防衛産業などの民間企業の契約者も含めることが25日、分かった。政府関係者が明らかにした。罰則は最長で懲役10年。
 日本版NSC(国家安全保障会議)設置に合わせた法整備で、米国など同盟国と高度な軍事や対テロ情報を共有する上で情報管理を徹底するのが目的だ。ただ、報道の自由やプライバシー保護を脅かしかねないとの懸念もある。
 法案では、公になっていないもののうち「漏えいがわが国の安全保障に著しく支障を与える恐れがあるもの」を特定秘密に指定する。対象は別表で4分類され、「防衛」「外交」「外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止」「テロ活動の防止」が列挙されている。(2013/08/25-16:42)

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