尖閣問題 中国が領空侵犯「危機を広げたいのか」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121231/k10014542051000.htmlより、
尖閣諸島沖 中国船対応で越年の巡視船も
12月31日 18時50分

尖閣諸島周辺の海域では、中国当局の船が31日も日本の領海内に侵入しました。
中国当局の船がことし、この海域で領海やすぐ外側の接続水域を航行した日数は、去年の7倍に上っていて、海上保安庁の一部の巡視船は現場で警戒に当たりながら年を越します。
尖閣諸島周辺の海域では、31日午後、中国の海洋監視船3隻が日本の領海内に侵入しました。
海上保安庁によりますと、ことし、中国当局の船が、この海域で領海やすぐ外側の接続水域を航行した日数は、合わせて91日と去年の7倍、日本の巡視船と中国漁船の衝突事件が起きたおととしに比べても3倍以上と、これまでで最も多くなっています。
領海への侵入だけを見ても、23日と過去最多で、海上保安庁は全国の巡視船を投入し、年末年始も態勢を強化し続けています。
静岡県の下田海上保安部から、今月19日に派遣された巡視船「あまぎ」もそのうちの1隻で、乗組員およそ40人は現場で警戒に当たりながら年を越します。
海上保安庁は、今後、尖閣諸島を担当する沖縄の第11管区海上保安本部の巡視船を増やし、各地からの派遣を減らしながら長期化に対応できる態勢を整えることにしています。
一方で、尖閣諸島を巡る事態は、中国側が海洋当局の航空機による領空への侵入や接近を始めたのに対し、海上保安庁ではなく自衛隊の戦闘機がスクランブル=緊急発進するという新たな段階に入っており、日本側は、事態をエスカレートさせず、万全の警戒態勢をとるという難しい対応を迫られています。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121230/plc12123003220005-n1.htmより、
産経新聞【主張】中国機侵入 領空を守る措置は十分か
2012.12.30 03:21

 領空侵犯に対処する航空自衛隊の任務や権限が、曖昧なまま放置されている。
 わが国固有の領土である尖閣諸島をめぐり、中国の国家海洋局所属の航空機が領空侵犯や領空への接近を繰り返している現状を考えれば、対領空侵犯措置は明確にしておく必要がある。
 自衛隊法84条は、外国航空機が国際法に違反して日本領空に侵入した場合、これを着陸させるか領空から退去させるための「必要な措置をとれる」としている。
 空自はこれに基づいて、外国機が日本の防空識別圏に入るたび戦闘機を緊急発進(スクランブル)させ、無線での警告や警告射撃などの段階を踏んで、領空侵犯機に退去や強制着陸を命じる措置をとることになっている。
 だが、警告や警告射撃などの措置は公共の秩序を維持する「警察活動」とされ、武器使用は正当防衛に限られるなど、極めて抑制的にとらえられている。
 実際に警告射撃を行ったのが、昭和62年に旧ソ連の偵察機が沖縄本島上空などで領空侵犯を繰り返した際の一度だけ、ということにも示されている。
 警告を無視して侵犯した外国機に、どう対応するかも考えておかなければならない。その意味で空自の対領空侵犯措置は不十分であり、実効性のある抑止にならないところに問題がある。
 今月13日に初めて領空侵犯した中国国家海洋局のプロペラ機(Y12)は、その後も24日から3日連続で尖閣の領空近くまで接近するなどの行動を重ねている。
 中国機が再び領空侵犯した場合でも、空自は警告射撃を行うことには慎重だという。
 直ちに日本国民の生命や安全が脅かされることはないとの判断もあるようだが、相手の攻撃を受けた場合にどう反撃するかなどは、どうなっているのか。先送りすることは許されない。
 尖閣の「領有権問題」を強調するため、中国側が領空侵犯を繰り返し、空自を誘い出す意図を持っていないのかも警戒すべきだ。そのためにも、どの段階で警告射撃を行うかなどを明確にしておくべきだろう。
 政府公船による領海侵犯などの常態化に加え、空からも尖閣奪取の動きを加速する中国の行動をいかに抑止するかが安倍晋三政権に問われている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121229/plc12122903450002-n1.htmより、
産経新聞【主張】回顧2012 領土を守り自信取り戻せ ものづくりで経済力回復を
2012.12.29 03:18 (1/3ページ)

 日本を取り巻く国際環境がいかに厳しいかを思い知らされた1年だった。3年3カ月の民主党政権による内政・外交の迷走が最大の原因であり、それが国民の自信喪失に追い打ちをかけた。
 これを見透かしたように、習近平新体制となった中国は東シナ海などへの海洋権益拡大の野心をむき出しにした。わが国固有の領土・尖閣諸島の上空を初めて中国機が領空侵犯し、周辺海域を含む公船の侵犯も常態化した。年末の衆院選で復帰した安倍晋三政権に託された使命と責任は大きい。

 ≪国旗奪われて何もせず≫
 尖閣問題は、東京都知事だった石原慎太郎氏が「都で購入する」と表明した後、政府が慌てて国有化したが、実効統治強化に向けた措置を講じようとしなかった。
 中国側は「領土問題では半歩も譲らない」(温家宝首相)と強硬姿勢を強め、中国国内で日本排撃の嵐が吹き荒れた。反日デモで暴徒化した群衆は日系企業やスーパーを襲った。丹羽宇一郎駐中国大使の公用車も襲われ、国旗が奪われたにもかかわらず、日本政府は抗議しただけだった。
 日本領土への挑戦は、中国にとどまらなかった。ロシアのメドベージェフ首相が北方領土の国後島を再訪問し、韓国の李明博大統領も島根県・竹島に上陸した。北朝鮮は「衛星打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイルを発射した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121229/plc12122903450002-n2.htmより、
2012.12.29 03:18 (2/3ページ)
 日本が各国につけ込まれたのは野田佳彦政権が尖閣問題で「平穏かつ安定的な維持管理」を繰り返し、領海・領空侵犯にも明確な対抗措置を取らなかったことが大きい。抑止の源泉となるべき日米同盟は普天間飛行場移設問題が進展しないまま空洞化が進んだ。
 国内で気がかりなのは、多くの国民が長引く経済の沈滞もあって自信を失ってしまったことだ。
 企業の平成24年3月期決算で、電機大手のパナソニックが7721億円、ソニーが4566億円、シャープは3760億円と、いずれも過去最大の最終赤字を計上した。テレビ事業の不振が大きな理由だが、衝撃的な数字である。
 日本は長く家電製品や自動車を輸出して稼いできた。だが、昨年3月の東日本大震災を機に、貿易収支は赤字に転じた。原発再稼働が困難となり、火力発電用の化石燃料の輸入が増え続けている。
 笹子トンネル事故は、日本経済を支えてきたインフラの老朽化に警鐘を鳴らした。ものづくりこそ日本の経済力の中心であり、自信を取り戻さなければならない。
 教育の荒廃も目立った。中2男子が自殺した大津市のいじめ問題は、暴行容疑などで同級生2人が書類送検、1人が児童相談所に送致された。生徒アンケートで「自殺の練習をさせられていた」などの回答も明らかにされ、教育をめぐる問題の深刻さが示された。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121229/plc12122903450002-n3.htmより、
2012.12.29 03:18 (3/3ページ)

 ≪国民が結束するときだ≫
 米大リーグで活躍し、ひたむきなプレーで日本人を元気づけてくれた松井秀喜選手が引退を表明した。同選手の引退は残念だが、スポーツや学術・文化の世界では明るい話題も多かった。
 ロンドン夏季五輪で、日本は史上最多の38個(金7、銀14、銅17)のメダルを獲得した。
 競泳男子平泳ぎの北島康介選手は3大会連続2冠の期待があったが、個人種目のメダル獲得はならなかった。その北島選手を「手ぶらで帰らせるわけにはいかない」と後輩らが勇み立った。メドレーリレーでチームが団結し、みごと銀メダルを獲得した。
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製した山中伸弥京大教授が日本人2人目のノーベル医学・生理学賞を受賞した。山中氏は米国などとの競争に勝つため「オールジャパン体制で研究が必要」と訴えて、国の支援を得た。
 山中教授は「日の丸の支援のおかげで日本が受賞した。世界の難病の方にメード・イン・ジャパンの薬を提供したい」と語ったが、国民が自信を取り戻し、日本を元気にするには全ての分野で「オールジャパン」のアプローチが有効だ。日本人は団結すれば、一人で出せない力を発揮する。
 「再チャレンジ」を掲げて再登板した安倍首相率いる自公新政権にも、同じことがいえる。憲法改正や集団的自衛権の行使容認などの公約を掲げた新政権の課題は多く、震災復興にもスピードが求められる。今度こそ短命政権に終止符を打ち、日本再生を果たしてもらいたい。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012122902000135.htmlより、
東京新聞【社説】対中韓外交 着実に現実路線進めよ
2012年12月29日

 安倍政権の外交で取り組むべきは中国、韓国との関係修復だ。経済再生を第一に掲げるのなら、アジアの成長力を取り込む政策が必要になる。隣国との摩擦を拡大せず、協力体制を再構築したい。
 安倍晋三首相はまず韓国との関係修復に動きだした。島根県・竹島(韓国名・独島)について、自民党の衆院選政策集では二月二十二日を「竹島の日」として祝う政府主催の式典を催すとしていたが、来年は見送る方針だ。
 朴槿恵・次期大統領の就任式がその三日後に行われるため韓国側を刺激するのを避けたのだろう。賢明な判断だといえる。
 早期に首脳会談を開き、竹島や歴史問題とともに、日中韓自由貿易協定(FTA)交渉の進展や北朝鮮の核、ミサイル開発への対応などを話し合うべきだ。
 中国は沖縄県・尖閣諸島周辺の領海や領空への侵犯を繰り返す。安倍政権は海上保安庁の態勢強化を急ぐが、尖閣諸島に公務員を常駐させる案については「中国との交渉カードの一つ」との見解を示すなど、姿勢を軟化させた。
 安倍首相は六年前の就任後、中国との「戦略的互恵関係」を掲げて、小泉政権で悪化した関係の改善に努めた。総選挙中は強硬発言が目立ったが、今回も現実路線を進もうとする姿勢がみてとれる。
 政府は中国の海洋進出を警戒するオバマ米政権と緊密な協議を重ね、同時に習近平新指導部には、暴力的な反日デモを許さず、日本企業の投資環境を保証するよう強く求めたい。日中両国の緊張は、中国経済にとっても大きな損失になるからだ。
 菅義偉官房長官は植民地支配と侵略を認めた村山富市元首相の談話を踏襲するとし、従軍慰安婦で旧日本軍の関与を認めた河野洋平元官房長官談話については、有識者会議での議論が必要だとしながらも、「政治、外交問題にはしない」と述べた。
 二つの談話は歴代政権が継承してきた対アジア外交の基本理念である。見直しを明言すれば、中国や韓国との修復はまた遠のいてしまう。日本との同盟強化を目指す米国にしても、戦前の軍国主義への反省を無にするような歴史認識には厳しい批判があることを忘れてはならない。
 固有の領土を守り安全保障体制を強化しながら、中韓両国とは共通の利益を模索して「右傾化」批判を避ける。現実主義に立脚した外交を展開していきたい。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121226/k10014456161000.htmlより、
中国機 3日連続で尖閣に接近
12月26日 20時28分

尖閣諸島では、26日も中国当局の飛行機が島に接近し、領空侵犯はありませんでしたが、自衛隊機が緊急発進しました。
中国機による尖閣諸島への接近は3日連続で、防衛省は、中国側が定期的な監視飛行を開始した可能性もあるとみて、警戒を強めています。
防衛省によりますと、26日昼前、中国の国家海洋局所属のプロペラ機「Y12」1機が尖閣諸島に北西から接近しているのを、自衛隊がレーダーで確認しました。
航空自衛隊の戦闘機がスクランブル=緊急発進し、中国機は尖閣諸島の北およそ120キロで大きくUターンして、尖閣諸島から遠ざかったということです。
領空侵犯はありませんでした。
中国の同じタイプのプロペラ機による尖閣諸島への接近は3日連続で、いずれもほぼ同じ時間帯に似通ったコースを飛行しています。
中国の国家海洋局は尖閣諸島に海洋監視船を派遣している組織で、今月13日、所属機が初めて日本の領空を侵犯した際、「海と空から立体的なパトロール活動を展開した」と主張しており、防衛省は、中国側が監視船の派遣だけでなく、定期的な監視飛行を開始した可能性もあるとみて警戒を強めています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121224/k10014401841000.htmlより、
中国 報告書“尖閣で衝突も排除できず”
12月24日 23時8分

中国の政府系シンクタンクが、24日、国際情勢に関する報告書を発表し、沖縄県の尖閣諸島について、「島を巡る危機はさらにエスカレートし、衝突が起きる危険も排除できない」などと記述しており、今週発足する安倍新政権へのけん制のねらいもあるものとみられます。
中国の政府系シンクタンク「中国社会科学院」が、24日に発表した報告書「国際情勢白書」は、日本による尖閣諸島の国有化にふれ、「日中関係は国交正常化以来、最も深刻な状況に陥っていて、緊張した局面を外交ルートを通じて緩和させる政策の柔軟性は、大幅に狭まっている」と指摘しています。
また、中国政府は、尖閣諸島沖の日本の領海への侵入を繰り返すなど、領土問題の存在を認めさせようと圧力を強めていますが、報告書では、「日本がかたくなで、強硬な立場を続けていることから、島を巡る危機はさらにエスカレートし、衝突が起きる危険も排除できない」と記述しています。
さらに、報告書は「仮に日本が島に施設の建設や人員の常駐などを進めれば、日中関係や北東アジアの安全と安定は、さらに厳しい挑戦にさらされる」としており、報告書は、尖閣諸島を巡る対応で、今週発足する安倍新政権へのけん制のねらいもあるものとみられます。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012122400275より、
尖閣めぐり衝突可能性も=中国社会科学院が報告書

 【北京時事】中国新聞社電によると、中国社会科学院は24日、最新の国際情勢に関する報告書を発表、現在の日中関係は尖閣諸島の問題をめぐり、国交正常化以降、最も厳しい状況にあるとの見方を示し、「軍事衝突に発展するリスクを排除できない」と主張した。
 報告書は尖閣問題で両国民の反感が高まっているため、外交ルートを通じた緊張緩和策の弾力性が失われていると指摘。日本が「強硬な立場」を維持し、中国も「国家の領土主権を守る決心は揺るぎない」として、衝突の可能性を警告した。
 関係悪化の背景として、中国の国力増強で日中間の力のバランスが崩れたことや米国の「アジア回帰」戦略、日本の「右傾化」といった要素があると分析。日本の政府や「極右」が尖閣諸島への公務員常駐などの行動に出た場合、「中日関係と北東アジア情勢はより厳しい挑戦に直面する」と強調した。(2012/12/24-20:20)

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2012年12月15日(土)付
領空侵す中国―危機を広げたいのか

 中国国家海洋局の航空機が、尖閣諸島近くの日本の領空を侵犯した。両国の衝突につながりかねない極めて危険な行為だ。
 日本政府が尖閣諸島を地主から買って以来、中国の公船が周辺の領海にくり返し入り、領有権を主張している。だが、空への侵犯は初めてだ。
 領空侵犯は、深刻な新たな局面を招く。
 海の警察である海上保安庁が警戒するこれまでと違い、空の場合は軍事組織である自衛隊が侵入を防ぐ。今回も航空自衛隊の戦闘機が緊急発進した。
 自衛隊機が着いたとき中国機はすでに去っていたが、自衛隊出動という事態は、互いの対立が軍事レベルに拡大しかねない危険をはらむ。
 また、航空機の接近は、接触などの不測の事態もおきかねず、そうなれば直ちに惨事につながる。
 2001年には、中国海南島付近の南シナ海公海上空で、米軍の偵察機に中国軍機が近づいて接触、中国機が墜落する事件があった。
 日中の間で同じようなことがおきれば、国民感情の激化を制御できなくなる恐れもある。そのような事態は、だれの得にもならない。
 中国は尖閣を「中国固有の領土」とし、航空機の活動は「全く通常のもの」と主張した。公船とあわせて「海と空の立体パトロール」だという。
 尖閣諸島は日本が長く実効支配してきた。中国は歴史的な経緯を自国内には伝えず、最近の行動は力で現状を変えようとするものにほかならない。
 侵犯は、日本の総選挙の3日前になされた。
 日本政府は尖閣に「領土問題は存在しない」との立場だが、中国は新政権発足をにらみ、領有権争いの存在をはっきりさせる狙いとも見られる。
 だが、それは新政権の対中不信を招き、政策の選択肢を狭めるだろう。選挙では自衛隊の国防軍化や、憲法改正も論じられている。そうした声がいっそう強まることも考えられる。
 中国は、それを望んでいるとしか思えないようなふるまいだ。
 今回、中国機は低空を飛来したため、自衛隊のレーダーで捕捉できなかった。日本政府は早期警戒機の活用など、監視体制の強化を検討している。備えを万全にするのは当然だ。
 むろん、外交的な解決を探る努力は双方に欠かせない。事態を鎮める環境を整えるためにも、中国は挑発を直ちにやめるべきだ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121215k0000m070121000c.htmlより、
社説:中国機領空侵犯 目に余る挑発行為だ
毎日新聞 2012年12月15日 02時30分

 沖縄県・尖閣諸島の魚釣島付近で13日、中国国家海洋局所属の小型プロペラ機「Y12」1機が領空侵犯した。中国機による日本の領空侵犯は自衛隊が統計を取り始めた1958年以来初めてである。
 日本政府による9月の尖閣諸島国有化後、中国の公船が周辺海域に出没する事態が続いている。13日は海洋局の海洋監視船4隻が領海に侵入した。「海」に加えて「空」からも圧力を加えようとする意図が読み取れ、日本政府は尖閣をめぐる対立が新たな局面に入ったと見ている。
 日本は、領海侵犯には海上保安庁が基本的に対応するが、外国機の領空侵犯には、軍機でなくても自衛隊が対処すると定めている。今回も航空自衛隊のF15戦闘機などが緊急発進(スクランブル)した。
 中国側が、軍出動の口実づくりを念頭に、自衛隊を誘い出す目的で領空侵犯に踏み切ったとすれば、極めて重大だ。今回の領空侵犯は目に余る挑発行為と言わざるを得ない。
 習近平・中国指導部には、尖閣諸島の領有権をめぐる争いがあることを国際的にアピールし、国内向けには強い姿勢を示す狙いがあるのだろう。13日が旧日本軍による南京占領から75年にあたったことも関係しているのかもしれない。衆院選後の日本の新政権が尖閣諸島の実効支配強化に乗り出すことを警戒し、これをけん制する意図があったとの見方もある。軍や海洋局は対日強硬派が主導権を握っているとも言われる。
 しかし、威圧的な行動で尖閣問題を解決しようというのは国際社会のルールに明らかに反する。さらに、領空侵犯が繰り返されるようになれば、一触即発の事態に発展する可能性も否定できない。尖閣問題を収拾させる手段は外交しかない。習指導部はそのことを強く自覚すべきだ。
 日本政府が、領空侵犯について中国政府に抗議したのは当然である。また、一連の経緯は米政府にも説明したようだ。中国の理不尽な行動と尖閣をめぐる日本の立場を、米国やアジアなどの各国に繰り返し説明し、理解を求めなければならない。国際社会の視線は、中国を抑止する大きな力である。
 一方、今回の領空侵犯では課題も浮き彫りになった。自衛隊のレーダーで中国機を捕捉することができず、海上保安庁からの連絡で緊急発進した戦闘機は間に合わなかった。中国機が低高度で飛行したため、沖縄のレーダー網で捉えられなかったと見られる。
 防衛省は今後、空中警戒管制機(AWACS)や早期警戒機(E2C)を活用して固定レーダーを補完するという。今回のような事態を招かないためにも、南西諸島方面の警戒監視強化はぜひ必要だ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121214/plc12121403160002-n1.htmより、
産経新聞【主張】尖閣の領空侵犯 中国への対抗措置を急げ
2012.12.14 03:16 (1/2ページ)

 沖縄県・尖閣諸島の領空を中国国家海洋局所属の航空機が侵犯した。中国機による日本領空侵犯は初めてであり、中国が実力を行使して日本を威嚇した事態といえる。
 力ずくで現状を変更する行動は、地域の平和と安定を覆す脅威であり、日本は断固たる対応を取るとともに、抑止の態勢を強めなければならない。
 日本政府が中国政府に厳重抗議したのは当然だ。しかし、海洋局は「中国領空における海空一体のパトロール」だと発表している。習近平政権はさらなる恫喝(どうかつ)を行うとみられるだけに、日本は毅然(きぜん)と対峙(たいじ)し、屈服してはなるまい。
 今回、航空自衛隊の戦闘機は侵犯機に対し緊急発進した。藤村修官房長官が「主権の侵害に断固として対応する」と述べた通り、政府は警戒監視を強め、領土防衛のための態勢強化を急ぐべきだ。
 衆院選の最中にも、中国は、海洋監視船などにより尖閣周辺海域での領海侵犯を傍若無人に重ねている。今後は、空からの侵犯も常態化する可能性が出てきた。
 空自は無線での警告、警告射撃など段階を踏み、侵犯機に退去や強制着陸を命じる措置を取れる。これらはしかし、警察行動と位置付けられ、武器使用は正当防衛に限られる。法改正で領空を守る任務や権限を明確にしなければ、領空侵犯の繰り返しは防げない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121214/plc12121403160002-n2.htmより、
2012.12.14 03:16 (2/2ページ)
 今年9月の野田佳彦政権による尖閣国有化以降、中国公船の尖閣周辺の航行はほぼ連日で領海侵犯も13日までに計17回に上る。中国機に対する航空自衛隊機の緊急発進も、今年4~6月は15回しかなかったのが尖閣国有化以降を含む7~9月には54回と急増した。
 海洋権益の拡大を図る中国軍が、尖閣領有の既成事実化を狙って海と空で偵察や訓練を活発化させている事態を裏付ける数字だ。11月には、中国海軍初の空母「遼寧」で艦載機の発着艦訓練を成功させ、約6千トンと中国最大の漁業監視船も就役させている。
 衆院選の政権公約で民主、自民両党や日本維新の会が海上保安庁の人員・装備など警備体制の拡充を掲げ、特に自民党が「南西諸島に警察、海保、自衛隊を重点配備する」としたのは評価できる。
 今日の状況を招いたのは、尖閣で「極端な排外主義に陥ると日本が危ない」などとする政府の姿勢だ。事なかれ外交は日本を危うくしただけだと認識すべきだ。

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