アユの感染症 「外来種のリスクに注意」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013071502000122.htmlより、
東京新聞【社説】アユの感染症 外来種のリスクに注意
2013年7月15日

 夏本番となり、清流ではアユの「友釣り」が最盛期を迎えた。だが、水温の上昇とともに気になるのが、海外由来の新しい病気である。外来生物がはらんでいるリスクをあらためて考えたい。
 病気は「エドワジエラ・イクタルリ感染症」。国内河川では、二〇〇七年に初めてアユの大量死が確認された。腹部がふくれ、出血斑が出るのが特徴。昨夏には、アユの本場として知られる岐阜県・長良川でも死亡魚が見つかり、被害の範囲は拡大している。食べても人体に影響はないとされるが、漁業被害や風評被害が心配だ。
 友釣りは、アユが縄張りを持つ習性を利用した日本独特の釣り。掛け針を仕込んだ別のアユを「おとり(友)」として送り込み、追い払うために体当たりしてきたアユを引っ掛ける。水温が上がって魚の動きが活発になる夏が盛期の風物詩だ。
 ところが、感染症も水温が高くなると発生しやすい。発症したアユは体力が落ちて闘争心が低下してしまうため、友釣りには掛かりにくくなる。
 もともとは東南アジアや北米のナマズ類の病気。感染経路ははっきりしないが、国内では、養殖された稚アユの河川への放流に伴い広がっているようだ。
 感染をこれ以上拡大させないための対策が重要だ。稚アユの保菌検査や、防疫体制に引き続き力を入れてもらいたい。養殖関係者や漁協に加え、釣り人の理解と協力も不可欠だ。他の河川のアユや養殖のおとりアユを、安易に放してしまわないよう心掛けたい。
 海外から日本に持ち込まれた外来種が、直接、間接的に生態系を壊したり、在来種を絶滅の瀬戸際に追いやる例は後を絶たない。
 例えば、食用魚として輸入された北米原産のブラックバスは、魚食性が強く、全国の湖沼で在来魚が激減した。
 ペットのミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)が逃げ、在来種のイシガメなどの生息場所を奪ったり、日本のクワガタムシと外国産の大型種が交雑する懸念はよく伝えられる。外国産カエルにつく致死性の高いツボカビも国内のカエルから見つかった。
 いずれも、人の手をへて自然界に広がる可能性の高い点に注意したい。自然をあるがままに残すのは難しいが、それができるのもまた人でしかない。多くの人が意識を高めることで、状況はかなり改善するはずだ。

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