原発40年廃炉 「原則を骨抜きにするな」

http://mainichi.jp/opinion/news/20130313k0000m070106000c.htmlより、
社説:原発40年廃炉 原則を骨抜きにするな
毎日新聞 2013年03月13日 02時31分

 原発の運転期間を原則として40年間に制限する。昨年6月に成立した改正原子炉等規制法に盛り込まれた新ルールだ。その例外として、運転期間の延長を認める基準作りを原子力規制委員会が始めた。4月に制度案をまとめる。規制委には「40年廃炉ルール」を骨抜きにしない、厳格な基準作りを求めたい。
 東京電力福島第1原発事故を経験し、私たちは脱原発の道を進んで行くべきだと訴えてきた。多くの国民も望んでいるはずだ。だから、自民党も昨年の総選挙で「原子力に依存しなくても良い経済・社会構造の確立を目指す」と主張したのだろう。
 そのための重要な原則が40年廃炉だ。旧民主党政権が掲げたものだったが、米国の制度を参考に、規制委が定めた基準(規制委員会規則)を満たせば、1回に限り最長で20年間の延長を認めることになった。
 だが、あくまでも延長は例外であることを忘れてはならない。新安全基準、既存の原発施設にも最新基準の適用を義務づける「バックフィット制度」と並び、原発の安全確保策の大きな柱となるからだ。
 原発は稼働に伴い老朽化する。原発の心臓部の原子炉圧力容器は、核分裂で発生する中性子を浴びてもろくなるし、高温、高圧の水が通る配管も次第に劣化する。国内には運転開始から30年を超えた原発が17基あり、うち3基は40年を超える。
 田中俊一・規制委員長も「40年くらいが一つの節目であると認識している」と話し、40年原則に一定の妥当性があることを認めている。
 規制委は、新安全基準や原子力災害対策指針作りで、外部有識者を含めた検討チームを設置し、会合を公開した。ところが、運転延長の基準作りでは、規制委と事務局となる原子力規制庁の内部作業だけで制度案を作るという。規制委は透明性の確保を心がけてきたはずで、公開の議論がなされないのは極めて残念だ。
 規制委は、原発の老朽化対策についてはこれまでも知識の積み重ねがあること、バックフィット制度の適用が延長の前提となることなどを理由に挙げる。技術基準を一から議論するわけではなく、国民の意見を募った上で最終決定するので、手続き上は問題ないと言う。だが、規制委の姿勢や制度案に疑問を持たれかねない。基準作りは7月の改正原子炉等規制法施行に間に合わせる必要がある。時間がないことから、公開の議論を嫌ったのならおかしい。
 田中委員長は11日、規制庁職員に「原発事故の罪がいかに重いか。二度と事故を起こさないよう、信頼される組織となるよう約束したい」と訓示した。透明性の確保は、信頼獲得の最優先事項ではないか。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1より、
朝日新聞 社説 2013年2月25日(月)付
日本原電―原発の後始末に着手を

 原発を専業とする日本原子力発電(日本原電)の行き詰まりが表面化した。
 敦賀原発(福井県)など、保有している原発を動かすめどが立たないなかで、4月に返済期日を迎える借入金の借り換えがむずかしくなった。
 とりあえず、原電の株主で電気も買っている大手電力4社を中心に、債務保証や資金支援でしのぐ方向だという。
 だが、当事者たちも認めるとおり、「一時的な救済策」にすぎない。
 日本原電がもつ休止中の原発3基は、敷地内で活断層の存在が指摘されたり、運転期間の寿命とされる40年をすぎていたり、地元自治体が再稼働に反対していたりする。今後も稼働は困難だと考えるべきだろう。
 事実上の清算処理を視野に入れざるをえない。
 やっかいなのは、ふつうの企業のように債権債務を整理して終わり、とはいかない点だ。
 使用済み核燃料の保管という問題がある。廃炉では、放射性物質に汚染された施設を、長い年月をかけて安全に処理しなければならない。すでに廃炉作業に入っている原発も1基ある。
 原電を整理する際、こうした負の資産を、責任をもって引き受ける受け皿が必要だ。
 貸手である金融機関の責任を問うにしても、新たな資金が必要になる。
 本来は事業者が廃炉に必要な費用を積み立てておくのがルールだが、予定より早く止まることもあり、原電は十分な積立金を確保できていない。
 電力業界全体も原発に代わる火力発電の燃料費増大などから経営環境が厳しくなっている。
 地域独占に安住し、もたれ合いのなかで原発依存を進めてきたツケがまわった形だが、一つのほころびが連鎖反応を呼びかねない。
 原発推進は国策でもあった。電力の安定供給に支障が出るようなシステム危機を避けるためにも、政治がきちんと関与していくべきだ。
 むろん、電力会社の経営への波及を恐れて、原発維持に動くのは本末転倒である。
 民主党政権下では、国内の原発を特定の事業体に集約し、安全管理や廃炉作業を担うといった考えも浮上していた。
 今後の原発政策全体をにらんで、原電の抜本処理を進めることが不可欠だ。
 だれが、どのように負担していくべきか。廃炉の技術や人材の確保を含めて、「原発の後始末」に早く着手しなければならない。

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