みずほ銀行 暴力団融資に業務改善命令

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60543690T01C13A0EA1000/より、
日経新聞 社説 銀行の社会的責任は重い
2013/10/3付

 みずほ銀行が暴力団構成員など反社会的勢力との取引を把握しながら、2年以上も対応しなかったとの理由で、金融庁から業務改善命令を受けた。
 国や自治体、民間企業が一体となって暴力団の排除を進めるなか、銀行の社会的責任への自覚が不十分だったと言わざるを得ない。みずほ銀は取引の中身や問題が放置された理由を公に説明し、経営責任を明確にすべきだ。
 合計230件、2億円の不正取引は提携ローンと呼ばれる仕組みを使っていた。まず信販会社が顧客を審査して自動車の購入資金を貸し、その後に銀行が提携先の信販会社に融資する。
 提携ローンは他の銀行も使っており、自動車購入のほか教育資金などに広がっている。様々な顧客の資金需要に迅速に応えるための仕組みであり、銀行が活用することそのものに問題はない。
 ただ、今回のみずほ銀のように審査を外部に委託すると、顧客への目配りが行き届かない恐れがある。事後的に問題が分かった時点で、信販会社との融資関係を解消するといった対応が要る。
 みずほ銀は、2010年12月に問題を把握した後も、そうした抜本的な対応をとらなかった。さらに問題取引の事実を経営トップらは知らなかった。法令順守への姿勢が疑われても仕方ない。
 分からないのは、2年以上も問題を放置したのはなぜかという点だ。改善命令を受けたみずほ銀は、まだ記者会見を開いていない。預金者や株主の不安を鎮めるためにも説明責任を果たすべきだ。
 07年には三菱東京UFJ銀行が反社会的勢力との取引に関連して、行政処分を受けたことがある。規模が大きく歴史の古い組織は、不正が介在する余地も広がる。いま一度、みずほ銀以外の金融機関も、審査や法令順守の体制を点検する必要がある。
 預金の受け入れや資金の供給といった重要な役割を果たすためにも、銀行が社会の信頼を損なうわけにはいかない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20131003k0000m070153000c.htmlより、
社説:みずほ改善命令 今度こそ変わらねば
毎日新聞 2013年10月03日 02時36分

 まだあったのか。そう思わずにいられない、みずほ銀行による反社会的勢力との取引発覚である。信販会社を通じて行った融資の中に、暴力団員向けの契約が230件もあったことが金融庁の検査でわかり、業務改善命令を受けたのだ。総額約2億円と他行にみない規模だった。
 信用第一の銀行で、預金者の資金が一部とはいえ暴力団員に渡ったのだ。いまだに経営責任者が説明の記者会見も開かないのは理解し難い。
 融資は、自動車ローンなどを扱うグループ内信販会社と提携したタイプだった。資金を貸すのは銀行だが、借り手の返済能力などを直接審査するのは信販会社だ。信販会社の保証付きなので、万一焦げ付いても銀行に損が及ばない仕組みである。
 それ自体に問題はないが、みずほ銀の場合、借り手が反社会的勢力であるか否かをチェックする体制が整っていなかった。チェックに必要な情報を銀行側が持ち合わせていながら、それを活用することなく、融資を実行していたという。融資後に、行内チェックで暴力団員との取引を発見したが、契約を解消する措置までは取らなかった。
 金融庁が重くみたのは、こうした反社会的勢力との取引が多数存在したにもかかわらず、金融庁に指摘されるまで、2年以上も組織として対策を講じなかった点だ。情報が担当役員レベルで止まり、経営の問題に上ることなく放置されていた。
 反社会的勢力との関係では、みずほの前身の一つ、旧第一勧業銀行の役員経験者らが総会屋への利益供与事件で有罪判決を受けている。総会屋と金融機関との関係は社会問題にもなり、金融機関は反社会的勢力との関係根絶を決意したはずだった。
 さらに暴力団については、社会のあらゆる場面で取引を徹底排除しようという動きが広がっているところである。反社会的勢力と絶対にかかわらないという意識が、みずほの組織内に浸透していたとは言い難い。
 問題の中身は異なるとはいえ、2度の大規模なシステム障害、顧客情報の暴力団への流出など、みずほフィナンシャルグループ(FG)関係のトラブルや不祥事がなくならない。第一勧業、富士、日本興業の3行が経営統合して誕生した組織だが、出身母体ごとの心理的垣根が情報の共有を阻んだり、問題解決を遅らせたりすることはなかったのか。
 前身の持ち株会社発足から13年になる今年、みずほFGは、傘下の2銀行をようやく一つに統合した。遅れた一体化を進めるためにも、まず今回の問題を徹底的に洗い出し、公表することだ。形だけの処分でやりすごそうとすれば、再び問題を起こし、信用を一層失うだけである。

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