アベノミリタリ 看板は「積極的平和主義」

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60364920Z20C13A9PE8000/より、
日経新聞 社説 日本の安保戦略にどう理解を広げるか
2013/9/29付

 日本の安全保障政策は大きな転機を迎えようとしている。なかでもいちばん大きいのは、集団的自衛権の行使に向け、安倍政権が議論を加速していることだ。
 北朝鮮による核開発や中国の軍備増強が進み、アジアの安全保障の環境は厳しくなっている。テロやサイバー攻撃など、国境を越えた脅威も広がっている。自分の国が攻撃されなければ安全という一国平和主義の発想では、日本を守りきれない。
 こうした現実を踏まえれば、日本が集団的自衛権の憲法解釈を見直し、行使に道を開くのは理にかなっている。
 だからといって、日本の意図が誤解され、国際社会の疑心暗鬼を招いたら元も子もない。米政府は日本による集団的自衛権行使の解禁を歓迎する意向を示しているが、アジアの国々からも十分、理解を得ていく必要がある。
 安倍晋三首相は先週訪れたニューヨークでの講演で、日本が集団的自衛権の行使を可能にしようとしていることについて、積極的平和主義の担い手になるためであると説明した。アジアや世界の平和や安定のため、日本としても積極的に貢献していくという意味だ。
 ただ、中国内などには日本の安保戦略について、右傾化や軍国主義復活の兆しではないかと指摘する向きもある。中国は日米同盟の強化を警戒しており、あえてそうした論調を広めようとしているふしもうかがえる。
 安倍首相は講演で、名指しを避けつつ中国の軍拡ぶりにふれ、日本の防衛予算の伸びが比較にならないほど低い事実を説明した。具体的な数字を示し、反論したのはよかった。
 そのうえで、安倍首相は「もし私を右翼の軍国主義者と呼びたければ、どうぞそうお呼びいただきたい」とも語った。全体の文脈でみれば真意は分かるが、中国はさっそくこの発言を切り取り、日本批判に利用している。冷静な反論に徹するほうが効果的だろう。
 中国の宣伝戦に対抗し、日本の安保戦略への理解を広めるには、歴史認識問題をめぐる各国の疑念を取りのぞく努力も欠かせない。
 安倍首相は国連総会の演説で、女性の人権保護などに取り組む姿勢をみせた。旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり、日本への批判がくすぶっている現実を意識した発言だろう。安保戦略の見直しと併せ、日本の発信力も問われる。

http://mainichi.jp/select/news/20130928k0000e010161000c.htmlより、
安倍首相訪米:異例3度の熱演 海外知名度アップ狙い
毎日新聞 2013年(最終更新 09月28日 10時43分)

 【ニューヨーク古本陽荘】安倍晋三首相は27日午後(日本時間28日未明)、訪米日程を終え帰国の途につく。米ニューヨーク滞在中には国連総会などで計3回の演説を行った。かつての自民党の首相は国連総会を欠席することも珍しくなく、安倍首相の姿勢は際立っている。国内での高い内閣支持率を背景に長期政権を見据えた首相が、海外での知名度アップも狙った「スピーチの旅」だった。
 「世界経済回復のためには3語で十分。バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは買いだ)。ウォール街のみなさまは常に世界の半歩先を行く。だから今がチャンスだ」
 首相は25日(日本時間26日)、現職首相として初めて訪れたニューヨーク証券取引所で、アベノミクスを売り込んだ。政府が6月に打ち出した成長戦略は市場の評価が今ひとつで、「次の一手」に国内外の注目が集まる中、首相は演説で「投資を喚起するため、大胆な減税を断行する」と強調。法人減税を巡る与党との調整が続いているにもかかわらず、経済対策のとりまとめに自信を示した。
 こうした手法は「汚染水の影響は港湾内で完全にブロックされている」と言い切った国際オリンピック委員会(IOC)総会での演説とも重なる。首相には「詳細に立ち入るほど、アピール力は落ちる」(政府関係者)という計算があるようだ。会場では、首相の「スピーチライター」とされる谷口智彦内閣審議官が演説を見守った。
 「もしみなさまが私を右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい」
 25日(日本時間26日)に米保守系シンクタンク「ハドソン研究所」で行った演説では、中国の軍備拡張を暗に批判したうえで、日本の防衛予算の伸び率の低さを説明し、日本の「右傾化」懸念に反論してみせた。挑発的ともとれる発言だが、首相周辺は「他国には安倍政権にレッテルを貼ろうとする動きもある。それを逆手に取った」と、してやったりの表情を浮かべた。
 「国際社会との協調を柱としつつ、新たに『積極的平和主義』の旗を掲げる」
 首相は26日(日本時間27日)、国連演説で積極的平和主義に言及。「PKO(国連平和維持活動)をはじめ国連の集団安全保障措置に対し、一層積極的な参加ができるよう図っていく」と述べたが、集団的自衛権の行使を含め現行の憲法解釈の変更には触れなかった。

http://mainichi.jp/select/news/20130928k0000e010161000c2.htmlより、
 一方、首相は同行記者団に「(憲法解釈変更の)時期を設定するつもりはない」と語った。場面や聴衆に応じて発言内容を抑制することで、「慎重に議論を進めるべきだというわれわれの姿勢と歩調が合っている」(公明党の山口那津男代表)という国内の評価にもつなげている。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年 9月 28 日(土)付
首相国連演説―平和主義と言うのなら

 安倍首相がニューヨークでの国連総会の一般討論演説で「新たに積極的平和主義の旗をかかげる」と表明した。国連平和維持活動(PKO)に積極的に参加を図るという。
 首相の掲げた「積極的平和主義」とは何を指すのか。
 念頭にあるのが、国連の「集団安全保障」的な措置ならば、方向性は理解できる。
 その代表的なものがPKOであり、日本も90年代以降、実績を積み重ねてきた。
 国連が十分にその機能を発揮していないという現実はあるにせよ、国際貢献をさらに進める道はあるだろう。
 自衛隊が任務の幅を広げ、より積極的にPKOに参加することはあり得る。戦闘に参加しない方針を明確にしつつ、国連の承認のもと、自衛隊が中立、公平な立場で平和構築にかかわるのは意義深いことだ。
 だが首相の言う積極的平和主義は、そこにとどまるのか。
 気がかりなのは、首相が前日に米国の保守系シンクタンクで講演した際、「集団安全保障」だけでなく「集団的自衛権」にも触れながら、積極的平和主義を唱えていたことだ。
 日本にとって集団的自衛権は、主に日米同盟にかかわる概念である。国際社会が一致して取り組む集団安全保障とは性格が異なる。
 講演で首相が強調したのは、米国主導の安全保障の枠組みの中で、日本が同盟国らしい役割を果たす決意だった。
 安倍政権が集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見直しをめざすのは、中国の軍事大国化に対応し、日米同盟の抑止力を強化する狙いがある。世界に展開する米軍と一体化した自衛隊の支援にも道を開く。さらには多国籍軍への参加も視野に入るかもしれない。
 しかし、米国主導の軍事介入に深入りすることが、はたして平和主義と呼べるのか。
 憲法9条のもと、日本は紛争への直接介入とは距離をおく平和主義を掲げてきた。その条件下で自衛隊はPKOに参加し、高い評価を得てきた。
 こうした平和主義と、集団的自衛権の行使を含めた積極的平和主義は、全く別物である。
 いま首相が平和主義という言葉を使うのは、集団的自衛権への理解を求め、憲法解釈の変更を実現するための方便のようにみえる。
 集団的自衛権の行使を容認すれば安全保障政策の大転換になる。その議論を、積極的平和主義という言葉をあいまいに使って進めるべきではない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130928/plc13092803120001-n1.htmより、
産経新聞【主張】首相NY演説 強い対外発信を継続せよ
2013.9.28 03:12

 国連総会演説のため米ニューヨークを訪れた安倍晋三首相が、講演などで精力的に発言した。
 日本経済の秘めた力を米大リーグ投手の決め球にたとえ、中国の軍事費増大のすさまじさを指摘することで右傾化批判に反論するなど、米国民に向けた工夫もみせた。
 首相のこうした発信力を、まず評価したい。領土・領海をめぐる宣伝攻勢では、これまで中国に圧倒されてきたといえる。わが国の主張への理解を世界に広げるため、政府を挙げて対外発信の強化に取り組むべきだ。
 各国首脳が集まる国連総会の「一般討論演説」では、シリア情勢とイランの核問題が中心的なテーマとなった。
 安倍首相は演説の冒頭でシリア情勢に言及し、化学兵器の廃棄に向けて「徹底的な支持とあたう限りの協力」を表明した。
 イランのロウハニ大統領とは個別に会談し、「窓はいつまでも開いているわけではない」と、核問題解決の機会を逃さないよう強く働きかけた。国連の場で米・イランの首脳の接触はかなわず、双方に働きかけることができる日本の役割は重要になる。
 安倍首相は総会演説に先立ち、保守系シンクタンク主催の会合で講演し、「日本を積極的平和主義の国にする」として、自らの安全保障戦略を説明した。中国を名指しこそしなかったものの、「すぐそばの隣国」の軍事費は日本の2倍以上あり、毎年増大させていると警戒感を表明した。
 その上で、日本の防衛予算は11年ぶりの増額だが0・8%にとどまった点に触れ、「私を右翼の軍国主義者と呼びたいなら、どうぞそう呼んでください」と語りかけた。米紙などによる、いわれのない右傾化批判への反論だ。
 ニューヨーク証券取引所での演説では、ヤンキースのリベラ投手を引き合いに出し、「彼のカットボールのように、日本が本来持つ潜在力を発揮すれば復活できる」と、日本経済の力強い回復をアピールした。「バイ・マイ・アベノミクス」(アベノミクスは「買い」だ)とも述べ、日本への積極的な投資を呼びかけた。
 首相の発言は国際公約となる。「積極的平和主義」や「バイ・マイ・アベノミクス」を宣伝文句に終わらせてはならないが、首相自らがその発信力で世界に存在感を示した意義は大きい。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130928/k10014874551000.htmlより、
首相「積極的平和主義」決意を発信
9月28日 0時17分

安倍総理大臣は、ニューヨークで記者会見し、国連総会で行った一般討論演説で『積極的平和主義』を掲げ世界に貢献していく決意を発信できたとしたうえで、イランとの伝統的な友好関係を生かして、核開発問題の平和的な解決に向けて積極的に取り組む考えを強調しました。
この中で安倍総理大臣は、日本時間の27日未明に、国連総会で行った一般討論演説について、「わが国の21世紀の看板とも呼ぶべき『積極的平和主義』への決意を示し、シリア問題への新たな貢献やイランの核問題の平和的解決に向けた独自の働きかけなど世界の平和と安定、そして繁栄に、よりいっそう積極的な役割を担っていく決意を発信できた」と述べ、成果を強調しました。
そのうえで、安倍総理大臣は、集団的自衛権の行使を巡る憲法解釈の見直しについて、「有識者懇談会で議論が再開されたばかりだ。どういう議論が行われ、何が課題で、何を目指しているのか、具体的な例に則して国民的な理解が進むよう努力していきたい。同時に公明党の皆さんの理解を得るための努力を進めていきたい」と述べました。
また、安倍総理大臣は、イランの核開発問題に関連し、イランのロウハニ大統領との会談で「率直な印象として、国際社会と協調しようとしているという前向きな姿勢を感じた」と述べたうえで、「今後、イランが具体的な行動で国際社会の懸念を払拭(ふっしょく)し、信頼を回復していくことを強く期待している。核問題の平和的解決に向けて、日本としてもイランとの伝統的な友好関係を生かして、可能なかぎりの貢献を行っていく考えだ」と述べ、平和的な解決に向けて日本としても積極的に取り組む考えを強調しました。
さらに安倍総理大臣は、日中関係について、「最も重要な2国間関係の1つであり、さまざまな分野において切っても切れない関係と言ってもいい。アジア太平洋地域、また世界の平和と安定、繁栄にともに責任を持っている」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「沖縄県の尖閣諸島は、歴史的にも国際法的にもわが国固有の領土であり、現に有効に支配している。中国公船による領海侵入が続いており、遺憾なことだが、領土・主権で日本が妥協することはない」と述べ、領土問題は存在しないという考えを改めて示しました。
その一方で安倍総理大臣は、「戦略的互恵関係の原点に立ち戻って日中関係を発展させていきたい。何か問題があるからと言って対話のドアをすべて閉じてしまうのではなく、課題があるからこそ、首脳レベルも含めて話し合うべきだ。私の対話のドアは常にオープンであり、中国側にも同様の姿勢を期待したい」と述べ、日中首脳会談の実現に意欲を示しました。

http://mainichi.jp/select/news/20130926k0000e010151000c.htmlより、
安倍首相:「世界平和、積極的に貢献」米で講演
毎日新聞 2013年(最終更新 09月26日 07時50分)

 【ニューヨーク古本陽荘】安倍晋三首相は25日昼(日本時間26日未明)、訪問先のニューヨークのホテルで開かれる保守系シンクタンク「ハドソン研究所」主催の会合で講演する。集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更に意欲を示したうえで「世界の平和と安定に、より積極的に貢献する国になる。積極的平和主義の国にしようと決意している」と表明した。
 首相は公海上で自衛隊艦船と協力する米艦船が攻撃された場合などを例示し、「日本の艦船は能力があっても助けることができない。集団的自衛権の行使となり、違憲になってしまう」などと指摘。「(安全保障の)鎖の強度を左右する弱い一環であることなどできない」と語り、解釈変更について「真剣に検討している」と意欲をにじませる。
 中国の軍事力について「すぐそばの隣国」として名指しを避けつつも「極めて透明性がない」と批判。20年以上、2桁の国防予算増額を続けてきたことと、日本の2013年度の防衛予算の増額が前年度比で0.8%にとどまっていることを比較したうえで「もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいならばどうぞ」と語った。
 さらに「日本に再び活力を与えること」を自らの「歴史的使命」と述べ、経済再生への決意をアピールする。成長戦略については「外国からの投資に日本を一層開くもの」と説明し、「皆さんの投資、知見を得て成果を上げなければならない」と協力を呼び掛けた。
 また、安倍首相は25日午後、米金融界の中心であるウォール街を訪れ、ニューヨーク証券取引所で演説。「帰国したら直ちに成長戦略の次なる矢を放つ。投資を喚起するため、大胆な減税を断行する」と明言した。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130926/k10014810571000.htmlより、
首相 「積極的平和主義」で世界に貢献
9月26日 4時59分

アメリカを訪れている安倍総理大臣は、日本時間の26日未明、保守系のシンクタンク「ハドソン研究所」が開いた会合で英語で演説し、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の見直しに理解を求めたうえで「積極的平和主義」の立場からアメリカと連携して世界の平和と安定に貢献していく決意を示しました。
この中で安倍総理大臣は歴代の政府が憲法解釈上認められないとしてきた集団的自衛権について▽国連のPKO=平和維持活動でともに活動している別の国の軍隊が攻撃された場合や▽公海上でアメリカの艦船が攻撃された場合、自衛隊が防護できないことを例に挙げ、憲法解釈の見直しに向けた取り組みに理解を求めました。
そのうえで安倍総理大臣は「日本はアメリカが主たる役割を務める安全保障の枠組みにおいて鎖の強さを決定づけてしまう弱い環であってはならない。積極的平和主義のための旗の誇らしい担い手になる」と述べ、「積極的平和主義」の立場からアメリカと連携して世界の平和と安定に貢献していく決意を示しました。
また安倍総理大臣は「日本のすぐそばに軍事支出が少なくとも日本の2倍で毎年10%以上の伸びを20年以上続けている国がある。日本は11年ぶりに防衛費を増額したが、たった0.8%に過ぎない。私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、そう呼んでいただきたいものだ」と述べ、軍事費を増大させている中国を引き合いに日本が右傾化しているという見方は当たらないという考えを強調しました。

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