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日別アーカイブ: 2013年9月17日

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130922/plc13092203150002-n1.htmより、
産経新聞【主張】「地球の裏側」論 本質をそらす言葉遊びだ
2013.9.22 03:15 (1/2ページ)

 不毛な言葉遊びにエネルギーを費やしていては困る。
 集団的自衛権の行使容認問題で、自衛隊が「地球の裏側」まで行くか否かという、表現をめぐる論争が政府自民党などで起きている。
 自民党の高村正彦副総裁らは「地球の裏側に行くようなことは許されない」と主張している。これに対し、高見沢将林(のぶしげ)官房副長官補が自民党の会合で、地球の裏側に行くことも必ずしも否定されないとの見解を示した。
 高村、高見沢両氏は、集団的自衛権の行使が日本の国益や安全を守るために必要であることを前提に発言している。
 「地球の裏側」とは、日本の国益などに無関係の地域にまで自衛隊を送り、武力行使を行うものではないという、あくまでもたとえと考えるべきだろう。高見沢氏は「関係もないのに米国が行くからついて行くものではない」とも説明している。
 一方、行使容認に反対する側は「地球の裏側まで行って、日本は米軍に追従して世界で戦争するのか」などと懸念を提起している。避けなければならないのは、行使容認を否定、阻止するための宣伝にこの論争が使われ、問題の本質がすり替えられることだ。
 核・弾道ミサイル開発を強行する北朝鮮や、軍拡を進める中国の台頭によって、日本周辺の安全保障環境は急速に悪化している。集団的自衛権の行使容認は、日米同盟を強化し、抑止力を高めるために不可欠なものだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130922/plc13092203150002-n2.htmより、
2013.9.22 03:15 (2/2ページ)
 だが、経済的な相互依存関係の深化や科学技術の発展で世界はますます狭くなっている。遠く離れた地域の出来事が、日本に大きな影響を与えることを考えておくのは当然だろう。
 政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」でも、中東などからのエネルギーの安定供給をにらみ、シーレーン(海上交通路)の安全確保が論じられている。日本から約1万2千キロのソマリア沖アデン湾での自衛隊による海賊対処活動は、国益を守るために必要だからこそ続けられている。
 国民の理解を得るため、集団的自衛権の行使の条件、手続きなどをあらかじめ考えるのは当然だ。行使容認に慎重な側も、言葉遊びに熱中するのではなく、事の本質を論じてほしい。

http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m010107000c.htmlより、
集団的自衛権:「地球の裏側」発言、防衛相が火消し
毎日新聞 2013年09月20日 21時50分

 小野寺五典防衛相は20日の記者会見で、集団的自衛権行使を容認した場合の自衛隊の活動について「地球の裏側(まで行く)ということを想定しているわけではない」と改めて明言した。この問題では、19日の自民党会合で防衛省出身の高見沢将林官房副長官補が「絶対に地球の裏側に行かないという性格のものではない」と言及。しかし行使に歯止めが利かなくなるとの意見が党内にあり、小野寺氏が火消しを図った形だ。
 さらに小野寺氏は、安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」でも「実際と違うイメージが独り歩きしている」との懸念の声があることを紹介。集団的自衛権が及ぶ地理的な範囲をめぐっては、自衛隊が日本と関係の薄い米軍の軍事行動に巻き込まれる可能性があることを念頭に、議論の対象になっていると強調した。
 ただ、高見沢氏の発言を「脱線」とも言い難い。政府内には、具体的な地理的制約をあらかじめ設けると想定外の事態に対応できなくなるという意見があるためだ。政府関係者は「他国の領域に入って戦争はしないが、公海は別だ」と語り、各国の主権が及ばない公海なら集団的自衛権の適用範囲に含まれるとの見方を示した。【青木純、朝日弘行】

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130920/plc13092021380016-n1.htmより、
自衛隊、地球の裏側行く? 行かない? 政府説明で“矛盾”
2013.9.20 21:36

 集団的自衛権の行使を容認した場合、自衛隊は「地球の裏側」まで行くのか否か-。防衛省出身の高見沢将林(のぶしげ)官房副長官補が「行ける」と受けとめられる発言をし、小野寺五典(いつのり)防衛相が釈明に追われている。安倍晋三首相が行使容認に向けた努力を続ける中、野党側に揚げ足を取られれば不毛な「神学論争」に陥る恐れがあるためだ。
 発端は19日の自民党部会での高見沢氏の発言。集団的自衛権の行使について「あらかじめ具体的な状況が分からないのに『地球の裏側に行けない』という性格ではない」と述べた。一方で、「(日本の自衛と)関係ないのに米国に付いていくというものではない」とも強調した。
 この発言を受け、小野寺氏は20日の記者会見で「地球の裏側を想定しているわけではない」と“否定”。「地球の裏側に行って戦争するような、実際と異なるイメージが独り歩きしている」と遺憾の意を示した。
 もっとも、小野寺、高見沢両氏は、行使容認は日本の自衛に関わる事態に限定し、米国の軍事行動に無条件で追従するわけではないとの基本的な考えでは一致している。
 「行ける」「行けない」は事前に決めておく性格のものではなく、19日の自民部会では、岩屋毅党安全保障調査会長が「地球の裏側に行くこともわが国の自衛に密接に関わるならあり得る。ほぼ起こらない想定で分かりやすく説明したのが『地球の裏側には行かない』だ」と引き取った。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130920/k10014688991000.htmlより、
防衛相 遠隔地で武力行使念頭ない
9月20日 14時4分

小野寺防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、集団的自衛権の行使を巡る議論について、「『地球の裏側』を想定しているわけではない」と述べ、遠隔地での自衛隊の武力行使などを念頭に置いているわけではないという考えを改めて強調しました。
この中で、小野寺防衛大臣は集団的自衛権の行使を巡る議論について、「『地球の裏側に行って戦争をすることだ』というような、実際と大きく異なるイメージが1人歩きし、国民や周辺諸国の不安をあおっている面がある」と指摘しました。
そして、「集団的自衛権の行使が認められても、あくまで『可能になる』ということで、決して『しなければならない』ということではない。わが国自身の判断で行われることは変わらない」と述べました。
そのうえで、小野寺大臣は「議論が行われている背景には、北朝鮮を含めた周辺地域での安全保障環境の変化があり、『地球の裏側』を想定しているわけではない」と述べ、日本周辺から離れた遠隔地での自衛隊の武力行使などを念頭に置いているわけではないという考えを改めて強調しました。
これに関連して、高見澤官房副長官補は19日、自民党の会合で、「地球の裏側であれば、日本に全く関係がないということは一概には言えず、『絶対に地球の裏側には行きません』という性格のものではない」と述べています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013092001001439.htmlより、
「地球の裏側」派遣に言及 集団自衛権で副長官補
2013年9月20日 13時15分

 安倍政権で安全保障・危機管理を担当する高見沢将林内閣官房副長官補が自民党会合で、集団的自衛権行使が容認された場合の自衛隊の活動範囲に関し「地球の裏側であれば日本に全く関係がないかというと、一概に言えない」と、日本周辺以外の遠隔地に派遣される可能性に言及していたことが20日明らかになった。
 政府は「米国と一緒に地球の裏側で自衛隊が行動を起こすということではない」(小野寺五典防衛相)と説明してきた経緯があり、議論を呼びそうだ。
 高見沢氏は19日の自民党安全保障関係合同部会で発言。「絶対に地球の裏側には行きませんという性格のものではない」とも述べた。(共同)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013092000413より、
「地球の裏側」想定せず=集団的自衛権めぐり小野寺防衛相

 小野寺五典防衛相は20日午前の閣議後の記者会見で、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を認めた場合に自衛隊が活動する範囲について「(日本周辺から離れた)地球の裏側ということを想定しているわけではない」と述べた。
 集団的自衛権の行使に関しては、高見沢将林官房副長官補が19日の自民党の会合で「絶対に地球の裏側には行きませんという性格のものではない」と発言、活動範囲が日本周辺にとどまらない可能性を示唆した。
 防衛相はこれについて「地球の裏側に行って戦争をするというイメージが独り歩きしている。それが国民や周辺国の不安をあおっている面がある」と指摘、高見沢氏の発言を打ち消した。(2013/09/20-12:40)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013092002000148.htmlより、
集団的自衛権 官邸前のめり 「地球の反対側派遣も」
東京新聞 2013年9月20日 朝刊

 高見沢将林(のぶしげ)内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)は十九日、自民党の安全保障問題に関する合同会議で、集団的自衛権の行使容認に関して「日本の防衛を考えるとき、自衛隊が地球の反対側に絶対に行かないとは言えない」と、自衛隊の海外派遣に地理的制限は設けるべきではないとの考えを示した。
 集団的自衛権は同盟国など密接な関係にある国が攻撃を受けた場合、自国への攻撃とみなして反撃する権利。歴代政権は憲法上、行使できないとの立場をとってきたが、安倍晋三首相は行使容認に意欲を示し、有識者懇談会が議論を始めた。
 第一次安倍内閣の時に有識者懇談会がまとめた報告では、行使を認めるケースとして、公海上で攻撃を受けた米艦艇の防護や米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃を挙げた。
 内閣官房副長官補は内閣官房に三人置かれそれぞれ内政、外交と安全保障・危機管理を担当。正副官房長官や内閣危機管理監らを補佐する。高見沢氏は防衛省防衛研究所長から今年七月に就任した。

◆与党内から懸念の声
 安倍晋三首相が意欲を示す集団的自衛権の行使容認に関し、自民、公明両党は十九日、それぞれ党内の議論を始めた。公明党からは結論ありきで解釈変更を急ぐ政府の有識者懇談会への質問が続出した。自民党内からも性急に議論を進める首相官邸に対する懸念の声が上がった。(後藤孝好、生島章弘)
 自民党本部で開かれた会議で、務台俊介衆院議員(長野2区)は「長野県松本市議会では、集団的自衛権の解釈変更はすべきではないという意見書が出ている」と指摘。世論調査では解釈改憲への反対が多数を占め、官邸のやり方に国民の理解が得られていない実情を紹介した。
 政府高官の「自衛隊が地球の反対側に行かないとは言えない」との発言に対しては、岩屋毅・安全保障調査会長が「(行使を容認すれば)自衛隊が地球の反対側まで行って米軍と武力行使すると誤解を招きがちだが、自民党はまったくそういうことは考えていない。自衛に関する限り、部分的な行使があってもいいという考え方だ」と強調。その上で「党内で議論をやり直す。政府、公明党と考え方をそろえていかなければならない。丁寧にやる必要がある」と述べた。
 過去の憲法解釈を覆して、時の政権が恣意(しい)的に行使を容認することにも、自民党内では「憲法自体への信頼性、評価が低下する」と批判が根強い。高村正彦副総裁は「やはり憲法改正が筋だ、という人はいる」と認める。
 公明党の会議では、首相が集団的自衛権の行使容認に向けて打ち出した「積極的平和主義」に対し、出席者から「意味がよく分からない」「きちんと定義すべきだ」と批判が上がった。
 山口那津男代表は十九日のBS番組で「集団的自衛権と言われても(国民は)難しくてよく分からない。とんとん拍子で議論が進むことに、戸惑いと恐れを感じている。だから議論は丁寧に進める必要がある」と慎重論を繰り返し、政府との溝は埋まっていない。
 佐藤茂樹政調会長代理は会議後、行使容認論者がそろう政府の有識者懇談会を「はっきり言って、抽象的で内容のない議論をしている」と切り捨てた。

http://www.asahi.com/politics/update/0919/TKY201309190466.htmlより、
2013年9月19日23時36分
自衛隊「地球の裏側」にも 集団的自衛権で官房副長官補

 安倍政権で安全保障政策と危機管理を担当する高見沢将林(のぶしげ)・官房副長官補は19日の自民党の安保関係合同部会で、集団的自衛権の行使が認められた場合の自衛隊の活動範囲について「『絶対、地球の裏側に行きません』という性格のものではない」と述べ、日本周辺以外での武力行使の可能性を示した。
 これまで安倍政権は、集団的自衛権の行使が容認されるケースとして、日本周辺の公海上での米艦防護を示し、「地球の裏側で自衛隊が行動を起こすことではない」(小野寺五典防衛相)と説明しており、整合性が問われそうだ。

http://mainichi.jp/select/news/20130920k0000m010084000c.htmlより、
集団的自衛権:自民、議論を本格化…行使容認論が大勢
毎日新聞 2013年09月19日 21時24分

 自民党は19日、安全保障調査会・外交部会・国防部会の合同会議を党本部で開き、集団的自衛権の行使容認をめぐる議論を本格化させた。政府が憲法9条の解釈変更による行使容認を目指し、議論を再開させたことを受けた。会合では行使容認論が大勢だったが、地理的制約や解釈変更の手続きなどで政府側と認識の違いも見せた。
 「集団的自衛権は極めて重要かつデリケートな問題だ。政府の動きをフォローし、党の議論も反映してもらえるようにしたい」
 岩屋毅・党安全保障調査会長は19日の会合で、こう述べ、意見集約に意欲を示した。
 政府側の礒崎陽輔首相補佐官は「目指しているのは憲法解釈の変更による解決だ」と説明。「武力攻撃を受けたのは『わが国』だけではなく、『わが国、わが国と密接な関係を有する国』という表現に変えると思う」と見通しを語った。
 出席した議員は「解釈変更のルール作りをどうするのか。中身と同時に議論する必要がある」と指摘。行使を容認した場合の地理的制約について、岩屋氏は「地球の裏側まで行って米軍と武力行使をともにするという誤解を招きがちだが、自民党はそういうことは考えていない」との考えを示したが、高見沢将林官房副長官補は「絶対に地球の裏側には行かないという性格のものではない」と述べ、認識の違いを見せた。【仙石恭、青木純】

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130919/plc13091903310003-n1.htmより、
産経新聞【主張】集団的自衛権 国守る憲法解釈を第一に
2013.9.19 03:30 (1/2ページ)

 安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」が論議を再開した。
 憲法解釈を見直して集団的自衛権の行使を包括的に容認する提言のまとめを急ぎ、首相は政府の憲法解釈変更と法整備に乗り出すべきだ。
 安倍首相は17日の安保法制懇で「憲法解釈は国民の生存や国家の存立を犠牲にするような帰結となってはならない」と述べた。憲法改正には一定の時間がかかる。国と国民を守るためには解釈変更を急がなければならない。首相は、国民や与党内の理解を深めるためにも、指導力を発揮してもらいたい。
 安保法制懇が今回とほぼ同じメンバーでまとめた平成20年6月の報告書は、(1)公海上で攻撃された米艦船の防護(2)米国に向かう可能性のある弾道ミサイルの迎撃-などの4類型について、集団的自衛権の行使容認などの憲法解釈変更で可能にするよう提言した。
 しかし、限定された事例に備えるだけでは平和は保てなくなっている。中国の軍拡や海洋進出、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発など安全保障環境の悪化を考えれば、日米同盟や友好国との安全保障関係の強化が必要だ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130919/plc13091903310003-n2.htmより、
2013.9.19 03:30 (2/2ページ)
 そのためには20年に示した類型にとどまらず、集団的自衛権行使の状況を限定せず、包括的に容認することが欠かせない。
 今回の安保法制懇でも新たな検討が行われている。エネルギーの安定供給を考えれば、シーレーン(海上交通路)のパトロールや機雷除去での米国や友好国との共同行動が課題となる。サイバー攻撃に他国と共同対処する必要性も出てくる。安全保障上の問題は複雑多岐であり、「想定外」の出来事に機動的に対応する余地を残しておかなければならない。
 行使容認が日米同盟を堅固にする意義も大きい。米国の艦船や航空機、部隊が攻撃され、自衛隊が応戦、防護できる立場にいながら見過ごしたとしたら、米国民がどう考えるかを想像してほしい。
 安全保障の基軸である日米同盟は、破綻するだろう。
 行使を憲法上、包括的に容認すれば「戦争につながる」との反対論もある。だが、日本がどう動くかは国民の負託を受けた国会と内閣が対応することだ。そのために、どのような歯止め策を設けるかも論じればよい。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1702A_X10C13A9EA2000/より、
集団的自衛権「行使、原則容認」で調整 有識者懇
2013/9/18 1:30

 政府は17日、有識者でつくる「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)を7カ月ぶりに首相官邸で再開、憲法解釈で禁じている集団的自衛権行使の議論を本格始動させた。年内に報告書をまとめる。安倍晋三首相の意向を踏まえ行使を原則として認めたうえで、攻撃対象となった国からの要請を行使の条件とするなど一定の歯止めも設ける方針だ。
 アジア・太平洋地域は中国の台頭や北朝鮮の核・ミサイルの脅威に直面している。集団的自衛権の行使が認められれば、危険にさらされた米軍を放置せず自衛隊が米軍に協力できる範囲が広がると首相はみる。会合では集団的自衛権行使に関する憲法解釈を見直すべきだとの認識を確認。首相は「新しい時代にふさわしい憲法解釈のあり方をさらに検討するうえでの基礎となることを期待したい」と意欲を示した。
 今後の論点は集団的自衛権の行使にどのように歯止めをかけるかだ。第1次安倍政権では行使が可能な例として(1)公海上で米艦船が攻撃された場合に自衛隊艦船が反撃・護衛する(2)米国に向かう可能性がある弾道ミサイルを自衛隊が迎撃する――のケースを挙げた。
 この2つの事例を含めて行使を認める方向だが、全面容認するのではなく、「自衛隊が地球の裏側まで駆け付けることはないよう一定の条件をつける」(政府関係者)案が有力だ。懇談会の北岡伸一座長代理は、攻撃された国からの協力要請が必要になると指摘する。
 「原則容認」のうえで議論が抽象論にならないようどのような場合に行使が可能なのか具体例も取り上げる。サイバー攻撃をめぐり、仮に在日米軍のネットワークが攻撃を受けた際に自衛隊が米軍と共同で対処するケースなどを想定している。
 政府は年内につくる外交や安全保障を包括する中長期的な指針「国家安全保障戦略」や防衛計画の大綱に懇談会の議論を反映させたい考え。だが公明党は行使に慎重姿勢を崩さず、山口那津男代表は17日、記者団に「年内にうんぬんという時間のスパンではちょっと難しい」とけん制した。
 菅義偉官房長官は記者会見で「公明党の理解を得る努力を積み重ねる必要がある」と指摘。自公協議を経て首相が憲法解釈の変更に踏み切るのは来春以降になるとの見方が強まっている。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130918k0000m070139000c.htmlより、
社説:集団的自衛権 何のために論じるのか
毎日新聞 2013年09月18日 02時33分

 安倍政権は、集団的自衛権の行使を可能にするための憲法解釈の変更に向け、有識者会議「安保法制懇」の議論を7カ月ぶりに再開した。
 安倍晋三首相は会合で「憲法制定以来の変化を直視し、新しい時代にふさわしい憲法解釈のあり方を検討していく」とあいさつした。しかし、これまでの推移からは、肝心な何のための行使容認か、行使容認がアジア太平洋地域の安全保障にどう寄与するのかが見えない。
 歴代政権は、日本は国際法上、集団的自衛権を有しているが、憲法9条のもとで許容される必要最小限度の自衛権の範囲を超えるため行使できない、と解釈してきた。
 有識者会議の座長代理・北岡伸一国際大学長は、憲法9条のもとで許される必要最小限度の自衛権行使の中に、集団的自衛権も含まれるというのが持論で、歴代政権の「誤った解釈を正す」と公言している。内閣法制局の長官経験者たちからは、必要ならば真正面から憲法改正を論じるべきだと反発があがっている。
 行使容認の目的、憲法の解釈変更か改正かの手法、地理的条件や対象国を含む容認の範囲、歯止めなど、政府内の見解はまだまとまっていないようだ。
 議論が整理されない原因の一つは、何のために行使容認を目指すのかが、具体的政策論として明確に示されていない点にある。
 第1次安倍政権時に今回とほぼ同じメンバーが議論してまとめた報告書は、(1)公海上で自衛隊艦船の近くにいる米艦が攻撃された場合の防護(2)米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃−−などについて、集団的自衛権の行使を認めるよう求めた。今回は、類型を拡大して行使を容認する方向で議論されている。
 しかし(1)は、日本有事ならば自衛隊は個別的自衛権の範囲で対応できるし、そうでなくても米軍が自身で守る態勢をとっていない可能性はほぼない、との意見も根強い。(2)は技術的に不可能との指摘もある。それ以外に想定しているというのなら、どんなケースなのか。現実味の乏しいシナリオをもとに、日米同盟強化の姿勢を示すために議論をしているのではないか。そんな疑問が一部専門家の間からも指摘されている。
 首相にはおそらく、北朝鮮の核開発や中国の海洋進出の一方、米国の力が相対的に低下するなか、日本は自らの役割を増強する必要がある、という問題意識があるのだろう。しかし、こんな状態では中国、韓国はおろか、国民に理解してもらうのも難しいのではないか。首相はまず行使容認の目的は何か、どんな効果があるのかを、きちんと国民に説明する責任がある。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickupより、
朝日新聞 社説 2013年 9月 17 日(火)付
集団的自衛権の行使―憲法の根幹にかかわる

 日本の安全保障政策が岐路を迎えている。
 安倍政権が、集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見直しに向けた議論を本格化させる。
 憲法9条のもと、自衛のための必要最小限の防衛力しか許されない。日本が直接攻撃されていないのに他国を守るのはこの一線を越えており、憲法に違反する――。
 歴代政権が一貫して示してきたこの解釈を変え、米軍などへの攻撃に対しても、自衛隊が反撃できるようにする。これが安倍首相の狙いである。
 戦後日本の基本方針の大転換であり、平和主義からの逸脱と言わざるをえない。
 憲法改正の厳格な手続きを省いたまま、一内閣による解釈の変更だけで、国の根幹を変えてはならない。
 首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」がきょう議論を再開し、年内にも9条の解釈を改めるよう提言する。政権はそれを反映して新たな見解を出し、必要な法整備に着手する。

■9条が意味を失う
 実現すれば、自衛隊は「普通の軍隊」に限りなく近づく。法律で縛りをかけるとはいえ、政治の意思で活動範囲が際限なく広がり、海外での武力行使にもつながりかねない。
 平和主義は国民主権、基本的人権の尊重とともに、憲法の3大原則とされている。多くの日本人は、これを戦後日本の価値観として受け入れてきた。
 自衛隊は今日まで海外で一人の戦死者も出さず、他国民を殺すこともなかった。9条による制約があったからだ。
 それを変えれば、9条は歯止めとしての意味を失う。
 日米同盟の強化を進めた小泉元首相もここには踏み込まなかった。内閣法制局と調整し、(1)安易な解釈変更は憲法への信頼を失わせる(2)現状以上の解釈拡大は認められず、その場合は憲法改正を議論すべきだ――との立場を示していた。
 安倍政権は当初、憲法改正手続きを定めた96条改正をめざした。それが頓挫するや、今度は内閣法制局長官を交代させ、一部の有識者が議論を主導し、一片の政府見解で解釈改憲に踏み切ろうとしている。
 その根幹を政権が独断で変えることができるなら、規範としての憲法の信頼性は地におちる。権力に縛りをかける立憲主義の否定につながる。
 首相は何をしたいのか。しばしば引き合いに出すのが二つのケースだ。
 ▽公海で一緒に活動していた米軍の艦船が攻撃された時に自衛隊が反撃する
 ▽米国に向かうかもしれない弾道ミサイルが飛んできた時に自衛隊が撃ち落とす

■外交努力の継続こそ
 たしかに、中国の軍事力増強や、北朝鮮による核・ミサイル開発は日本に緊張を与え続けている。一方、かつての圧倒的パワーを失った米国内に、日本の役割増強を求める声があることも事実だろう。
 だが、一緒に活動中の米艦の防護は、自国を守る個別的自衛権の範囲で対応できるとの見方がある。ミサイル防衛の例にいたっては、いまの技術力では現実離れした想定だ。
 いずれも、憲法解釈を見直してでも対応するほどの緊急性があるとは思えない。
 9条には戦争と植民地支配の反省を込めた国際的な宣言の意味もある。安倍政権の歴史認識が問われるなか、性急に解釈変更を進めれば、近隣国との一層の関係悪化を招きかねない。
 そんなことは米国も望んでいまい。米国が何より重視するのは、中国を含む東アジアの安定だ。日本が中国との緊張をいたずらにあおるようなことをすれば、逆に日米同盟に亀裂を生む恐れすらある。
 安倍政権がまず取り組むべきは、中国や韓国との冷え込んだ関係を打開することである。
 そのために粘り強い外交努力を重ねる。同時に、現在の日米同盟の枠組みのもとで、連携強化を着実に進める。この両輪がかみあってこそ、地域の安定が図られる。

■安保政策が不安定に
 軍事力は必要だが、それだけでは現代の諸問題の解決にはならない。いま世界で広がる認識は、そういうことだろう。
 シリアへの軍事介入は、当面回避された。英国では、議会の反発で軍事介入の断念に追い込まれ、米国民の間にも、アフガニスタンやイラク戦争の教訓が染みこんでいる。
 安倍政権が軍事的な縛りを解こうとするのは方向が逆だ。
 国内外で理解が得られない安全保障政策はもろい。
 いま政権が解釈改憲に踏み切れば、全国で違憲訴訟が相次ぐ可能性がある。将来、政権交代があれば、再び解釈が変えられるかもしれない。
 日本の安全保障を、そんな不安定な状態に置くことは避けなければならない。

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