http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2より、
朝日新聞 社説 2012年10月10日(水)付
皇室のあり方―国民の支えあってこそ
女性宮家をつくることの是非やそのあり方をめぐり、政府が有識者の意見をふまえ、当面とりうる方策をまとめた。
各方面への気づかいが目につき、全体としてわかりにくい印象になったのは否めない。とはいえ、国民の間にさまざま意見がある問題だ。これを土台に慎重に議論を進めていきたい。
女性皇族は一般男性と結婚したら皇族でなくなる。いま30歳以下の皇族9人のうち、男性は秋篠宮家の悠仁(ひさひと)さまだけだ。
このままでは、天皇を身近で支える皇族がいなくなってしまう。そんな問題意識が、今回の検討の根底にある。
示された案は、(1)女性も結婚後に宮家を構え、皇室にとどまる。夫や子も皇族とするが、子は結婚すると身分を離れる(2)宮家をつくるが、夫や子は皇族としない(3)皇族ではなく、特別な公務員として皇室活動を手伝う――の三つ。天皇の子や孫である内親王にしぼり、本人の意思を尊重するとしている。
イメージしやすいのは(1)案だろう。(2)案は一家の中で身分や待遇がばらばらになり、違和感が残る。(3)案はまとめの段階でやや唐突に出てきた。なお詰めるべき点があるように思う。
有識者への聞きとりでは、女系天皇への警戒感を口にする人も複数いた。女性宮家を認めると、その子孫が皇位につく可能性が生じ、これまで男系で継承してきた天皇の姿が変わってしまうという主張である。
これを支持する人の多くは、第2次大戦後に皇籍を離れ、ふつうの市民として暮らしてきた旧宮家につながる男子を養子にするなどして、伝統と皇室の規模を維持せよと唱える。
だが、多くの国民にすんなり受けいれられる考えとは思えない。旧宮家の誰を迎えいれるかなど難しい問題も多く、むしろ皇室と人々との距離をひろげることにならないか。天皇の地位は国民の総意にもとづくことを忘れてはならない。
悠仁さまが生まれ、皇位継承へのさし迫った不安はない。いま考えるべきは、皇室活動の内容や規模はいかにあるべきで、それを皇族方にどう担ってもらうのが適切かという問題だ。政府案をふまえ、合意をさぐる努力を重ねる必要がある。
将来、皇位継承の問題を真剣に検討しなければならない時がくる可能性はある。そうなった時は、その時点で考えられる選択肢のなかから、その時の国民が答えを出せばいい。
今の世代は判断の幅を残しながら次代に引き継ぐ。この問題にはそんな姿勢でのぞみたい。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121006/k10015563481000.htmlより、
政府 女性宮家創設など慎重に検討へ
10月6日 6時22分
政府は、皇室制度を巡って、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設を検討すべきだなどとする論点整理をまとめたことを踏まえ、今後、皇室典範の改正作業などに取り組みますが、与野党双方に反対意見が根強くあることから慎重に検討を進めることにしています。
政府は、将来、皇族の数の減少に歯止めをかけ、皇室の安定的な維持を図っていくため、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設の検討を進めるべきだとしたうえで、皇室を離れても国家公務員として皇室の活動に参加できる案も併記した論点整理をまとめました。
政府は、2か月程度かけて論点整理に対する国民の意見を聞いたうえで、来年の通常国会への提出も視野に、皇室典範の改正作業などに取り組むことにしています。
藤村官房長官は記者会見で、「この案件は、政治的な対立や、やり取りの道具にするべきものでない」と述べ、政局とは絡めず、与野党が協力して成案を得たいという考えを示しました。
ただ、「女性宮家」の創設を巡っては、政府が行った有識者からのヒアリングでも、意見が分かれたほか、自民党の安倍総裁が、「女系天皇につながりかねない」として反対する考えを示しているなど、与野党の双方に反対意見が根強くあります。
このため、政府は、皇室の将来に関わる課題だけに、性急な取りまとめは避けるべきだとして、慎重に検討を進めることにしています。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121006/imp12100603240002-n1.htmより、
産経新聞【主張】女性宮家問題 女系天皇に繋げぬ配慮を
2012.10.6 03:23 (1/2ページ)
政府は、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設を柱とした論点整理を公表した。女性宮家を天皇の女性の子、孫である内親王に限るなど、小幅な制度改正にとどめているが、女系天皇に繋(つな)がる懸念は依然、消えていない。
論点整理は皇族の減少を防ぐため、有識者12人から行ったヒアリングをもとにまとめたものだ。
女性宮家創設については、女性皇族の配偶者や子供にも皇族の身分を付与する案と、配偶者や子供には皇族の身分を付与しない案の2通りが示された。いずれも一代限りとしているが、将来、皇室典範改正などで、女性宮家から女系天皇が生まれる可能性もある。
日本の皇室は代々、男系の皇位継承が維持されてきた。その皇統の歴史を踏まえた男系維持にまず全力を尽くすべきだ。女性宮家が安易な女系天皇容認につながらないような配慮が必要である。
論点整理では、一部有識者が示した女性皇族の尊称保持案についても触れている。女性皇族が結婚後に宮家を創設せず、「内親王」の尊称を保持して皇室を支援するという考え方だ。しかし、民間人となった元皇族に特別の「身分」を与えれば、憲法の「法の下の平等」の理念に反するとの理由で「実施困難」とした。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121006/imp12100603240002-n2.htmより、
2012.10.6 03:23 (2/2ページ)
代わりに、国家公務員として公的な立場を保持しながら皇室を支援する案が示された。女性皇族が結婚後、「皇室御用掛」「宮内庁参与」などの役職に就くことを想定しているとみられる。女性宮家を創設せずに、元女性皇族が皇室活動への支援を続けることができる有力な案と思われる。
戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の意向で皇籍離脱を余儀なくされた旧11宮家の皇籍復帰論は、皇位継承資格の議論につながるとして検討対象から外された。
天皇陛下は3日、国賓として来日したマレーシアのアブドル・ハリム国王夫妻を迎える宮中晩餐(ばんさん)会に出席された。陛下が2月に心臓のバイパス手術を受けて以来、初めての晩餐会ご出席である。術後の経過が順調とはいえ、まだまだ無理のできないお体だ。
野田佳彦首相は2月の衆院予算委員会で、旧皇族の皇籍復帰も検討する意向を表明した。陛下のご負担軽減のためにも、旧宮家の皇籍復帰を含めた幅広い検討を改めて野田政権に求めたい。
http://mainichi.jp/feature/koushitsu/news/20121006k0000m040111000c.htmlより、
女性宮家:政府が論点整理、自民は批判
毎日新聞 2012年(最終更新 10月05日 23時17分)
政府は5日、「女性宮家」創設をめぐる論点整理を発表した。これを受け、創設に慎重な自民党議員は同日、急きょ会合を開き、論点整理の2案に強く反発した。政府は国民の意見を募るパブリックコメントを9日から約2カ月間行った後、皇室典範改正案の策定作業などに着手する方針だが、野党が参院で多数を占めるねじれ国会もあり、実現の見通しは立っていない。
「天皇制の根幹を揺るがす、看過できない問題だ」。自民党の有志でつくる「皇室の伝統を守る会」(会長・安倍晋三総裁)が5日開いた緊急役員会で、会長代行の古屋圭司衆院議員は政府を厳しく批判した。
論点整理は、天皇の子や孫にあたる今の内親王に限って、▽結婚後も皇族の身分を維持する女性宮家の創設を優先して検討▽結婚して皇籍を離脱した内親王が国家公務員として皇室活動を支援する−−の2案を併記した。
しかし、自民党などの保守派議員には、女性宮家が「女性・女系天皇容認論の布石になりかねない」として拒否反応が強い。
自民党有志が同日開いた会合で、集中砲火を浴びせたのは野田政権が「落としどころに」と狙った国家公務員案だった。古屋氏は「政府のヒアリングで全く出ていなかった案だ」と指摘し、出席した他の十数人の議員も「皇族の方を公務員にというのは失礼だ」などと批判。パブリックコメントの実施にも反対することで一致した。
http://mainichi.jp/feature/koushitsu/news/20121006k0000m040111000c2.htmlより、
政府は当初、皇籍を離れて民間人になった内親王が、称号だけ保持して皇室活動を行う案を探ったが、「法の下の平等に反する」として断念。さらに「次善の策」の国家公務員案も自民党の反発を受け、実現の道筋は一層見えなくなった。藤村修官房長官は同日の記者会見で、皇室典範改正案の国会提出時期について「必要なら当然、来年になるが、厳密には決まっていない」と述べるにとどめた。【阿部亮介】
◇女性宮家創設論点整理のポイント
・婚姻後も皇室にとどまる女性宮家創設案の検討を進めるべきだ。配偶者や子に皇族の身分を付与する案と、付与しない案がある。
・皇籍離脱後も尊称を保持する案は実施困難。国家公務員として公的な立場を保持する案も検討対象。
・制度改正の対象を天皇の子と孫に当たる内親王に限定。新制度適用は女性皇族本人の意思を反映する。
・男系男子による皇位継承を規定する皇室典範第1条には触れない。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121005/k10015551441000.htmlより、
政府“女性宮家 創設検討すべき”
10月5日 19時19分
政府は皇室制度を巡って、皇族の減少に一定の歯止めをかけるため、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設を検討すべきだとしたうえで、皇室を離れても国家公務員として皇室の活動に参加できる案も盛り込んだ論点整理を公表しました。
政府は将来、皇族の数が減り、皇室の活動を維持するのが困難になることが懸念されるため、女性皇族が結婚で皇室を離れる今の制度を見直す必要があるとして、皇室典範の改正も視野に、ことし2月以降、有識者からヒアリングを行い、論点整理をまとめ、藤村官房長官が記者会見で公表しました。
それによりますと、皇族の減少に一定の歯止めをかけるため、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」を、一代に限って創設することを検討すべきだとしています。
そのうえで、結婚した夫や子どもも皇族とする案と、皇族としない案が併記され、さらなる検討が必要だとしています。
また、女性皇族が結婚で皇室を離れても、「内親王」などの尊称を贈って活動を続けてもらう考え方については、法の下での平等を定めた憲法に抵触する疑いがあり、実施は困難だと指摘し、代わりに、国家公務員として皇室活動に参加できる案も検討に値するとしています。
そして、いずれの場合も、皇族の規模を適正な範囲にとどめることで財政支出を抑制するとともに、制度見直しの影響を受ける皇族を少なくするため、見直しの対象範囲を、天皇と血縁関係の近い子や孫の「内親王」に限定することが考えられるとしたうえで、女性皇族が本人の意思で選択できるような仕組みにする必要性があるとしています。
さらに、今回の制度見直しにあたっては、男系男子による皇位継承を規定する皇室典範第1条には触れないことを大前提とするとしているほか、戦後、皇籍を離脱した旧宮家の男系男子の子孫が皇籍に復帰することは、皇位継承資格の議論につながることから、検討の対象にしないことが適当だとしています。
政府はこの論点整理を基に、今月9日から2か月程度、皇室制度の見直しに関する意見を国民から広く募るとともに、与野党の議論なども踏まえて、方針をまとめる考えです。
これに関連して、藤村官房長官は記者会見で、「論点整理の中のどの案を採用するのか、もしくは複数の案を併用するかについては、今後の国民各層の議論を踏まえながら、さらに検討を進める。そのうえで、必要があれば、国会に、皇室典範の改正案を提出していくことになる。厳密には決まっていないが、当然、来年のことになると思う」と述べました。
「女性宮家」の考え方浮上の背景は
「宮家」とは、天皇と皇太子以外の独立した生計を営む皇族の一家のことで、現在、秋篠宮家や常陸宮家など6つあります。
男性皇族の結婚や独立にあたって設けられますが、女性皇族は天皇や皇族以外の男性と結婚すると皇室を離れることになっているため、女性皇族の宮家はありません。
今の皇室は、天皇陛下の孫の代の男性皇族が秋篠宮ご夫妻の長男の悠仁さまだけです。
今後、皇太子ご夫妻の長女の愛子さまなど、8人いる未婚の女性皇族が結婚して皇室を離れると皇族の数が足りなくなり、皇室がこれまでどおりの活動を続けられなくなるという事態が予想されます。
こうしたなか、女性皇族が結婚後も皇室にとどまり宮家を設けるという「女性宮家」の考え方が浮上してきました。
政府は、8人の未婚の女性皇族のうち6人がすでに成年に達していることから、緊急性の高い課題として検討を進めています。
“妥当な判断で一歩前進”
政府の有識者ヒアリングで「女性宮家」の創設に賛成の立場で意見を述べた京都産業大学の所功名誉教授は、「厳しい制約のある今の皇室典範のままでは皇室を維持することが難しいのが現実で、皇族が年を重ねられるなかで議論が分かれているからといって放置しておくと、時間がたつにつれて解決は難しくなる。女性宮家の創設に可能性を開こうという判断は妥当なもので一歩前進だと思う」と話しました。
そのうえで、女性宮家を創設した場合に、結婚した夫や子どもも皇族とするかどうかについては「きちんと議論すべきだが、当面、必要なことは未婚の女性皇族が成年となられてその先どうなるかを考えることだ」と述べ、女性宮家の創設とは段階を分けて議論すべきだという考えを示しました。
“女性宮家の結論ありきか”
政府の有識者ヒアリングで女性宮家の創設に反対の立場で意見を述べた日本大学法学部の百地章教授は、「女性宮家の創設は女系天皇の誕生につながりかねず、男系の伝統を断絶してしまう危険性がある。ヒアリングで支持する声の多かった、結婚した女性皇族に尊称を贈るという案は、実現が困難だと決めつけられ、代わりに国家公務員にするという案が出てきて非常に唐突な感じを受けた。論点整理のまとめ方として不適切で、初めから女性宮家の結論ありきと思われてもしかたがないだろう」と話しています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012100500046より、
女性宮家、創設検討を提起=国家公務員化も併記-論点整理
政府は5日午前、結婚後も女性皇族が皇室にとどまることを可能にする「女性宮家」創設をめぐる論点整理を公表した。女性宮家創設案と、結婚した女性皇族が国家公務員として、皇室活動を継続する2案を併記した。政府は今後、皇室典範改正について、来年の通常国会への改正案提出も視野に作業に着手したい考えだが、取りまとめは難航が予想される。
結婚により皇室を離れた後に「内親王」などの尊称を保持する案に関しては、有識者ヒアリングで提案されたものの、「法の下での平等を定めた憲法に抵触する恐れがある」(政府関係者)ことを踏まえ、「実施困難」と明記した。一方で、結婚により皇室を離れた女性皇族が国家公務員として、公的な立場から皇室活動に当たる案についても、検討を進めるよう指摘した。その際、「皇室輔佐(ふさ)」や「皇室特使」などの新たな称号を保持することにも触れた。
皇室典範12条は女性皇族が天皇および皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れると規定。政府は2月から7月にかけて有識者ヒアリングを実施し、女性宮家創設の是非を検討していた。しかし、男系男子の皇統維持を唱える有識者らを中心に、女性宮家への慎重論が根強いことから、論点整理では両論併記の形を取った。
藤村修官房長官は5日午前の記者会見で、論点整理の公表を受け、9日から国民への意見募集を実施する考えを表明。その上で、「内閣官房でさまざまな意見を整理し、必要な法改正があれば、そこから手続きが始まる」と述べた。(2012/10/05-13:18)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121005/k10015540101000.htmlより、
政府 女性宮家の論点整理を公表
10月5日 12時18分
藤村官房長官は記者会見で、皇族の減少に一定の歯止めをかけるため、女性皇族が、結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設の検討を進めるべきだとしたうえで、皇室を離れても国家公務員として皇室の活動に参加できる案も併記した論点整理を公表しました。
政府は、将来、皇族の数が大幅に減るおそれがあるなかで、皇室の活動を維持していくためには、女性皇族が結婚で皇室を離れる今の制度を見直す必要があるとして、皇室典範の改正も視野に、ことし2月以降、有識者からヒアリングを行い論点整理をまとめ、藤村官房長官が、5日の記者会見で公表しました。
それによりますと、皇族の減少に一定の歯止めをかけるため、一代に限って、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設の検討を進めるべきだとしています。
そのうえで、結婚した夫や子どもも皇族とする案と、皇族としない案が併記され、それぞれ長所短所があり、さらなる検討が必要だとしています。
また、女性皇族が結婚で皇室を離れても「内親王」などの尊称をおくって活動を続けてもらう考え方については、法の下での平等を定めた憲法に抵触する疑いがあり、実施は困難だと指摘し、代わりに、国家公務員として皇室活動に参加できる案が示されています。
そして、いずれの場合も制度改正を極力最小限にとどめるため、見直しの対象範囲を天皇と血縁関係の近い子や孫の「内親王」に限定することが考えられるとしたうえで、女性皇族が本人の意思で選択できるような仕組みにする必要性があるとしています。
これに関連して藤村官房長官は、「これから2か月ぐらいかけて、国民から意見を寄せてもらい、それを集約して必要な法改正の手続きに入りたい」と述べました。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012100501001530.htmlより、
政府・論点、女性宮家創設が柱 内親王に限定
2012年10月5日 11時39分
政府は5日午前、女性皇族の結婚後の皇室活動に関する論点を公表した。皇室にとどまるために「女性宮家」を創設する案について「検討を進めるべきだ」と明記。対象は天皇の子と孫に当たる内親王に限定し、夫や子に皇族の身分を与える案と与えない案を併記した。皇籍離脱後に「内親王」など尊称を保持して皇室活動に関わる案は「実施困難」と位置付けた。身分を国家公務員として皇室活動を継続する第3案も検討対象とした。
政府は論点整理を受けた国民的議論を踏まえ、女性宮家創設の具体案を詰める。来年の通常国会への皇室典範改正案提出を目指す。(共同)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201209290183.htmlより、
中国新聞 ’12/9/29
女性宮家、方向性出さず 政府、10月に論点公表
政府は29日、女性皇族の結婚後の皇室活動に関する論点を10月に公表する方針を固めた。結婚後も皇室にとどまるために新たに「女性宮家」を創設する案と、結婚して皇籍を離脱した後は「尊称」を保持して皇室活動に関わる案を併記する見通しだ。政府は当初、女性宮家創設を目指した。しかし有識者ヒアリングで異論が根強かったため、明確な方向性を打ち出さないことにした。
政府は整理した論点を基に、国民の考えを聞くパブリックコメント(意見公募)を実施するほか与野党の国会議員から意見を聴取。その上で皇室典範改正案を検討する。ただ内閣改造や衆院選によって政府対応が変わる可能性もある。
現在の皇室典範は「皇族女子は天皇および皇族以外の者と婚姻したときは皇族の身分を離れる」と規定している。女性宮家創設には皇室典範の改正が必要となる。
また女性皇族が結婚後も皇室にとどまる場合に、夫と子どもを皇族とするかどうかは両論を併記する。女性宮家の対象とする皇族の範囲に関しては、皇太子ご夫妻の長女愛子さま(10)、秋篠宮ご夫妻の長女眞子さま(20)、次女佳子さま(17)の「内親王」に限定すべきだとの意見が多かったと明記する方向だ。
政府が2~7月に実施した有識者ヒアリングでは、女性宮家創設に「父方に天皇がいない女系天皇の誕生につながる」との慎重論もあった。両論併記にとどまったことで「実現は遠のいた」(政府関係者)との見方も出ている。
一方、尊称案は、有識者ヒアリングで「女性皇族が結婚後も皇室活動に関与してもらうべきだ」との認識でほぼ一致したのを受けて盛り込む。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120929/k10015386421000.htmlより、
政府 女性宮家などで論点整理
9月29日 19時37分
政府は、皇室の活動を将来にわたって維持していくためには今の制度を見直す必要があるとして、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」を創設する案と、皇室を離れても国家公務員として皇室の活動に参加できる案を盛り込んだ、論点整理をまとめました。
政府は、将来皇族の数が大幅に減るおそれがあるなかで、皇室の活動を維持していくためには女性皇族が結婚で皇室を離れる今の制度を見直す必要があるとして、皇室典範の改正も視野に、ことし2月以降有識者からヒアリングを行い、このほど論点整理をとりまとめました。
それによりますと、皇族の減少に歯止めをかけるため、女性皇族のうち、天皇の子や孫の「内親王」が結婚後も本人の意思によって皇室にとどまれる、「女性宮家」を一代に限って創設する考え方を示したうえで、結婚した夫や子どもも皇族とする案と、皇族としない案が併記されています。
また、ヒアリングで多くの有識者が提案した、女性皇族が結婚で皇室を離れても「内親王」などの尊称を贈って活動を続けてもらうという考え方については、法の下での平等を定めた憲法に抵触するおそれがあり、実現は難しいと指摘し、代わりに国家公務員として皇室の活動に参加できる制度を新たに設ける案が示されています。
政府は、「女性宮家」の創設を巡って、「女系天皇につながる」などとして反対する意見が根強くあることも踏まえ、近く論点整理を公表し、国民の意見を幅広く聞いたうえで、来年の通常国会への提出を目指して皇室典範の改正案を取りまとめたい考えです。